老人と海の世界を妄想した夢追い二人旅(セイルフィッシュ チャレンジ)

釣り人ならば一度は読んだことがあるだろう、アネースト・ヘミングウェイ著の『老人と海』。老人が小舟でカジキを釣る話だが、魚を掛けてからキャッチするまでに3日を要し、さらにそのカジキは港へ着くまでに鮫に食い尽くされるので、残ったのは骨だけ。釣り人は釣ったという事実さえあれば満足なのである。僕らはそんなロマンを抱き続ける釣り人たち。還暦をとうに過ぎた二人は初老というよりはすでに老人だろうか。タイトルを『老人たちと海』とするのがピッタリではないか。

よくよく考えてみればJGFAに所属する僕らのクラブ名は「ブルー・ウェオーター・ブルーツ(海の荒くれ者)」。トラウトフィッシングも大好きだけれど、それと同じくらい若い時から海の魚を追い続けているフライフィッシャーマンの集団なのである。

昨年、久しぶりに挑んだフライで狙う日本のセイルフィッシュ。この釣り方は独特で、魚をキャッチするためには複数人で狙うチームワークが必要な釣り。昨年にこのセールフィッシュの予約を入れる時にすぐに思ったのはその相棒としての適任者。いるではないか、我がクラブに。それもこの業界の有名人である東 知憲氏。彼との付き合いは彼が東京の大学に出てきてからになるのだから、もう43年近くにもなる。同い年で誕生日も2週間ほどしか離れていないが、お互いにジジイになりましたなぁ。

東くんはご承知の通り世界のフライフィッシングを渡り歩き知り尽くす強者で、セイルフィッシュに関しての知識は半端なく、その経験も豊富。それに僕らブルーウォーブルーツのメンバーはかつて鹿児島県の甑島でセイルフィッシュを狙い鍛えたので、日本と海外とを比較してその改善点を僕らなりに分かっているつもりである。

二人が揃えば過去の道具を持ち寄るだけで必要なものは揃うわけで、あとは僕らに必要なのは天候と魚に恵まれる時の運。体はジジイになっても二人が出会えば、それは若き日の夢を追い求める少年の目。釣る前から日本記録申請の手順をどうするかという心配するポジティブな輩。

そんな僕らが出掛けた4日間。
気になる方は以下をご覧くださいまし。

朝焼けを疾走する
昨年に予約を入れる時点で、すでにその半分以上の日程は埋まっていた。僕らは土日に縛られる必要がないので、それ以外の釣れそうな日を予約。僕ら二人は出発まで全く会わずに当日長崎へと向かったのだが、全ての準備が問題がないという素晴らしさ。昨年もお世話になった『Seasonal』は新造船になり33フィート2機掛け300馬力という、船長の思いが込められた超快適な船です。
シーズナル
森下船長から現況を聞くヒガシ先生。釣り場までは1時間以上掛かるので、僕らは色々な話をしましたよ。それにしてもこの船、本当によくできている素晴らしい船なのですが、これからも手を加える様なので、さらに進化するとのこと。
ヒガシ先生のキャスティング
現場へ到着するとすぐに、というか到着する前にハネを発見。すぐにカジキに擦り寄ってキャスティングを開始。尾鰭を出して泳ぐ魚との距離はわずか20mといった所。群れは6〜7匹でその前に彼がドンピシャのタイミングで魚の前へキャストするものの、無反応。残念ながら喰いっけが全くない個体でした。
ティボーリールと私
前日まで大シケだったので、「こりゃ釣れちゃうでしょ!」と、盛り上がる二人。しかし魚のハネは少なく、キャスティングではその射程距離に入ってくる個体はなかなかない。中弛みの時間が多くなってきた所で、釣り方をティーザーに切り替える。新しくなったアスキス12番を使って大きなポッパーパターンでキャスティング練習。手首の負担が少なく快適なロッド。
ソフトヘッドルアー
ティーザーとは”焦らす”や”からかう”という意味。なのでティーザーにはフックは無い。通常のトローリング用コナヘッドと違う所は、頭の部分がソフトヘッドで若干軽めにできており、噛みつかれても違和感がない硬さ。さらにこの下にベリーベイトというシイラの切り身を付けるのだが、前日がシケで魚が手に入らなかったので今回はこのまま引く。
ティーザーの仕組み
今回引っ張るティーザーは2種類で、魚をおびき寄せるヒコーキとラビットを組み合わせた水面をにぎやかにするもの。それと前述のソフトヘッドの二種類。僕らは右利きなので、ラビットとヒコーキの組み合わせは右舷(後方に向かって左)の近い場所にセット。そしてソフトヘッドはその後方の引き波外側の左舷(後方に向かって右)にセット。ソフトヘッドのルアーにセイルフィッシュが喰いついてきたら、タックルを用意したフライマンが左舷後方に立ち、手が空いている一人がソフトヘッドルアーを操作して仕掛けを徐々に回収して左舷に入る。魚との距離が縮まった所で、ルアーをピックアップして船をニュートラルにし、それとほぼ同時にフライを投げ込むというもの。するとセイルフィッシュは探していたルアーが無くなり、代わりに現れたフライに喰いつくというもの。この釣りは最低限この3名が必要だけれど、ヒコーキを回収するための要因がもう一人いるとありがたい。僕らはこんな面倒な釣りをしているんです。
釣船
新造船はフロントデッキがとても広く、前に突き出るレール付きのバウデッキがある。スターン(大トモ)にも体を預けられるレールが左右にあるので、釣り人はここに体を預けながらキャスティングを繰り返す事ができる。デッキ前面には滑らない素材が敷き詰められ、まさに釣り仕様の釣船。
フライフィッシング
二日目は魚が少なく前日の半分ほどの跳ね。ティージングベイトについてくる魚もない。そんな中、跳ねた魚に船長が鉤無しルアーを投げるとセイルフィッシュが喰いつく。フックがないからそのまま抜けるのだけれど、抜けた後もついてくる。するとそのセイルがソフトヘッドのティーザーに付いたので初めてチーム戦が始まる。しかしすでにルアーに喰いついたセイルはフライに少しだけ興味を示したものの、そのままゆっくりと去っていてしまった。ドンマイ、次のチャレンジでヒットへ持ち込め!
横たわるルーミスのアスキスNP
しかし、それが最初で最後。その翌日は丸一日魚を探しても跳ねさえも無く、キャスティングすることさえ一度も無かった。魚がティーザーに付いた時にすぐにロッドを持ち込める様に準備してあるタックルは、虚しくも一日中船のデッキに横たわるだけでした。
ギャンブラー
最終日は本栖湖よりも静かな凪。一日中水平線を眺めていたので視力が回復したかも。この釣りは他魚種と混ぜて釣りができないので、何もないと本当にただ一日中、体を船に預けて大海原をクールージングしているだけになる。大いなるギャンブル的なこの釣りは、お金をいくら払っても夢の魚は買えないのである。そんな魚が釣れた時の喜びは10億円の宝くじと同じ天秤にはかけられない。
フライフィッシングで狙うセールフィッシュ
かくして僕ら老人の旅は終わりました。といってもこれで終わりじゃありません。釣れるまで辞めない、新たなページが始まったかもしれないので簡単には死ねません。気がつけば空には羊雲。鹿児島で「秋太郎」と呼ばれるこの魚の季節は今です。

秋は野反湖からスタートしたが雨の一日だった

渓流シーズンがそろそろ終わりなので、僕らはシーバスか湖のフライフィッシングがスタートする。関東圏で標高の高い湖と言えば丸沼の上にある菅沼が標高約1730mになるのだが、秋のシーズンはこの標高が高い方から順番に水温が落ちていくと考えれば間違いない。しかし今年は大尻沼が解禁の年なので菅沼は禁漁期。よってその次に標高が約1,513mにある野反湖が現在の秋のフィッシングフィールドとしてオススメの場所。

私が10代後半の頃はバイクでこの湖へ駆け上がっていたのだが、まだ万年雪が斜面にあり夏でも寒い湖だったのは遠い昔の話。最近では以前はいなかったセミの声が聴こえ、訪れるたびに温暖化を感じてしまうのである。

時にその碧さを伝えるために地方名にブルーを添えて表現するが、湖に棲むレインボートラウトは背中の碧さを伝える為にブルーバックレインボーと言われるようになった。その言葉が頻繁に使われるのは本栖湖とこの野反湖で、空の青さ、または湖の深さを象徴する碧さを背負ってブルーバックとなる。あなたはその神秘的なブルーを持つトラウトに出逢った事はありますか? その碧さを知ると私みたいに毎年必ずその地へ戻ってくるのでしょう。

そんなブルーバックレインボーを求めてマッキーと私は夜明けを目指して1時半出発する日帰り組。片道3時間半近くかかるので1泊二日が一般的なのだけれど、私はジジイの体に鞭を打って何故だか日帰り釣行が多くなってしまった。

さてハーミットのデコボココンビである管理人とマッキーが野反湖でどんな釣りをしてきたか、その様子を見てみたい方は以下の写真をご覧くださいまし。現在の野反湖はハイシーズン。釣りたい気持ちがある人はきっと良い釣果が待っています!

野反湖は曇天
私が寝坊したせいで現地についったのは既に明るくなった時間。天気予報は1日雨で、小雨から徐々に大雨になる予報。外気温は15℃とフリースを着て丁度。水温は測らなかったけれど、流れ込みは低く、そうでない場所との水温さは2〜3℃ありそうな感じ。
オヤマリンドウ
野反湖のフライフィッシングシーズンはどんな時でも高山植物が彩りを添えてくれる。私は全く詳しくないので、毎回グーグル様に尋ねてはその名を忘れてしまう。今回釣り場でひっそりと咲いていたのはこのオヤマリンドウ、多分・・。
野反湖
熊笹をかき分けて湖へ出ると、水位は少し低めで湖の湖岸をずっと歩けるのが良い。最初はカメムシのドライフライで釣るためにニシブタワンドの一番奥を攻めていたけれど、ドライへの反応は薄いので、対岸へ回ってきた。
ハコスチ(レインボートラウト)
ドライへの反応が全くないので沈める事に。私はスぺイライン(フローティング)で底の釣りはできないので、フライの重さだけで沈めてユルユル引きでヒット。なんか今年のレインボー(ハコスチ)は平均サイズが大きく、60センチ台が中心。
野反湖で釣り
釣り方のパターンを掴んでしまったら、回遊のたびにヒットするレインボートラウト。時に50m以上ランニングラインを引っ張り出し、沖で元気よく跳ねる個体。大きいからなかなか寄らない。初めてここへ訪れた人にこのサイズが釣れたら、きっとビックリするでしょうなぁ。
レインボートラウト
マッキーはスコットのスイングのシングルハンド8番、それにインターミディエイトのタックル。魚の回遊するルートを把握して釣果を伸ばす。時々目の前を回遊するレインボーにカメムシを投げるも、スレているのかあと一歩で食いつかない。
野反湖のカメムシ
今年のカメムシは大きく2センチオーバー。しかし天気が悪いで飛翔している個体が少なく、レインボーは全然上を向いてくれない。
野反湖の釣り
仕方なくドライは諦めてインタミで釣るマッキー。魚のサイズは相変わらず大きく、小さくても55センチオーバー。ヒットフライはブラックゾンカー。たまにレインボーの稚魚を追い廻しそれに喰らいつく大イワナがすごいスピードでやってくるけれど、ミノーイーターのイワナはフライでは釣れませんでした。
レインボートラウト
釣れるパターンを見つけた私は同じ場所で釣りまくる。お魚のサイズはほとんどが60センチ以上で、60半ばが最大。このペースならばツ抜けは簡単だと思っていたら、予想よりも早い大雨に見舞われて釣果は途中でストップ。ちなみに今回のレインボーはハコスチと通常のレインボー(ドナルドソン)の半々で釣れましたが、皆さんにその違いがわかるかな?
大雨の野反湖
突然降り出した大雨。この雨をきっかけに魚のスイッチが入るかも?とマッキーはドライフライを投げてみる。するとカメムシフライに尺オーバーの立派なハヤ(ウグイ)がヒット。それも丸呑み。
野反湖の釣り
しばらくはその大雨の中で釣りをしていたのだけれど、あまりのひどさに耐えきれなくなり、15時半には撤収。そもそもこれだけいっぱい釣っていたので、早めに上がって温泉に浸かって帰れば、こんな目に遭わなかったのに・・。
レインボートラウト
かくして今回の釣りは無事終了。本当はドライで釣りたかったのですが、ドライでは何もナッシング。いつもは2本も釣れば上出来なこの湖なんですが、こんなに大きいのがたくさん釣れたので大満足(8本の釣果)。今回行かなかったエビ沢方面へ行けば野反湖育ちのギンギラギンのレインボーもいますので、皆さんもぜひ挑戦してみてくださいな(イワナが見えていますが遊漁期間は9/20まで。レインボーは11/10まで)。

高価なG Loomis Asquith NP を借りる事ができたのでインプレッションしてみた

ハーミットに置かれているハイエンドメーカーさんで今まであまり紹介してこなかったGルーミスですが、今回メーカー様にアスキスの一部モデルを借りることができたので、そのインプレッションを書いていきたいと思います。

ゲーリー・ルーミスはラミグラス社でロッド製造に携わり、ロッドデザインのスキルを磨き培いました。このラミグラスを退社後に台湾のメーカーと合弁事業を立ち上げたのですが(このブランクを僕らはタイワン・ルーミスと呼んでいた)すぐに撤退し、その後1982年にアメリカのワシントン州ウッドランドで創立されたのがGルーミスです。後にルーミスはシマノに事業を託し、業界を退きます(実際にはその後も色々なところでロッドデザインに携わっています)。現在のロッドデザインはスティーブ・レイジェフ(USAのトーナメントキャスター)が行なっています。

ルーミスの名前が広まったのは私が思うには色々なカスタムメーカーのブランク製造に携わっていた事でその評判が広まったのではないでしょうか。フライロッドに拘らず様々なブランクを手がけたことで、ブランク作りは他のメーカーよりも一歩先を進んだブランクメーカーだと私は思います。

さて、そんなルーミスのシリーズは現在大きく分けて三つ。一番ハイエンドの機種にこのアスキスがあり、その下にNRX+。さらにもう少しお求めやすいIMX-PROシリーズがあります。今回借りたアスキスはシマノのスパイラルXブランクを用い、その他パーツは現在の最高峰のパーツを使った、グラファイトロッドの中では最も高価なロッドと言えます。

アスキスはシマノが手がけるシマノのアスキスとGルーミスがリリースするアスキスと二つのバージョンが存在するのですが、どちらも熊本にあるシマノの工場で作られたブランクで、その独特な輝きは一目でアスキスだとわかります。

このGルーミスのアスキスは今回が2代目。現在のモデルはアスキスNPとなっており、フレッシュウォーターモデル(4〜7番)とソルトモデル(8〜12番)の全9機種。フレッシュウォーター用はグリップが細くソルトモデルは若干太め。両シリーズともリコイルスネークガイドを採用。メーカーのHPには「チタンSicリコイルスネークガイド」と書いてあるのですが、スネークガイドにSicコーティングをしているという意なんでしょうか? 私の知識不足でちょっと不明なので、後日確認します。

そしてもう一つ独特な形をしたリールシートなのですが、なんかどこかで見た覚えが・・。記憶を辿って見ると1995〜6年頃にあったダイワのロッド。当時フライがアリなバストーナメントもあったので、チームダイワの中にバス用のフライロッドがあったのです。そのシートはカーボン製でエクステンションバット側がネジになっており固定するタイプで、そのデザインに似ている気がします。洋服の流行りと同じように時代は巡るのですなぁ。

さて、今回借りたアスキスは6番と12番。6番の方は実際に大尻沼で使ってきましたのでその釣り味を含めて以下に記録としてインプレッションしていきます。

アスキスNPのグリップ
エックステンションバットを備えたダブルロッキングアルミシート。シートにはライン番手が刻印されている。6番より下のモデルはグリップが細めで誰でも握りやすいでしょう。コルクのグレードはウィンストンほどでは無いものの、Gルーミスの中では一番綺麗で硬くグリップの沈み込みがない。
アスキスのカラー
太陽の角度によって見えるブランクのマダラ模様は、まるでダマスカスナイフの様。さらに釣り場で見るとこの模様の中にラメが入っているのがわかる。パッと見てそのロッドだと分かる特徴のあるブランクは魅力の一つでもある。ガイドはフジのチタンフレームSicガイド。
アスキス
Gルーミスのフレッシュモデルはワンフットガイドが採用される事が多いのですが、6番以下のモデルも全てリコイルスネークガイドを採用。

ASQ NP690-4:9feet 6weight 4piece

アスキス6番
使用したラインはエアフロリッジ2.0ユニバーサルWF6F。リールはラムソンのスピードスターで軽いリールですが、ロッドバランスは丁度グリップのトップあたり。ベストなバランス。このロッドは後日野反湖で実釣してきました(こちら)。

今回はこの6番を大尻沼にて一日使用しました。私が持っているアスキスはJ1266というダブルハンドのシマノアスキスだけ。グラファイトロッドの中で一番高価なので初代シングルハンドアスキスは手に取ったのは一度だけでそのアクションを覚えていないので、このモデルの使用感を率直に述べてみよう。見た目で変わった点は前述したリールシートで、ブランクのカラーや雰囲気には変わりはない。メーカーのカタログでは従来よりも軽く、耐ねじれ性能を20%向上、ブランクの楕円化を抑制と書いてある。なんとなくではあるが、ブランクのバット径は若干細くなったのかな? ファストアクションでルーミスらしいティップ部分がお辞儀する復元力が早いロッド。

Fine:GLXやNRXの時代から比べると信じられないくらい軽いアスキス。リールシートにはアルミをふんだんに使っているので自重は92.6gと超軽量とまではいかないが、6番モデルの中ではとても軽い。6番モデルまではグリップが細いので、日本人でも投げ易い。その軽さとロッドバランスから一日中振っていても疲れを感じないロッドに思えた。ショートレンジでのキャストはティップを軽く曲げてキャストし、ミドルレンジよりも遠いキャスト時に大きな負荷を掛けると2番セクションあたりまで曲がり込み、ブレずにすっ飛んでいく。その曲がりになんとなくネチっとしたロッドらしさを感じた(表現が難しいなぁ)。魚を掛けた時のロッドパワーは全くもって問題なし。ソルトでも使ってみたいなぁ。

Weak:遠投性能に優れるパワーがあるロッドなので、握力が無い方や手首が弱い人は半日も振っていると右手の力が抜けてくるかもしれない。また、高価なロッドなので、その辺に放り投げるなどの行為、木に引っ掛かったフライをロッドで突っつくなんてことは、間違ってもできないだろうな。


ASQ NP1290-4:9feet 12weight 4piece

12番ロッド
使用したラインはSAのターポンラインWF12インターミディエイト。12番ロッドの重さは124.5gあった。12番にしてはめちゃ軽い。バット径は12mmほどある安心の太さ。

12番ロッドはキャスティングして大魚を釣るための最高番手。他のメーカーでこれ以上の番手が存在するけれど、15番などの番手は竿が硬すぎてキャストがちゃんとと出来ず、大きい魚を寄せる為のパワー重視になってしまう。その点12番ロッドはラインをフルキャストするだけの軽さとバランスがあり、かつ大魚を掛けても粘りなが寄せられるパワーを秘める。もしあなたがターポンやセールフィッシュなどの世界記録魚を狙うためにたった一本持っていく選択肢を私に問うのであれば、きっとこのロッドをお勧めする事でしょう。その予算があなたにあれば・・。

Fine:お金を出した分の価値はそのロッドのシリーズ中で最も長いか、あるいは乗せるラインが最も重い場合にその違いが明確に出ます。12番でこれだけ快適にキャストを続けられるロッドってなかなか無いですよね。実際にこのロッドでターポンを掛けたくなります。また高番手は海外遠征でロッドを折ってしまい後にハーミットへ持ち込まれる事がありますが、私の主観があるかもしれませんがソルトロッドの破損はGルーミスが一番少ないと感じています。12番はラインが重いのでその重さをロッドに乗せてしまえば誰でもぶっ飛ばす事ができるのです。1オンス以上(28g)のラインをキャストして片手で何度も繰り返すので、人間に掛かる負荷はルアーキャスティング以上。いかに人間の負荷を減らし飛ばすことができるかが重要なんです。かつて安い12番ロッドで肘を痛くした経験がある私は高番手、あるいは超長いダブルハンドにはお金を惜しまない方が良いと思っています。

Weak:誰にでも買える価格では無いけれど、本気で釣りをするのならば、生涯に一度だけ自分へのご褒美でこのロッドを買ってしまうのもありだと思います。ただし、Gルーミスはスコットやウィンストンのような定額の免責保証修理ではないので、折れてしまった場合はその代償は大きいとお考えください(レジャー保険や、車保険の携行品特約を付けるという手もありますが、いずれにしてもお金がかかる話)。

チームダイワのフライロッド
古い本を引っ張り出し、チームダイワのフライロッドをパシャリ。シートがぴっちり締めているのでちょっとわかりづらいですが、コルクが斜めになっていてシート部が黒。ちなみにこの本は1996年に私がトータルディレクションした本です。

この高価なモデルを見て多くの方は、「とてもその金額は出せない。」と言うでしょう。しかし夢の魚は自然相手であり、それに伴うスキルや運が必要です。もしあなたが本当にその魚を釣りたいのであれば、あなたの苦手な部分を補うロッドで少しでも魚のキャッチできる確率が上がるのであれば、その対価を払う価値はあるのではないかと私は思います。このシリーズは高価なゆえお店に陳列される事は多分無いとは思いますが、そんな漢のロマンを追う夢追い人をハーミットは応援しています。

大雨の影響で管釣りへ変更した筈が、結局予定通りになった件(大尻沼)

秋雨前線と台風の影響で関東近県の河川はどこも釣りは無理な状態。それに釣りをする予定の時間帯は1時間に20mmの降雨予報が出ている場所があるので、素直に釣りを諦めるのが良かった筈。でも家にじっとしてる事ができない私はせめてメーカーさんから借りた新しいロッドのインプレッションを書くために管釣りでも行こうかとなりました。

川の釣行を予定して大雨予報に見舞われた場合の逃げ道として、いつも丸沼(または大尻沼)を使っているのだけれど、一昨年に大雨と強風の荒天の日に丸沼へ出かけた所、風が強くて危険と判断され出航不能となったケースが一度だけ、それが稀なケース。その水源を菅沼とするこの連なる沼はターンオーバーの時以外は濁った水を見た事がないので、よほどな事がない限り釣りは釣りは出来てしまう。なので、頭の中では管釣りと丸沼のどちらが良いか天秤にかけてしまう。

気持ちが揺れ動くので決めたことは一つだけ。とりあえず沼田インターチェンジへ行って、川場フィッシングプラザへ行くか、それとも丸沼へ行くかをその場で決めようということ。

東京を少し遅めに出て沼田に着いたのは8時近くで、時間あたりの降水量から程遠い感じの霧雨。これならずぶ濡れにならずにすみそうだと丸沼へと走り出した。しかし世の中そんなに甘くは無く、結局ずぶ濡れになってしまったことは言うまでもありません。

雨でパンツまで濡れて気持ちが萎えていたため、ろくな写真がありませんが、どんな様子だったかを知りたい方は、以下をご覧くださいまし。

大尻沼ボート乗り場
丸沼環湖荘に着いて大尻沼でも大丈夫かと尋ねた所、今回だけは予約なしでOKして頂いた(受付時間内で予約がいっぱいではなかった為)。なので気持ちは一気に釣れるモード。こんな日は誰も居ないのかと思いきや、ルアーボートが一艘浮いてました。この時点では小雨。
G Loomis Asquith 690-4
今回はメーカーから借りたGルーミスのアスキス9フィート6番を使って実釣です。 私は最近6番ロッドはスコットGT8106/4を使っているのですが、それに比べたらなんと遠投が快適なこと。スコットGTは魚を寄せるときにその粘りで寄せる優秀なロッドだとすれば、アスキスはキャスティングに関しての魔法の杖。遠投が楽なので、誰でもキャスティングが上手くなった錯覚に落ちいるでしょう。ロッドのインプレッションについてはこちらご覧ください(こちら)。今回はユルユルな管釣り予定だったので、色々なものを忘れてライジャケも丸沼で借りました。
大尻沼の釣り
こんな雨の日なのについて来た釣り仲間。今回は二人乗りにして私が漕いでガイド役。今回は僕ら以外にボートが一艘しか浮いてないので、そのプレッシャーが無いのと、雨が釣り人の気配をカモフラージュしてくれるので、出船してすぐに近い場所でヒット。
レインボートラウト
レインボートラウトのサイズは50〜60センチの間と全て良型。尾鰭もしっかりして、綺麗なレインボー達です。
レインボートラウトがヒット
私の漕ぎ方は独特でモンタナ時代にドリフトボートを漕いでいたので、左右を交互に漕ぐ方法。今回はその方法をさらに逆に漕いで、トモ(船尾)が先行するようにして進む。そうすることで、釣りをする人は常に新しいポイントへ突き進む。そして私が魚を見つけてそのキャスト先を指示するという具合。
レインボートラウト
ボート上は狭くキャッチした魚は近すぎて上手く写せず。ボートデッキにはすぐに雨が溜まってしまうほど降り続く。フライはそのほとんどがカメムシのフライでのキャッチだが、実際に飛んでいる虫はカメムシの数よりもフライングアントの方が多かった。
ボートフィッシング
魚が大きいのでアワセ切れしたり、木に引っ掛けて切ってしまったり。そんな最中に交代して私がロッドを出してお魚釣り。ヒットして暴れると船が引きづられるのですが、船が木の下へ入らないように櫓を漕ぎながらロッド操作と大忙し。
レインボートラウト
釣り人が少ないから本日は入れ喰いだろうと思っていたら、午後になったら水温が下がり虫っけはゼロに、そして水面は沈黙。泳ぐレインボーは層が深くなりドライフライには全く反応しなくなってしまいました。結果、今回はツ抜けはできず。といってもこれだけ大きなレインボーばかりなので、充分楽しめた雨の釣り。
ヤマメのマスコット
パンツまでビショビショになってしまったので、丸沼環湖荘に戻ってお風呂に入り温ったまりました。環湖荘内のお土産をブラブラ眺めていたら、このヤマメさんと運命的な出会いを感じて買ってしまいました。この丸みのデザイン、どこかで見たことあるような・・。裏を返すと「T Nishioka」のサイン。おぉ、あのバルサ50をデザインした西岡さんじゃありませんか!(バス歴50年以上の人ならば分かる話)。この子はハーミットのマスコットとしてお店に飾っておきます。

シイラが駄目ならアカハタがあるさの、相模湾リレー船フィッシング

私は趣味が仕事な訳で、そのモチベーションを保つためにいつも何か新しいことにチャレンジする事をいつも考えている。10年ほど前は年の初めに目標をたて、年間で10魚種以上にキャッチするとか、フライで釣った事が無い魚を増やすとかをやってました。その中で左手でキャストできる様にして3種類の魚を仕留めるなんてのもやってたのですが、このチャレンジはもし右手が骨折しても左手で釣りができる様にしておこうという、なんとも釣り馬鹿らしい考えで始めたもの。しかし、いざという時に利き腕では無い方で釣りができるのは結構便利なものですよ。

さて、そんな事はさておき、釣りでは一回の出船で異なる魚を狙って楽しむという、大谷翔平のような二刀流で楽しんでしまおうと言うのがリレー船。船釣りをする人はお馴染みの言葉ですが、今回はそれを試す日がやってきました。

前々日に丸伊丸の船長へ連絡すると相模湾は高水温が続き、チャム(撒き餌)に使うシコイワシが手に入らず、沖の生簀はすでに空とのこと。この時点で、シイラが安易に釣れる選択肢が無くなってしまった。さらに追い討ちをかける様に、最近はシイラが釣れていないとの情報。なので今回は、もしもシイラが全く駄目だった場合は、後半は岸辺のポイントでアカハタのフライフィッシングを楽しもうじゃないかと、皆さんには事前にシンキングラインを用意してもらい集まりました。

さてそんな相模湾のリレー船。どんな状況だったか、のぞいて見たい方は以下ブログをご覧くださいまし。

相模湾の丸伊丸
チャム(カタクチイワシ)が手に入らないのであれば買い付けに行く時間が必要でないので遅い出船なのかと思いきや、この写真は朝4時10分。朝イチは釣れるとの船長の一言で、この10分後には出船したのだけれど、その時はまだ真っ暗。ポイントまでは大体1時間ほど。
相模湾から見る富士山
前日からほとんど睡眠時間が取れなかったので、ポイントへ到着するまでの時間は爆睡してました。皆の「もうすぐ着きますよ。」の声で起きると、目の前には富士山が。思わず手を合わせ、今日は良い釣りができます様にと拝んでしまった。
シイラのフライフィッシング
最初のパヤオに着いたけれど、チャムがないので、フックを取ったルアーでシイラを誘き寄せます。すると鉤の無いルアーに何十回も噛みつき、上手いこと撒水する左舷にシイラをつけた。するとどうでしょう。散水の泡へフライを投入するとシイラは入れ喰いモード。チャムが無くとも全員の竿が一斉にしなります。今日はチャムを撒かないから私は暇だろうと思ったら、シイラのランディングが忙しいこと。そのお陰で一番良い時間帯は写真が全くとれず。
シイラ
最初から入れ食い状態が続き、釣果が途切れない状況。そんな中、エビスシイラが混じったりして。見た目ではメスの小さいシイラに見えますが、頭が小さく個体が丸くなかなか釣れないヤツ。
相模湾のシイラ
前回と違い個体は小さめが多いものの、サイズは60〜80センチくらいが中心。泳いでいる個体で大きいものは1メートル20センチ以上のがいましたが、チャムが無いと警戒心が強く大型のキャッチは難しい状況。
シイラフィッシング
この一つのパヤオでシイラは途切れることなく釣れ続けるので、結果的に5時〜7時過ぎまでず〜っとここにいた感じ。そして多い人だと10本以上キャッチしているので、ここだけで満足してしまった私たち。
シイラ入れ喰い
今回は10名で出船したのですが、いっぺんに6〜7人がヒットするので、ランディングマンは大忙し。普段釣れない憂さ晴らしをするかの様に、皆は休むことを知りません。
シイラ
フライはクラウザーミノーやピーナッツバター、あるいはマドラーのパターンで釣っている方もいらっしゃいましたヨ。お魚のやる気スイッチは途切れる事がなく、人間の方が釣り疲れてきた感じ。こうしてニコパチをしている間も、後ろに見えるロッドはしなっています。
シイラのフライフィッシング
ランディングマンをしてくれた、私の前職の後輩と数名の手馴れのフライフィッシャーマンのおかげで、無駄なく効率よくランディング。そして皆が疲れた頃に交代して僕らはシイラを釣りました。私一人じゃ全員のランディングができないので、本当に皆さんの協力があってこそのシイラフィッシング。お疲れ様でした。
フライでカサゴ
シイラは10時過ぎには釣れすぎて疲れてしまったので、最初の予定通りに港近くへ戻ってアカハタのフライフィッシングにスイッチ。タックルは6〜8番でラインはタイプ4〜8のシンキングライン。その釣り方については、過去のこちらのブログをご覧ください。してシンキングラインを沈めるとすぐさまカサゴがヒット。
アカハタのフライフィッシング
アカハタを楽しんだのは終わり間際の正味1時間半程度なんですが、それでも船中で数本のアカハタをキャッチ。それも小型が釣れず、この写真よりもずっと大きい奴も上がりました。これ以外にエソなどの外道を釣って定時でお開きに。一回の出船で2度楽しめるリレー船という楽しみ方は、今回の釣行でアリだと感じました。それもどちらも十分釣れたので僕らは大満足。ちなみにでアカハタを釣った方はとても美味しかったとのご報告がありました。ハーミットではまた時間を見つけてアカハタを楽しみたいと考えてマス。