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今日は3月最後の日曜日だというのに、外は猛吹雪。3月にはいってから、ずっとこんな日が続いていて、いつになったら釣りにいけるのだろうと不安になってきます。 とうとう日程を繰り上げて、アリゾナにいってきました。イエローストン周辺に住む人たちは、夏場とクリスマスシーズンはとても忙しいので、この時期バケーションをとってリフレッシュします。 今回の旅の目的は、もちろん「釣り」。アリゾナというと砂漠のイメージがあって、どこで釣りをするのかと思われるかもしれませんが、北アリゾナは標高が2000m以上で朝夕は寒いくらいですし、グランドキャニオンの上流の巨大ダム「GLEN CANYON DAM」の直下のマーブルキャニオンでは水温華氏40度から50度と鱒釣りには冷たいくらいの水が流れており、そこにはたくさんの虹鱒が生息しています。私の釣りバイブル佐藤成史さんの「ロッキーの川、そして鱒たち」にもこのマーブルキャニオンでの釣りが紹介されています。 釣り場はリーズフェリーという唯一のボートランプからダム直下までの15マイル。ガイドのJD君は、夏場ヘンリーズフォークアングラーズでガイドをしていますので、私たちが「ボートからポチョン」の釣りがあまりすきではないことをよく知っていて、モータボートで断崖絶壁の赤いコロラドリバー渓谷をさかのぼりながら、ところどころ浅瀬でボートを降りて釣りをしました。 佐藤さんがお書きのように、ここでは水生昆虫のハッチはほとんどないので、使うフライは#16のサンワンワームやエッグ、#20ぐらいゼブラミッジが主ですが、これまたちゃんとナチュラルドリフトをしないと魚はフライを食べてくれないのと、ダム直下で水の流れが太く、ほぼフルラインをだしてドラッグがかからないようにするのは大変でした。おまけにティペットは6x、7xで2つのフライにインディケータ、錘。「ニンフの釣りなんて」とおっしゃる方がいらっしゃるかもしれませんが、これはこれでなかなか難しいものです。また水がクリアなので、今の時期すこしクリーク状になった浅瀬には産卵のためにたくさんの魚が集まっていて、サイトフィッシングをすることもできました。 実は釣り1日目、ときおり風速60マイルの風が吹き荒れて、大変危険な状態になったので、途中で釣りをやめ、ボートランプにもどってきたのですが、レンジャーが駆けつけて皆の無事を確かめるとともに、「この先、砂嵐が壁のようになっていて車は運転できないから、しばらくここにいるように」との指示をしていました。あとになって分かったことですが、何台の車やボートが砂嵐に吹き飛ばされて大変だったらしいです。私たちの車も途中赤い砂嵐が来るのが見えて、必死に逃げました。 ちなみにこのあたりのコロラドリバーでは車でのアクセスがダム直下か、リーズフェリーのボートランプしかなく、そのあとは300マイルほどはグランドキャニオンなどこれまた断崖絶壁の渓谷を早くて8日、平均2週間ほどキャンプをしながらの川くだりになるそうで、この日もたくさんの若者がこの川くだりに挑戦しようとたくさんの食料や物資をボートに積み込んでいました。でもあの砂嵐がまたきたら、どうするんだろ???? もし、ラスベガスやグランドキャニオン、ロスアンゼルスにいくことがあれば、2日ほど日程をのばせばこのマーブルキャニオンでの釣りができます。体験なされたいという方は、リースフェリーアングラーズが唯一のアウトフィッターでガイドサービスやロッジ、小さなレストランも併設していますし、貸しウェーダー、シューズがたくさん用意されているので、9フィート5,6番の竿とリール、フリース、レインジャケットさえあればなんとかなりそうな雰囲気です。7月にはセミの釣りができるそうです。 高さが200m以上もある赤い色の渓谷の美しさやダム以外はなにもない砂漠の神秘さを感じながらの釣りは、冬の厳しさとは違う大自然の力を感じずにはいられませんでした。 |