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マッコイ スプリングクリークの入り口
雪の中 ストリームキーパーが案内してくれました
釣り人への配慮
大きな虹鱒がつれました
釣るのが難しそうなライズが見えます
かけた魚は大きくてなかなか寄ってきません
モンタナで作られたキャンバステントでお昼を取ります
 
 

■ マッコイ スプリング クリーク

 ウエストイエローストーンにいたときは、この時期でもイエローストーン国立公園のファイヤーフォールリバーでドライフライの釣りができたり、ヘプゲンレイクでクレイフィッシュをイミテートしたオレンジのウッリーバッガーを引っ張ったりとフライフィッシングが楽しめたのに、ボーズマンにきてからは近場がどこも雪解けの水でまっ茶で釣りになりません。ボーズマン周辺で唯一釣りが楽しめるのは、リビングストンのスプリングクリークですが、4月15日からは料金がUPしますし、それでも釣りができるので予約が一杯でなかなか入る余地がありません。こんな状況になると、ふと便利さを求めて大きな町に住むのがいいのか携帯も通じない不便な小さな町で釣りや自然を楽しむのがいいのか迷ってしまいます。

 そんな中、かねてから行きたいと思っていたディロンにあるマッコイ スプリング クリークの予約が取れました。ディロンは佐藤成史さんが以前フライフィッシャー誌に書かれたポインデックスタースルーが流れているのとパタゴニア社のアウトレットショップがあるので日本のフライマンにもおなじみの町です。また実はこの町にはあの有名なエルクヘア カディスをイノベイトされたAl Trothさんがすんでおられますがもう随分ご高齢でいらっしゃるようです。

  マッコイ スプリング クリークはこれまた佐藤成史さんが以前記事を書いておられますからご存知の方もいらっしゃると思いますが(牧場のオフィスには記事の一部が額にいれてかざってありました)、ディロンの北の町はずれにある牧場を流れるスプリングクリークで、リビングストンのスプリング同様牧場主さんが公に釣り場を提供してくださっています。ただここは、紹介者かこの牧場と契約をしたフィッシングガイドのどちらかが必要なのと、2ビートそれぞれ1日2ロッドですから計4ロッドしか入れないので公といってもなかなか予約を取るのが難しいスプリング クリークなのです。

 またここはビーバーヘッドナショナルフォレスト内になりますので、モンタナのフィッシングガイドライセンスがあってもそれとは別にフィッシングガイドはビーバヘッドフォレスト用の特別な許可をもったガイドさんしかガイドできないのです。よく日本の方からビーバーヘッドやビッグホールを釣りたいという質問を受けますが、ビーバーヘッドフォレスト内のレギュレーションは大変厳しく、曜日によってガイドやモンタナ州以外の人のフロートができない箇所があったりしますし、許可のあるガイドさんも年に何日とガイドができる日数が限られています。そういう規制があるからこそ魚や川が守られ、釣りを楽しむことができるのです。釣りを楽しむ権利と魚を守るためにルールを決めそれを守る義務をこの地域の釣り人はちゃんと心得ています。


 さて予約の前日、天気予報は雪。5月の終わりメモリアルウィークエンドいつも雨や雪が降っていたなあと最初は笑いながらディロンに向ったのですが、ディロンに近づくにつれ強風で今にも雪が降りそうな天気。やっととれた予約の日を変更しようにもすっと予約が一杯で予約を変更するわけにも行かず、後は明日の天気を神様に祈るのみ。その日マッコイで釣りをしているはずの友達が町にいて「風が強くて竿が振るどころではなかった。」とあきらめきれない彼に明日の自分の姿をみているようでまたまた不安になり。。。。買い物もほとんどせず、今日の宿のバックカントリーアングラーズのキャビンへ向いました。


 バックカントリーアングラーズについては以前もかいたことがありますが、オーナーのトム スミスさんは昔ブルーリボンフライズでクレッグ・ マシューズさんとフライを巻いていたこのあたりの大御所。奥さんのメアリーさんは世界中をセーリングボートで駆け巡っていたなどとは思えないほど優しく大変いい方で頼りになりますし、お店の後とお店から少し離れたビーバーヘッドリバーのほとりにキャビンも経営されているのでディロンの宿泊にはもってこいです。もちろん上記にかいたビーバーヘッドフォレスト内の許可を持っていますので、ビーバーヘッドやビッグホール、マッコイスプリングクリークへのガイドサービスもできます。

 さて次の朝目が覚めると外は真っ白。「またもや私のバケットリストはかなわないのかしら。。。」と泣きたくなってきましたが、マッコイ・ スプリングクリークにつくと、夫の古い友人でストリームキーパーのスティーブさんが明るく出迎えてくださり、クリークのツアーに連れて行ってくださいました。この日私たちが釣る区間は Big Meadow 区間です。牧場の中をクリークが緩やかに流れていて、スティーブさんは丁寧にどこに魚がついているかなどを教えてくださいました。雪が積もっているものの、その日は風がおさまり、どんよりとした雲が大空を覆っています。よく考えてみればそういう天気はフライフィッシングに一番いい天気なのです。池のほとりのテントで用意をしていると、池ではライズが始まりました。何匹かフローティングミッジで釣り、これで思い残すことはないなどといいながら、クリークに向うと水面にはベイティスやPMDのハッチがはじまり、大きな魚がライズしています「こういう場合はレネ・ ハロップ さんのフライだ!」と私が信じてやまないPMDのヘンリーズフォーククリップルダンは効果テキメン。牧場の小さなクリークで本当にたくさんの大きな魚がライズし、私たち以外にはだれも釣り人がいないというのはなんと贅沢な釣りでしょう。

 遅いランチをとりにKANSASLAKE脇の休憩テントにいくと、ミッジのハッチが終わり今度はキャリベイティスにたくさんの魚がライズしています。お昼のサンドイッチをほおばりながら、フライをキャスト。そのままフライを浮かべておくと、クルージングしてきた魚が「ガボッ」と音をたててフライに出てくれるのでこれまたなかなかやめられません。

 そうしているうちに、ストリームキーパーのスティーブさんが、「取って置きの場所があるから」とゴルフカートにのって私たちを迎えに来てくださいました。そこでは本当に大きな魚たちがライズというか、波のように移動しているのがみえました。それも1匹2匹ではないのです。「今の時期しかここは釣れないんだよ。夏になると浅くなりすぎて魚がつかないんだ。6Xなんかだめだよ。5Xにかえてね。魚が取り込めないから。」さすが毎日毎日クリークを見て回っているスティーブさんの生きたアドバイスです。アドバイスをちゃんと聞いた私はちゃんと大きな虹鱒がすぐ釣れましたが、言うことを聞かない夫はかけてもすぐティペットを切られて、「頑固者!!」とスティーブさんに飽きられていました。でも夫がかけて手元でばれたブラウンは絶対に6Xどころか5Xだって絶対ムリなワニのような巨大な魚でした。(笑)

 風もまた吹き始め、だれもいない牧場はさびしくさえ感じましたが、このクリークにPMDのハッチしレインボーがライズ、ホッパーに大きなブラウンが飛びつく、そんな美しい季節がもうすぐやってきます。ストリームキーパーのスティーブさんはそんな一瞬の季節と釣り人を迎えるために雪の日も風の日も一人でクリークを手入れしてくれています。魚を釣ることはもとより、またスティーブさんの明るい笑顔に会いにいきたいと思っています。

 さて 円高の影響もあってか、今年こちらに釣行なさる方が多い気がしますが 今年は小雪でしたが、いまだに雪がふったりして、現在時点全体的にでは例年並みの川の様子です。6月15日にハリマンステートがオープンしたヘンリーズフォークは大変大変よい状態で、オープニングの日パインへブンのお友達の家から川をみていたら川面がPMDで覆われ大きな魚がたくさんライズしていました。

  気がつけばもう夏至。グリーンドレイク、サーモンフライ、PMD、カディスのハッチをおいかけて行きたい川がありすぎて有給を使ってでも釣りに行きたい気分です。


この夏こちらに釣行予定の方で川の状態などお知りになりたい方は、またご連絡ください。