とはいえ、そこは流石にカナダ。少なくとも軟な都会人の目には、極めて稀に見る橋以外一切人の手が加えられていない河とそれを蜜に包み込む森林からなる豊かな自然環境、そこに棲む野生が、時として背筋が寒くなる程の迫力を未だ充分に保っているように写った。特に野鳥の豊富さはBCでも有数らしく、実際釣りの合間に(観光客にウケの良い)白頭ワシの勇姿を見かけことも珍しくなかった。また釣り二日目に、より濃厚な自然の残る上流部まで釣り場を求めて足を伸ばした際、狼の姿や、推定体重400Kgのグリズリーの足跡などを発見するという貴重な体験もすることができた。
釣りについてはChumが同地で最も有名であると聞いた。遡上は10月後半に始まり、11月半ばに最盛期を迎えるらしい。今回はそのベストシーズンの開始期にあたる6日(土)と7日(日)の二日間を釣りに充てた。前日からの雨及び前夜からの高温に因る大増水+大濁りでなかなか厳しい釣りになった二日目はともかく、適度な小雨と水位、そして程好い濁りの水質に恵まれた初日は、(ガイド曰く)「最高のコンディション」。それはそれは素晴しい、を通り越して凄まじいSquamish Chum Fishingを堪能することができ、One of the best chum fishing of the worldという評判にも頷かざるを得なかった。