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 昔はこの集落からやや離れた場所に銅をはじめいくつかの小さな鉱山があったということなのですが、今はそうした鉱山も閉山となり、主に夏季に街道を通過するツーリストやフィッシャーマン相手のロッジが何軒かある以外は店もほとんどない小村です。

 ベイケル川はチリでも有数の水量豊富な川で、ここから流れ出して周囲の山々や氷河からの流入水を集めてどんどん大きくなっていき、トルテルという町で太平洋側へと注ぐ大河です。途中ネフ川との合流点では凄まじい規模の滝を拝見しました。

 さて増水期のベイケル川での釣りはボートやラフトからのものが中心になります。持っていったタックルは#5、#6、#7。ラインはフローティングと200グレインくらいのシンクティップで十分なようでした。(左下へ)

 川のフライパターンは#12から#18くらいまでのカディスが中心。4種類ほどのカディスのハッチが常時豊富にあるため、全くもってカディスパターンは必携です。小型のメイフライがハッチしてそれらをマス君たちが選食する場合もありますので、アダムスやBWOを使うこともあるのですが、あまり頻度は多くありません。コジャイケ周辺で使われるようなバッタや甲虫をはじめとした大型のドライフライは川の釣りではあまり必要ないようにも思いますが、もちろん釣れないというわけではなく、却って反応がよいときもあります。アイセン地方のフライパターンとしては必携ですし周辺の湖の釣りにも欠かせないので、持って行くには越したことがないでしょう。

 ラフトによる川の釣りは岸際スレスレか、冬春の減水期には中洲になる部分と本流の間の駆け上がりの渦流線の出来るところがポイントで、そのラインに沿ってフライを流す必要がありますが、この時期は川の流れも非常に複雑になっていて、ボートから岸沿いの15m先のポイントまでに3つの異なる流速の流れがあり、更に一番奥のポイントのある流れが巻き返していたりしてドラッグかかりまくり、ということも少なくなく、かなり手こずりました。

 ベイケル川の魚たちの大半がレインボーです。アイセン地方に多いブラウンは水流が強すぎるためかあまり釣れません。また釣ったレインボーの大半はサイズが20インチを切る程度で決して大きいというわけではないのですが、国内一の単位水量を誇る川のマスなのでパワーが抜群でフッキングしても全然寄って来ません。コジャイケ周辺のマスと比べても劣らない凄いパワーに感心しました。