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ボーズマンからエニスに抜ける途中が大火事になりました
ゴールデンストーン
マジソンに咲くサボテンの花
モンタナのBig Skyの下で
いい型のブラウンがたくさんつれました
マジソン リバー ブリュワリーのビール
 

■ マジソンの一番美しい季節

 今年の夏はとても暑い夏です。気温が華氏90度を超える日が続き、いつもなら夕方にサンダーストームが来て雨が降るのに、今年は全くといっていいほど雨が降らないので気温が下がらず寝苦しい夜が続きます。(日本に比べれば随分マシだと思いますが。。。)


 お陰で大地はカラカラに乾き、いつも春先に釣りに行くマジソン川下流のベアトラップキャニオンで大火事が起こりました。近くの廃村ポニーでも山火事。遠く離れた私の家まで煙たくてたまりませんでした。原因はキャンプをしていた人の花火。ボーズマンの人口が増えるにつれ、そんな非常識なアウトドアマンが増えているように思うのは私だけではないようです。

 7月4日は独立記念日です。今年は水曜日ということもあって、前後の週末をあわせてバケーションを取った人が多く、どこもかしこも大賑わい。もちろんどの川も釣り人だらけでした。


 私たちこの周辺に住む釣り人にとってこの7月4日は別の意味でもお祝いをしたくなる日。待ち焦がれていたマジソン上流部にサーモンフライが現れる時期なのです。もちろんその年によっても異なりますが、ブリーリボンフライズにいたころ「マジソン上流部はいつごろがいいですか?」という質問に「独立記念日を目安にしてください。」と答えていました。


 マジソンリバーは皆さんにおなじみの川だと思うのですが、$3ブリッジ周辺はもちろんのことこの川はイエローストーン国立公園のマジソンジャンクション最上流部からスリーフォークのミズーリーリバーへの注ぎ口まで一年を通して楽しめる川です。でもやはりスライドインからレイノルズパス、$3ブリッジ、そしてウエストフォーク、ライオンズブリッジまでの約9マイルいわゆるウエーディングセクションは世界に誇れる最高の釣り場だと思っています。このセクションは5月のメモリアルウィークエンドに解禁し、2月末日に禁漁になります。解禁ごろは雪解けでまだ釣りにはならないことが多く、雪代が収まる6月下旬から7月上旬から本格的なフライフィッシングの時期を迎えます。またこの区間はボート下ることはできますが、ボートからの釣りは禁止。必ずボートから降りて釣りをしなければならないレギュレーションがあるのですが、近年ライオンズ・ ブリッジ下流でボートでのフロートトリップが異常なほど込み合っていて、このウェーディングセクションでもボートからの釣りを認める方向に話が進んでいるようで、私個人的にはウェーディングでの釣りが楽しめる唯一の場所なのに。。。と思っています。


 さて今年の7月4日は幸い夫も仕事が休みでしたのでマジソンリバーに釣りに行くことにしました。水が落ち着き例年通りサーモンフライがハッチしているという情報があり、ひさびさのマジソン上流部での釣りです。たくさんのワイルドフラワーが咲き乱れる中、とても華やかな花をみつけました。サボテンの花です。冬には氷点下50度を越える寒い地域なのにサボテンが生息するのは不思議な気がしますが、ほんの一瞬の夏、乾いた大地にたくましく生きる植物で、こんな素敵な花を見られるのもこの時期ならではです。水が引き、太陽が照り始めてあわてて水辺にもどった蛇もみつけました。サーモンフライはもちろんのこと、ゴールデンストーン、PMDもたくさんハッチしています。もちろんたくさんのフライフィッシャーが川にいますが魚はシビアなライズをし続けるので、フライをとっかえひっかえ、ティペットサイズを細くしながら、魚との知恵比べ。


 数年前の9月にマジソンの上流にあるヘプゲンダムが決壊して川が氾濫しかけたことがあって以来なんだかマジソンリバーでの釣りに異変を感じていました。ちょうどブラウンのスポニングの時期だったから産卵に影響があったのか、大きな魚たちが死んでしまったのか思ったところで魚が出てくれない、サイズが小さい。。。そんな数年だったので、今回も少しの不安があったのですが、幸いたくさんいい型のブラウンが釣れてくれました。川の生命力、再生力を感じずにはいられませんでした。


 フロートトリップが楽しめるライオンズ ブリッジから PalisadesやMactee までも私は大好きで、サーモンフライの頃はバンク際で大きなブラウンが出ますし、涼しげな大きな岩の陰からいい虹鱒が出てくれます。約8マイルから15マイル、ロッキーの山々を見ながらフィッシングガイドとのおしゃべりを楽しみながらのボートでの釣りはBIG SKYモンタナならではです。

 ヘンリーズフォークの穏やかな流れとは異なり、マジソンはフリーストーンの川で、ライズも見つけにくく、またどこを釣っていいのか分からないとおっしゃる日本の方も多いのですが、ウエストイエローストーンやエニスのフライショップに行けば、自慢話をするついでにいいポイントを教えてくれる人が必ずいます。流れが速いのでライズは見つけにくいのですが、マジソンに通い続けるフィッシングガイドたちには、流心ですばやいライズがみえるようです。

 早春のミッジ、マザーズデイカディスの釣りが楽しめるマジソン下流部、他が禁漁期にも釣れるヘプゲンダムからクエイクレイク、のサーモンフライの時期のエニス周辺のマジソン、スポニングブラウンを狙うイエローストーン公園内上流部のマジソン。どの時期もどの場所のマジソンリバーはフライフィッシャーに釣りの楽しさを教えてくれます。でも分厚いジャケット、ウールのハットと手袋を脱ぎ、フィッシングシャツだけで釣りができるこの時期、空はモンタナならではのBIG SKYで川の水はここちよい冷たさ。釣りの終わりには、マジソンリバーブリュワリーで作られたホッパーエールでのどの渇きを癒しながら、今日の釣りを仲間と語り合う。マジソンリバーの一番美しい季節を感じる瞬間です。