■使用タックル等
今回、実釣で使用したスペイロッドはThomas&Thomas DH1308/4(8wt, 13ユ)とFly Logic Dec Hogan Signature Series FLO1307/4 (7wt, 13ユ)だった。当初Sage Ultra Light Spey 5120/4 (5wt, 12')をメインにすることも考えたのだが、最終的には暴風対策と大きなフライを試したかったこと、更にはシングルハンドのメインロッド(Scott G845/5)との兼ね合いというか差を出すことをも意識して、ファイティングではオーバーパワーになることを覚悟の上でこれら二本を選択した。
実際に投げそして釣ってみた印象からすると、キャスタビリティーの面では(予想的中で暴風続きだったこともあり)これ位の番手で調度良かったと思う。アクションについては、初のサンワンでのスペイフィッシングということで、サンワン・リグを使用した「合わせ」を入れる釣りから脱することができなかった為、トラディッショナルスペイアクションに近いFlylogicでは苦戦した。一方、CrispyなT&Tの方はなかなか良かった。最後にファイティングにおいては、いずれも案の定オーバーパワーだったが、柔らかい前者の方が衝撃を吸収しくれる分バラシの確立は少なくて済んだ。
スペイでサンワン???という疑問に対する応えを、経験の浅い私がたった一週間ばかりの遠征でおいそれと引き出せるわけはないのだが、シングルハンドで不足する部分をそれなりに補って釣りに幅を持たせてくれるのは間違いのないところである。 また、実をいうと、三年前のサンワン遠征の最終日に(トラウトフィッシングでは異例の)50分間ファイトをした挙句にサカナを捕り損なうという痛恨を味わったことがある。しかもその時使っていたのは6wt用タックルだったから、同行した仲間との思い出話の中では「推定70〜80cmの巨大ブラウン」ということになっているのだ。そしてそれ以来、いつかまた、、、という儚い期待が、脳裏を離れないばかりか、性質の悪い恋の病の如く我が身に巣食ってしまい、時として、一見滑稽な程に高番手のタックルを担いで河に立つという発作を私に引き起こさせるのである。ただ、その発作がこれまた妙〜に気持ち良いものだから困ってしまう。