「A列車で行こう」のリズムに乗りながら、スコットのスイングで本流をステップダウンしてみた

「フライはリズムであり音楽」とキャスティングスクール時に良く生徒さんに話をすることがある。フライラインが後方へ伸びるのに1秒かかるとしたら、前方へ伸びていく時間も同じく1秒かかる。映画『リバーランズ・スルー・イット』で、お父さんがメトロノームを持ち出してキャスティングを教えていたが、まさしくアレ。飛ばす距離によってそのスピードは違うけれど、キャスティングの最中は常にリズムを心で刻みながら行うと割とうまくいというもの。私は1970年代のフォークソングを口ずさみながらリズムをとっていることが、ままあります。しかし、目の前で魚が跳ねたりするとそのリズムは途端に崩れて、さかな釣りたさ故にバックキャストの時間が短くなってしまうのは、エキスパートでも同じですな。

「Study to be quiet. / 穏やかなることを学べ」(アイザック・ウェオルトン)

この春からスコットのスイングを手に入れた私は現在本流でこのロッドを振りたくて仕方がないので、いつもの北関東にある本流へ行ってきた。名前がスイングだから行きの車で「A列車で行こう」を聴きながら気持ちを入れて、そのノリノリのリズムのままそのスコット ロッドでスイングしてみた。が、スイングジャズのリズムとスペイでスイングのリズムはなんか違う、ミスマッチ。

そもそも英単語のswingの意味を調べると「揺れ動く、揺らす、素早く動かす、急に方向転換する」などの意味で、ジャズのスイングとフライのスイングは何の関係もなさそうですな。この中で言えば「急に方向転換する」の意味がこのロッドの意味なんでしょう(いや違う、もっと深い解釈があるゾ!という方がいらっしゃいましたら、是非教えてくださいまし)。

そんな調子でいつものように3つのランを自分のキャスティングを確認しつつステップダウンするのでありました。その釣りの様子は以下の通り。お暇かなたはお付き合いあれ。

スイングの釣り
気分はスティールヘッド。でも、何にもありません。ナッシング。キャスティング練習がただ続くだけ。雑魚さえもあたらない。なので一つのランが終わるとまた次のランへ。雑魚でも良いのでコツンとロッドを叩いて欲しいものです。
カワムツ
魚恋しさに3つ目のランに向かうと、そこは小場所なのでロッドをウィンストンのマイクロスペイに変更。すると、緩い流れでコツンとアタリ。雑魚だとは分かってはいたけれど何とか粘って掛けたカワムツくん。カワムツ1匹でこんなに楽しくなれるなんて幸せデス。
スイングのフライフィッシング
緩い流れはそんな感じなので、場所を変えて今度はかなり早い瀬の連続から開けた場所でスイング。するとガツンとあたるのだけれどフッキングせず。その場所で粘っていると、たまにライズするのでシングルハンドに持ち替えてドライフライに変えてはみたものの、いくら投げても無反応。ちょっと考えた末に再びスイッチロッドタックルに小さいウェットフライに変え、今度はポリリーダーをフローティングにして、上っ面をスイングしてみました。
ヤマメ
すると今季初の本流で渓流魚がヒット。何だか放流ものみたいだけれど、嬉しい出会い。サイズは9寸弱ってところ。フライはシルバーマーチブラウンです。
カワムツ
さらにステップダウンを進めていくと再び緩い流れではカワムツくん。いいんです、釣れてくれれば彼でも十分。
本流の放流ヤマメ
もうこの時点で16時半を回っていた。このままここでシングルハンドロッドに持ち替え、ドライフライを結んでイブンングを待って入れば釣れそうな感じ。ただ、ここのところ2連チャンのフライフィッシングを続けていたので疲労困憊の私。それも本日は朝早くから片道160kmの距離を全部下道だものね。ということで、今回はイブニングを待たずの早上がり。次回はまた別の場所でスイングの釣りを楽しみます。

エアフロのラインが新しくなったので色々なモデルのWF6Fを振り比べてみた件

私的な意見ですが、最近はどのラインメーカーさんも結構いやらしくて、大体2年に一回くらいパッケージを変えるんです。すると中身が一緒でも古く見えてしまうので、お店的には古いパッケージのものを早く処分しなきゃとセールにして、お店の商品をごっそり入れ替えるわけですが、コレってメーカーさんの策略のような気がします(ちなみにリーダーやティペットもね)。

さて今回はその逆で、見た目は変わらないのに、商品のほぼ全てを一新しましたというエアフロ。私は一昨年(実際にはまだ1年半くらいしか使ってないのです)にほぼ手持ちのラインを一新したばかりなのに、また新しくなったのかとため息。フライラインの入れ替えに掛かるコストを考えると、また懐が寂しくなってしまう事に肩を落としてしまいます。ま、釣具屋は皆さんのリーダー的存在にならにゃならんので、仕方ないか・・。

そんな訳で単にラインの入れ替えの話をしても面白くないので、今回は同じ番手でモデルがどのように違うかを振り比べてみました。用意したラインはエアフロのWF6番ラインで、「リッジ2.0 スーパーフロ パワーテーパー」と「リッジ2.0 スーパーフロ ユニバーサルテーパー」、「シックスセンス フローティング」そして今まで使っていた 「リッジスーパーフロ パワーテーパー」の4種類。

今回のエアフロラインが一新した理由は、外側の素材に変更があったということ。PVCを使わない環境に配慮したポリフューズを使うのは今まで通りなのですが、さらに浮力をアップさせるためにマイクロバルーンが混入されたことと、それに潤滑作用を持たせた事(要はサイエンティフィックアングラーズが用いている技術をプラスアルファしたって事かな)で、それ以外の変更点はカラーになります。なので各モデルのテーパーデザインは変わりません。

新しいモデルになっての全体的な印象を言えば、ラインがさらに細くなった感じがするのですが、以前のモデルよりもほんの少しだけ体積が減った様に感じます。また表面はサラサラした感じの乾いた音に変わった点。浮力に関しては昨年までのモデルで充分な高浮力を感じていたので、特にその違いは感じません。浮力の持続性やラインの寿命に関しては今後使用して気になったら、どこかでお伝えします。

ではお暇な方はお付き合いください。

エアフロ スーパーリッジ2.0 パワーテーパー
こちらが昨年まで使っていたエアフロ リッジ2.0 スーパーフロ パワーテーパーWF6F。このカラーは意外と気に入っていたのに廃盤になってしまいました。このモデルになってから、ラインは細くなり、空気抵抗が少ない分だけシンキングラインを振っている感覚に近い感じになりました。リッジ(凸部分)はマイルドになったのでゴワゴワ感も無く、先端浮力はポッカリ。さすがハイエンドラインという感じで汚点をつけるところが無いんです。でも今回変更されました。
フライラインを巻き取る。
今回は同じロッドとリールを使用するためにラインを替える毎にこの様にしてラインを巻き替える羽目に・・。巻いている時はトラウトを掛けているように楽しんじゃったりして。ロッドはウィンストン エア9フィート6番。リールはスピードスター -5+です。

Ridge2.0 Superflo Power WF6F Chartreuse/White
6番のラインに求められるのが遠投であるならば、ある程度のラインをホールした時点で、すぐにクイックモーションで遠投が可能なラインといえます。色変わりの位置でホールすればラインはそもそもハーフヘビーウェイト(6番であれば6.5番の重さ)になるので、少し硬めのロッドでも充分に曲げる事ができます。フロントヘビーのラインですから、ショートレンジでもラインの重量が早めに得られるのも良い点で、リッジ2.0加工も手伝ってラインの滑り出しがとてもなめらか。苦手なのはホールするラインを必要以上に長くすると一番重い位置がロッドから離れてしまうので、その際には力がカックンと抜けてしまいシュートしにくくなります。

エアフロ リッジ2.0 スーパーフロ パワーテーパー2024
こちらが新しいパワーテーパー。といってもカラーだけの違い。実際投げ比べてわかったことは、ラインの触った感じがニューモデルのラインはサラサラしていて、去年までのモデルは少ししっとりした触り心地で、ラインキャパがさらに減ったような気がします。でも飛距離や飛び具合、ライン姿勢は全く一緒。パワーテーパーはすっ飛んでいくのですが、ラインの後ろが軽いので、プレゼンテーション時はややリアから落ちるような姿勢になります。ラインの長さは90フィート(27.4m)

Ridge2.0 Superflo Universal WF6F Chartreuse/White
エアフロには「Power」・「Universal」・「Tactical」と3種類のテーパーがあるのですが、ラインのカラーが重複しているモデルがあり、以下の写真の様に見た目の違いはありません。ですが、テーパーが異なるので投げ心地はまるっきり別物。ユニバーサルはヘッドが長くバランス良く重量配分がされているので、ホールしている時のライン姿勢がよく、力が抜けた時に落ちていく様子も偏りなく綺麗に落ちていきます。ラインがターンする時に余分なパワーが残らないので、プレゼンテーション時にフライがふわりと落とすことができるのがその特徴。ラインの重量はAFFTA規格通りなので、リッジ2.0加工の滑らかさも手伝って、とても投げやすい。パワーテーパーと違い重さを早めに得られないので、このラインで遠投しようと思う時はホール位置をずっと後方(ホールする長さを12m位)にする事で、重さが乗り遠投が可能になりますが、パワーテーパーよりテクニックが必要な分だけ、やや遠投しにくくなります。

エアフロ リッジ2.0 スーパーフロ ユニバーサルテーパー
今回の変更でよく無い点が一つ。ライン形状が違うのに同じカラーが存在します。なので、この二つのラインを同時に使うと、どっちがどっちだか分からなくなってしまいます。お店の立場で言えば、通販の出荷時に間違えそうになるし、さらにリッジとそうでない普通のスーパーフロがパッケージがほとんど一緒なので困りもの。写真上じゃこの二つのラインがどう違うのかが分からないので、左下のライン形状の違いをご覧ください。この二つを簡単に説明すると、遠投とターンの力強さ優先のパワーテーパーと、飛型の美しさとプレゼンテーションの静かさのユニバーサルテーパー。あなたはどっちがお好み?
フライラインインデックス
もし同じカラーのラインでテーパーの違いを知るには、実際にキャスティングして確認するか、ライン先端にあるラインインデクスで確認する必要がある(ピンぼけでスミマセン)。
エアフロライン
無造作に置いた新品のラインですが、この糸屑が1.6万円ですゾ! あぁ、恐ろしや。でもエアフロでは一番のハイエンドがこの価格ですが、他メーカーさんは平気で2万円越えますから、まだまだマシな方なんです。ちなみにリッジ2.0はUSAで$129.99なので、現在のレートで考えれば日本で税込1.6万円はかなり良心的な価格。

Superflo Sixth Sense2 WF6/7F Peach
現段階でまだハーミットでは店頭在庫していないラインですが、投げて見て非常に気に入ったライン。リッジ加工はされていないので通常のスーパーフロ(断面にボコボコが無い)なので、お値段がリッジ2.0モデルよりも多少お手頃。ヘッド長がとても長く46フィート(14.02m)。ホールするラインを長くできる人ほどそれだけ重さが得られるので、遠投が可能なライン(40フィートの位置でリリースすれば9番ラインの重さ)。要は玄人向けぶっ飛ばしラインとでも言いましょうか、それに合わせてラインの長さも105フィート(32m)あるので、遠投に興味があるひとはぜひこのラインでぶっ飛ばしてフルラインを目指してください。ライン重量は6/7番の30フィートの位置で185グレン(13.61g)あるので、大体一番手上の7番の重さ。

シックスセンス2のフローティング
ラインの形状はシンキングラインのシックスセンス2と同じで、ヘッド長がとても長い。メリットは遠投に燃える玄人向きのリアテーパーの長さで、デメリットはラインが単色なので、リリースポイントがどこが良いかが分からない点。ラインにマーキングするのもアリだけれど、シンキングライン同様にどこかに目安となるマークが欲しかったかな。さすがにこの長さになるとラインを全部出すのはかなりしんどくなりますので玄人向け(と言ってもエキスパートディスタンスのコンペティションよりも4m短いので、玄人は普通に出せるでしょう)。
フライキャスティング
先だってのキャスティングスクール時にこの企画を行なっていたので、お客様にもその違いを堪能してもらいました。
朝霞ガーデンでフライフィッシング
キャスティングの後は朝霞ガーデンにて昼練。フライをはじめたいという女子にたくさん釣ってもらって、1日が無事終了。しかし、私は釣り足らないのでその翌日も釣りへ向かうのでアリマシタ。続く・・・。

 

HMTフライトーナメント on 弁慶堀 2024のご報告

ハーミットではいろいろなイベントを行っていますが、春の恒例行事となりつつあるのが、このHMTフライトーナメント。このトーナメントが行なわれる弁慶堀は東京のど真ん中にある皇居の外堀になり、頭上には首都高速4号新宿線が走っています。平日は弁慶橋の上をスーツ姿のサラリーマンが行き交うとてもフライフィッシングとは似つかわしく無い場所で行なわれるのですが、冬はレインボートラウトと遊び、夏はブラックバスを狙える貴重なビオトープなのです。

この場所で行うのは今年で3回目で昨年は大雨の中でずぶ濡れになりながらの大会だったので、今年こそ晴れを願ったのですが、残念ながら今回もお天気には恵まれませんでした。それでもお魚は沢山掛かってくれましたし、何よりも事故なく終えた事を大変ありがたく思います。

今回も弁慶ボートのスタッフの皆様、賞品協賛メーカー様に大変感謝しております。昨日の様子は以下の通りです。ご興味を持たれた方は、現在弁慶堀はベストシーズン5を迎えておりますので、皆さんもぜひ楽しんでみてください。


参加人数:26名(男性 19名・女性 7名のうち小学生一人)
エントリーされた魚の数:48本
レンボートラウト数:45本
ブルーギル:3匹
魚を掛けた人数:多数(バーブレスのためバレた方、切られてしまった方多数)
魚の最大サイズ:50cm(最小サイズ20cm)

ご協賛&サポート:(株)マーヴェリック(株)ティムコ(有)E&E(株)バリバス(株)C&F(株)フルックス(有)シークロ(有)キャニオンワークスUOSOBASE CAMP弁慶橋ボート場シーホース(株)キャップス・他(敬称略)

ルール:大物一本の全長が大きい人を競います。同寸の場合は数を沢山釣った方が上位になります(ルールのPDFはこちら

弁慶橋ボートクラブ
昨年に続き今回も雨。それも大会中のみ雨が降るという不運になりました。とても寒いので昨年同様に使い捨てカイロを配り、準備ができた人から順にスタートになります。
弁慶堀
人数がとても多いので、乗船は弁慶ボートのスタッフの皆様がサポートしてくれます。またこの場所はブラックバスのトーナメントが多く行なわれるので、メジャーやライジャケ、ランディングネットが常備されているのがとても嬉しい限り。
弁慶堀
この堀はブーメランのような形で、弁慶橋から東側が小さいのですが、そちら側へ行く方が今回は少なかったです。
弁慶堀
この光景はシュールでしょう? 首都高速道路は渋滞中ですが、その下でレインボートラウトが釣れるのです。その様子はまるでヘラブナ釣りの様。堀は写真奥右へ曲がっています。
レインボーがヒット!
堀の左右の真ん中辺りよりやや高速道路よりが一番深いのですが、寒い日は一番深いところに固まっていますが、水温が上がる季節は徐々に浅いタナになり、現在は11時ごろからそこらじゅうでライズしています。しかしこの日は寒いので、皆さんインジケーターの釣りが大半。
レインボートラウト
ボートに備え付けのメジャートレーを利用してこんな感じで写真を携帯で撮ってもらい申告します。この時期になると腹がパンパンのレインボーが多く、一度ボート屋さんの方でストマックポンプを入れて内容物を確認したところ、そのほとんどが大きめのユスリカだったそうです。この日は寒いながらもライズが多くあり、それを指を加えて見てましたので、時間があればドライタックルを持って遊びたいです。これからの時期からゴールデンウィークまではドライフライでこのレインボーが楽しめますので、皆さんも是非足を運んでみてください。
トーナメント表彰式
大会は13時半で終了し、会場を水道橋にあるベースキャンプに移して表彰式が行われました。今回も多くのメーカー様にサポートして頂いたお陰で沢山の賞品が集まりました。ちなみに上位入賞した方のほとんどは、弁慶堀でプラクティスをされた方。やっぱり事前にその釣り場の情報が分かっていた方が俄然有利になる訳です。
ベースきゃんぷにて
集合時刻は15時だったのですが、ビールが待ち切れず最初に着いた組だけで、まずはビールで乾杯。
来年も行う予定
優勝は50センチで数は10本キャッチ、お見事です。優勝されたSさんにはラムソンのライトスピードと豪華賞品が多数贈られました。釣れなかった皆様には参加賞をお配りし、その後は初対面の皆様で親睦会。私は人が多く集まると嬉しくなってしまい、浴びるほど飲んでしまい22時ごろまで飲み続けてしまいました・・、反省。

私的解禁・8Xと9Xの差を思い知ったミッジオンリーのフライフィッシング

ようやく私の春がやってきました2024年全国一般解禁の初戦。普段お店で私とお話をしている方ならどこへ出向いたかは分かると思いますが、今年も北関東のとある年券を買いに行ってきましたヨ。この川へ通うのも今年で15年位経つと思うのですが、フライフィッシャーマンが多く集まる人気河川は苦手なので、釣れなくても広い川で無心にロッドを振る事ができるこのマイナーな川が好きな私です。

そうは言っても解禁直後はお祭りなので、いつもは閑散としたこの川でも所定のポイントにエサ師がドッと集まって、放流したてのヤマメをビクいっぱいにして嬉しそうに持って帰る方がいらっしゃいます、。私もそれに混じってロッドを振るのがここ数年の恒例行事になっていますが、相変わらずフライフィッシャーマンはほとんど見かけないです、この河川は。

毎年顔を出す漁協事務所を後にし北へ向かった私たちは、今年は全く予備情報を入れずに鉄板ポイントを目指します。すでに5日目だから釣るのは難しいだろうけれど、なんとかドライで取りたいというもの。だって相変わらずニンフを持っていないんだもの・・。

着いたポイントにはエサ師のおじさん達が居るが誰も竿を出しておらず、なんか嫌な予感。おじさんに釣況を聞くと解禁日から爆風が続きミャク釣りは苦戦し、釣果は思わしくないとの事。だけれど、昨年同様に放流はしているから釣れるんじゃない?と、解説をしてくれる当の本人たちは竿を出していない。雲は低く垂れ込み、15時ぐらいから雨予報なので、決着は14時までには着けなければ・・。

そうして釣りを開始したのが10時ごろ。僕らの解禁日が始まるのでした。

以下はその様子ですので、お暇な方はご覧くださいまし。

年券
最近は本流はあまり釣れないので他の河川に本拠地を移しても良いのだけれど、釣り人が少ないので気持ちよく釣りが楽しめるのがその魅力の一つ。と言ってもホント、本流は釣れなくなりました・・。
北関東の渓流
漁協事務所で年券を買い、このポイントまでの移動時間はほぼ1時間。いっ時は本流でも盛んにヤマメやサクラマスの稚魚を放流していたのだけれど、その効果が無いのか本流はいくらライズを探しても全くなし。解禁はとりあえず釣果が欲しいので、ここ数年はエサ師に混じって放流ポイントで楽しんでおります。
TMC2488・24番のミッジフライ
後輩はすぐに用意しライズがまだ無いのでニンフをセット。するとすぐに一本目をキャッチ。むむ、沈めたくても先日YGLで使ったブラッシー20番が一本しかないんだよな。フライの選択にを迷っていると散発ながらライズが始まったので、私はとりあえず24番のミッジでスタート。
放流もののヤマメ
いやらしいライズをしている個体をダウンクロスで丁寧に攻めると、なんとかヒットし1本目をキャッチ。
ドライフライフィッシング
ライズが少しずつ増えてきても、竿を出すのは私と後輩のみ。こりゃ片っ端から釣ってやるぞ、と思ったのですが、やっぱりミッジの釣りはそう簡単にはいきません。
北関東のヤマメ
空振りやヒットしてすぐにバレるなどが続き、ようやく2本目。フライはずっと同じものを使っていたが、ここでストマックポンプを使いヤマメが何を食べているかを確認することにした。
ヤマメが食べていたユスリカ
やっぱり食べているものが小さいのね。24番のフックが大きく見えます。それもカラーが異なっていたので、この後フライを濃いオリーブに変更。そして使っていた8Xのティペットを使い切ってしまったので9Xに変更。
9Xのティペットの効果
フライのカラーを変えた事と、ティペットをさらに細い9X(0.25号)にした事で、さっきまで神経質だったヤマメが楽に釣れるようになったじゃあ〜りませんか! やっぱり9Xは細いんですね。上流でライズするヤマメに向かってキャストしてもティペットの存在が気づかないのか喰いつきます。8Xだとミッジでのアップストリームの釣りはまずヤマメは出ないのにね。
ミッジングで釣るヤマメ
結果ライズが渋くなった14時半で終了するまで8本の釣果。サイズは20〜24センチ程度だったけれど十分に楽しめた北関東の解禁でした。来週に向かって私がまずやらなきゃならんことはタイイングなのですが、インボイス制度にPDF化やらの縛りが多くなった確定申告が思うように進まず、そっちを優先するため泣きそうになりながら日々仕事しております。

鯉に恋した後はビールで乾杯、さらに昭和スナックで「銀恋」を歌うコイ三昧

釣りにまつわる銀座といえば、私には芦ノ湖の ”ブラウン銀座” しか思いつかない。老齢の釣り師はご周知の通り昭和の芦ノ湖でブラウンを釣るといえば、ポイント名で「百貫の鼻」を代表する東西面の急深部(芦ノ湖の湖面図で言うと首のように細くなっている場所)が沢山釣れたので「銀座(ザギン)」と称したのであります。当時はそのザギンのブラウンに恋したものでした。

話は戻り本題は恋の・・いや、鯉の話であります。全国一般解禁を目の前にして、そろそろその準備でタイイングに励まなくてはならないのですが、「今週はユルっと釣りをして昼呑みしようじゃないの!」という提案で、今回は電車で行けるコイのフライフィッシングへ。ただいつものように「パンコイ」(パンを蒔いてフライで鯉を釣るスタイル)だけでは面白くないので、ウェットフライのスイング練習を兼ねてスイングで鯉を釣る二本立ての釣り方を楽しみに出かけてきましたよ。

いつも出かける埼玉県某所の釣り場は、工事が終わって川は真っ直ぐになってしまい、スイングするにはとても良い状況。ダブハンのキャスティングをするのには好条件になった反面、流れの起伏があまりに少なく魚がつきにくい状態になってしまったのであります。なのでコイさんも満遍なく居るのではなく、ある一定の区間でまとまっている感じ。そして今回は2月とは思えない炎天下で「こいのスイング」(こう書くとなんか意味深)をし、後半はパンコイを楽しんだのでありました。しかし思った以上の暑さだったので鯉よりビールが恋しくなり納竿したのは15時頃。

場所を居酒屋に変えてビール片手にマッキーと後輩の3人で今年の釣行計画やら仕事の話をしつつ煽るジョッキ。酒が進むにつれて記憶がおぼろげになってしまうのは昼呑みの悪い所。やがて記憶は急に飛んでしまい、いきなり場面が変わり気がつけば昭和を思い出すスナックのような場所にいるのです。ローテーブルの上には角瓶があり、各テーブルの人々がそれを水割りにして飲んでいる光景。センターには一段高くなったステージがあり、新しい曲が流れるたびに、周りの席から拍手が巻き起こります。

「はい次! 銀座の恋の物語!誰が入れたの?」

これは夢なのか? なんて思いながら、私は後輩の彼女と一緒に銀恋をデュエットし、石原裕次郎を気取り。ハマショーの曲を絶叫した辺りからまた記憶が薄れ、二日酔いの朝を迎える事で現実を知るのでした。鯉に恋して銀座の恋の物語。かなり強引なこじつけでスミマセヌ・・。

大した話ではないですが、以下の写真は週末キャスティングスクールへと遡ります。

ハーミットフライキャスティングスクール
週末のキャスティングスクールは解禁に向かって調整する方と、海外遠征するためにスキルを高める方などなど。今回はイケピー先生と私の二人で教えました。目標がある方は上手になっていくのが早いですね。
白いインストラクターロッド
キャスティングスクール後は朝霞ガーデンへ移動し昼練です。暖かくなると釣り人も虫もにわかに動き出すというわかりやすい状況で、かなり混んでいました。
スペイロッドでスイング
コイのスイングフィッシングに使うのは、スイッチロッド。8フィートポリリーダーのインタミに2Xのティペットを60cm程付けて、フライは巨大なMSCフライで#6〜#8。スイングスピードをかなり抑え気味にするとロッドを抑え込んできます。
コイのフルパワー
ゆっくりとスイングしていると「ヌリュ」っと重くなるので、その後に走り出さなければ根掛かり。急に動き出したら鯉です。最初に掛かった一発目はとんでもないお大物で、とても最後まで寄せ切る気がしないので、プレッシャーを強めにしたら切れました。サイズは3〜5キロのトルクある魚ですので、そりゃそのパワーに恋しちゃいますよね。
パンでコイを釣る
後半はチャム・マスター(チャム=撒き餌)に専念して、二人をフォロー。最初はドバッと蒔いて、魚が沸いたら、沈まない程度の小出し撒き。この手法はかつを釣りのイワシ撒きと一緒。チャムを撒きすぎると、せっかく巻いたパンフライを見切っちゃいますヨ。
コイのフライフィッシング
コイさんは大きいので、スティールヘッド持ちがお似合い。エピックのグラスロッドがギュンギュンしなったパワフルゲームをマッキーは楽しみました。
コイのフライフィッシング
魚を釣った後はポイントを少し休ませて、タイミングを見計らってまたチャミング。ライズが安定したところで、ダウンクロスで狙い通りのヒット。
柳瀬川のコイ
私もデブッチョ鯉にに翻弄されて無事ランディング。何を食べたらこんなに大きなお腹になるんでしょうね。
2月なのに半袖
ご覧の通り、この日は暑くて半袖。午前中は着込んで河原へ集合したのですが、気温とともに暑くなってどんどん脱ぐ始末。最終的には「釣りなんてやっていられないから、どこかビールが飲めるところへ行こうよ。」となるのです。
大ジョッキ生で乾杯
無事16時にはビールで乾杯。その後にどうしてスナックでカラオケになったのかは、私にはわからない・・。とにかく昭和歌謡を、それも僕らの時代を熱唱(絶叫)した夜で締め括ったのでありました。

天気に翻弄されコテンパンにやれてしまった長良川の旅

私の誕生日は大寒に近い頃で、自分の誕生日の前後はいつも東京でも雪が降るのです。ところが今年は雪らしい雪を見ることがなくそのまま2月へ突入。今年も無事に西から解禁し始めたことだし、長良川へ行けば雪でも降るかなと思い、昨年と同じ宿を予約した所、岐阜県はアメ予報。そしてその日の関東は雪予報・・。長良川の雪は釣れるので歓迎だけれど、雨はツライだけなんだよなぁと思いながら、僕らは東京の降雪を見ることなく現地へ向かうのでした。

着いた月曜日の朝は予報通りの雨降り。雨は人の体温を奪うだけでなく、ビショビショになるにつれて、釣りに注ぐ集中力が削がれてしまうのです。釣り場へ着けば案の定降りしきる氷雨の為か私ら以外には誰もおらず。人がいない事でこのポイントが良いのかどうかわからず疑心暗鬼になり、少しだけロッドを振っては見るものの、雑魚さえの生命反応も無いので、あえなくポイントを移動。

移動した先は毎年フライフィッシャーマンが訪れる広いプールが続くポイント。しかしこのポイントでさえあまりの雨足に釣り人はわずか一人。まぁ、人がいるだけ安心できるかなとロッドを出すことになったのです。この時点で既にレインウェアは役に立たずに体が冷えてきている状態。ザーザー振りの中でライズを探すとライズはたまにするものの、散発過ぎて手も足も出ず。仕方なく終了間際に22番のソフトハックルを引っ張ってみるとヒットはしたものの、ランディングネットを忘れてきており、寄せている最中であえなくサヨナラするのでありました。

翌日は晴天になったのは良かったものの、お昼から風速6メートル予報。こりゃ午前中の勝負だなと昨日のポイントへ行ってみると、釣り人が集まってはいるものの、ライズが始まったのは11時半で13時には風が強くなって断念しました。

昨年は梅干しを食べても釣れたから、今朝は梅干しを3個食べたのが、それがダメだったのかなぁ、なんて思いながら夕方には長良川を後にするのでありました。という事で私の渓流はまだ解禁しておりませぬ。そんな塩梅なので郡上八幡の中旬解禁を待ってもう一度行こうかと思ったら、今年の郡上八幡地区は2/1解禁だったのですね、ガックシ・・。

ミッジはたくさん余ったので、どこか他で使ってきま〜す。

武儀川
ザーザー振りでカメラもビショビショでこんな塩梅。冬の氷雨はホント辛いです。ありがたく感じたのは宿の温泉だけ。
ぎふ旅コイン
昨年も頂いた、ぎふ旅コイン1,000ポイント。ありがたく道の駅でお土産を購入させていただきました。最近はご当地ポイントを発行するところが増えましたよね。
武儀川
次の日はピーカンですが午後から強風予報。一見釣れそうですが、この時期はライズが始めるのがが遅いのです。よってライズが始まる頃には風が強くナリマシタ。仕方なくライズを求めて別の場所へ。
オイカワ
以前良かった場所へ行ってみると一尾だけそれらしきライズ。でも近寄った途端に沈んでしまい、しばらく待つ事に。再度ライズが始まったと思ってキャストしたら、緩い流れに入ってしまいオイカワがヒット。その後、お魚は浮いてきませんでしたとさ。
武儀川
気がつけば朝9時から夕方4時まで一度も座る事なく立ち続けましたが、何も異常なしで撃沈です。さぁ安全運転で帰りましょうかと高速道路の交通状況を調べると、中央高速道路は駒ヶ根から韮崎まで通行止め。その先も行けるのかどうかも分からず、とりあえず東京方面へ行ける真東名高速道路を使い、なんとか夜遅くに帰宅できたのでありました。

私の管理釣り場の原点である「加賀フィッシングエリア」に久しぶりに行ってみた

私は根っからの釣り好きで、物心ついた時から何かしら釣り続けていた漁師みたいな輩。なので小学校高学年の頃にはすでに釣具屋へ入り浸り。家の近所にも釣具屋さんはあったのだけれど、圧倒的な品揃えでワクワクが抑えられない上州屋・池袋店は私の宝箱のような存在で、よく通ってました。

冬休みになると暇な日は釣具に囲まれたくて上州屋へ出向くと、顔馴染みになった店長さんが「ポスターと一緒に入っていた優待券があるから、行くのだったらあげるよ。」と、加賀FAの招待券を頂いたのがキッカケで管釣りへ行くようになりました。当時はお正月に釣り大会があり、その告知のために各釣具屋さんへポスターが配布され、それと一緒に1枚優待券が送られていたのです。

昭和50年頃の管理釣り場といえばエサ釣りの場所が多く、「⚪︎⚪︎国際マス釣り場」と看板を掲げているのところが多かったのですが、この国際と名が付く所はそもそも進駐軍相手だったので、その名残りで国際の名前がついていたそうな。でも、ルアー・フライ専用の場所なんてなかったので、私にとっちゃタダ(優待券)で行ける加賀フィッシングエリアは夢のような世界だったのです。

気がつけばあれからほぼ50年経っているので、当時と今とでは周りの様相は大違い。オープン当初は大きな砂利穴みたいなイメージで、周りに植え付けられた小さな苗木だった桜は今では立派な大木になり、自分が桜の樹と共に成長しジジイになった事を実感するのです。

思い出を話すとキリがないので、とりあえず昨日の様子は以下の通り。相変わらず入れ喰いで、楽しませてくれる管釣りでありました。


加賀フィッシングエリア

住所:栃木県佐野市山形町48
電話番号:0283-65-0337
料金:1日¥5,500・午前or 午後券¥4,500
営業時間:6時〜17時(時期によって終了時間が異なります)
ルール:引っ掛け釣り等のルアー及びフライフィッシングのモラルに反する釣り禁止

加賀フィッシングエリア正門
加賀フィッシングエリアには思い出いっぱい。高校生の頃には彼女をバイクの後ろに乗せて行き、ココでおデートした甘酸っぱい思い出があります。今回はユルユルな時間に行ったのだけれど、朝一番は今でもズラッと車が並んでいるのかな?
加賀フィッシングエリア・旧管理棟
昔はこのプレハブ小屋が管理棟だった。昼食はお弁当を頼んでおくことができ、この大きなスピーカーでお弁当が到着した事を知らせてくれました。また正月の釣り大会ではアルビノマスを釣るとくじ引きできて、クーラーなどの賞品がもらえたり(おぼろげな記憶ですが)。里見さんはこの頃からいらっしゃいまいたよ。
加賀フィッシングエリア
右が1号池で左が2号池。この面の2号池側は釣りができないのと、この周辺にあるパイロン周りはフライキャスティングが禁止。湧水は1号池から2号池へと流れるので、水は下の段に行くほど濁りが少しだけ強くなる感じ。古くからある管釣りはレギュレーションが当時とあまり変わらないので、めんどくさいルールはありません。
加賀フィッシングエリアのレインボートラウト
私はシングルハンドで2号池からスタート。人も多くいたので、一番投げにくい旧管理棟側からシングルスペイで真ん中へキャストを繰り返す。昔のようにシンキングラインで加賀引き(独特なリトリーブ方法)をしようかと思ったけれど、とりあえず9フィート5番で最近やっている、スローな釣り方をすると入れ喰いでした。なのでシンキングラインは出さず、そのまま続けることに。
シングルスペイキャスト
釣り方はフローティングラインを使用し、シングルスペイでキャストできる限界まで投げて(理想はブイが浮く場所)、カウント35秒しスローリトリーブ。その間にラインが走った場合は、その時点から超スローリトリーブすると1キャスト1ヒット。最初のフライが無くなるまでは15本キャッチ。その次のフライが持っていかれるまでさらに12本。その後はティペットをチェックするようにして、2時間余りで50本に近い数を釣ったので流石に飽きました。でも、魚のコンディションは極めて良かったです。
加賀フィッシングエリア3号池
今回の肝はロングディスタンス。お魚は真ん中に固まっていたので、そこまで投げられた人で底付近をユルユルのスピードでフライをトレースできた人だけ釣れます。一つの池が大きいだけに、真ん中まで投げられる方は限られた人だけなので、普段の練習量で釣果の差が生まれてしまいます。私は気持ちを切り替えるためにポイントをレストラン側に移し、スイッチロッドに替えてオーバーヘッドキャスト。ロッドを替えても、ポイントにさえ届けば入れ喰いです。その後は飽きたので、カカシがポイントを見守る3号池へ移動。
レンボートラウト
昔は持ち帰りの制限尾数が無かったので、『加賀プロ』(お魚を持って帰って卸し売りする人)がいたのですが、現在はいないのかな? でも一人だけジモピー風の上手な方がシングルハンドで入れ喰いしてました。ちなみに今回はマッキーズ・エリアフライを1種類ずつ持っていって、その丈夫さや適正ウェイトかどうかなどを検証してきました。マッキーのフライはクオリティが安定していてバランスがとても良かったです。ウェイトは少し軽めかな。
スペシャルポンドの名残り
今は無きスペシャルポンドはオープン当初は確かコイ池だった。現在はその池は残っているものの、スペシャルポンドの営業はやめてしまいました。昔を懐かしみながらポイントをぐるっと一周し、最後は1号池で3本ほど釣った所で今回も早上がりすることに。
加賀フィッシングエリア
このレストハウスはずっと後に建てられたもので、バブル時代にお目見えしたもの。お食事は現在休業されている様です。なので佐野に来たのだからラーメンを食べて帰らないとね。
佐野ラーメン・ラー
「ヘイ、トヨタ! 美味しい佐野ラーメンのお店を教えて!」とナビに聞いてみると、「人気のあるお店は・・。」と答えてくれるので、その店へ行くことに。それにしてもこのナビって、どういう評価で人気や美味しい店の順位を評価しているのでしょうね。ちなみに案内された「Ra(ラー)」という佐野ラーメンは王道のシンプル佐野らーめん。ちぢれ麺であっさり醤油スープは、豚骨ラーメンに飽き飽きした私にはもってこいの味でした。佐野厄除け大師のすぐそばにあります。

 

鱒中毒の私は手が震えるので、嫁を出し抜いて本栖湖へ行ってみた

私がランクルのナナマルで本栖湖釣行をしていた頃のこと。子供がまだ小さかったので、四六時中釣りへいく訳にもいかず、それなりにお父さんをしていたのです。お休みの日には家族を連れて何処かに連れて行かねばならんので、必然的にその行き先は水辺のそば。釣り仲間には「明日は家族サービスだから一緒に釣りへは行けない。」と言いながら、鬼怒川の悪路でその仲間にバッタリ遭遇してしまったりするけれど、その車中には嫁と子供がおり、河原に家族を残して真っ暗になるまでイブニングフィッシングを楽しんでいた悪いお父さんでした。

そんな塩梅だったので、秋から冬にかけては本栖湖方面へ毎週の如く釣りへいくのだけれど、朝は釣りをして10時からは家族の為に遊園地や公園などに行き、付き添い。夕方は「帰りが渋滞するから、少し釣りをしてから帰ろう。」と言い、車に家族を残して、しっかりイブニングの釣りも楽しんでしまう始末。なので、「本栖湖」というキーワードを家族に向かって発する事は鬼門であり、細い目を向けられて軽蔑されるのです。

あぁ、本栖湖へ行きたい。そう思ったのは弁慶堀で釣りをした翌日のこと。家でゴロゴロしている嫁に「今日も釣りへ行ってくる。」とはなかなか言い難く何か策はないかと考えて、こう話を切り出してみた。

「今日は暇なんでしょ? 日帰り温泉にでも連れてってあげようか?」

嫁は大喜びである。

「いつもは1時間ほどしか入っていないから思う存分楽しめてないだろう。今日は好きなだけ入ってていいよ。せっかくのお休みだから今日は少し遠出をしてみよう。」と言い、嫁を外へ連れ出す。

車に乗せて向かうは中央道。「この時期は雪を被った富士山が綺麗なんだよ。」などと余計な説明をし、河口湖インターチェンジを降りた。

さらに先手を打って、「そうだ、帰りは美味しいほうとうを食べて帰ろうよ。」と食事のオマケを付けておいた。

走り慣れた国道139号線を進むと左手に見えてくる「道の駅なるさわ」にある「富士眺望の湯ゆらり」。その駐車場に着いた私は嫁に向かってこう言ったのである。

「今日は好きなだけ日帰り温泉を楽しみな。俺は長湯は苦手だから、ちょっと本栖湖へ行ってきて体が冷えたら戻ってきて温泉に入るかから、15時過ぎには戻ってくるよ。」

そう言い残し、ダッシュで本栖湖へ向かうのであった・・。

あぁ、私の鱒中毒症はかなり重症でございます。
そんな昨日の釣りは以下の通り。

ゆらり温泉
露天風呂からは富士山が目の前にど〜んと見える温泉ゆらり。いつもは本栖湖の爆風で寒さに打ちひしがれた後にやってくるか、あるいは気持ちに余裕がある時に入る。最近は2割がガイジンさん。
本栖湖の釣り
嫁を温泉に残しダッシュで本栖湖へ。妙に暖かく、何か釣れそうな予感。1月に入るとシャローの釣りは運次第になるので、今回は急深の場所を中心に何ヶ所か探ることにした。
本栖湖南岸
陽の当たらない南側の斜面は釣りをしていて、とにかく寒い。この日の外気温は7℃だったけれど、波が打ち寄せる場所は凍っていた。
レインボートラウト
1月の釣りは満遍なく歩いて広く釣るスタイル。人が入らないバックが取れない場所を中心にスペイキャストでチョロ投げ。一投ごとに数歩進みながらポイントを変えていくと、あらま、釣れたじゃありませんか、塩焼きサイズ。今日はキャス練だと思っていたので、小さくても嬉しい一本。
ポーラーシェニール
その後ポイントを移動し、別の場所へ入ると目の前に吹き溜まりの帯が出来ていた。富士山を見ながら何気なくその吹き溜まりを見ていたら、魚がライズしているんです。距離はさほどなかったので、このフライを投げ入れてリトリーブするとガッツーンとアタリが! その瞬間大きな魚体が水面を割り、ジャンプ一発で外れてしまいました、残念ガックシ・・。
フライラインはタイプ3
その後はその周辺をマシンガンキャストしたのですが何も無し。投げるにつれて先ほどの塩焼きサイズでも良いので釣りたくなり、また元のポイントへ戻ってフライを小さくして同じ場所を攻めることにしました。
レインボートラウト
ラインシステムはデルタXのタイプ3に10フィート2X。それに3Xのティペットを60センチほど足しフライは小さめに巻いた10番のウーリーバガー・ブラック。フライをキャストして30〜35秒カウントしリトリーブすると、ランニングラインとヘッドとの継ぎ目あたりまで来たところでアタリが出ます。フライを小さくした効果でそこから立て続けに3本を追加。
本栖湖
狙い続ければまだまだ釣れそうだったのですが、嫁との約束の時間を忘れる訳にはいかないので、後ろ髪を引かれる思いで退散しました。結果、小さくても4本釣れたことで大満足。数日続いた寒い日の後の暖かい日は、やっぱりお魚は釣れますなぁ。今の時期は朝よりもお昼が釣れますので、皆さんもユルユルな気持ちで本栖湖へ出かけてみてください。

釣りをした後に酒が呑みたいので、弁慶堀(池)へ行くことにする

例年の一月は堤防のカマス釣りやコイに管釣りとなるのですが、昨今のアウトドアブームで人が溢れた堤防の釣りが次々に釣り禁止になってしまった為に、今年はカマスのフライフィッシングに出掛けていない。釣り人のマナーの悪さが原因なので致し方無い部分もあるけれど、追いやられた釣り人の為に色々なスタイルが楽しめる釣り公園をもっと増やしてほしいなぁ、と感じるのは私の気持ち。

ハーミットに集まる人々はかなりの確率で呑兵衛が多く、下戸だった人はいつの間にか少し飲めるようになっていたりする。管理釣り場で集まって釣り仲間とワチャワチャ楽しむのも良いのですが、釣りの馬鹿話を居酒屋で語り合うのも同じぐらい大好きな僕ら。なので時にこの二つをセットで楽しめる電車で行けるフライフィッシングは大切な冬の行事なのです。

以前は豊島園のプールでフライフィッシングを楽しんだ後に池袋で飲み歩くなんてのもやってましたが、今はハリーポッターに。残る電車で行く都会派フィッシングの釣り場といえば弁慶堀ぐらいなもの。ちなみに一度だけ車で来て有料駐車場に停めて釣りをしたことがありますが、この界隈の駐車場は上限設定がない所がほとんどで、軽く5千円は取られてしまいます。それだったらその5千円は居酒屋に使った方がずっと有意義ですよね。

このブログでは年に数度は出てくる弁慶堀(池)。最近は冬のレンボートラウトの話題しか書いてませんが、バスが好きな方は4月以降の「フライでバス」も面白いですゾ。今年は時間を見つけて私も弁慶でのバスフィッシングも楽しもうかな。

とりあえず以下は一昨日の弁慶堀のレインボートラウトフィッシングの様子。お暇な方はご覧くださいまし。


弁慶堀(弁慶フィッシングクラブ)
アクセス:地下鉄丸の内線/銀座線「赤坂見附」駅下車、徒歩5分「D」の出口・または地下鉄半蔵門線/有楽町線/南北線「永田町」駅下車、7番出口弁慶橋方面で目の前
料金:ボート代 1日¥3,500
営業時間:9時〜18時
ルール:
オールキャッチ&リリース・岸釣り禁止

赤坂見附弁慶堀
弁慶堀のレインボートラウトは12月の中旬ごろから始まります。放流されるレインボートラウトは鵜に食べられてしまわぬ様に、サイズが大きいのが特徴。ただ大きさゆえに数が少ないので、管釣り感覚で行くとタコりますので、ご注意を! 朝は9時から営業しているのですが、少し温まった10時へ行くと誰もいない・・。やっぱり午後の爆風予報のせいで釣り人はいない?もしくは釣れてないのかな、とちょっと心配。
弁慶池でフライフィッシング
ボート屋さんにお話を聞けば、最深部である場所でそこそこ釣れているとの事。なので、僕らはくの字に曲がった弁慶堀の丁度曲がった部分に固まって船をアンカリングした。
レンボートラウト
今回は水温がとても低く暖まらないので、底いっぱいの部分でじっとしている様子。なので、一度粘土オモリを使ってタナをとり、それよりも5センチほどタナを切ってインジケーターをセット。その深さおおよそ2.4mもある。かなりベタ底に近い状態でようやくアタリが出る感じで渋かったレインボートラウトは45センチほど。
レインボートラウト
一番深そうな場所を探して底ベタでフライをステイさせるやり方で、お仲間のロッドもしなっています。今回はとても寒く本栖湖で釣りをしているのとさほど変わらないほどで、指先も痺れてしまった。
レインボートラウト
お魚は重さがあり元気なのと、インジケーターの位置が2.4mと長いので、リールにラインを入れることができないので、ランディングは四苦八苦。それでもポツリポツリとお魚は釣れてくれます。
赤坂見附
毎年来るたびに周囲のビルが増えていくので、年々陽が当たらなくなっており本当に寒い。さらに予報が的中して14時には爆風になり、寒さに耐えられないほど。私は15時を前に納竿しましたとさ。
釣り堀
あまりの爆風に耐えられず釣り仲間二人も納竿したのですが、マッキーはデコってしまったので、罰ゲーム?として釣り堀内でエサ釣り挑戦。貸し竿代と30分の釣りで¥670で遊べます。こうしてマッキーもオデコを無事逃れたましたとさ(笑)
シムスウェア
「さて何処で呑む?」と言われてもこの辺じゃ高すぎて呑めません。なので下町のセンベロ出来る場所を目指す三人衆。サラリーマンのスーツ姿とは対照的にシムスウェアに身を包む僕らはフライフィッシャーマンの正装姿です。
生ビールが飲みたい
今回たどり着いた場所は赤羽の一番街。「とりあえず生!」から始まり、釣り話は尽きる事なく、昼のみは夜へと突入していきましたとさ。

茨城ダッシュに怯えながら『フィッシング Do Doo』に行ってみた

2024年のスタートは元旦から能登半島地震に次いで飛行機事故があり、新年を祝う気分では無かったですね。日本はどこにいても地震が起きるので、明日が我が身と思って、より一層防災意識を高めたいと思います。

さて、年末年始のお話をしますと、やっぱり鱒中毒の私は家でじっとしている事は無く釣りへ繰り出していた訳ですが、ある場所でオデコ味わい、その傷を癒しに管釣へ行ったり。今週あたりからエンジンをかけて本栖湖詣でをしようかと思っていたのですが、現在ノーマルタイヤのみでチェーンも無い身なので、安全策として行ったことの無い管釣りへ行くことにしました。

すると後輩が、「この管釣り、サクラマスが釣れるみたい。」と言う。

サクラマスを多く放流している管釣りといえば「赤城フィッシングフィールド」が私は浮かびますが、そちらは冬に行った際に山道に残雪があった記憶があるので、今回は後輩が行ってみたいというフィッシングDo Doo(ドゥドゥーで良いのかな?)へ行くことに。

そもそも管釣りへ行くのに常磐自動車道に乗るのなんて滅多に無いこと。筑波山へ向かって走るという、いつもと違う景色を楽しみながら千代田石岡ICを降りると、そこは国道6号線。交差点で先頭で止まると、通勤時間帯の車は見事に「茨城ダッシュ」を決めて右折するのでした。さらに路地からは突如として軽自動車が現れて、左右確認なしで進路に入ってきたり、私はビビりまくりのノロノロ運転。

ナビを頼りに着いたその管釣りは朝霞ガーデンのフライ池2個分ぐらいの広さで、周りは雑木林に囲まれていて、とても静かな管釣り。フライフィッシャーマンは私と後輩の二人しかおらず、こりゃ入れ喰いだな、と思ったは浅はかだった。やっぱり初めての管釣りは新鮮で、そこのパターンがわかるまでには少し時間が掛かるのであります。そんな火曜日の陽だまりの釣りのお話は以下の通り。


フィッシング Do Doo
住所:〒315-0076 茨城県かすみがうら市上志筑508
TEL:0299-59-5726
遊漁料:1日¥4,500・半日¥3,500・2時間券¥2,500
定休日:毎月第三金曜日(朝7時〜)
ルール:ソフトルアー・エッグヤーンの使用禁止・バーブレスフック・キープ制限
*管理事務所にはカップラーメンと飲料販売機のみ。近くにコンビニがないので、食料品は前もってどこかで購入しておきましょう。

フィッシング Do Doo
フィッシングDo Dooまでの道のりはナビを頼りに行っても「これで合っているの?」と思いたくなるような道。ナビを疑わずに素直に進まないと辿り着けません。ポンドは二つありますが、フライは大きい方の池でしかできません。水深は手前がかなり浅く、中央でも2mは無いかもしれません。水質は濁りがあるので、フライには好条件。
フィッシングドゥドゥのサクラマス
メインの水車のおかげで水の流れは時計方向(左から右)へ流れるので、インジケーターの釣りは難しそう。ルアーの方と絡まないように中央付近までキャストするとフォールでいきなりきたサクラマス。あれま、ここって本当にサクラマスが多いんですね。
フィッシングDo Doo
しかし、その後はな〜んもアタリなし。うむ、困ったぞ。状況を把握すると魚は中央付近の底に多い。しかし水車の流れにフライラインが引っ張られてしまい、一度沈めたフライが流れにつかまってフライが浮き上がってしまう。さらに喰いが渋いので、シンキングでリトリーブする訳にもいかず。それをなんとか同じタナにキープできてデッドスローで引ければなぁ・・。と考えた挙句、出した答えはシンキングリーダー。10フィートのスローシンクをラインの先にセットし、その先にリーダーはつけずにティペットを60センチのみ。これが見事ドンピシャ正解でした。
管釣りのサクラマス
まずはジャンプロールで真ん中ぐらいまでキャスト。カウントを20秒してラインを張ると、ラインは流れに引っ張られてゆっくりと左へ流れ始める、するとドスンとアタる感じ。その釣り方がわかった後は入れ喰いでワンキャスト1〜2バイト。早アワセすると途中でバレやすく、少し送り込み気味でゆっくりアワセるとバレません。掛かってくる魚の3割はサクマスという確率。
フィッシング Do Doo
開始して2時間は沈黙が続いたけれど、このパターンを見つけたので後輩にも教えて、彼も入れ喰いモード。周りのルアーの方には申し訳ないほど釣れました。こんな状況の時、某管釣りで「釣ればいいってもんじゃないんだよ!」と隣りのおじさんに怒られた事を思い出しました。
レインボーとサクラマス
釣り方がハマってあまりにも釣れるので、今度は面白がってティペットをどこまで短くできるかを試しました。シンキングリーダーを使っているので透明な部分はティペットだけになるのですが、結果20センチまで縮めても釣れましたが、喰いつきが悪くなります。長過ぎると絡むので、結果的に50〜60センチぐらいが一番良かった感じ。短い時間で軽く50本以上をキャッチしたので早めに上がって帰りましたとさ。
白いロッドが汚れると・・。
ちなみにこの管釣り、水があまり綺麗ではないので、白いインストラクターロッドを使って釣りをしたら、ロッドがこんな色になってしまいました。帰る前にウェットティッシュなどで綺麗にして帰らないと、汚れがなかなか取れませんぜ。