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11月の週末は毎週スノーストームが来て大変でしたが、感謝祭は天気もよくすこしどこかに遠出したくなりました。River RunsThrough It をめぐる旅はノーマンマクリーンが育ったミズーラの町(生まれはアイオワ州だそうです。)や幼少のころお父さんと釣りに行ったブラックフットリバー、映画の撮影地になったリビングストンなどいろいろ行きたいところがあるのですが、なにせモンタナ州は広いし、加えて冬場はスノーストームが行く手を阻みますので、なかなか思うようにいきません。リビングストンは近場だし、映画の全面協力をしたフライショップのダンベーリーの社長さんジョン ベーリーさんと夫は長年の友人なので、今回はリビングストンとも思ったのですが、リビングストンはスプリングクリークがあるので行った方も多いだろうし、、、と思い、また今度書くことにして、今回は原作River Runs Through It にでてくる この小説半分の舞台ともいえる「Wolf Creek」を訪ねました。 映画ではミズーラが大きく取り上げられているので、私の夫でさえ「なんでWolfCreekなの?」と驚いていましたが、原作を読むと、1937年ごろノーマン・マクリーンは奥さんのジェシー・バーンズの実家があるWOLFCREEKにいて、その時のことがたくさん書かれています。奥さんの家、奥さんのお兄さんのニールが降り立った駅、ニールが酔っ払い女のオールドローハイドとであったブラック ジャックのバーはこのWolf Creekにあったのです。このWolf Creekでのことは義兄さんのニールとの思い出が多く、ミズーラに比べると負の思い出が多い感じがしますが、何度も原作を読みかえすと、この場所で何度も亡くなった弟のポールのたくましさやニールが家族の過保護な世話から逃げ出したがっているのをみて兄弟や家族を助ける難しさをノーマンマクリーンは感じているような感じがします。 「Wolf Creekっていったいどこ?」と疑問に思う方もいらっしゃるかと思いますが、実はミズーリーリバーを釣ったことがある方ならきっと「もしかしたらクレッグに行く通り道」もしくは「クレッグに下るボートランプ」といえば思い出してくださることと思います。 モンタナ州の州都へレナからインターステート15号で北に40分ほど走るとWolfCreekの看板がありますから見落とすことはありません。映画の中で ノーマン マクリーンがジェシーに電話をしてデートを申し込む場面があります。そのころは交換手を通さないと電話ができない時代。ミズーラからWolfCreekは随分距離がありますから、ノーマンがお母さんに隠れながら交換手に「長距離電話だっていうのはわかっていますが、つないで下さい。」といっています。携帯電話も公衆電話もない時代のほほえましい場面でもあります。 私は1999年からずっと毎年ミズーリリバーに日本から通っていました。仕事の関係でヘンリーズフォークの釣りがだれ始める8月にしか休みがとれない私に、私のガイドが「そんなにライズをしているでかい魚が釣りたいなら、ヘンリーズフォークよりミズーリーのほうがいいぜ。でかいのが100匹ぐらいトライコにライズするんだから!!」と勧めてくれたのがきっかけです。 ミズーリーリバーの真髄ともいえるクレッグには当時 ミズーリートラウト ショップとバーが一軒、キャンプ場、そしてランドマークの鉄橋ぐらいしかなく、トラウトショップに併設した宿はいつもいっぱいで、おまけに一人で泊まるにはなかなかいい値段でした。幸いそのころWolfCreekにモンタナ リバー アウトフィッターズというフライショップができて釣り人のための小さな宿もあり、クレッグよりは安いこともあって私は8マイルほど上流のこのWolfCreekに滞在していました。 町というには小さすぎるこのWolfCreekは、クリークをはさんで2つの通りしかなく、上流に向って右岸に郵便局と教会、学校、左岸にガソリンスタンド、そしてアメリカのこういう町には銀行はなくてもかならずあるバー、あとは両側に住宅が数十件(たぶん20軒もない)あるだけです。郵便局に登録されている人口は998人だそうですが、実際は夏だけの住人などもいますからもっと少ないのかもしれません。でもアメリカ歴史史上重要な人物ルイス アンド クラークが西部を探検したときにこの町の近くからロッキー山脈への第一歩を踏み出した「The Gate Of MountainsWildeness」があるので結構有名な町のようです。 はじめ私はノーマン マクリーンの奥さんがWOLF CREEK出身だと知った時に、モンタナの北東にあるWOLF POINTと勘違いしたかと思ったくらいですし、その後も地図や書物でモンタナ州のWolfCreekという町を何度も探したのですが、やっぱり私がミズーリ釣行のために滞在したこの町しかないのです。 原作にもモンタナ州の州都ヘレナから40分ほどと書いてあり、大きな魚を釣るための寝るだけに何度も滞在したこの小さな町が実は「RiverRuns Through It」の舞台だったなんてそのときは思ってもいませんでした。今回はシーズン オフということもあって、ちょっとはいるのが怖そうなバーが開いているだけで、中には酔っ払ったおじさんとお姉ちゃんだけでしたので、どこにジェシーバーンズの実家があったのかきく勇気がでませんでした。もしかしたらこのバーがブラックジャックのバーかしらと思うほど。。。 町の真ん中にある白い建物に歴史的建造物のサインがあったのでそこなのかもしれませんが、ここも人が住んでいる住宅なので中には入れずサインを読むことができませんでした。こんどはシーズン中に行って、フライショップでサンワンワームを買うついでにでも詳しく聞いてみようと思います。 Wolf Creekといってもそういう名前のクリークはなく、町を流れるクリークはLittle Pickly Pear Creek といって原作にもでてくる全米最低気温の記録地 ロジャーズ 峠から流れでていて小さなレインボウやブルック時々はブラウンが釣れるそうです。 このクリーク沿いを車で約10分も走れば、ミズーリーリバーのWolf Creekブリッジに出ます。たぶん「いったことがあるよ」という方もいらっしゃるでしょう。ホルターダムからこのWolfCreekブリッジ、そしてWolf Creekブリッジからクレッグまではとてもよい釣り場で、なんどもなんどもボートでこの区間を釣りました。 あの頃は人気があるとはいっても、込み合うほどの釣り人はいなくて何匹も大きな魚が釣れて本当に病み付きになるほどでしたが、近年は釣り人が増えたのとワイヤリングディジーズの噂なども流れたせいで、こっちに来てからというもの全く行かなくなってしまいました。この日は運がよければひさびさに釣りを。。。と思っていましたが、天気がよいもののモンタナの冬定番の強風が吹き荒れ、釣りどころではありませんでした。 また原作を読むとノーマンがニールを連れて行ったエルクホーンクリークが出てきますが、私の持っている地図には載っていなくてどこか架空の川かなあと思っていたのですが、釣りのガイドブックにはちゃんと載っていました。ホルターダム南に8マイルほどにクリークの河口があるそうです。小さなカットスロートや虹鱒がつれるそうで、初心者のニールを連れて行くにはぴったりのクリークですね。 せっかく来たのだからクレッグまで行ってみようとミズーリーリバーを横目に車を走らせました。昔ここで大きな魚を逃がしたなあ、などと思い出がいっぱいです。 クレッグにつくとティペットやフライがたくさん絡んだ古いクレッグの鉄橋も今では立派な橋に架け替えられ、新しいフライショップもオープンしていました。最後に訪れてからもう8年も経つのですから、変っていて当然なのかもしれません。でも8マイル上流のウルフクリークはあのときのまま。もしかしたらノーマン マクリーンの住んでいたときからもそんなに変っていないのかもしれません。 ミズーリーリバーでの釣りはクレッグやウルフクリークのフライショップはもとより、ボーズマンやウエストイエローストンのアウトフィッターもたくさんガイドトリップをしています。クレッグにある新しいフライショップヘッドハンターの看板娘 セラさんも凄腕のフライウーマンだそうで、この前も釣りの話で盛り上がりました。 このあともRiver Runs ThroughItをめぐる旅は続けていこうと思っていますが、先にも書いたように冬の間はスノーストームが来るとどこにもいけなくなりますからなかなか続けてかいていけないかと思いますが、まだまだ訪ねたい場所がいっぱいありますのでそのつど書いていくつもりです。東北の震災でとても悲しい1年だった2011年もあと一ヶ月を残すのみとなりました。震災にあわれた方々がいまだ辛い思いでいらっしゃることと思います。たくさんSIMMSのお客様が日本にいらっしゃるので、わが社のみんなも大変心配しておりました。どうか来年が明るい1年になりますようにとロッキー山脈の山の中からお祈りしております。 |