Fly Fishing Shop
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ウインストン社創業当時の建物。現在はバンブーロッド部門の製造場所
トムモーガン ロッドスミス1
トムモーガン ロッドスミス2
トムモーガンロッド スミスのハンドミル

■ トムモーガンロッドスミス

 先日、夫の友人でもあるトムモーガン氏のお宅にお邪魔しました。以前FF誌にも記事が何度か載っていますし、日本でも彼のロッドが売られていますので、みなさんのほうがよくご存知かと思います。サンフランシスコにあったウインストン社を買われて、モンタナのトゥインブリッジズでたくさんの銘ロッドを作り上げられた人です。

 トムさんのお宅はボーズマンからノリスに行く途中の丘のうえにあり、タバコルートやブリッジョーの山々が一望に見渡せます。素晴らしいロッド作りには、モンタナの川を思い起こさせるこの風景が不可欠なのかもしれません。ご存知のように、トムさんは筋肉が思うように動かせなくなる病気にかかっていらっしゃるので、車イスの生活を余技なくされていますが、まだまだロッド製作にかける情熱は覚めやらないようで、夫と随分話し込んでいらっしゃいました。

 片腕の一人、奥さんのジェリーさんの献身的かつ情熱的な姿も印象的で、ロッドのラッピングやバーニッシュの傍らに こんどレネハロップさんやクレッグマシューズさんといったこの界隈のフライタイヤーが巻いたフライとそのフライにまつわるトムモーガンさんの話が載った小さな本を作られるそうです。この本はハンドプリントなので限られた数しか印刷されませんし、フライもこの本のために特別に巻かれたものですから、大変貴重なものになるに違いありません。日本の和紙を使ってみたいとも言っておられて、今度日本にもどったときにお土産にもってかえろうと思います。

 トムさんのもう片方の片腕はビルブラックバーンさん。トムさんの設計、指示に従って丁寧に竹を削っていらっしゃいました。私の日本の釣り友達で、チャコちゃんという女性がトムモーガン ハンド ミルを使ってバンブーロッドを100本つくるのだとがんばっているという話をしたら、「100本作るとはたいしたもんだねえ」といっておられました。

 デモロッドをふらせてもらったのですが、なぜかしら4wtの8フィート半が私にはとてもよく感じられて、そのことを話すとトムさんは「#4がうちの売りなんだよ」といっておられました。デモロッドについていたリールはすべて私の大好きなハーディのライトウエイト。最近の私は5、6wtの固めの竿にラージーアーバの厳ついリールで、ヘビーなラバーレッグなどをつけて釣りをすることが多かったのですが、力まずゆっくりとキャストできるトムさんのロッドをふってたら、急に日本のヤマメや岩魚釣りがしたくなりました。

 いつも思うのですが、私がであったフライフィッシングに長年携わっていて本当にフライフィッシングが大好きな人はみんなとても優しい目をしていらっしゃいます。私のような若輩ものの話でも楽しそうに聞いてくださって、たくさんおいてあるリールシートをみている私に「僕もね、木が大好きなんだ」とおっしゃったときのトムさんの目。こんな目をした人が作るロッドだからこそやさしく、そしてモンタナの強い風の中でも負けないしなやかさがあるのだなあと感じずにはいられませんでした。

 先日トゥイン ブリッジにあるスイートグラス
ロッドに用事があって訪ねたら、偶然にもトムさんとともにウィンストン社でロッド作りに励まれたにジェリー カステージさんとグレン ブランケットさんに会いました。この2人もやさしい目をした偉大なモンタナの釣り人です。スイートグラス ロッドの話はまたそのうち書きたいと思います。

 私などは釣りを楽しむというより、いつも皆より大きな魚が釣りたいなあと邪念があって、釣りの話になると目がギトギトしているのでは???まだまだ修行がたりませんね。