辺鄙だ。それにしても辺鄙だ。人口2百人足らずのこの寒村には漁業以外生計を立てる手段がないのです。『テレビもねえ、ガスもねえ、バスは一日一度来る』、という歌がありましたが、それを地で行く世界です。本当にバスは1日1度です。メインストリートも寂れていて、ガソリンスタンドもない(売っている店は1軒あるがストックがなかった)。このご時勢なのに携帯電話の電波も入らず宿の電話はフロリダ経由の衛星電話。村には有料で電話がかけられる店が2件あるのみ!
社交場も遊び場もないので、村人は桟橋に集まってきます。ここが村唯一の娯楽を提供できる場所で、何をするのかというと老若男女みんなそろってここで手釣りをするのです。なんでも11月のこの時節はパルゴと呼ばれる魚が接岸する季節なのだそうな。どうも根魚の一種にみえるのですが、メキシコ各地で“パルゴ"と呼ばれる魚には激しくバラつきがあり正確な魚種はよくわかりません。中米他国でもブルーウォーターのゲームフィッシュとしての巨大なパルゴの写真を見たことはありますが、同一の種なのかは不明。ご存知の方ご教示を。