こうして腕利きガイドに最初の20匹程を見つけてもらう内に、自分でもかなり見えるようになった。オアフのボーンに比べると色が淡く、底の色に似ていて見つけにくいが、影を探すとすぐに分かる。ナリオが見つける前に見つけたりもするようになり、しまいには25m以上離れた所の魚を見つけて、ナリオが「近づくまで待て」というのを無視してキャストして捕ったりもした。オアフでは一匹釣るのにえらく苦労するのに、ここでは小物だが実にあっけなく釣れる。私が写真を全く撮らないのを気にして、「写真はいいのか?」とナリオが訊くので、まぁ一応一枚だけ撮ってもらった。そうやって、最初の小一時間でガイドと一緒に十数匹を釣り上げると、「もう俺はいいから、あの素人を助けてやってくれ。」とナリオから離れて、独りで釣ることにした。
その後1時間程の間にまた20匹以上は見た。その内10匹ちょい掛けて、6匹捕った。次第に影だけではなく、魚体そのものも少し見えるようになっていた。しかし、中にはバッキングを引っ張り出す奴も居たが、全て又長30〜45cmの超小物ばかり。いくら数が出ても、オアフで又長50〜60cmをちょくちょく掛けている私は、正直言ってすぐに飽きた。で、早々とボーン狙いを止めてウルア狙いに変更。16番ロッドにバカデカポッパーを結んで浅場の縁を見ながらフラットを歩き始めた。
しばらくうろうろと歩いてウルアの影を探してはみたものの、全く気配も無い。ポッパーでブラインドキャストをすると、音でGTが寄ってくる事があるとガイドが言うので、16番ロッドでバカデカポッパーをブラインドキャストしてみた。すると、思ったほどきつくない。左手をしっかり使うと、8/0フックのついた全長20cm位あるポッパーを安定して25m以上キャストできる。両手で持って思いっきり振っても殆ど曲がらないロッドだが、流石T&T、凄いロッドを作る。普段12番ロッドでボーンを狙ってガンガンキャストしているからか、この後は殆ど16番でブラインドキャストしたが問題は無かった。
場所を変えてナリオが一緒にウルアを探してくれた。が、気配が無いので、またまたブランドキャスティング。ナリオが、「お前、よくそんなロッドをキャストし続けられるな!」と言うので、「思うほどきつくないぞ。お前も試してみるか?」と、やらせてみると、「駄目だ〜、こんな事してると腕が壊れちゃうよ!お前一体どんな腕してるんだ?」と言う。「いつも12番ロッドで30mキャストをしてボーンを狙ってるからな。オアフのボーンはデカイし強いぞ〜。お前も一度来いよ。俺が案内してやる。・・・」とか、何とかいろいろ話しながらキャストを続けたが反応無し。
その後場所を数回変えてみたが、駄目。ホテルに戻ってから夕食の時間まで裏のリーフフラットで1〜2時間釣ってみたが、全く魚影が見えず、初日はウルアの姿を見る事はなかった。因みに、ジャーナリストの相棒はガイドに付いてもらってボーンを数匹捕った。引きの強さに感動していた。数匹釣った後は、腕が疲れたとかで、写真を撮りまくっていた。やはりジャーナリストだ。