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古道具屋でみつけた「A River Runs Thrrough It」の台本
映画で使われた警察署
映画がこけらおとしされたエラン劇場
ポールの少年時代を演じたヴァン君の新聞記事
リビングストンの駅舎
映画で使われた教会
イエローストーンリバーでの釣り
モンタナネイティブ イエローストーンカットスロート

■ A River Runs Through It をめぐる旅 C
  Bozeman Livingston

 今年の8月は暑くて暑くてモンタナの多くの河川は水量が少ないのと水温が高いので釣り禁止になりましたが、特に午後からは日差しがとても強くて禁止されなくても釣りなどする気にはなれませんでした。大地は乾ききって、イエローストーン国立公園やリビングストンなどあちこちで山火事がおこり、空は煙で覆われるそんな8月の最終週です。

  暑くて釣りに行く気にもなれない私は、ふらっとボーズマンのダウンタウンに出かけました。ボーズマンは日本からのフライフィッシャーもボーズマンの空港を発着地となさる方が多いのでもう説明する必要もないかもしれませんが、かつては開拓時代に東海岸から西に向うオレゴントレールの北ルートとしてボーズマントレイルが開かれ、また金鉱で栄えたボーズマンの西にあるヴァージニアシティに向う人たちの中継地として栄えた町です。その後ギャラティンリバーの下流に広がる肥えた土地が農耕牧畜を盛んにし、ボーズマンは町としてつい最近までカーボーイたちが闊歩するカーボーイタウンだったのです。今は中継地イエローストーン国立公園の玄関口として、またモンタナ州立大学のある大学の町としてさらに活気のある町なのですが、何度か書いたようにモンタナ州は消費税がないのとアメリカで4番目に大きな州で土地が比較的安いのもあって最近では大都市からの移住者も多くなっているので カウガールに代わって以前は見たこともないブランドのバックをもったおしゃれな女性が多くなりました。

  そんなダウンタウンにあるアンティークのお店になにか面白いものはないかとときどき寄ることがあります。元来あまりアンティークには興味のない私なのですが、以前ジョン・ギーラックのトラウトバムの初版本があったりとフライフィッシングに関する本も多くあるので暇つぶしにはもってこいです。その日もなにかないかなといってみると、「A River Runs Through It 」のScreenplay (台本)があったのです。いったいいくらなのかしらとおそるおそるページを開くとたった$6。買わないわけにはいきません。本当はこの$6で愛犬のおもちゃを買うはずだったのすが。。

 お宝を見つけた私は早速読みたいと思い、これまたダウンタウンの横丁(S.Tracy通り)にあるフレンチカフェによって、カフェオレを飲みながらこの本を読んでいました。最後の部分にブラッド・ピットが演じたポールが殺されノーマン・マクリーンが警察から出てくるシーンがありその写真が本に載っているのですが、ふとそのフレンチカフェの窓をみるとなんと警察署に使われた建物が目の前にありませんか。今にも弟をなくして悲しそうな顔をしたノーマンが出てくるかのようにその建物は映画のまま残っていました。映画が公開されてからはや21年がたち、この映画はもうクラッシック映画の部類に入るのでしょうが、ロバートレッドフォードやブラッドピットなどハリウッドの大スターが集まってこの映画の?落としされたエラン劇場もボーズマンのダウンタウンの中心に以前のまま残っています。今では週に一度ぐらいの割合でいろんな映画やコンサートに使われていますが、中は美しいアールデコ調の古きよき内装になっています。映画の撮影はリビングストンが中心だと聞いていたのですが、ボーズマンにも「A River Runs Through It 」ゆかりの場所があるのです。

  そして撮影が多く行われたリビングストンもスプリングクリークがあるのでこれまた日本のフライフィッシャーにはおなじみの場所ですし、ボーズマンから車で30分ほどですからイエローストーンリバーに釣りに行くついでにちょっと立ち寄ることができる古きよき小さな町です。町の中心にある鉄道の駅はかつてはイエローストーン国立公園に東部から多くの観光客で大賑わいだったとダンベーリーの2代目の社長さんのジョン・ ベーリーさんがおっしゃっていましたが、その駅舎を訪ねるとすっかり建て直されてモダンになっているとはいえ、ノーマン・マクリーンがダートマス大学に旅立ったシーンや義理の兄二?ルを迎えるシーンを思い起こすことができますし、横に併設された駅舎を改造したカフェに入るとなんとなく鉄道が主流だったイエローストンの歴史を感じることができます。またダウンタウンを少し外れた場所にノーマンマクリーンのお父さんの長老派の教会として撮影に使われた教会がありますが、本当にここに映画の大スターたちが集まり、撮影が行われたのだろうかと思うくらい、閑静な住宅街に位置します。デピューズスプリングクリークやサカジュイワ公園から見るアブサロカの山並み、ダウンタウンの町並みはこの映画のシーンに使われていますし、ポールの子役をした地元の少年ヴァン君は今もリビングストンに住んでいるのだそうです。またダンベーリーのフライショップにジョン・ベーリーさんを訪ねると、オフィスにはたくさんの撮影写真をみることができます。この町にいると「A River Runs Through It 」の映画に迷い込んでいるように感じがするのは私だけでしょうか。

  さて映画の余韻に浸っている私に、愛犬が「早く川に釣りに行こうよ!!」とねだるのでリビングストンの町からすぐのイエローストーンリバーに向いました。イエローストーンリバーでボートで下りながら大きなブラウンを釣るのも楽しいのですが、この日はアブサロカの山並みを背景に歩きながらホッパーの釣り。バンク際にホッパーをキャストすると美しい美しいイエローストーンカットスロートが釣れました。なぜかフライフィッシングをしてよかったなあと感じました。

 もしリビングストンやボーズマンへ釣りにいらっしゃることがあれば、ぜひ来る前に「A River Runs Through It 」を見てきてください。旅の途中 町のあちこちで映画の一場面に出会うことができるかもしれません。