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マザーズデイベイティス??
たくさんの女性フィッシャーが集まりました
男性スタッフは裏方
モリーさんの10分間キャスティング講座
フィッシングガイドのアリスさん
彼女がシムスのカタログモデルです
今年話題のハックルヘアー
 
 
■アメリカの女性フライフィッシャーたち

 5月になり、新緑が美しいころかと思います。東北の方々の心にも新しいエネルギーをもった新芽のような希望が芽吹いてくれることをお祈りするばかりです。

 こちらモンタナも少しずつ夏のBIGSKYを感じるようになりましたが、今年の冬は雪が多く、4月初めには例年の160%の積雪量だったところもあり、ウエストイエローストーンなどはまだまだ雪がたくさん残っているようです。5月8日の母の日にはマザーズデイカディスと思いがちですが、なんと今年はマザーズデイベイティス。5月半ばにやっとベイティスのスーパーハッチでした。が。。。その週の水曜、マジソン川にいってみると、なんと今度は待望のカディスのスーパーハッチ。魚が狂ったようにライズしていました。たった3,4日内に大きな変化です。全く先が読めない天候ですが、前述のように今年の降雪は例年にない大雪でしたので、どこの川も7月下旬にならないと落ち着かないかもしれませんし、みんな「1996、1997年のイエローストーン川の洪水のときみたいにならなければいいのだけれど」と心配顔です。

 5月4日にボーズマンの老舗フライショップ「リバーズエッジ」で毎年恒例の女性フライフィッシャーのミーティングがあったので参加してきました。個人的には「男性限定」といったものには女性から差別だと文句がでるのに「女性のための。。。」という言葉に文句がでないのは変だなあと思うのでそういった集まりはなにか抵抗がありますが、職場から5分もかからないし、お土産ももらえるらしいといってみることに。。。全く全くいい加減な私です。

 1496年にジュリアナ・バーナーズさんという女性修道士がイギリス紳士の教書にフライフィッシングのことを書き、アメリカではジョアンウルフさんのような素晴らしい女性キャスターがいらっしゃるというのに今だアメリカといえどもフライフィッシング界は男性中心。ブルーリボンフライズの大ベテランフィッシャージャッキー・マシューズさんにさえ「だれか男の店員はいないのかい?」などという人がいてびっくりしたことがあります。お気に入りの場所で一人で釣っていると、来た男性フライマンたちに、いろいろフライフィッシングをレクチャーされてまいることがあります。

 私は日本にいたときもウエストイエローストーンにいたときも、毎週毎週川に通っていました。よく一人で釣りに行きます。特にブルーリボンフライズにいたころはお客さんに生の情報を提供するために、仕事の前、仕事の後30分でも釣りに行って自分の足で情報をかせいでいました。最初は「アジア人の小さな女性になにがわかる」といったお客さんの差別的な言動に悲しい思いもしましたが、最後の年には「その川のことはMINORI(ビビアン)にきけ」といってもらえることも多くなりました。最近の流行やファッション追求型の女性フライフィッシャーのような華やかさが残念ながらないけれど、自分はハードコアなスピリット女性フライフィッシャーだと思っています。(笑)

 リバーズエッジにはセラさんという女性のフライフィッシングエキスパートがお勤めで彼女が毎年このイベントのコーディネイトしていますし、女性のためのフライフィッシングクラスを開いたりしてとても積極的です。

 日本では男性が女性を教えるって感じになってしまいがちですが、この日はお店のベテランフライマンのジムさん、マイクさん(もちろん男性)は彼女の指示でノットのデモンストレートや飲み物の用意など、裏方に回っています。

 女性キャスティングインストラクターのモリーさんの10分間キャスティング講座やビッグスカイにあるフライショップ「ギャラティンリバーガイド」の女性オーナーのベッティーさんのお話、「ファイヤーフォールランチ」のフィッシングガイドのアリスさんのガイド話などフライフィッシング界で大活躍する女性フライフィッシャーが多く集まり、とても刺激になりました。アリスさんはガンガンの瀬のマジソン川だってドリフトボートを平気でこいじゃうスーパーウーマンでそこらのシーズンだけの男性ガイドなんかよりずっとすごい腕利きガイドです。ヘンリーズフォークアングラーズで働いていたこともあり、ヘンリーズフォークも詳しいのでとても頼りになりますから、ガールフレンドや奥さま連れで釣行なされるときにはアリスさんのような女性ガイドもいいかもしれませんよ。

 集まった人たちも、本当に積極的で女性エキスパートたちにどんどん質問をするので、なかなか前に進まない場面もありました。また日本では若い人が多いのかもしれませんが、ご年配の方も多く見られ層の厚さも感じました。こちらの女性っていくつになっても元気で、たとえばジョアン・ウルフさんやファニー・クリーガーさん(メルクリーガーさんの奥さま)たちはグレーヘアーになられてからもすばらしいキャスティングや釣りテクニックで、とても魅力的です。

 もちろん女性ですから、ファッションには敏感で、SIMMS社の女性スタッフが自らモデルになっての女性用プロダクトのミニファッションショーや美容師さんがきて今流行のハックルを髪につけてあげたりと男性フライフィッシャーの集まりには見られない光景もありました。

 今年のSIMMS社のカタログのモデルさんはSIMMSの社員。彼女ももちろん今回のファッションショーのモデルの一人として大活躍。足が長いし、きれいだし、なにを着てもサマになるのでうらやましい限りです。余談ですが、私の感じでは、164cmの私はUSサイズ(たとえばパタゴニア社)だといつもはSサイズかXSサイズなのですが、今年のSIMMS社の女性用フィッシングシャツは全体に女性の体型にあわせたシェープされたスリムな感じで、私がSサイズを着るとちょうどというかぴったりフィットな感じがします。単に私が太ったのとおばさんなのでゆったりしたのが好きなのでそう思うだけかもしれませんが、興味があるかたは試着されたほうがいいかもしれません。

 日本も「山ガール」に続いて女性の釣りブームだとか。アメリカの女性フィッシャーのように一人でも釣りができるにかっこいい、でもときにはかわいい一面をもったそんな女性フライフィッシャー増えるといいですね。シムスのカタログにもありましたが、女性フィッシングガイドや女性フライフィッシャーが増えれば、もっと女性用のフィッシングプロダクトが増えてくるはずです。女性用がないと嘆くのではなく、一流のフライの道具はなくても川と魚、そしてフライフィッシングをしたいという情熱さえあれば釣りはできるのです。魚は老若男女、貧乏金持ちを問わず、皆に公平なのですから。