Fly Fishing Shop
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どれだけあるの?
ハロップフライ
仕事場
本物??
■ フライショップは大変

  10月も半ばになると寒さも本格的になり、釣りに来る人も少しずつ減ってきます。夏の仕事が終わり、釣りに行く時間はたっぷりでき、結構ベイティスのハッチで、大きい虹鱒がパコパコライズするのですが、時には氷点下まで下がるこの時期は寒くて冷え性の私はそんなライズをみてもすぐにギブアップしてしまいます。

  よく「ビビアンのだんなは冬何をしているの?」と聞かれますが、デンバーで毎年9月に行われるタックルディーラーショー(来年からはラズベガスらしい)が終わるころから、来年のオーダーを考えるために、「棚卸し」を始めます。ハーミットさんをはじめ、どこのフライショップも同じだと思うのですが、フライショップというのは、ウェーダーやロッドのような大きいものから、ティペットやマーカーのようなこまごましたものまで、もう数えるものが多すぎて大変です。在庫のコンピューター管理ができる今でも、最後は人間の目で確かめなければならないのはどなたも経験なさっていることと思います。

  そんな面倒な棚卸しの中でも、一番大変なのは「フライ」です。私が日本にいたころは、マドラーミノーとかウェットフライとか、巻くのが難しいものは買ったりしましたが、一応不器用な私でもフライは巻きました。

 でもアメリカに来てからというもの、ぜんぜんフライをまかなくなりました。なぜなら、ありがたいことに釣れるフライがすぐ買えるからです。いくら時間をかけてもうまくまけない私にとってこんなうれしいことはありません。

 どんなフライショップでも自分たちの得意エリアのフライを数多くそろえていて、朝いって「今日○×川を釣りたいんだけど、どんなフライがお薦め??」と聞けば即お薦めフライを教えてくださいます。 そんなわけで、トラウトハンターにもすごい数のフライが並んでいて、実はその在庫確認が私の仕事なのですー。。。。

 数えることは簡単なのですが、シーズン中お客さんは適当にフライをケースに戻すのでサイズがごちゃごちゃになっているし、特にニンフのセクションなんかは「タングステンビーズヘッド」「ただのビーズヘッド」なんかがあって分けるのが本当に大変です。

 毎日毎日お店の片隅に座って、もくもくと数える私をお客さんは「なんてカワイそうなアジアの女の人でしょう。」といった同情の目で見ています。でもおかしいのは、フライのケースにときどき本物のカディスが入っていて、「これをつけて流したら釣れるかなあ」なんて思ってしまいます。

  ハウス オブ ハロップのフライも、もちろん私が数えますよ。数えるのも大変なのに、大量のフライを綺麗にを巻かれるレネさんやボニーさんにはもう頭があがりません。特にノンハックルダンはレネさんだけがまかれるとかで、数えるときも、ウィングを壊さないようにそっと数えます。

 DOUG SWISHER とCARL RICHARDがヘンリーズフォークにきて調査を重ね、1975年発刊の「SELECTIVE TORUT」でこのノンハックルダン サイドワインダーを紹介していますが、後に出た「Fly fishing strategy」には彼らがこのフライを発展させるためにセントアンソニーに住むレネさんを訪ねたと書かれています。そんな歴史をもつこのフライに助けられたことでしょう。本当にこれで釣れるのかなあとはじめて使うとき思いましたが、アームストロング・スプリングクリークのPMDハッチの時も、ヘンリーズフォークのマホガニーのハッチの時も、このフライに魚が出てくれました。日本で使ったことがないのですが、効果はどんなものか試してみたいものです。 そうそう「数えるときは日本語?英語?」とレネさんに聞かれました。もちろん「いち に さん。。。」日本語です。きっとずっと日本語で数えることになりそうです。

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