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キャンパーが熊に襲われた新聞記事
ギャラティン川沿いに現れるグリズリーベア
ニック ライアンさんの有名な本「Spring Creek」
スフィンクスマウンテンを仰ぎながら
ブラウンのサイトフィッシング
牧場の中を流れるO'dell creek
ブラウントラウト
ビビアン通信Photo H
美しいマジソンバレーとスプリングクリーク
■マジソンのスプリングクリーク

 今年は熊があちこちに出没しています。昨日(7月28日)もこの時期釣り人に人気のソーダビュートのキャンプ場で、バックパッキングのベテランのテントが襲われ、2人の方が亡くなり、1人が大怪我だったそうです。ギャラティンリバーの私が一番好きなあたりでも、毎日3歳くらいのグリズリーベアを見かけるので、今年は彼のお散歩を邪魔しないようにそこでの釣りはあきらめようと思っています。もともとここは熊やバッファローの土地なのです。私たち人間だけのものではありません。テントでキャンプをしながら釣りにいらっしゃる日本の方を何人か見かけますが、とても危険です。こちらの人がキャンピングカーを利用するのは動物たちから身を守るという大きな理由がありますし、熊スプレーを必ず持参します。襲われた人も大変ですが、襲った熊は見つけられ次第、最悪殺されてしまいます。ヘンリーズフォーク周辺でも監視カメラに毎日熊が写っていました。宿泊費がかさむことは重々承知していますが、どうか安易なキャンプは避けていただきたいと思います。

 怖い話はこれくらいにして。。。
 うちの本棚に1992年にニューヨークで出版された「Spring Creek」という本があります。作者はNick Lyons氏で、ハンター大学で英語の教授をなさっていた方だそうです。
 英語なので読むのに時間がかかりましたが、スプリングクリークで釣りをなさった方なら共感できるものがたくさんある、そんな情景がたくさん表現されています。
 スプリングクリークというと思い出されるのが、リビングストン近くパラダイスバレーの「デピュー」「アームストロング」「ネルソン」、ボーズマン近郊の「ミレズニック」、ディロンの「マッコイ」。いずれも日本の方はご承知で、釣りに行かれた方も多いと思います。
 マジソン、イエローストーンリバーなどではボートからの釣りが主になります。私も初めてカナダのボーリバーでフロートしながらの釣りをしたときには、大きなフライをつけてのリーチキャストであるとか、ビッグなメンディングであるとか、普段日本の渓流では経験しないようなことが多く、頭の中では分かっていても、なかなか体が動かず戸惑った経験があります。慣れてしまえば、ボートからの釣りもウエーディングの釣りと基本は同じなのですが、日本の渓流サイズで、美しい景色の中でウエーディングをしながらドライフライで釣るスプリングクリークは、繊細な釣りを好まれる日本のフライフィッシャーマンに人気がある理由だと思います。
 またネルソンスプリングクリークなどは、1日6ロッドだったと思いますが、限られた数の釣り人しかはいることができず、7月のPMDころなどはなかなか予約がとれないので、そこで釣れるということは特別な意味があるのかもしれません。

 さて マジソン川沿いにも「O' Dell Creek」というスプリングクリークがあることをご存知でしょうか?ヘンリーズフォークもしくはウエストイエローストーンからマジソン沿いを走りエニスの町に入る直前にこのクリークの看板があり、見られたことのある方も多いと思います。
 水量も豊富なので前から気になっていたのですが、どうやってアクセスするのか分からず、釣りをしたことがありませんでした。今年の冬、「ブルーリボンフライズ」のクレッグ
マシューズさんが、「今年の夏 O' Dell Creekを取り扱うことになるよ」とおっしゃったので、よくよく聞いてみると、エニスの町からもっと上流にデピューやアームストロングのようにこのクリークがある牧場の中を流れており、そのセクションを一般の方もお金を払えば釣りができるようにクレッグさんが交渉なさったらしいのです。

 ただ実際に牛や馬がたくさんいる牧場の中ですので、月、水、金曜の週3日のみ。一日入れる人数は4人で、1人$175。そして限られたベテランフィッシングガイドが必要になり、ガイド料金(通常$450前後)プラスガイドへのティップ。そうなると、随分な金額になってしまうので、私などはとうてい釣りにいくことはできませんが、マジソンの支流というだけあって、大きなブラウントラウトがたくさんいるそうです。
 写真家として最近は有名なブルーリボンフライズのジョン
ジュラシック氏によると、パラダイスバレーのスプリングクリークとは雰囲気が違い、どちらかというと、フリーストーンの川のようで、牧場から見えるスフインクスピークの眺めは最高であったとおっしゃっていました。また日本のあるベテランフィッシャーマンが今年このスプリングクリークで釣りをなさったのですが、丁度グリーンドレイクのハッチにあたり大変楽しい釣りができたといっておられましたし、ガイドをなさったグレッグさんもこの牧場を管理する生粋のカーボーイで心温かなモンタナガイだったとおっしゃっていました。
 ドライフライオンリー。ハッチがなければ、もしかしたらすべてが徒労に終わってしまうかもしれない釣り。ヘンリーズフォークもそうですが、確かな釣りの技術と天気や水生昆虫までも味方につける強運の持ち主だけが微笑むことができる釣り場なのかもしれません。
 今回使わせていただいた写真は、ジョン ジュラシック氏、ブルーリボンフライズからお借りしましたので、無断使用はご遠慮ください。またこのクリークでの釣りに興味がおありの方はメールをいただければと思います。