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Xcalak

 好調だった理由のひとつにガイドの目視能力と操船能力が高かったことが上げられます。曇天もしくは小雨という悪条件にも拘らず、ガイドのビクトルの目には狂いがない。 私には見えていなくても
『11時の方向、40フィート(ラス・オンセ、クアレンタ・ピエス)』 と言われ、その通りに投げればほぼ必中でそこにスクールが立ち食いしており、2回ほどストリップすれば間違いなく魚が追ってきます。

また逢う日まで
 水面がやや見えづらくても水面下の動きを的確に読み取ってキャストしやすい位置に船をつけ、その上で釣り人に『さあ、投げろ』と言うことは簡単なようで難しい。群れは餌を食べてテーリングしながらも常にどちらかに動いているし、それを予測してキャストする角度も微妙に修正しなくてはなりません。また、距離を正確に言うことが出来ないガイドも当地では少なくないのであって、フライラインまでが『40ft(クアレンタ・ピエス)』。なのか、フライの先までなのか、ときに混乱する場合が往々にしてあります。ましてやこっちは40ftと言われればそれを何となく把握はしていても『40×0.3=12m!』と一応確かめ算する必要があるわけで、ややこしいのです。
スコットとガルバンリールとともに
パワフルランナー

 フォルスキャスト2回の間にパパッと数字が浮かばなければ勝負にならない。この辺りの呼吸が完全に合うと、ガイドとの釣りは抜群に楽しい。ガイドはきっちりと自分の見ているものを伝え、船をギリギリまで近づけ、客はきっちりとキャスティングで応える。ビシビシとキャスティングが決まるので一投一釣に近くなる、というわけなのです。

 また下手なガイドだと12m先のフライの落下点がほぼスクールの真上に来てしまう場合がままあり、タイミング次第では群れの真上にラインが入って群れは四散、チャンスは台無し、というケースがあるのですが、この点ビクトルは
『40ft、でも心持手前に』『テイリングより1mくらい手前に落とそう』といった具合に慎重に落とす場所を計算して、例え1匹が追ってきてフッキングしたら必死で船ごとその場を 離れるなど、群れを四散させないような工夫もしてくれたので、そのまま同じ群れに第2投という芸当も出来ました。

 驚かせないならば、仲間の1匹がフッキングしても群れの他の連中は数メートル移動してまた餌を貪っているというケースがある、ということを勉強いたしました、はい。