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新しいウェーダーにふさわしい立派な虹鱒
WAYPOINTのプレミアム上映会のポスター

WAYPOINTのプレミアム上映会の様子

トラウトアンドリミテッドの集まり

腕自慢のお料理はすぐに空っぽ
スコット・サンチェス氏のスライドショー

■ 冬の楽しみ

  あっという間に今年もあと一ヶ月を残すのみとなりました。9月25日に最初の大雪が降り、その後も冬の到来を思わせる天気が続いたので、今年の冬はどうなるのだろうと心配していましたが、11月の感謝祭は日差しが暖かく感じられました。さっそく買ったばかりの新しい2014年モデルのウェーダーをはいて釣りに出かけました。ブラウントラウトは産卵に忙しそうなので、スポニングしていないようなバンク際でミッジにライズした魚にキャストすると、立派なオスの虹鱒が釣れました。渇水の夏を生き抜いた力強い魚です。

 冬が始まったばかりだというのに、感謝祭が終わると同時にクリスマス商戦が始まるのでSIMMSでは2014年スプリング サマー スタッフが入荷してきてウェアハウスはてんてこ舞いです。暖かなメリノウールの下着を見ていたかと思うと、半そでのシャツが来たりと季節が入れ替わり立ち代りしていますし、企画のほうではもう2015年製品の話で忙しいようですから、ボーとしている私は時代に取り残されている感じがします。でもこの10月末に一時帰国した際に日本のスピード感の速いこと速いこと。モンタナの数十倍の速さでいろんなことが過ぎて行くのでびっくりしました。遠い日本にいるのにミレズニック ランチのうわさがはいってきたり、知り合いの方の家に忘れ物をしたものが1週間後にはアメリカに届いたりするわけで、日本の方のほうがここで働いている私よりわが社の製品やフライフィッシングの情報に詳しいのだなあと思わずに入られませんでした。

 さて気温が氷点下をきるようになると、竿を振ることも少なくなります。乾燥しているので寒さがあまり感じられないのですが、川は凍りつき手がかじかんでティペットも結べなくなりますし、魚の活性も低くいのでなにもそんなときに釣りをしなくても楽しみはたくさんあるのです。その楽しみの一つは釣りのフィルムの上映会です。特に今年もまたConfluence
Filmsの新作 「WayPoint」 ができあがったようでその最初の?落とし上映会がボーズマンのエランシアターで11月8日に行われました。

 この上映会は一般の公開に先立ってあるのと、出演者や撮影クルー、協力者などフィルム撮影に携わった人とフライフィッシング関係者が一同に集まるのでそんな人たちに再会するのも楽しみの一つです。一作目から三作目までもたくさんの友達が出演しているのですが、今回のフィルムではチリで釣りをしたボーズマンのガイドのグレッグさんやアラスカのパートで釣りをしているのはツインブリッジのストーン フライインのオーナーであるルースターさん、インドのパートではアイダホのビクターに住むジェフさん、そしてナレーターは今回もまたトラウトハンターのオーナーの一人であるジョンスティールさんと知っている顔が並びます。それに加えて私の手がけた製品が何度かフィルムの中で登場するので、ちょっと誇らしく思える瞬間もあります。

 今回のフィルムは第4作目になるのですが、テクノロジーの進歩も加わってか映像がとてもすばらしいものになっています。このConfluence Filmsの代表のジムさんはボーズマンでイエロードッグトラベリングという世界をまたに駆けた釣りのトラベル会社の経営が本業でフィルムの専門家ではないのにこれだけ迫力のある映像ができるのは、やはり経験豊富な釣り人の目線だからだと思います。チリでヘリコプターをチャーターして釣りをするとなるとトータルは目が飛び出そうな金額になりますので私には一生行くこともない場所ですが、フィルムをみながらこういうエキサイティングな釣りもあるのだと夢と想像だけはふくらみ、いい刺激になります。

 ここアメリカでもフライフィッシングの人口は年齢別にみると40台以降の年代では急速に減っているといわれています。経済動向だけでなく、若い世代は釣りなどしなくても魅力的なものがたくさんあるのだと思います。しかしこのフィルム上映会は11月8日のプレミアム上映会をはじめ、次の日の一般公開2回分SOLD OUTだったそうで、その観客の多くが20台から40台にかけての若い世代でした。このフィルムは確かにすこしエクストリームな感じがしますけれど、新しい世代が魅力を感じるにはこれぐらい大胆なフィルムつくりが必要なのではないでしょうか。

 このフィルムの興奮が冷め遣らぬ間もなく、その次の週はトラウト アンド リミテッドの恒例Chill Feed。これはトラウト アンドリミテッドの会員の有志が作ったお豆とひき肉を見込んだChillというお料理コンテストをしながら、ゲストスピーカーの話を聞くという11月の月例集会です。食べ物があると会員の集まりもよいようで、あっという間にクロックポットというスロークック兼保温用のおなべは空になってしまいました。今回のゲストスピーカーは夫の古い友人で今はジャクソンホールのジャックデニス スポーツのマネージャーである、スコットサンチェスさん。日本でも有名な方ですが、この方も有名なフライフィッシャーであるのに本当に気さくな真のトラウトフライフィッシャーです。

 私のフライフィッシング バケットリストのひとつに秋 グランド ティトンの山々がアスペンの黄葉で黄色に染まる中スネークリバーをボートで下りながら カットスロートを釣るというものがあります。これはスコットサンチェスさんも大好きな釣りのシーンだそうです。ウエストイエローストーンにいたころはジャクソンホールに日帰りでもいけ、天気のよい秋の日にグランドティトンと黄葉を見に行くことは簡単だったのですが、ここボーズマンからは一泊しないといくことはできなくなってしまいました。グランドティトンははジョンロックフェラー氏のおかげで開発を逃れ、私たちにすばらしい景色と大自然を見せてくれますし、ジャクソンホールはちょっと物価が高くて私には手が出ないけれど、ウエストイエローストーンとは違ったおしゃれなイエローストーン国立公園のベースキャンプ。バックカントリーでムースやグリズリーベアに出会いながら鱒釣りを楽しむスコットさんのスライドショーは、エキサイティングなWAYPOINTのフィルムとは違った美しい静かな自然の釣りを紹介してくださいました。

 クロスカントリースキーで誰もいない静寂なイエローストーン国立公園に行く。大自然の恵みをいただくために雪原にオスのエルクのハンティングに行く。モンタナ育ちの羊の毛で暖炉の前でセーターを編む。モンタナの冬の過ごし方はなにかしら自然に密着しています。モンタナの冬は長くて厳しいけれど、いつも自然とつながっていたい。そういう思いでみんながフィルムの上映会やスライドショーに集まります。この冬もこの後数回いろんなフィッシングフィルムの上映会、トラウトアンドリミテッドの定例会が予定されているのでそれを楽しみに長い冬の夜長をすごしたいと思います。