涼を求めて北海道へ行ったら東京よりも暑い釣行になった旅

夏本番が近くなると僕らが取る行動としては、標高の高い避暑地的な場所でロッドを振るという選択肢。あるいは北へ逃げて少しでも涼しい場所でフライフィッシングを楽しむという二択になっている。いつもであればこの時期は標高1,000m以上のアルプス周辺でゲーターを履いてシャワークライムを楽しんでいる私ですが、釣り仲間に誘われて久しぶりに北海道へ上陸したのは今週はじめのこと。クソ暑い東京をエスケープして避暑地でのんびりとフライフィッシングなんて最高だね!!

となるのかと思いきや、今回は東京よりも暑い北海道。涼むどころか体が溶けてしまいそうになりながら、「ゲーター持ってくれば良かったなぁ。」なんて北海道らしからぬ釣り旅となりました。「北の大地=涼しい」なんてつい思いがちですが、道央は盆地と平原であり湿度はないものの、その暑さは36℃越え。2019年5月26日には佐呂間で39.5℃という記録があるので(一昔前は年間の最高気温で北海道が一番高い年もあったしね)、とんでもなく暑い日に当たってしまうと、東京で過ごすのと同様に熱中症の心配が出てくるのでアリマス。しかしその翌日には20℃以下なんて事も普通にあるので、Tシャツの日があるかと思いきや、フリース着ても寒いなんて事もあるのはアラスカのサーモンフィッシングと同じ。良い釣りができる場所って、寒暖差はとんでもない日があると覚えておきましょう。

昨日と本日は珍しく東京は曇り空で涼しい日ですが、苦戦した北海道の写真をご覧になりたい方は以下の通り。セミは終わり、モンカゲも無し。頼みの綱はバッタとアリとなりました・・。

北海道に使うフライ
今回の北海道遠征間際に巻いて行ったフライたち。気持ちはセミとかモンカゲとかで釣りたかったけれど、あまりの暑さに全ての虫の流下が無し。大きいものといえば、時折落ちるバッタくらいかな。
ガイドをつけてのフライフィッシング
ハーミットの御用達ガイドサービスといえば、キャリコフライズ&ガイドの平田くんラッキーフィールドの吉原くん。いずれにしろ売れっ子なので良い時期のガイド予約が2年先まで埋まっている状態。なので釣り仲間が予約したのに混ぜてもらってます。今回はムーさんこと平田くんに面倒を見てもらいました。
エゾムラサキ
北海道で良いサイズの魚を取りたいと思ったら、ガイドをつけるのが一番の早道。連れて行かれて思うことは、こんな場所はとてもじゃないけれど一人じゃ行けないヒグマの生息地。仮に一人で入ったら後ろが気になって釣りどころではありません。今回も色々な川へ連れて行ってもらいましたが、川によってはこんなエゾムラサキが咲きほこります。
北海道の渓流
北海道はモンタナで釣るのと同じくらい、支流を含めれば川はいくらでもある感じ。なので、日に1〜3箇所違う場所に入るのですが、それぞれの渓相がまるで異なるので、狙い方やパターンも変わってきます。
レインボートラウト
フライを小さくすると20センチサイズのレインボーが無限に掛かってしまうので、フックサイズは4〜10番のドライフライ中心。暑すぎてゲイターが欲しくなる毎日。
北海道の渓流
暑すぎてライズが無いので、大きなフライをキャストして水底にへばりついたレインボートラウトを呼び起こします。
レインボートラウト
渇水が始まった川、湧水で水温が安定した川、ダム下で水温が低い川など様々。時合いがくればライズが始まるのですが、今回は暑すぎたせいでその時合いが短く大物狙いはチト厳しい状況。
ランディングネットが大きい
毎日釣り場でどれくらい歩いたことでしょう。時に林道を歩き、延々と藪漕ぎしながら川まで辿るなんて事もありました。それにしてもガイドが持っているネットの大きさがすごいでしょう?このネットサイズから最大サイズが分かる筈。
本流の釣り
1日だけスイングの釣りに徹しましたが、掛かるサイズが小さく「イワシサイズ」と称してました。ドロッパーなんてつけちゃうと、鰯サイズのレインボーがいっぺんにかかっちゃいます😆
小さな流れ
本来ならばこういった場所も丁寧に攻めちゃう私ですが、無駄打ちせずに大物が出る所だけを釣って行きます。とても効率の良い釣り方。
ホッパーパターン
6番のバッタで魚を誘い出すのですが、ホッパーパターンでは大きいサイズは釣れませんでした。
レインボートラウト
今回の最大魚はドーンとこのサイズ。膝下の水深でライズする個体を見つけ、そーっとストーキングしてタイミングを測り、アントパターンでやっつけました! ファーガスの宣伝写真に使ってくれないかなぁ。
レインボートラウト
お仲間もナイスサイズを連発。釣れる場所は人が攻めてなさそうな、本当に小さなポケット。こんなところには居ないよね、と思う場所に大物がいるのです。
レインボートラウト
今回の遠征はブラウントラウト無し。暑さにめげずに頑張った結果、満足のいくサイズに恵まれた北海道の旅でした。それにしても梅雨が明けたと思った途端に関東は曇り空。来週からはゲーターを持ち出してどこへ行こうか画策中です。

 

大物を求める関東アングラーはこの時期北の大地へ向かう

皆さんもご周知の通り、北海道には多くのフライフィッシングガイドさんがいらっしゃいまして、その費用は一日¥35,000〜¥50,000ほど。少々高く感じたり人によっては自分の力で釣らないと気が済まないという方がいます。しかし遠征して大物(または沢山釣れる場所)を探す時間を考えると、それだけで釣行日程全てを費やしてしまう羽目になるのは事実。翌年同じ場所を訪ねたとしても、ポイントは毎年変わるので同じ思いが出来るとは限りません。

これは海外遠征でも同じで、何も知らずに異国の地でガイド無しだと更にハードルが上がってしまいます。ちなみに海外のトラウトガイドの平均価格は大体$600〜$800位で、更にチップが必要なので、一日ざっくり10万円以上掛かるのでかなりの出費になり、旅費の大半がガイドフィーなんてのは私には普通の事だったり。日本のガイドはきめ細やかな対応をしてくれるのに、チップは必要ないのでつくづく日本は釣りやすい国だと感じてしまいます。

ひと昔前と違い日本でもガイドフィッシングは認知されたお陰で、人気のあるガイドさんを予約するのに一苦労する様になったのは私にとっての弊害。そんな有名ガイドさんの状況は、翌年はすでに予約がいっぱいで埋まっており2年待ちなんてザラな状況。なので私はドライフライで楽しめる6月の北海道の釣りなんて縁遠い人間なんです。そんなガイドの空きが無い状況に、「一緒に行きませんか?」のお誘いで、かなり久しぶりにこの季節に北海道へと出掛けてきた次第。あれ、管理人さんは先週はずっと秋田にいませんでしたっけ?なんて突っ込まれたけれど、遊ぶ時はめいいっぱい遊ぶのが私の心情。

今回は日程をキツキツにせず昼の飛行機で北海道へ向かい、夕食はご当地の美味しいものを頂き翌日から釣りをする算段。飛行機は無事北海道へ着陸し前方の席から順番に飛行機から降り始めた時、ふと振り返ると私から数人後ろに何処かで見た顔が。あれま、お店に良くいらっしゃる○○さんじゃありませんか。聞けばラッキーフィールドのヨッシーのガイドで明日からの釣行だとか。釣り人は釣れる場所を求めて各地へ移動しますが、その行動は皆同じなんだなぁと、お互い大笑いしてその夜は前夜祭として大人数で酒を酌み交わすのでした。

ちなみに帰りの飛行機も偶然同じだったので、お互いの釣果報告をしながらワチャワチャしながら羽田へ降り立った昨夜です。

今回の戒め:あれこれ悩まずに、フィッシングガイドの予約はガイドの空いている日程を押さえるべし

森の中
今回僕らのガイドはキャリコ フライズ&ガイドのムーさん。私は後から決まったオマケみたいなものなので、メインは初めてガイドフィッシングを経験する仲間が楽しめる事。そして思い描いたシチュエーションを楽しみにきたもう一人の仲間が良いサイズをキャッチすること。なのでガイドひとりに対して3名の大所帯なので、森を抜ける時はあえて大騒ぎしながら歩いてました。タックルは5番ロッド中心でドライフライフィッシング。
北海硫黄j
今回は色々な川を沢山釣り歩きましたが、頻繁にメイフライがハッチしている川から水温が冷たくてまだ水量が多い川など、さまざまなシチュエーションをその都度考えながら楽しみました。場所によってはブラウントラウトも出たのですが、残念ながらランディング失敗などでキャッチできていません。
モンカゲロウ
今回のドライフライのキーワードはモンカゲロウとヒゲナガカワトビケラ。ある川ではモンカゲがダラダラとハッチし散発にライズ。フックサイズは8番ぐらい。
レンボートラウト
初めてフライフィッシングガイドを体験するベーキャンのオカピーは予定位通りのナイスサイズをキャッチ。これで一人の任務が完了。
北海道のフライフィッシング。
ちなみに25〜35センチくらいはいくらでも釣れるのでパス。というか、そんなポイントは適当に釣って、大物ポイントを目指します。
余裕のゴーゴーアップのレインボートラウト
そして二人目の仲間は最低目標であったゴーマルをはるかに超える大物を釣ったので、退渓後にはサッポロクラシックビールを美味しそうに飲んでました。
ドライフライフィッシング
その翌日はガイド無しで知っている河川へGo!  毎年川が変わるので以前の面影を少し残しているものの、良かったポイントは流れが変わりポイント消滅。しかし北海道なのでお魚の付き場さえ理解していれば、レインボーは飽きる事なく釣れます。
レインボートラウト
この時期はどの河川も橋の周辺にも人が多く、お魚はスレています。しかし歩くのが嫌いでなければ、ポイントを探しつつ1時間も歩けば、良いポイントが見つかります。
北海道の川
橋周辺以外の入渓は大概の場所は車を置いて藪漕ぎをして入渓するのですが、本州とは違いヒグマさんが棲んでいますので、一人での行動は絶対に避けましょう。熊スプレー、熊鈴は最低限のアイテムです。
ウェットフライフィッシング
翌日はガイドのムーさんにスイッチロッドでスイングの釣りをリクエスト。それに応えてまた別の川のスイングしやすい所へ案内してくれます。
スイング
スイッチロッドでのスイングの場合、キャスト距離は15〜20m程度。なので本流のだだっ広い場所ではなく、ややこぢんまりとしたポイントでスイングスピードを調整しながらアタリを待ちます。
レインボートラウト
レインボートラウトをスイングで狙う場合、圧倒的に良く釣れるカラーは個人的な見解ではブラック。ウェットでもウーリーバガーゾンカーでも良いので黒を結んでスイングするとドーンと来て、リールが反転してこんなのが掛かるんです。今回はこんなお気楽な釣りでありながら、サイズに恵まれ3日間の釣りを楽しんできた3人衆でした。

会いたい・・(イトウを求めて北海道遠征)

今年もあと二ヶ月となり、遠征の釣りは今回の釣行が最後の締めくくりという感じになった私。思い起こせば今年の釣りは宮崎のオオニベに始まり、釣れないとされる魚を追い回す一年になってしまった。そして最後に北海道の中でなかなか釣れないという天塩川でイトウに挑戦してみる気になったのは、難しいと言われるからやる気になった冒険心と、混雑する釣り場が苦手なので他を避けて人が少ないこの地を選んだのかもしれない。

北海道北部は私には土地勘がないので、この筋で一番有名な千葉貴彦氏にガイドを頼み、一緒に爆投し続けたこの四日間。記憶に残ったものは静寂と延々と続く広大な川。そして恵まれない天気。今年は釣り運を持ち合わせていないようです。そして、新たな釣りの課題を加えたことで、本命に出会えない時間がさらに過ぎていく。

今年10月までを振り返りブルーになった気持ちをムッチーに打ち明けたら、
「稲見さんの生年月日っていつでしたっけ?」と突然の質問。その問いに答えると、

「あ、今年はダメですね、大殺界(停止)です。」というお答え。

ふむ、残りの2ヶ月あまり、大殺界のせいにして、来年から頑張る?

と言ってはみたものの、釣りの虫は治ることはなく、また明日からどこかへ釣りへ向かう私でゴザイマス。
あぁ、大物に出会いたい・・・。

広過ぎてどこを攻めて良いのやら。交通事故を待つのか、この広大な広さからポイントを絞り込むかで、確率がグッと変わるのでしょう。
小さいものを投げていたらアメマスが掛かっちゃうので、今回も3/0から6/0番のフックのフライを投げまくった。大きさにして13〜18cmくらい。
4/0のフックをガップリ食うおチビちゃん。と言ってもフックが大きいのでそう見えるだけで、実際はアベレージサイズのアメマス。この活性が上がった時合いにうまいことイトウの前にフライが流せるかどうかだろうが、今回はそのタイミングが合うことがなかった。
鮭の産卵は終盤を迎え、岸際には骸がたくさん。

 

スティールヘッド同様、1キャスト3ステップダウン。自分がキャストできる範囲をくまなくフライを流しまくる。非情にも氷雨の日々でミルキーウォーターへ・・・。
少しでも濁りの少ないポイントを選んで流すとアメマス君がお出迎え。サイズがアップするたびに熱海(伊東の手前なので)さんが来たかと、ドキドキする。
フライはイントルーダーからその他諸々。フライを何回交換したことか。
ポイントにはさっきまでいたであろう、生々しい会いたくない方の足跡が。北海道はどこへ行ってもいますので、仕方がありません。
結局どんなにフライを大きくしてもアメマスを避けることができないのでゴザイマス。なので、4/0フックでアメマスを10本取ればその次にはイトウ一匹は掛るだろうという感覚。