「A列車で行こう」のリズムに乗りながら、スコットのスイングで本流をステップダウンしてみた

「フライはリズムであり音楽」とキャスティングスクール時に良く生徒さんに話をすることがある。フライラインが後方へ伸びるのに1秒かかるとしたら、前方へ伸びていく時間も同じく1秒かかる。映画『リバーランズ・スルー・イット』で、お父さんがメトロノームを持ち出してキャスティングを教えていたが、まさしくアレ。飛ばす距離によってそのスピードは違うけれど、キャスティングの最中は常にリズムを心で刻みながら行うと割とうまくいというもの。私は1970年代のフォークソングを口ずさみながらリズムをとっていることが、ままあります。しかし、目の前で魚が跳ねたりするとそのリズムは途端に崩れて、さかな釣りたさ故にバックキャストの時間が短くなってしまうのは、エキスパートでも同じですな。

「Study to be quiet. / 穏やかなることを学べ」(アイザック・ウェオルトン)

この春からスコットのスイングを手に入れた私は現在本流でこのロッドを振りたくて仕方がないので、いつもの北関東にある本流へ行ってきた。名前がスイングだから行きの車で「A列車で行こう」を聴きながら気持ちを入れて、そのノリノリのリズムのままそのスコット ロッドでスイングしてみた。が、スイングジャズのリズムとスペイでスイングのリズムはなんか違う、ミスマッチ。

そもそも英単語のswingの意味を調べると「揺れ動く、揺らす、素早く動かす、急に方向転換する」などの意味で、ジャズのスイングとフライのスイングは何の関係もなさそうですな。この中で言えば「急に方向転換する」の意味がこのロッドの意味なんでしょう(いや違う、もっと深い解釈があるゾ!という方がいらっしゃいましたら、是非教えてくださいまし)。

そんな調子でいつものように3つのランを自分のキャスティングを確認しつつステップダウンするのでありました。その釣りの様子は以下の通り。お暇かなたはお付き合いあれ。

スイングの釣り
気分はスティールヘッド。でも、何にもありません。ナッシング。キャスティング練習がただ続くだけ。雑魚さえもあたらない。なので一つのランが終わるとまた次のランへ。雑魚でも良いのでコツンとロッドを叩いて欲しいものです。
カワムツ
魚恋しさに3つ目のランに向かうと、そこは小場所なのでロッドをウィンストンのマイクロスペイに変更。すると、緩い流れでコツンとアタリ。雑魚だとは分かってはいたけれど何とか粘って掛けたカワムツくん。カワムツ1匹でこんなに楽しくなれるなんて幸せデス。
スイングのフライフィッシング
緩い流れはそんな感じなので、場所を変えて今度はかなり早い瀬の連続から開けた場所でスイング。するとガツンとあたるのだけれどフッキングせず。その場所で粘っていると、たまにライズするのでシングルハンドに持ち替えてドライフライに変えてはみたものの、いくら投げても無反応。ちょっと考えた末に再びスイッチロッドタックルに小さいウェットフライに変え、今度はポリリーダーをフローティングにして、上っ面をスイングしてみました。
ヤマメ
すると今季初の本流で渓流魚がヒット。何だか放流ものみたいだけれど、嬉しい出会い。サイズは9寸弱ってところ。フライはシルバーマーチブラウンです。
カワムツ
さらにステップダウンを進めていくと再び緩い流れではカワムツくん。いいんです、釣れてくれれば彼でも十分。
本流の放流ヤマメ
もうこの時点で16時半を回っていた。このままここでシングルハンドロッドに持ち替え、ドライフライを結んでイブンングを待って入れば釣れそうな感じ。ただ、ここのところ2連チャンのフライフィッシングを続けていたので疲労困憊の私。それも本日は朝早くから片道160kmの距離を全部下道だものね。ということで、今回はイブニングを待たずの早上がり。次回はまた別の場所でスイングの釣りを楽しみます。

移動ばかりで釣る時間が無くなった、北関東の桜が舞う川へヤマメ釣り

もし私の願いが一つ叶うのならば、残りの我が人生は春は今の3倍以上の長さにして欲しい。季節の移ろいは速すぎてやりきれない釣りが多いので、春が長ければどれだけ釣りが楽しめることか! 私の人生で言えば春はあと20回も無いのですから、この季節は1日も無駄には出来ない訳でアリマス。釣り師の考えってホントしょうもないですなぁ・・。

本栖湖ダブルヘッダーを終えて帰宅すれば、いつもであればビールをかっくらってバタンキュウなのですが、翌日も休みなので考えることはもちろん釣り。体力を温存する為にも酒までも飲むのを止めてしまうなんて、釣り馬鹿に付ける薬はアリマセヌ。

そして翌日の予定はこうだった。

前日がアマゴ釣りだったので、今度はヤマメ狙い。朝ゆっくり家を出て北へ向かい、温まった時間を見計らってスイング開始。所定の時間をやって何もなければイブニングはヤマメの川へ移動し、イブニングまでドライフライを楽しんじゃおうという魂胆。昨日だけですでに往復350キロ以上を往復しているのに、今日はさらに400キロ往復の予定。出発前から疲れているので、アリナミンとモンスタードリンクでドーピングしたのはいうまでもありません。

本栖湖のことばかり考えていたので北の本流の事は何も情報を入れず9時に出発。現地は着いたらなんと本流は濁りと増水。思い描いたスタイルが出来ないのであれば上流へ行ってヤマメだけやって帰ろうと思ったら、上流部もダムの放水で凄く太い流れな上に水温低下。これじゃ釣る気にもならんと更に移動し、もう一つの川へ。タックルを用意して川を右往左往するも、こちらも水温が低くいくら粘っても虫が全く飛びもしません。この時点でもう13時半。あぁどうしよう。

そして私がとった行動は所持している年券地域を諦めて、山道を登ることにしたのであります。

桜
桜が咲く場所は日中にヤマメのライズが起こる場所。この桜並木を過ぎたらそこはパラダイス、の筈であった・・・
北関東の川
本流をやめて向かった上流は渡渉が難しいほどの流れ。どうやら雪代の様でものすごく冷たく、そして青々していた。流されたくないので、この場所は却下。
渓流の桜
お昼過ぎに到着した別の川の上流部は桜は満開で水量は平水位。桜が舞い散る季節はヤマメさんはご機嫌の筈と、移動に時間をかけ過ぎて釣る時間がグッと短くなってしまったので早々釣り竿を出す私。
コンパラダン
よく観察すると16〜18番程度のカディスと18番サイズのコカゲロウがハッチしていたので、コンパラダンの16番(BWO)をチョイス。
ヤマメ
風に煽られてキャストしづらかったけれど、エサ師が手を出さない小場所を探るとお魚の反応はすこぶる良く、次々とヤマメさんが釣れてくれます。
ヤマメ釣り
前日よろしく、あっという間に20本以上をキャッチ。サイズの小さい5〜6寸半は天然もの。7寸以上は鼻が少し白かったり胸鰭が黒ずんだりした放流もの。フライを交換するのも面倒なので、コンパラダンで釣り続けましたとさ。
ヤマメの川
今から20年位前、この場所はヤマメとイワナのC&R区間だったけれど、今は沢に入ってもイワナがとんと釣れなくなってしまった。年々イワナを釣ることが難しくなってきている気がします。
ヤマメ
それこそこの川には40年くらい前から来ているので、昔も今も変わらないポイントがあります。そこは放流ものが貯まる場所でエサ師がロッドを出しづらいのでお魚はいっぱい残っているんですね。充分釣ったのでいい加減やめれば良いのに、放流ものを狂った様に釣り続けるのでありました。
北関東の川
釣り続けた理由は今年から日釣り券がナント¥2,500になってしまい、釣り始めた時間からすると管釣り3時間券並みの料金なので、払った分の対価を求めて暗くなるまで釣りをしてしまいました。この二日間でヤマメとアマゴを合わせた釣果は余裕で50本以上ですが、私は渓流魚を食べませんから、もちろん全てリリース。この川の本番はこれからですので、皆さんもおおらかなヤマメさんと遊んでみてくださいまし(河川名を書くと怒る方がいるので伏せておきました)。

君たちはどう釣るか。天気予報に逆らえない3月氷雨のフライフィッシング

スタジオジブリ作品の『君たちははどう生きるか』がアカデミー賞の長編アニメーション賞を受賞されたとの事でおめでとうございます。さらに『ゴジラ-1.0』も視覚効果賞を取られたそうで、私はどちらも映画館で観ましたがゴジラの方が面白かったかな。

さて昨日の釣りはその前日から天気予報が悪状況を伝えてきたので、行く前から萎えてました。この時期はヤマメがライズし始める時間帯は大体11時を過ぎた頃。しかし氷雨が降り始めるのが9時ごろからとの予報。なので少しでも雨が遅くなる場所を探すと先だってと同じ北関東辺りになり、さらに水温が上がりやすい川を選んで行く事にしたのです。今回の釣りは映画のタイトルを借りれば、その状況を『君たちはどう釣るか』をお天気の神様に突きつけられたようです。

あまり早く行ってもしょうがないので、釣り場への到着は8時後半。今年初めて訪れた川を1キロほど下り、目ぼしいポイントをチェックして用意を始めると、まだ投げる前からの氷雨が降り始めた。あぁ、今日はダメかなぁ、なんて諦めムードでライズが始まるまではニンフをゴロゴロ・・。雨足は時間を追うごとに強くなり、河原をさまよう足はどんどんと重くなって行きます。

♪冷たい雨に打たれて 川をさまよったの〜♪
♪もう釣れてくれたって、いい頃だと思った〜♪

相変わらず昭和歌謡が頭から離れず、ハイファイセットの『冷たい雨』を思い出しながら震えた昨日の釣りは以下のとおり。お暇な方はご覧くださいまし。

ウィンストンロッド
先週僕らが帰った後にこの辺はかなりの積雪があったとか。陽の当たらない斜面には雪がドッサリ。タックルは前回と同様にウィンストンピュア763/4にオービスのCFO。新しいラインに巻き替えるのを忘れてしまいました・・。
北関東の川
私はたいてい川を一通り見てから釣りを始めるので、タックルをすぐに組みません。まずはお散歩のように川を下って退渓点を確認し、良さげなポイントをいくつか覚えておきます。で、自分で釣り上がるスピードを考えて釣り終わりの時間がその退渓点になる様にするので、下流を釣ることが多いのが私の里川スタイル(お客さんと一緒に行くことが多いので、お客さんは駐車位置から上)。今回もそんな感じ。
北関東の川
私は一つの川に何回も通いその川の四季を感じて覚えておきます。そうする事でその翌年はその経験を生かし、思い出して釣りを組み立てることができるのです。しかし自分が思い描いたように上手くいく確率は30%くらいかな。今回はここぞのポイントからの反応は、な〜んにもありません。雑魚にも相手にされず寂しい状態。
北関東の川
そうそう、昨年はこの場所で尺ヤマメを逃したなぁ、なんて思いながらライズがないのでニンフをゴロゴロ・・。この時点でレインウェアは役に立たず全身びしょ濡れ。入渓して2時間半の間に何もないので、とりあえず先週の川へ移動することに。
ヤマメ
すでに雨がかなり降っていて、水面は雨粒が大きくライズなんて見つけることができないかと思いきや、前回と同じ場所でライズしているではありませんか。早速前回と同じくミッジを流すと全くの無反応。投げても投げてもダメ。でも時たまガボッと音を立てて出るライズ。もしかして大きいもの食べているのかと思い20番のパラスピナーに交換したら、一発で出ました。ま、放流ものですけれどね。
ヤマメ
その後、ミッジアダルトでも同じように出たところでもう体は限界。足はビリビリきているし、指先は感覚が薄れていく。もう釣りどころではないので、土砂降りの中ダッシュで着替えて、先週に引き続き味噌ラーメン屋を目指すのでありました。来週は晴れるといいなぁ。

 

私的解禁・8Xと9Xの差を思い知ったミッジオンリーのフライフィッシング

ようやく私の春がやってきました2024年全国一般解禁の初戦。普段お店で私とお話をしている方ならどこへ出向いたかは分かると思いますが、今年も北関東のとある年券を買いに行ってきましたヨ。この川へ通うのも今年で15年位経つと思うのですが、フライフィッシャーマンが多く集まる人気河川は苦手なので、釣れなくても広い川で無心にロッドを振る事ができるこのマイナーな川が好きな私です。

そうは言っても解禁直後はお祭りなので、いつもは閑散としたこの川でも所定のポイントにエサ師がドッと集まって、放流したてのヤマメをビクいっぱいにして嬉しそうに持って帰る方がいらっしゃいます、。私もそれに混じってロッドを振るのがここ数年の恒例行事になっていますが、相変わらずフライフィッシャーマンはほとんど見かけないです、この河川は。

毎年顔を出す漁協事務所を後にし北へ向かった私たちは、今年は全く予備情報を入れずに鉄板ポイントを目指します。すでに5日目だから釣るのは難しいだろうけれど、なんとかドライで取りたいというもの。だって相変わらずニンフを持っていないんだもの・・。

着いたポイントにはエサ師のおじさん達が居るが誰も竿を出しておらず、なんか嫌な予感。おじさんに釣況を聞くと解禁日から爆風が続きミャク釣りは苦戦し、釣果は思わしくないとの事。だけれど、昨年同様に放流はしているから釣れるんじゃない?と、解説をしてくれる当の本人たちは竿を出していない。雲は低く垂れ込み、15時ぐらいから雨予報なので、決着は14時までには着けなければ・・。

そうして釣りを開始したのが10時ごろ。僕らの解禁日が始まるのでした。

以下はその様子ですので、お暇な方はご覧くださいまし。

年券
最近は本流はあまり釣れないので他の河川に本拠地を移しても良いのだけれど、釣り人が少ないので気持ちよく釣りが楽しめるのがその魅力の一つ。と言ってもホント、本流は釣れなくなりました・・。
北関東の渓流
漁協事務所で年券を買い、このポイントまでの移動時間はほぼ1時間。いっ時は本流でも盛んにヤマメやサクラマスの稚魚を放流していたのだけれど、その効果が無いのか本流はいくらライズを探しても全くなし。解禁はとりあえず釣果が欲しいので、ここ数年はエサ師に混じって放流ポイントで楽しんでおります。
TMC2488・24番のミッジフライ
後輩はすぐに用意しライズがまだ無いのでニンフをセット。するとすぐに一本目をキャッチ。むむ、沈めたくても先日YGLで使ったブラッシー20番が一本しかないんだよな。フライの選択にを迷っていると散発ながらライズが始まったので、私はとりあえず24番のミッジでスタート。
放流もののヤマメ
いやらしいライズをしている個体をダウンクロスで丁寧に攻めると、なんとかヒットし1本目をキャッチ。
ドライフライフィッシング
ライズが少しずつ増えてきても、竿を出すのは私と後輩のみ。こりゃ片っ端から釣ってやるぞ、と思ったのですが、やっぱりミッジの釣りはそう簡単にはいきません。
北関東のヤマメ
空振りやヒットしてすぐにバレるなどが続き、ようやく2本目。フライはずっと同じものを使っていたが、ここでストマックポンプを使いヤマメが何を食べているかを確認することにした。
ヤマメが食べていたユスリカ
やっぱり食べているものが小さいのね。24番のフックが大きく見えます。それもカラーが異なっていたので、この後フライを濃いオリーブに変更。そして使っていた8Xのティペットを使い切ってしまったので9Xに変更。
9Xのティペットの効果
フライのカラーを変えた事と、ティペットをさらに細い9X(0.25号)にした事で、さっきまで神経質だったヤマメが楽に釣れるようになったじゃあ〜りませんか! やっぱり9Xは細いんですね。上流でライズするヤマメに向かってキャストしてもティペットの存在が気づかないのか喰いつきます。8Xだとミッジでのアップストリームの釣りはまずヤマメは出ないのにね。
ミッジングで釣るヤマメ
結果ライズが渋くなった14時半で終了するまで8本の釣果。サイズは20〜24センチ程度だったけれど十分に楽しめた北関東の解禁でした。来週に向かって私がまずやらなきゃならんことはタイイングなのですが、インボイス制度にPDF化やらの縛りが多くなった確定申告が思うように進まず、そっちを優先するため泣きそうになりながら日々仕事しております。

連続オデコ記録を伸ばさないために、モヒカンを連れて丸沼へ行く

毎週の様に高速道路を使い関東近県へ釣行を続けていると、流石にパーキングエリアの朝飯には飽き飽きしてきた。それも最近のサービスエリアのメニューときたら、朝飯だと言うのに券売機に千円札を入れてもお釣りなんてものはほとんど戻ってこない。その対価に美味しいものが提供されれば文句は言わないけれど、おしなべて味は普通な訳で、流石に何か違うものが食べたいのである。さて今回の朝飯はどうするべ?

そんな訳で物価が高くなっても釣行回数は減らしたくない私らは、最近削っている費用は朝飯なんです。で、どう削るかを色々と考えたところ、目的地の近くに24時間営業のファーストフードがあればそれを利用するという方法。

現在は三連続オデコが続いていたので魚恋しさに、とりあえず釣れるであろう場所へ行こうというので9月にもお邪魔した丸沼へ行くことに。ちなみに丸沼へは沼田インターチェンジを降りるのですが、その道すがらに『すき家』があります。一番安いメニューはたまかけ朝食で¥290と、激安なのでゴザイマス。

そうそう、丸沼は前回の宿題がありましたな。茶色いモホークを巻いて行くと言うお題。モホークとはネイティブ・インディアンのモホーク族の意で、日本で言うモヒカン刈りをしています。このモヒカン刈りは世界一般的にはモホークヘアスタイルと言うのだそうな。なのでこのモホーク フライは「刈り込みフライ」なので、モホークなのでしょう、きっと。

モホークヘアにしたことがない私ですが、フライはモヒカン(モホーク)にします。必要とあれば鹿の毛を別のパターンで刈り込むことは多々ありますが、今回はそんなフライとフォームカメムシを持って出かけた丸沼。紅葉見ながらまだ釣りができるかなと、淡い期待と共に出掛けた昨日でした。

Mohawk(モホーク)
モホーク(Mohawk)はこんな感じ。オリジナルと違い、レッグ部分はその時の気分でヘンフェザントやパートリッジのフェザーを使いますが、フロントに巻かず、途中に挟んでます。丁寧に巻くと時間がかかるので、シルエットだけサイズを合わせて、この程度仕上げて終わり。
Mohawk(モホーク)フライの裏側
波に揉まれると見えにくいですが、魚が出る時は派手なので、まずバイトを見逃すことはないでしょう。最もラインが走ってから合わせるぐらいの方がちょうど良い気がします。ボディのディアヘアはダークブラウンとオリーブとオレンジのミックス。いつもは10番でタイイングしますが、今回は茶色いカメムシに合わせてB10Sの12番を使用。ちなみに巻いていったのですが、お店に忘れました・・・。
丸沼
まだ紅葉が残っているかと思ったのが甘かった・・。丸沼はすでにご覧の通り針葉樹だけに葉が残っています。緑がなくなると一気に寒々しく感じる。
フライフィッシング
朝は大荒れで嵐のようなザーザー降り。これじゃドライは無理だなと思い、ダムサイドまでインタミラインを使い探り続けましたが全く反応なし。10時をすぎる頃には太陽が顔を出し水温が少し上がり、湖面に魚を探すことができる様になったのでドライへチェンジ。
ドライフライで仕留めた一本
大きめの個体を探しその鼻先へ投げるも、今度は湖面が静かになり過ぎてラインの着水と同時に驚いて逃げ惑ってしまう始末。なので魚が一直線に私の方向へ向かってくる時を見計らいキャスト。魚の進行方向からはティペットが見えないので、フライがへの反応があるがそれでもスレッスレで、口を開けてフライを咥え込む瞬間に何かを感じて吸い込んでくれない。それを何度か繰り返し、ようやくキャッチしたのがこの一本。
レインボートラウト
午後になり湖面がわずかに揺らぐ様になるとそれが良いブラインドとなり、魚の反応が少し良くなった。今回はポンプ小屋周辺に大物がかたまっており、それを集中的に狙いました。とは言うものの、すでに季節は秋終盤。湖面に浮かぶ虫は大きめのユスリカと14番サイズのメイフライが少し。カメムシはすでに終わったようで見かけませんでした(使ったフライは全てカメムシパターンですが)。
秋の様相
見上げる樹木にはすでに葉一枚さえついておらず、この日の暖かさに反比例して季節は順調に進んでいる様です。
丸沼の秋
15時半を過ぎると途端に寒くなり始め、ドライへの反応は皆無。夕暮れにインタミを引っ張って釣るのも良いけれど、今回はドライの釣りでサイズが全て良かったので満足し、16時には納竿しましたとさ。山は黄金色で寒々しくなってきました。
レンボートラウト
丸沼のフライフィッシングは今月いっぱいまで。引っ張りの釣りが好きな方はまだまだ釣れます(ウェーディングでもOK)。または、ボートでルースニングで狙うのも良いでしょう。ボートにコンパクトストーブを持ち込みカップラーメンを啜りながら、残りの季節をあなたも楽しんでみてはいかが?

青空の下にある碧い野反湖でレインボートラウトと遊ぶ

秋はどこへやらで相変わらず湿気が多い初夏みたいな9月。先だってのモンタナはこちらとは逆で例年に比べ少し寒く水温が上がらない状態だったけれど、空気は乾燥していて釣りをするには過ごしやすい気候だった。今の私はこのジメジメから抜け出したい気分。そう、モンタナの風を思い出しながら、似たような景色の中でボーッとしたいのである。

このブログでは本栖湖の話が多いけれど、湖の美しさで言えば野反湖が私は一番好きだ。関東近郊の湖は数多くあれど、そのロケーションの美しさはダントツであり、ニュージーランドのレイク・テカポと比べても引けを取らないのではなかろうか。標高約1,500mにある野反湖は周りを1,900m級の山々に囲まれた天に近い湖で、私は常々「日本のニュージーランド」と口にする程、四季折々の美しさを持つ。

天気予報は晴れのち曇り。午後には雷雨のマークが付いている。標高が高いので朝の気温は10数℃といったところで湿気は少ない。まさしく海外気分を楽しめる気候と、青い空を持っている群馬県にある天空の楽園なのだ。

この湖は高速道路からのアクセスが悪い事から地元の方が多い釣り場だが、良いポイントへ入ろうと思うと地元エサ師とのポイント争奪合戦になる。なので僕らは家を2時に出て現地へ5時前には到着して用意。がしかし、早く来たつもりでも一番良い場所には6名のエサ師がすでに鎮座していおり、結局はその戦いに敗れてしまう。

賑わうニシブタ沢に釣友を残し、私は人のいない奥を目指す。そこは天空の青と湖の碧がグラデーションを作り、時に風が止まると無音の世界に陥る。聞こえるのは私の歩く音ばかり。水面の変化に目を凝らし延々と水辺を歩き続けると、気がつけばすでに湖を半周していた。休憩するのにちょうど良い石を見つけ、コンビニで買ったおにぎりを頬張り、湖をボーッと眺める。人混みに疲れたらこの時間がとても大切だなぁ。

魚っけが無く緊張感は無くなってしまった事で気持ち良くうたた寝をしてしまい、あっという間に時が過ぎていく。しかし沢のワンドに残してきた釣友の事が少し心配になったので、また湖伝いに魚を探しながら戻ることにした。

場所を動かずその場で釣りをし続けた釣友は、声を掛けずともその満足げな雰囲気で察する事ができる。声高に語る彼はドライでもシンキングでも釣れたそうで、最大は57センチだそうな。ではでは、ハイキングを楽しんだ事だし帰るとしますか。私はレインボートラウトに触る事なくルート405を攻めながら下るのでした。

朝霞ガーデン
モンタナから帰って来てその日曜日に行った朝霞ガーデン。簡単に釣れる幸せ。ドライで5本釣ったら飽きちゃったので、朝練に来られた方々と雑談の場。その後にキャスティングスクールを行い、日焼けした顔が更に黒くなってしまった。
野反湖の夜明け
朝焼けの野反湖。この奥がニシブタ沢なのだけれど、エサ釣り師の密集地隊となっていたので、私はその場を離れた。だって静かな自然の中でボーッとしたかったんだもの。
青空と野反湖
シラカバ淵を経て南へと向かう。雲はすぐそこで、時に自分の中を抜けていく。風は無く無音の世界。釣り人はひとっこひとり見えない。しかし、魚も見えない。期待したカメムシやビートルも落ちていない。
蛇帝ヶ原
山の天候は目まぐるしく変わる。さっきまでオーブンで焼かれている様な気がするくらいの陽射しを浴びていたのだけれど、曇った瞬間に寒くなってくる。でもこの方がライズは起きるんですよね。その後カモシカ淵でず〜っとライズを待っていたけれど、回遊魚は一度も見ず。前回ボイルしていた場所は鏡のように静か。水温が18℃と、ちょっと高いからなのかなぁ。
野反湖キャンプ場
野反湖キャンプ場にひと張りのテントも無いって初めて見たかも? キャンプブームが終わった感がありますな。これでようやく僕らがキャンプする気が出て来ました(笑)
野反湖の釣り
朝も早かったし少し疲れたので、ウェーダーを脱いで、備え付けの木製テーブル&チェアでゴロ寝。あぁ、なんて気持ちが良いのだろう。心地よい風が少し吹いていたので1時間半程寝てしまった。
野反湖のレインボートラウト
釣友の元へ戻るとご覧の通り。良いサイズがバカバカ釣れています。エサ師はすでに帰り静かになったので、私もロッドを出す事に。私のカメムシドライに出たレインボーは5本で、そのうち2本はランディング寸前にネットに驚いてしまいバラしてしまいました。使用済みのフライは大尻沼などと兼用だからバーブレスなので致し方なしかな。でも十分にその引きを楽しめました。それよりも50センチオーバーのイワナを前にして、イワナはすでに禁漁に入ったものだと勘違いして狙わなかった事が悔やまれる。
野反湖
期待した午後の部はライズもなく全くの無反応なので、あまりにも気配がないので早めに退散する事に。その際入れ替わりに入ってきたスペイキャスターに「どう?釣れた?」と聞かれたので、「いえ、全然釣れません。」と答える。すると、「ここで釣れない様じゃ、どこへ行っても釣れないよ!」と言われてしまいました。そうですか・・、精進いたします。

 

雷様に翻弄され甲信越を諦めて北関東へ歩きに行った件

🎵あれがあなたの好きな場所、港が見下ろせる小高い公園〜♪

今回の釣行で何故かオフコースの『秋の気配』が耳から離れなかった昭和ミュージック。これ以外に『もう歌は作れない』や『ロンド』など、何故かまだそんなに売れる前のオフコースばかりの曲が蘇ってくるのです。どれも秋っぽい曲の為にセンチな気分になってしまう曲が思い出されるのは、きっと釣果のせいでしょう。そう、沢山歩いた割には思ったほどの釣果がなかったのです。

関東地方の梅雨明けはまだですが、これだけ暑くなってきたら標高の高い場所へ行って涼み、思い描いた釣果を求めたくなるこの季節。この時期私の好きな場所は甲信越の標高約2500mを分水嶺とする南アルプス周辺にある川で、車止めから2時間半ほど歩き、その後川筋を数回高巻いてようやく辿り着く巨岩隊の釣り場。近年フライフィッシャーマンの平均年齢はかなり高くなっているので、最近では山奥に入って出会う釣り人はエサ師か若いルアーマンしかいませんから、ここで他のフライフィッシャーマンに会った事がありません。

今年もゲーターの季節がようやく始まったなぁと思いながら翌日の準備をしていると、甲信越のお天気はどうやら正午を境に雷予報。どの天気予報サイトを見ても同じで、さらにここ数日間の積算雨量が多いため水位が高め。車を置いて3時間掛けてポイントへ付いても、釣りができる時間は正味3時間程度。歩く時間の方が長い事を考えるとを考えて、当日になって急遽北関東へと場所を変えるのでした。

予報を頼り出掛けたのは行き慣れた源流なのだけれど、そのポイントの車止めにはすでに先行者あり。林道がないその川は退渓時は川通しで戻って来られることを考えると、あえなく断念。2番目に入ろうとした川へ戻ってくると丁度別の方が入渓準備をしてました。こうして私たちは方々を探し歩くポイント難民となり、思い描いた釣りは残念ながら一切できないのでありました。

『秋の気配』一部抜粋:♪大いなる〜 河のように〜 時は流れ戻るすべもない〜♪

今回の戒め:釣りのプライムタイムに自分がどこに立っているかはとても重要である

関東周辺の河川
今回の釣行で思う事は、天気が良い日は釣り師が湧いて出てくるのだと感じた。一つの川(沢)に車4台なんて、平日なのにありえない。昨今のアウトドアブームでリークされた川はどこも釣り人がいっぱい。ようやく辿り着いた場所は今年二度目の入渓になってしまった。ここは昨今は振り返ると後追いの人が見えるほど人気になってしまった。愚痴を少し言わせて頂ければ、魚を持って帰る事は悪い事ではないのですが、魚(資源)は無限ではありません。毎日同じ川から一人20匹づつ天然繁殖の魚を持って帰ったらどうなるか、よく考えて欲しいものです。”他の人もやっているではないか!” と反論する方もいますが、それでは本末転倒です。あなたが釣り続けたいのならば、持ち帰るなとは言いませんが、自身の中でバックリミット(持ち帰り制限尾数)を決めて欲しいものです。
ヤマメを釣る
親となる2年魚以上の大きさはことごとく抜かれてしまい、釣れる最大は6寸前後。今年生まれた、いたいけな幼魚だったら釣れますが、要は今年産卵するであろう個体が少な過ぎる感じを受けます、あくまでも個人的な見解ですが。
ヤマメ釣り
午前の部はいくら登っても魚影の少なさが際立つばかり。こんな川じゃなかったのになぁ・・。釣り上がる程、気持ちが萎えるばかりです。
関東の渓流
午前の部を終了後に少し休憩をして午後は別の川へ移動。車止めの入渓点から入っても良かったのですが、ホリデーアングラーが週末ごとに魚を持って帰る事を考えると下流部は釣る気になれない。仕方なしに釣りをせず1時間歩いたところから釣りをすることに。
関東のイワナ
最近は1時間ごときの歩きじゃ、お魚は釣れません。結局そこからさらに2時間以上釣り上がった所から、ようやく魚が顔を出し始めた。どんだけ歩かされるんだよ、という感じ。既に時間は進み過ぎて日中の活性が高い時間帯を過ぎてしまい、間も無くイブニングタイムという時間。こうなると退渓時間を考えてあと30分で納竿するしかありません。
関東の渓流
区切りの良いポイントを決めてそこで退渓することにしたのですが、釣れ始めたことに後ろ髪を引かれて、後もう少し・・。そんな事やっていたら案の定、予定時間を過ぎてしまいました。
沢イワナ
最後にもう一本オレンジ色のお腹を持った沢イワナを追加して退渓。あぁ、本日はよく歩いたなぁ。
獣の骨
以前退渓時間を見誤って、真っ暗な林道を歩いて帰ったことがある。曇りの日で星もなく本当に真っ暗な上にライトを忘れたので、右手で草むらを感じながら何時間も掛けて降りてきたのです。そんなことが無いように、やっぱり釣れるからと言って遅くまでやるのは厳禁でしょう。今回もかなりギリギリの退渓になったので、大きな獣が草むらでガサガサやってましたが、それが何であったかは確認できませんでした。この森は動物たちの森ですから、僕らはお邪魔させて頂いている認識を持って山へ入る準備をしなくてはなりません。

 

 

ダウンジャケットを着込むほど寒い朝を迎え本流は撃沈す

この歳になって睡眠時間を削ってまで釣りをしたいという気持ちは我ながら馬鹿だとは思けれど、個人事業主は休みを取れば取るほど収入が減る(というか支出が増える)ので、いっぱい休む訳にはいかないのデス。皆さんがゴールデンウィークに9日間連休が取れたのであれば、私の休みは2日連休が良いとこかな。なんて書いても5月の後半からは遠征が続くのでそんな言葉に説得力はないのですが・・。

さて、その翌日は夜明け前には川岸に立っていたかったので、3時に起床し朝飯を買いにコンビニへGO! 夜が明ける頃には前日とは別のポイントに立っていました。この日の朝は気温が5℃という5月にしてはとても寒い朝。寒すぎて震え上がり、手袋をしてダウンジャケットを着込んでの入水。水温の方が高いものだから朝靄がかかる幻想的な景色の中でキャスティングを繰り返すも手応えは無し。このポイントにも別のウナギ師の仕掛けがあり、私が上がる頃にはジムニーに乗ったおじさんが鰻を回収しに訪れ幾度となく網で救ってましたので、結構取れるのでしょう。

その後に別のポイントを2カ所回って爆投しても、暖簾に腕押し。その頃には暑過ぎるくらい外気温が上がったので昼少し前に午前の部が終了。夕方までのわずかな時間はまた上流へ癒されに行こうかなぁ、なんて思うこと自体、自分はいつまでも18歳の青年だと勘違いしている様です。老体を労って少しは休めば良いのに、せっかちな私はジッとしている事ができないんですな(渓流のお話は以下の写真に続く)。

なので渓流での釣りを終えて本流に足を向ける頃にはすでに体はのあちこちが痛い上に運転に支障が出そうなくらい眠くなったので、自販機のある駐車場で30分ほど仮眠を取ってから行こうとシートをリクライニング。一瞬で爆睡してしまいました。

我に返る頃にはすでにとっぷりと暮れてしまい、ボロボロになった老兵はウェーダーを履いたまま家に帰ることとなりましたとさ。私の真似をする人などいないと思うけれど、自分の体を労って釣りは程々にね。

朝一番のスイングの釣り。
時間、水量、濁り、全て申し分なし。唯一納得がいかないのは寒さ。例年だったら外気温は10℃以上はあると思うのだけれど、その寒さゆえに水温は低くて虫っけは全くなし。釣れる雰囲気は感じられず、雑魚からの魚信もありません。
エアフロのインパクト
唯一の収穫は新たに使い始めたエアフロ・インパクト35ポンドの使い心地が分かったこと。今回で使用4回目だけれど、リールに巻きっぱなしでも癖がつきにくく、表面のコーティングが滑らかでライン絡みがとても少ない。難を言えば高価という点と25ポンドはシングルハンドのオーバーヘッド用と考えた場合、長さが短すぎる(ダブルホールで擦れるところが毎回同じなので、10回ほど使ったら2m位はカットして使う為)と思う点。長さが50〜60m巻きだったら良いのに。
北関東の渓流
ダブハンの釣りは3カ所回っても釣れる雰囲気を感じなかったので、また上流へ行きました。といっても前日とはまた別の渓流です。入渓点は開けたこんな感じの場所ですが、進むと谷が深くなり退渓する時は一苦労する渓流で、帰る頃には太ももが痛くなります。
ヤマメ
連休明けなので残っている魚は餌釣り師が手を出せない木が覆い被さった下ばかり。なので、しゃがんで短い距離のピンポイントキャストが強いられます。こんな川はほとんど低い状態で釣りをしているので身体の柔らかさと普段どれだけ太ももを鍛えているかで釣果が変わります。
木の下を釣る
次のポイントまで匍匐前進に近い状態を繰り返し、木の下でライズする場所へサイドキャスト。思ったレーンに乗るまでキャストを繰り返すとヤマメさんが釣れます。その距離はロッド2本分という目の前なので誰でも投げられる距離。しかし、低い姿勢で狭いところへラインを通すので、そこらじゅうに引っかかるのが難点。その度にその低い姿勢のままフライを回収しに行くので普段使わない筋肉が鍛えらえます。
ヤマメの胃の内容物
この渓流へ入る頃はいつも春蝉が忙しく鳴く頃だから、お魚は目立った大きいものはまだ食べてませんでした。
小さなホットスポット
ひとしきりヤマメを釣ってひと休憩している時、ふと見たこの狭い瀬の中でお魚が4匹泳ぎ回っています。他のポイントと違う点は白泡の下あたりに潜り込めるエグレがあり、他の場所よりも少しだけ水深が深いという点。
イワナ
4匹が泳ぎ回っているけれど、そのうちの1匹を掛けた途端残りの魚は全てエグレに入ってしまったので、一本釣っておしまい。この川はイワナとヤマメの混棲なのですが、緩いプールでヤマメが虫を啄み、イワナは荒瀬の巻きで流れてくるものを手当たり次第食っているイメージ。
デタッチド・ボディ・メイフライ
イワナは大振りなフライで良く釣れるので、今は亡き先輩が好きだったデタッチド・ボディ・メイフライを使ってみた。このフライはお魚にすこぶる反応は良いのですが、魚を釣ると数匹でアブドメン部分が壊れてしまうのが難点。
イワナ
もうヤマメさんは沢山釣ったので、イワナだけ選って釣ろうと思ったら、イワナの方が釣りやすいからなのか、釣れそうな場所からはほとんど釣れず合計4本のみ。なので、また小さなパラスピナーにチェンジして釣り上がります。
ヤマメ
渓流が変わるとヤマメもイワナもその顔つきや模様が変わるので、行き慣れた川の魚はその顔を見るとどこの川だかわかる様になったりします。このヤマメは縦筋模様が特徴で、顔が少し丸く可愛いのです。
ヤマメの腹鰭
それともう一つ腹鰭の肉付きが多く、長い部分はペンキで塗った様に白いティップが入ります。
ヤマメ
あまり前のめりに釣りをしていると本流の時間に間に合わないし、谷が深くなって退渓することに時間が掛かってしまうので、ヤマメがツ抜けしたこの魚を最後に退渓することに。とはいうものの、深く入りすぎたなぁ。
ブナと楓の森
退渓するのには一苦労しましたが、天を仰げば私の大好きな新緑の季節。春蝉が鳴く頃にもう一度楽しませてもらいます。さて本流へ向かいますか、とまた下流に向けて50キロほど移動するバカな釣り人とは私のことです(笑)

恵みの雨にはならなかったスイング本流が不発ならば渓流散策へ

雨→増水→濁り→1日経過→状況好転

こんな図式を頭に思い浮かべてしまうのは、相変わらずポジティブな考えで、のらりくらりと釣り人生を楽しんでいる私。しかしである、今回は朝イチに時合いが来るだろうと予想を絞り夜が開け始めた本流へ入り、増水の中ひたすらキャスティングを繰り返したのだが何の手応えもなし。その前に例年に比べると思っている以上に朝方は寒くて虫っけが無く水温も低め。おまけにもう濁りは取れているだろうと思い投げまくっていたが、明るくなれば酷い濁りの中で爆投してました・・、トホホ。

それでもポジティブに考える私は、「夕方になればベストコンディションで良いことが起きそうだな。」なんて相変わらずな能天気。なのでそこからまた渓流魚を求めて1時間以上の距離を移動するのである(渓流の話は以下の写真に続く)。

午後4時半過ぎが時合いだろうと本流へ舞い戻り、タックルを用意する私。濁りは少しだけおさまったものの水位は20センチ高。でも変化がある時がチャンスの時。車を置いてお気に入りのポイントまで歩き、頃合いを見計らいキャストを始める。すると一投目でコツン、オイカワである。雑魚ポイント貯金をゲットし、益々本命に迫る中、一つのラン(ポイント)を2時間掛けて爆投した。しかし結果は何もナッシング、まぁいつものことです。

そのポイントを投げ尽くす最後の10投付近で4WDの軽トラが一台到着。このおじさんは何かのイブニング狙いなのかと思い、ちょっと声を掛けてみた。

「こんにちは、狙いものは何ですか?」

するとそのおじさんの回答は、

「ウナギだ〜。エサはドジョウで延縄を仕掛けるんだよ。」

詳しく聞けば夕方ギリギリに仕掛けをいくつも投入し、翌朝早くに回収していくそうである。一つの仕掛けに何十本もの針にドジョウを引っ掛けそれと3セット放り投げる間に色々な事を聞いてみた。

「おじさん、この仕掛けにはウナギの他に何が掛かるの?」

「ん〜、ナマズだな。そうそう、あんたが狙ってるサクラマスもたまに掛かるよ。小鮎を餌にする頃だから6月以降だなぁ。」

というお返事。サクラマスは何も食べないと言われているけれど、やっぱり色々なものを食べるのだなぁ、と思った今回の釣行。多分明日はきっとこの濁りも取れて、状況は好転するだろうと14時間釣り続けた後に、河原で車中泊するアラカンの私でした、つづく・・。

北関東の渓流釣り
朝は本流で2箇所回った後、上流部のとある川へ入る私。連休明けすぐなので、プールでライズするヤマメは超シブチン。一本釣ると残りのライズは全て止んでしまう。しかし、荒瀬の中は誰もやらないようで、要所のポケットを探して投げ込むとワンキャストワンヒット、まさしく入れ喰いでゴザイマス。
ヤマメの写真
ココは釣れるだろうという荒瀬のポケットでは全てヒット。それを丁寧に釣りをしていたら、全然前に進めません。なのでツ抜けした時点でこのポイントをやめましたが、わずか15mほどしか釣ってません。
ブラウンパラシュート
荒瀬から出てくる個体は何を流しても掛かるので、フライが勿体無いので以前使ったブラウンパラシュートを選択。お魚にはどう見えているのかなぁと、下から撮影してみた。
ラッフルウォーターを釣る
この写真を見てどこに魚がいるかわかりますか? ヤマメは早い流れと遅い流れの差ができる所の、岩があるその前から出ます。岩の後ろではありませんヨ。
渓流の釣り
ポイントを移動したものの居場所がわかってしまえばこっちのもの。釣れそうな流れはプレッシャーが高くて釣れないので、そのほとんどが荒瀬の中か巻きで掛かります。なので、イワナくんもお目見え。
ストマックポンプを使う
せっかくだから何を食べているのかをストマッックポンプで確認してみたところ、アカマダラっぽい小型のメイフライと、ブヨっぽいもの。それに薄緑の小さいカワゲラが入ってました。お昼頃はこの小さなカワゲラが沢山飛んでいたなぁ。
渓流を歩く
ポイントを進んでいくと、いつも大物が出るポイントまで来た。毎回渋シブライズで泣かされるのですが、今回もドヨ〜ンと浮いている奴は見た目は泣き尺サイズ。案の定、何を流しても喰いません。仕方なくライズの頻度が上がるのを待って22番のフライをドンピシャのタイミングで流すとヒット。そして昨年と同じ岩に潜られてフックアウト。う〜む、8Xは細すぎたかなぁ・・。
ヤマメ
大物とのファイトに敗れたそのすぐ上のポイントで一回り小さい8寸半をキャッチ。気持ちココにあらずの私にはこれで上出来なのかもしれません。ちなみに退渓して車へ戻ると私の横に後追いの釣り車。さらに3台入ってきたので、この川の魚がスレッスレなのも納得です。
アリジゴク
そしてまた1時間かけて本流へ戻り、真っ暗になるまでスイッチロッドを投げ続けた釣果はオイカワ一匹だったとさ。本日は14時間釣り続けて釣りはこれにて終了。翌日は3時起きでゴザイマス。

桜舞う河原で3.11の年を思い出すフライフィッシング

本流での釣りを終えてマッキーに家まで送ってもらった翌日の事。次の日はゆっくりと体を休めれば良いのに、空の青さと春の暖かさに誘われて私の車はまた北関東へと向うのでした。釣り人ってホント馬鹿ですね(ってか私だけか・・)。

福島県に程なく近いからなのか、この川は4月1日解禁の温泉街を流れる里川。その解禁日は恐ろしいくらい餌釣りの方が訪れて、お土産放流された虹鱒をひとりで50本くらい釣り上げ、満足げにクーラーへ放り込むのです。でもその時期は水温は極めて低くヤマメ釣りへ出掛けたとしてもライズが始まるのが12時過ぎになるので、ドライフライの釣りは成立するけれど釣る時間がとても短いのが難点。

一週間もするとお土産放流の塩焼き用ニジマスは綺麗に釣り切られ、餌師は一気にいなくなります。そして釣られずに残るのはいつもヤマメさんで、この川に桜が咲く頃には一日を通してドライフライフィッシングに専念できるのです。

この川へ降り立ち、ふと思い出した2011年4月のこと。世の中はすっかり消沈し、世間は釣りどころでは無い雰囲気だったけれど、私は釣具屋として平静さを装いながら日々と変わらない釣り情報を発信する為にココへ訪れたのです。

しかし震災直後の温泉街は人などおらず、通る車も全くなく無音の町。唯一空いているコンビニで入漁証を購入するのですが雰囲気はまるでゴーストタウン。釣り師はもちろん人っこ一人おらず、気持ち悪いくらい川のせせらぎ以外何も聞こえない状態。そんな中、川を釣り上がると人がほとんど入っていないであろう状態は、堰堤でヤマメが一列になってライズしているのです。

ライズを見て片っ端にやっつけていると突然地面が大きく揺さぶられ、立っていられない状態になる程の地震が発生。私は大きな岩にしがみついってやり過ごしていると、堰堤の流れはタライに水を張ってチャプチャプと波を立てている様な状態。そんな中でもヤマメはライズを止めず黙々とカゲロウを捕食している姿を見て、地震の時は魚は釣れないなんて嘘なんだなと思ったのです。

あれから12年が経ち温泉街の1/3は廃墟となり新たな宿泊施設が少し増えましたが、街はすっかり様変わり。でもあの頃と同じ桜が今年も見事に咲き誇っているのでした。

北関東のヤマメ釣り
浅くなるポイントもあれば、逆に深くなったポイントもある。どんな川でもそうですが訪れるたびにその流れが変わっているので、以前の記憶をリセットして始めます。
ヤマメ
今年は暖かい日が多いので桜のほとんどは花が散ってました。葉を蓄え始めた桜を横目に釣りを始めると早い流れからすぐにヤマメがこんにちは。放流ものですがこの川はこのサイズが沢山釣れます。
堰堤でライズを探す
この川に到着したのが12時過ぎだったので川面に流下するカゲロウは無く、ライズを探さずにとりあえず早い流れを打ちまくって釣り上がります。
ヤマメ
堰堤下でライズを繰り返す個体はユスリカミッジ#24の釣り。それ以外の早瀬は#14のパラシュートやソラックスダンで次々とハントします。
ヤマメ
今回はウィンストンピュアの7フィート6インチ3番が相棒。久しぶりに使いましたがメチャクチャ軽いんです、このロッド。
春のドライフライフィッシング
解禁日にニジマスを死ぬほど放流し一週間で見事に釣り切られるのですが、早い流れを交わして緩い端のポイントや草木が川原に被っているポイントを攻めるとたまにニジ丸君が釣れます。
ヤマメ釣り
気がつけばわずか1時間ほどでツ抜けするほどの釣果。相変わらずよく釣れる川ですが、昔に比べると入漁料が高くなり日釣り券は¥2,000になりました。私は渓流魚を持ち帰らないので全てリリース。
フライでヤマメ
午後4時ぐらいから小型のメイフライがいっぱい飛び始めたのですが、その頃にはもうゲップが出るほど釣れてましたので、イブニングはやらずに帰りましたとさ。この川をやる場合、いつもならば後半は天然物を求めて沢に入るのですが、そっちの釣りは次回の楽しみにとっておきます。さて、また次週の為にフライを巻かないとね。