Fly Fishing Shop
 Expert Advice and TOP-of-the-Line Gear Hermit フライフィッシングの世界へようこそ   TOP  ◆ ハーミットは JR水道橋駅からすぐ! ◆
かっこよすぎるおじさん
モンタナブルーグラズ
元気なレインボーが釣れました
ノーザンパシフィック
熟年トラウトバム
釣りに行くならこの車
■ フライフィッシャーマンとブルーグラス

 よい季節がやってきました。フィールドにはワイルドフラワーが咲き、バッファローの群れには赤ちゃんバッファローが加わり、のんびりと草を食べています。フライショップの準備もだいたい終わったので、マジソンやヘンリーズフォークが解禁になる5月はじめ、モンタナの春を探しに北を目指しました。目的地はカナダとの国境の小さな町LIBBY。モンタナ州には郡が56あるのですが、LIBBYのあるリンカーン郡の車のライセンスナンバーの郡番号は一番最後の56。かつてはカナダからの物資の運搬やシカゴからの鉄道でにぎわった町も今はしずかにモンタナの古きよき時代の面影を残しています。

 そんな町のはずれに「KOOTENAI Angler」という小さなフライショップとロッジ、レストランを営むDAVEさんを訪ねました。DAVEさんは昨年の山火事で家が燃えるなど随分大変な思いをなさっているそうですが、そんな苦労など人前ではみせず、自分でのこぎり片手に家を直すあかるくて力強くてやさしいモンタナフライフィッシャーです。フライショップの横に流れるKOOTENAI リバーはカナダに水源を発し、KOOCANUSA(KOOTENAIとCANADA、USAをくっつけた名前)ダムのテールウォーターとしてLIBBYを流れ、最後はコロンビアリバーと合流して太平洋に注ぐ川です。流れはとても太いので、ビジターではアクセスするところがわかりにくく、ボートトリップが主流だそうで、早速明日のガイドトリップを予約。あとは、フライショップのとなりのバーで川を見ながら冷えたビールです。

 思いがけないことにその日はDAVEさんとそのお友達がブルーグラスのバンドを組んでいてその練習をバーでしていましたので、ここちよいブルーグラスの音色ががますますモンタナの片田舎の雰囲気を高めてくれました。もしかしたらこれはやさしいDAVEさんの心遣いだったのかなあと今になって思っています。ウエストイエローストーンでもそうですが、フィッシングガイドさんたちは結構ギターやマンドリンがひけて、DAVEさんのようにバーやコーヒーショップでブルーグラスを奏でています。みんないい年のおやじさんなんですが、なんかとってもかっこいい!!

 翌日は、ガイドさんとフロートトリップ。川の流れが太くて、どこを釣っていいのかわからなかったのですが、そこはフィッシングガイド。底石がどこにあるか、ちゃんとわかっていて、確実につれそうなポイントにボートをこいでくれました。川底から、魚が弾丸のようにフライに飛びついてくるので最初はあわせるのが大変でしたが、なぜか12番くらいのアントで14インチぐらいのレインボーが結構つれました。あんまりたくさん釣れるので、ガイドさんは「じつはBWOがいいんだ。見えにくいけど試してみるかい?」とBWOのフライを結んでくれましたが、魚がでてもこの川の流れのきらめきにフライが見えず、退却。平日だったからか他に釣り人はいなくてのんびり釣りができました。うまくキャストができて、メンディングもかんぺきと思っていたらログジャムにすむ大きな魚が出てきて、あまりにもの大きさにびっくりしてかけそこねました。残念!!ガイドさんは「あの魚は商工会議所にかざってある魚と同じくらい大きかったぜ」と悔しがっていましたが、そんな表現がこれまたいいじゃないですか。向こう岸にはシカゴに向かう列車が汽笛をならして走っています。「リバーランズスルーイット」の著者ノーマン マクリーンもこの鉄道でシカゴに向かったのかな?

 DAVEさんは「マジソンやヘンリーズフォークに比べたらぜんぜんサイズは小さいけれど、元気な魚がたくさんいるし、なんたって家の目の前が川だからね。」とKOOTENAI リバーをとても誇りに思っているようです。森林局を止め、ミズーラやケリスペルに出ればもっと便利な暮らしが出来るけれど、DAVEさんはKOOTENAI リバーのほとりでバンジョーを引きながらフライフィッシングを楽しんでいます。奥さんはこんなだんなさんにあきれながらも、キャビンの掃除やレストランの調理など影でしっかりとDAVEさんを支えているようでした。帰りに夫と二人で並んでいるのをみたら、ふたりともいい年だけれども目だけは少年のようにきらきらしていました。モンタナに生きるフライフィッシャーにはジーンズとブルーグラスがとても似合うと思わずにはいられませんでした。