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■ フィッシングガイドの冬

 日本も今冬は大雪だそうですが、ここモンタナ、特にボーズマン、ウエストイエローストーンのあるギャラティン郡がひどい寒さです。なんと12月のはじめには-43℃まで下がりまして、もう鼻が凍って息ができず、死にそうでした。。。私は北陸、富山育ちなので、こちらの雪のほうが軽くて楽なのですが、寒いのだけはもうたまりません。

 さて、こんな寒い中、フィッシングガイドさんたちは何をしているのかなあと思いませんか?

 他の州から来ているフィッシングガイドさんは、ここを10月ぐらいに離れるのですが、BRON IN MONTANAの人は結構この町に残っています。もちろんフィッシングガイド業はもう終わってしまっていますから、皆冬は違う仕事をして、生計をたてています。

 私の知っている限りのフィッシングガイドさんに何をしているか、ちょっと調べてみました。

  • 家具職人(この秋BOZEMANにお店をOPEN)
  • カリフォルニアでバーテンダー
  • 町の除雪と大工さん、ときどきフライショップのお手伝い
  • 無職(若いのにどうやってくらしているのかなあ。。。)
  • BOZEMANで建設業(今Bozemanは建築ラッシュなのです。)か、フロリダでフィッシングガイド
  • 退職金でカリフォルニアにて悠々自適な生活
  • シンガー
  • フライショップのお手伝い
  • チリでフィッシングガイド
  • アルゼンチンでフィッシングガイド
  • イリノイでダックハンティングのガイド
  • 学校の先生
  • アルゼンチンのパタゴニアでフィッシングビジネス
  • 不動産屋さん
  • BIG SKY のスキー場での仕事
  • Yellostone Clubという超高級会員制スキーリゾートの仕事
  • 犬ぞりレースの仕事
  • 奥さんの実家のアルゼンチンにいってフィッシングガイド

  熟年フィッシングガイドさんたちは、本業を退職し、退職金で生活していたり、奥さんがまだ働いていらっしゃって結構高収入だったりするので、それで暮らしている人も多いようで、うらやましい限りですが、若手はそういうわけにはいきません。

 BIG SKYのスキー場で働いているガイドさんなどは、まだ日が昇るまえにウエストイエローストーンの町をでて、アイスバーンでつるつるの道を一時間かけて、通っているそうで、特に朝夕はエルクやバッファローが道路に飛び出してくるので、通勤が大変だといっていました。それにガソリン代が馬鹿にならないそうです。

 南米に修行がてら、フィッシングガイドをしに行っている若手のガイドさんたちは、大物狙いのために、スペイキャスティングの練習をしたり、スペイン語の勉強をしたりして、なかなか意欲的です。冬場もフィッシングガイドをするのですから、おのずとガイドとしての実力がつきます。なぜニュージーランドにいかないの? と聞いたところ、ニュージーランドには現地のガイドさんがたくさんいて、フィッシングガイドとしての仕事の許可がなかなかでないようです。(くわしいことはわかりませんが。)

 正直いって、フィッシングガイドの仕事は季節モノなので、安定した収入があるわけでもなく、冬場は寒い中、全く違う仕事をせねばならぬ人もたくさんいます。それでも彼らはフィッシングガイドを続けます。

 フィッシングガイドをアメリカやNZでお雇いになった方ならご存知と思いますが、彼らは本当に一生懸命、お客さんに釣らせてあげようとがんばってくれます。もちろんお金のためもありますが、それ以上にフライフィッシングが好きで好きでたまらないそんな人たちばかりです。

 先日、BOZEMANの某フライショップにいったところ、店長さんが「この寒さがノーマルな寒さだから、来シーズンの釣りが期待できそうだね!!」と話してくださいました。寒いのはいやだし、お天気だけは予測がつかないのですが、2005年の夏がちょっといつもと違って、雨が多く、あまりいいシーズンでなかっただけに、来シーズンこそはと願わずにはいられません。

 5月になれば、またフィッシングガイドさんたちがこの町に帰ってきます。それを楽しみに、長い冬をすごすにしましょう。

 皆さんにとって、2006年がよいフィッシングシーズンになりますように。