天気に翻弄される日々、寒い日が釣行日に当たる芦ノ湖編

先だってのキャスティングスクールの日は20℃を超える温かさだったのに、私の釣行日となると毎回寒いのが今年のパターン。例年だとハクモクレンが終わりそろそろ桜の蕾が色づきはじめて魚と釣り人のスイッチが入る頃でライズの釣りに本腰を入れる私ですが、今年は寒いのなんのって。2月の天気はなんだったの?って、思いたくなりませんか? 朝早く出かければ釣り場の外気温はマイナスだし、私の釣行日は常に寒波の日にあたるのです。マルタウグイの釣りは桜が芽吹きはじめた頃を目安にしているので、この寒さも手伝ってまだ行く気にもなっていません。

しゃ〜ない。ここは川を諦めて湖でも行きますかと、今週は変化を求めて箱根のお山を登り芦ノ湖詣でと相成りました。御殿場ICを降りて向かう乙女峠から見る富士山は、この寒さが手伝って真っ白けでアリマス。芦ノ湖へ着けば、バケツに張った氷はビックリするほどの厚さ。今年はいつになったら春になるのやらと心配しながら、うえ乃ボートからエンジン船を駆り湖へと滑り出すのでした。

先に結果だけお話しすれば、20℃から一気に急降下した一桁外気温の日はかなり厳しい釣りだったということだけお話ししておきます。そんな時は決まって釣り終わりにラーメンが食べたくなるのですが、最近のマイブームは味噌ラーメン。それもカーナビに話しかけて店を探すようになったのは時代の移り変わりを激しく感じておりマス。

つまらないお話しですが、少しでも皆様の参考になれば幸い。お暇な方はご覧くださいまし。


追記:いつもローボートで苦戦している方に朗報が一つ。昨年うえ乃の隣りにある「やまびこ」ボートさんが廃業したのですが、その権利をうえ乃ボートの息子さん(お食事処・仁屋)が引き継ぎました。そちらのフィッシングクラブ仁屋には船舶免許が不要なエレキボート、または2馬力エンジンの貸し出しがあります。2馬力あればブラウンポイントはどこへでも行けますので、是非利用してみてください。

ORVIS Helios 2024
オービスから新しいヘリオスが発表されたので、先だってのキャスティングスクールではそれの振り心地を楽しんできました。借りたロッドは全部で13本。それに関してのインプレッションは後日書きます。
朝霞ガーデン
キャスティングスクールが終わった後は朝霞ガーデンで昼練。ここでもニューヘリオスの763-4フィネスとエアフロの新しいタクティカルテーパーWF3Fを使って釣りを楽しみました。新しいオービスヘリオスを使って一番最初に思った事は、ラインの滑りが他のハイエンドメーカーよりも良く感じるという点。ブランク全体がマットコーティングされていて、とても水切りがよくラインがブランクにまとわりつかないのです。この3番はやや硬めの部類ですが、以前のモデルよりはグッと曲がり込んでブレを感じさせない感覚です。
芦ノ湖
朝霞ガーデンの翌々日にはマッキーを連れて芦ノ湖研修。と言っても芦ノ湖のポイントの攻め方をくまなく教えるには時期が早すぎ、まだ寒いです。とりあえず向かうのは湖尻キャンプ場前。
飯塚
うえ乃ボートの杉ちゃん情報では「カウント25くらい。」って言ってたけれど、多分それは気温が上がった土日の話。急激に10℃以上さがったこの日は活性が低いだろうと、タイプ3でカウント35秒からはじめて徐々にその待ち時間を伸ばしてみましたが、一向にアタらず・・。その後は表層を引いてもサッパリ。
芦ノ湖のレインボートラウト
周りが釣れていればそれを盗み見てカウント数やリトリーブを参考にするのだけれど、誰も釣れてないのでひたすらキャストに没頭。仕方なく自分たちで上から下まで探り続けてようやくレインボーがヒット。フライはゾンカーのタンカラー#8。
マッキーがヒット
その後しばらくしてマッキーにも待望のヒット。しかし後が続かす魚の気配が感じられないので、元箱根湾の釣れるポイントへ大移動。これが大失敗で元箱根湾には船が一艘もおらず、さらにいつも釣れるポイントに魚探をかけても全く魚の気配がないんです。
大量のワカサギ
ちなみに湖尻にて、魚探が壊れたのかと思うほどその画面が真っ白になりました。どうしたのだろうと湖を覗き込むと大量のワカサギの群れ。それも7.3mの水深で上から下までビッチリいます。その状態が30分続いてもレインボーの気配はないのです。やっぱり急激な水温の変化は放流魚には堪えるのかなぁ・・。
芦ノ湖から見る富士山
樹木園あたりから北側に雪を被った富士山が見えるのですが、曇っているので良くわからない状態。この日の午後は雪が舞っていました。
レインボートラウト
その後は昼飯も食わずにずっとキャストし続けて、ようやくいくつかアタったものの数は伸びず、サイズは30〜50センチまで。それもどこにいるかもわからず、ひたすら投げ続けても釣果はあまり伸びませんでした。
レインボートラウト
今後の芦ノ湖は水温次第って感じでしょうか。今年のポジティブな要素は昨年不漁だったワカサギが非常に多いということ。すでにいくつか水面にひっくり返ったワカサギを確認しましたので、4月の一週目ごろにはドラワカが爆発しそうな予感です。皆さんも身の回りの桜が芽吹いたら、芦ノ湖へ行ってみてくださいな。それがドラワカスタートの合図だと思います。

 

「本栖に入らずんば鱒を得ず」行かないと釣れないけれど耐寒訓練の釣り

「本栖に入らずんば鱒を得ず」とは、「本栖湖に行かなければ鱒は釣れない」という世捨て人(釣り仲間)の名言造語。「10億円の宝くじなんて当たらないよ。」なんて言っている人は、買ってないから当たらないのである。だから「本栖湖なんて釣れないよ。」と暴言を吐いている人は、そもそも行った事が無いか、数回行っただけでそう判断しているのである。宝くじと全く一緒で、行き続けないとそのチャンスは巡ってこないのです。そうそう、そんな風に私が説教をするものだから、マッキーは本栖湖年券を買ったらしい。ちなみに彼は現在本栖湖は無敗のオトコである。あれ?今年の本栖湖ってやっぱり調子が良いのかな?

先だっての火曜日。例によって本栖湖以外の選択肢はもはや管釣り(もしくはC&R)しかなく、管釣りに限っては新たな環境でないと行く気がせず、かと言って本栖湖と管釣りを天秤にかけたら、やっぱりオデコになっても本栖湖の方が楽しい私なのであります。

そしてお題として、しばらくはチューブフライ推進委員(販売促進)をしているので、今回もウーリバガーのチューブフライと、ワカサギマラブー・チューブフライをキャストし続けて、なんとか一本釣りたいと考えて本栖湖へ行きました。もっとも本栖湖で思い通りに釣れる事なんて稀なんで、今回ダメだったら、新しい管釣りを探してチューブフライを楽しみに行っちゃいます。

週ごとに日の出は遅くなり、現在は6時半を少し過ぎた辺り。日増しに陽が短くなり水温も下がってきたこともあるので、そろそろ朝早い時間の釣りは終わりにしようかな、なんて思っていても到着時間はいつもと同じ。よって薄暗い中でのスタート。

先週はシーバスも本栖湖も暴風の中での釣りで撃沈したのだけれど、今回は無風にて本栖湖は鏡の状態。これはこれで釣れる気がしません。そしてこの時期には珍しい東風。あぁ、この雰囲気は釣れる気がしないと思ったのが午前中の釣りでした。

浩庵荘から見る富士山
湖仙荘さんが外壁改修中だったためにお休みで、仕方なく浩庵荘で入漁証を購入。相変わらずキャンパーの数は半端ないです。午前中はずっと無風で陽が刺すこともなくどんより曇り空。その効果か、富士山はクッキリ見えてますが、この時期の積雪ってこんなに少なかったかなぁ?
本栖湖の釣り
風がないので少しでも風に打ち寄せられたゴミの筋(スカムライン)を探し右往左往。「あ、ボイル!」と叫んだところで、それは遥か彼方。ルアーでも届かない距離です。チラ見え富士山良くないですか?
本栖湖の釣り
今回はアスキスの12.6フィート5/6番を持ち込んでの釣り。あまりにも何もないので、急深の場所でひたすらタイプ3のDX/HEADを投げ続けましたが、なんの手応えも無く追いもなし。爆風は辛いですが、全くの無風は同じく厳しいんです。釣り人本意の風は、多少暖かい微風で晴れ時々曇りの日かな。
本栖湖のワカサギ
色々な場所を歩き回っていると、湖岸に打ち上げられているベイト発見。前回と違い今回はワカサギです。もしかしてこれが引き金になるかも?という予測が少し。しかし行かんせん風がありません。昼食は本陣つかさで蕎麦を食べ、午後はヤマを張ってとあるポイントへ。時間は刻々と過ぎ午後のプライムタイムへ突入。すると100m沖で水面に落ちた物を食べているらしき大きなスプラッシュ。あぁ、こりゃ届かんわな・・。するとその10分後にギリギリ届くかどうかの場所でまたもや何かを喰らったスプラッシュライズ。今回は12.6のダブハンなので届くかなと思いキャスト。
本栖湖のレインボートラウト
さっきボイルしたポイントから2mほどズレたけれど、まぁ仕方ないかとリトリーブを開始するとドスン。そしてジャンプ。おぉ、またしても本栖湖でお魚の手応えがあったじゃありませんか!サイズはヨンマルジャスト位でしたが、あまりにもギンギラギンで尾がくびれていたので、最初はサクラマスを釣ったのかと勘違いしました。
本栖湖のレインボートラウト
頭の丸みと目の周りのブルーのアイシャドウを見るとやっぱりレインボーでした。今回のために巻いてきたチューブ・ウーリーバガーが活躍してくれました。ちなみに今季私が釣った3本には同じキーワードが隠れています。以前(今季4回分)の本栖湖釣行ブログと合わせて文章をよく読むとどんな状態の時に釣れているかが分かりますよ。
チューブ・ウーリーバガー
このチューブフライの良いところは、フックがテールの中にあるので、テールのマラブーが絡まないことと、浅い食い渋りでテールをかじったとしても、フッキングが良い点があげられます。しばらくはこのサイズのウーリーバガーを色違いで量産しようかな。
レインボートラウト
今回のレインボーはスリムでしたが、尾鰭が綺麗なギンギラギンの個体で、うっすらブルーバックでした。4回行って3回キャッチなんて、ホント今年は出来過ぎな本栖湖です。これからの時期は朝が-2〜-7℃くらいになるのでアイスバーンが気になる方は、朝8時頃〜夕方までの釣りを楽しみましょう。ちなみに私が釣った本栖湖最大魚は12月31日に釣ってオリマス。

連続オデコ記録を伸ばさないために、モヒカンを連れて丸沼へ行く

毎週の様に高速道路を使い関東近県へ釣行を続けていると、流石にパーキングエリアの朝飯には飽き飽きしてきた。それも最近のサービスエリアのメニューときたら、朝飯だと言うのに券売機に千円札を入れてもお釣りなんてものはほとんど戻ってこない。その対価に美味しいものが提供されれば文句は言わないけれど、おしなべて味は普通な訳で、流石に何か違うものが食べたいのである。さて今回の朝飯はどうするべ?

そんな訳で物価が高くなっても釣行回数は減らしたくない私らは、最近削っている費用は朝飯なんです。で、どう削るかを色々と考えたところ、目的地の近くに24時間営業のファーストフードがあればそれを利用するという方法。

現在は三連続オデコが続いていたので魚恋しさに、とりあえず釣れるであろう場所へ行こうというので9月にもお邪魔した丸沼へ行くことに。ちなみに丸沼へは沼田インターチェンジを降りるのですが、その道すがらに『すき家』があります。一番安いメニューはたまかけ朝食で¥290と、激安なのでゴザイマス。

そうそう、丸沼は前回の宿題がありましたな。茶色いモホークを巻いて行くと言うお題。モホークとはネイティブ・インディアンのモホーク族の意で、日本で言うモヒカン刈りをしています。このモヒカン刈りは世界一般的にはモホークヘアスタイルと言うのだそうな。なのでこのモホーク フライは「刈り込みフライ」なので、モホークなのでしょう、きっと。

モホークヘアにしたことがない私ですが、フライはモヒカン(モホーク)にします。必要とあれば鹿の毛を別のパターンで刈り込むことは多々ありますが、今回はそんなフライとフォームカメムシを持って出かけた丸沼。紅葉見ながらまだ釣りができるかなと、淡い期待と共に出掛けた昨日でした。

Mohawk(モホーク)
モホーク(Mohawk)はこんな感じ。オリジナルと違い、レッグ部分はその時の気分でヘンフェザントやパートリッジのフェザーを使いますが、フロントに巻かず、途中に挟んでます。丁寧に巻くと時間がかかるので、シルエットだけサイズを合わせて、この程度仕上げて終わり。
Mohawk(モホーク)フライの裏側
波に揉まれると見えにくいですが、魚が出る時は派手なので、まずバイトを見逃すことはないでしょう。最もラインが走ってから合わせるぐらいの方がちょうど良い気がします。ボディのディアヘアはダークブラウンとオリーブとオレンジのミックス。いつもは10番でタイイングしますが、今回は茶色いカメムシに合わせてB10Sの12番を使用。ちなみに巻いていったのですが、お店に忘れました・・・。
丸沼
まだ紅葉が残っているかと思ったのが甘かった・・。丸沼はすでにご覧の通り針葉樹だけに葉が残っています。緑がなくなると一気に寒々しく感じる。
フライフィッシング
朝は大荒れで嵐のようなザーザー降り。これじゃドライは無理だなと思い、ダムサイドまでインタミラインを使い探り続けましたが全く反応なし。10時をすぎる頃には太陽が顔を出し水温が少し上がり、湖面に魚を探すことができる様になったのでドライへチェンジ。
ドライフライで仕留めた一本
大きめの個体を探しその鼻先へ投げるも、今度は湖面が静かになり過ぎてラインの着水と同時に驚いて逃げ惑ってしまう始末。なので魚が一直線に私の方向へ向かってくる時を見計らいキャスト。魚の進行方向からはティペットが見えないので、フライがへの反応があるがそれでもスレッスレで、口を開けてフライを咥え込む瞬間に何かを感じて吸い込んでくれない。それを何度か繰り返し、ようやくキャッチしたのがこの一本。
レインボートラウト
午後になり湖面がわずかに揺らぐ様になるとそれが良いブラインドとなり、魚の反応が少し良くなった。今回はポンプ小屋周辺に大物がかたまっており、それを集中的に狙いました。とは言うものの、すでに季節は秋終盤。湖面に浮かぶ虫は大きめのユスリカと14番サイズのメイフライが少し。カメムシはすでに終わったようで見かけませんでした(使ったフライは全てカメムシパターンですが)。
秋の様相
見上げる樹木にはすでに葉一枚さえついておらず、この日の暖かさに反比例して季節は順調に進んでいる様です。
丸沼の秋
15時半を過ぎると途端に寒くなり始め、ドライへの反応は皆無。夕暮れにインタミを引っ張って釣るのも良いけれど、今回はドライの釣りでサイズが全て良かったので満足し、16時には納竿しましたとさ。山は黄金色で寒々しくなってきました。
レンボートラウト
丸沼のフライフィッシングは今月いっぱいまで。引っ張りの釣りが好きな方はまだまだ釣れます(ウェーディングでもOK)。または、ボートでルースニングで狙うのも良いでしょう。ボートにコンパクトストーブを持ち込みカップラーメンを啜りながら、残りの季節をあなたも楽しんでみてはいかが?

修行は続くよどこまでも、東京湾奥ランカー便

「人生はなる様にしかならない。」と言っている割に、新天地での営業を考えると不安で仕方ない私。移転までにやらにゃならんリストをあげてみましたが、引越しって大変ですな。そんな状況なので残りの水道橋生活を楽しめず、この場所での営業がカウントダウンがされています。

考え事が多い時の現実逃避は私の場合はやっぱり釣り。といってもお店をほったらかしには出来ないので、本栖湖ではなく出勤前に現実逃避。朝霞ガーデン? いえいえ、これだけフローティング・スーモの話をしているのだから、それのテスト釣行の筈だったのだけれど・・。

少し話を脱線させて、私のシーバス史を少しお話しさせて。

私がスズキ(実際にはフッコサイズ)釣りを始めたのは小学校5年生頃(1974年)からで、自営業である父の仕事について行き、永代橋脇で餌釣りを楽しんでました。中学生になると住んでいる文京区からチャリンコで品川埠頭まで行き、ラパラCD9を神ルアーだと思って投げまくってましたが、当時の芝浦水門周りにはセイゴサイズが沢山泳いでいたんですよ。で、スピナーやスプーンでも小さいシーバスならば釣れたのでフライでも釣れるのでは?と思い、モンタナやウーリーバガーで釣り始めたのが私のシーバス・フライ史の始まり。

サラリーマンの頃(1990年代)は釣り仲間が持っているボートに乗り、横浜や東京湾奥で楽しんでたりしてましたが、当初はタイプ3〜4のフルシンキングラインにクラウザーミノーとデシーバー位しかパターンが無く、白のゾンカーを使い始めたのは90年代半ばになってからでしょか。なので、シーバスのフライフィッシングと言えば沈めて引っ張るのが主流だったのです。これはスズキ釣りの格言である「スズキはタナ(深さ)を釣れ。」という言葉があったので、一生懸命スズキのいるタナに合わせていたんですね。

フローティングミノーの出現は2000年代半ばで、イワイさんがシーバスに使い始めたのがその起源。私はその頃すでに世捨て丸でシーバスガイドをしていたので、「フローティングミノーで爆釣」なんて話には耳を傾けることなく、エンリコのピーナッツバターを使うことに徹した漢引きの世界。しかしやらずに批判するのもと思い使い始めたら、釣れるのなんのって。そのエキサイティングなトップウォーターゲームに魅了された人々が、その後こうして各地の海でフローティングミノーを投げまくっているのです。

そして現在のメガサイズのトップウォータールアーに触発されて大物狙いの人は総じてフライが大きくなったのは一部の方々。そんな大きなフライを投げているのはシーバス・フライ人口の僅か1%もいないお馬鹿な集団。それも私の知る限りほんの数十名の世界じゃないかな。決して入れ喰いになる事も無く、ひたすらキャストを続ける修行僧みたいなもの。そんな僕らがトップウォーターの最終形にたどり着き、いつか悟りを開くと良いのですが・・。

と言う事で前置きが長くなりましたが、本日朝はシーバス修行して参りました。

本日の悟り:釣欲を抑え無の境地でキャストを続ける努力

夜明けの東京湾
朝イチだけはトップで出るからと、まだ陽が差し込む前から出船。ポイントへ着くと確かに所々でボイルが。しかし、そのボイル僅か15分ほどで終了。それと同時に周りにいる他のシーバスガイド船も解散。開始30分ほどで今日は終わり的な雰囲気。スーモは僅か数十投で終了、う〜む。でも改良された点は凄く良くなっていたので、また次回にこのまま実践投入。
シーホースの内田船長
どうしたら良いか色々と悩んでいるうっちー船長。とりあえずストラクチャー撃ちに行きますかと遠征。しかし延々と流してワンヒットだけで、すぐにバラしました。最近はバラシ癖がついてしまっている私。
東京湾のシーバス
「ウッチー、フライの動きの参考にしたいからルアー投げてよ。」と船長にルアーを投げて貰う事に。だがルアーでもなかな顔を出さないシーバスで、投げ続けてようやくナナマルサイズがヒット。そのドックウォークするルアーにもあまりチェイスがない事にフライはどうしたものかと考えた。
ドラゴンテールフライ
そして私が導き出した答えは、はっきりしたシルエットと水押しが強いフライ。最近では滅多に使わなくなった、ドラゴンテール・ジョイント6/0番は25センチ程ある。ルアーでは決して作り出せない抜群の動きなのだけれど、このフライは一旦水に漬けると水分を含んで重くなるのが欠点。
東京湾のシーバス
ドラゴンテールに変えるとチェイスがあり、投げ続けた結果ようやくコイツをキャッチ。君は私が求めているサイズとはちょっと違うんだよなぁ。普通に考えればロクマルオーバーは素直に喜ばなくてはいけませんが、フライが25センチもあるとなんか小さく見えちゃうのです。
ドラゴンテールフライ
ドラゴンテールはヒット率が高いとても良いパターンなのですが、使わなくなった理由は写真の通り。1本釣ると、シーバスに噛まれてそのテールが壊れます。自己記録更新だったら問題ないのですが・・。このフライはジョイントなので、テールを簡単に交換することは出来ずこれでお終いと言う悲しい運命。フックが勿体無いので全部バラしてまた違うフライを作る事としましょう。修行続けます。

最近は魚信が恋しいシーバス・ランカー便の2デコめ

11月に入ってもお店のことを考えずに週2ペースで釣りへ出かける私。私の11月は例年本栖湖かシーバスの二択。そのシーバスはここ数年は20センチ以上もあるデッカイフライを振り回しているので釣果はめっきり減る一方です。

今回のランカー便はシーホース朝便にて新しく創作したフローティング・スーモをいよいよ実践投入。てか、まだ泳がしていないのでスイムテストして、更に改良を加えて使うので、実際にこのフライで本腰を入れてのランカー狙いするのは次回になるかな?

東京湾奥にスーモを浮かべて分かった良い点と改良点は以下の通り

● 浮力は抜群で今までで一番引き波が強い(調整必要)
● フライは思っていた以上に空気抵抗が無く投げやすい
● ロッドで大きく引くとダイブし、ルアーっぽい動きを見せる
● フック側が半沈みでフッキングがしやすそう
● ボディとフロート部分が分離しているので、改造がラク

▲ 目が上を向く確率は1/2。無くしてしまうか、四つ目にするかが考えどころ
▲ フックがたまに上を向いてしまう。フックとパイプの間にビーズなどを入れた方が良いかも?

スーモに使われているフォームは合計4枚。浮力が強かったのでギリギリまで落として、もう少し水を噛む感じに仕上げたいところ。後はヘッドとボディの太さが変わらないようにタイングを少し工夫する必要があるかな。

ということで週末はスーモの改良に勤しみます(ちなみにオデコ3連チャン継続中)。今回の報告は以上。そして釣れなかった時の写真は少ないのであります。更に益々私の右腕は太くなるのでありました。

今回の教訓:キャストは最後まで諦めるな!

湾奥ボートシーバス
3名出船で意気込み過ぎて持ち込んだタックルは一人3本以上。それぞれデッカイフライを投げ回します。まずは近場ででっかいフライのキャス練。空気抵抗が大きく投げにくいフライに翻弄されます。
複数のロッドを持ち込む時
9本のうちの6本はこうして隅っこにゴロゴロと転がってます。で、こんなにロッドが多くなった場合は、フライラインは一番左の写真のようにフライラインをストリッピングガイドに巻き付けることで、他のロッドと引っ掛かりを無くします。と言っても持ってきたロッド全部やらないと駄目なんだけれどね。
ビースティチェンジャー
朝一番にトップ写真のフローティングミノーであるスーモにドバッとでたのだけれど、ボート側で慌てたためにフッキングせず。その後転々としストラクチャー打ちに切り替えて、このビースティーチェンジャーを投入。しかしシーバスがいても今度はゾロゾロとついて来るだけでバイトする奴が一本もいませんでした。水からあげるとビースティーは貧弱。でも水中でのボリュームは抜群。
ビックサンダーマウンテン
予定の時間を過ぎても何にもないので少し延長して頂いて、浦安市で一番高い山?であるデズニーシーのプロメテウス火山を見ながらルアーのチャーター船に混じってスーモを投げまくりました。今回も休みなしの爆投。あぁ、今日もオデコかなぁ。
ナナマルシーバス
「もうそろそろ終わりです。」と言われた最後の最後にドスン!って言っても私じゃありません。でもこの余裕のナナマルオーバーが一本釣れただけで、なんか自分が釣れたかのように嬉しくなりました。
ランカーシーバス
ヒットフライはやっぱり20センチほどある、バックテール中心で巻かれた大きなミノーパターンのダブルフック。喰いしぶりでリアフックにチョコンとフッキング。ランディング時にはコノシロを吐きまくってましたが、今年はコノシロがまだ少し小さい。今回も色々な経験を得たので、それを肥やしに次回のラインカー便に生かしてまいりますデス。
フローティング・スーモ
そしてその翌日、すぐに修正したフローティング・スーモ。トップ写真と比べてみるとわかりますが、頭が少し小さくなって、目の位置が上から大分左右になり浮力を落としました。ジョイント部の継ぎ目が出ないようにギニアフォウルでカバーしたので、軽い割に見た目のボリュームがあります。

ナメちゃいかんぜよ、オデコはオデコを呼ぶ芦ノ湖のボートフィッシング

この秋になってのボーズは三度目のこと。先だっての本栖湖の前にシークロのランカー便にてオデコだった事はまだブログで触れていませんでしたね。シーバスの場合オデコ逃れでチビを釣ることは容易なんですがその時間が勿体無いのです。そもそもランカー便の場合は4時間投げ倒しても短く感じる位そう簡単に釣れるものじゃないですしね。実際はオデコと言ってもシングルフック1個ゆえにフッキングしない大物のバイトは3度。ランカー狙いでボートをチャーターする輩は、それで満足できる変態集団と言えましょう(笑)

「本栖湖は釣れない」とレッテルを貼られるのは、そもそも水温が日毎に下がる秋シーズンの湖のトラウト狙いは難しいのです。釣れない本栖湖と言われる方のほとんどは一番良い春は他の釣りへ行き、やる事がなくなった秋〜冬に本栖湖へ出かけるので釣れないという訳。ハッキリ言って本栖湖で魚をキャッチするには4〜5月が最高に良く、その頃の本栖湖はロコアングラーしか居ない状態。どうしても本栖湖で魚を釣ってみたいという人は私に騙されたと思って3月後半〜5月までの間に3回出掛けてみてくださいな。そうすればほぼ間違いなく魚信はあるでしょう(魚を掛けてキャッチするまでの過程はその人の腕です)。

ここまで伏線を張っておけば芦ノ湖オデコも恥ずかしくないかな(笑)
記憶の中で芦ノ湖でオデコはもう若い頃の事。でもやり倒した結果なので仕方なし。

もう魚が出てこない釣り話はどうでも良いという方はここでブログを閉じてください。

人のオデコ話は好物だという方は、以下の写真と文を読みながら笑ってやってください。

今回の戒め:多くを伝えようとすると、オデコになる

乙女の鐘展望台から見る富士山
今回芦ノ湖を選択したのは、ブログネタは満遍なく色々な話を書くことで、釣行する人がバラけるであろうという商売的な目論み。秋パターンの芦ノ湖の成績は大体1〜3本程度で爆釣した事はなく、ひたすら引っ張るか延々とライズを探すかの二択になる。いつも乙女の鐘展望台を通る時刻は富士山がくっきりとその姿を現す。雲一つない富士山なんて久しぶりかな。
芦ノ湖
引き倒せばなんとなるでしょうと思って出掛けた芦ノ湖。うえ乃ボートへ着き釣況を聞くと水温が高めでワカサギも深いとの事。釣果はルアーのレイクジギングで20m近い場所だと言う。それを聞いた時に素直にワカサギ釣りにすれば良かったと思うのは、後の祭り。あ、魚探を忘れちゃったけれどまぁいいかと、九頭竜へ向かうのでした。
シンキングラインをカウントダウン
朝一番は水面でいくつかのライズ。その後は沈黙でいくらカウントダウンしても何の反応もなし。ワカサギ狙いの船も釣果が出ておらず30分もしないうちに一艇もいなくなっちゃった。
芦ノ湖の亀ヶ崎
風が無くベタベタだったのが、10時近くなって少し風が吹いてきた。亀ヶ崎は風が巻いて虫が落ちるし水面も波だって良い感じ。風上から船をドテラ流ししながらキャストを続けると水深1mほどの所に40センチくらいのレインボー発見。すかさず目の前に投げるとフライを追うがその気力が弱々しいこと。船縁まで来るほどの勢いは無く、すぐに潜っていった。
芦ノ湖観光船
コロナ後に一つ気になっていた事は、3月に訪れた時は死んだような町だった湖尻がどれだけ人出が回復しているかを知りたかった。この遊覧船を見れば一目瞭然で、船から賑やかな声が聞こえてきた。これでうえ乃のマスターの笑顔が見られるね。
レインボーのドライフライフィッシング
お昼を回ったのに引き倒してアタリの「ア」の字も無し。時間と太陽の角度を考えて午後イチに箒ノ鼻から平岩に掛けてのポイントへ入った。すると風裏で岸際を行くライズ。すかさずドライのカメムシフライに持ち替えてキャスト。レインボーはゆっくりとフライに喰いついたがすっぽ抜け。同行者はアワセ切れと二人して大失態。
芦ノ湖でオデコ
その後ライズを探すもどこにもないので、最後は早川水門沖で投げ倒すことに。「このポイントでも風が止めがライズが始まるんだよね。」と言っていたら、ライズ。しかしその嵐のようなライズは1分も続きませんでしたとさ。結果6時半出船で飯も喰わずに定時の16時まで投げ倒して一度もコツリともアタリませんでした。ナメちゃいかんぜよ、秋の芦ノ湖、見事に完敗です。

T-Ssuareの曲を聴きながら駆け登る、霧のRoute 405

Route 1・300・120・405と並べてみましたが、この数字なんだかわかりますか?

関東の湖好きアングラーならピンとくる人も多い筈、そうです湖へ行くために駆け登る国道はこの数字。ルート1(国道1号線)は解禁間もない芦ノ湖箱根路。ルート300は甲州いろは坂を駆け登る本栖湖道(東京からだと大久保から浩庵荘まで)。ルート120は日光いろは坂を登り、中禅寺湖と湯の湖、そしてそのまま金精峠を降れば菅沼・丸沼。大尻沼へと続く。

今シーズンは1・300・120号線の道はすでに遊ばせて頂いたのですが、一番ヘビーなワインディングロードであるルート405をまだ駆け登ってなかったので、マニュアル車のパジェロでその峠を攻めまくってきました。

関東圏に住む湖好きフライフィッシャーの方々の人気湖をハーミット的に考察すると、一位が中禅寺湖で次が芦ノ湖、さらに湯の湖丸沼となるのでしょうか。私が好きな本栖湖の人気が無い理由は、大物好きの人が集まる場所であり、行っても釣れ無いイメージがあるのでしょう。そして今回行った野反湖の場合は、高速道路を降りてからの距離が長く日帰りでは到底行く気にならないという距離で、群馬県民御用達の釣り場的なイメージ。私が20代の頃は23区内から野反湖までの所要時間は4時間以上掛けて当時オートバイで行っていたのですが、標高の高さに2サイクルエンジンは根をあげて、ガソリンが被って走らなくなるなんて事も多々ありました。それも解禁当初は湖が凍ってましたしね。

その野反湖までの道なんですが、上信自動車道が年々整備されて走りやすくなっているのはご存知? 少し前に八ツ場ダム周辺のバイバスが整備され、さらに令和2年からは金井〜箱島間が開通。まだ途切れ途切れですが、それでもそれらを利用すると現在は約3時間で行ける野反湖への旅。いずれ全部が繋がればかなり楽になるとは思います。しかし今の所は朝イチのライズを狙って出掛ける私は2時起きなので、日帰りするには途中休憩(仮眠)が必要かな。

そんな野反湖の釣り。私は相変わらずドライフライフィッシング好きなので、低番手のスイッチロッドで遊びます。そろそろカメムシかなぁ、なんて思い浮かべで出かけてきた今回の釣り。お暇な方は以下をお読みくださいまし。

今回の戒め:時により、野反湖はリアル五里霧中

野反湖をテクテク歩く
本来ならば暗い時間に到着する予定が、時間の配分を間違えて夜が明けてしまいました。慌てて準備してポイントへ向かうも、手前のライズポイントはすでにエサ師数名がポイントを死守。仕方なく林道をテクテク歩いて、一番遠い岬まで歩きました。ところがどっこい、着いてみれば五里霧中。写真を映してもな〜んも映らないほどで、ライズを探すどころではありません。外気温は16℃。北海道の気候と比べてもさほど変わりません。
野反湖のドライフライフィッシング
無風静寂の時間が数時間続き、少しずつ霧というよりは雲が抜け始めたので、周りが見える様になってきました。が、湖面には浮遊物が無く、ライズのラの字も無し。湖に手を突っ込むと生温い。やっちゃった、まだ季節が少し早かった感じ・・。
野反湖のハヤ
目の前に見えているのは元気に泳ぎ回るウグイくん。とりあえず釣っとこか、とスパイダーパターンを目の前に落としてやるとコンニチハ。腹はパンパンです。
カメムシ
その後、ちびレインボーをゲットするも納得がいかないサイズなのでポイ。不貞腐れて腰掛けると私の手元にこのカメムシ。刺激しないでヨカッタ。大きさにして約2センチ程でいつも野反湖で見るサイズですが、まだ水面に落ちている個体がいません。
野反湖のカメムシの裏側
そう言えば野反湖のカメムシの裏の色を写真撮ってなかったので、棒を使ってひっくり返すことに。コヤツは黄色味がかったオレンジですが、いつも見るのはもう少しオレンジ色かな。水面に浮いているときは、羽は広げていないので、大体このままの形で浮いてます。この後この場所で11時まで粘りましたが、な〜んもなしに撤退。食べているのは黒いブヨみたいな奴が水面に着いた時だけで、それはチビレインボーのみ。しょうがない、午後に賭けるか。
野反湖のレインボー
アイフォンの目覚ましで14時に起床し再度近場のライズポイントへ向かうと、今度はエサ師と入れ替わりでフライフィッシャーマンがお二人。仕方なくライズの少ない奥のポイントへ入り。ライズ待ち。すると15時ぐらいから時合いが到来。最初の一本はランディング手前でジャンプ一発で外れ、2本目も同じ。ハコスチレインボーは必ず跳ねるフライ外しの名人ではあるものの、「最近バラシが多いなぁ。」なんて思ってフライを良く見たら、近頃はカメムシフライを管釣りで使うのでバーブレスになってました。ボックスの中を探るとバーブ有りは3本のみ、いつもと同じで持ち玉少な過ぎ(笑)。そして3本目は焦って合ワセ切れ。そしてようやく4本目で50アップをランディング。
ニシブタ沢を望む
レインボーは風が吹くとその吹き溜まり側でライズをし、やむとライズも止んでしまう。そんな時間が17時まで続き、それ以降は静かになっていきます。野反湖以外の場所でもそうですが、明るい時間に秋の虫が鳴き始めたら、もうイブニングタイムが爆発する事は無いというのが持論、納竿の時間です。
野反湖のレインボートラウト
8月の後半は散々な釣りが続いたので、今回は引きだけは十二分に味わえたので楽しい野反湖の時間でした。しかし、帰路の下り道はまたしても霧で、イエローバルブの霧灯でも反射して見えず、ものすごくゆっくりとした速度で、コーナーのたびにクラクションを鳴らしながら降りましたとさ。

天候に左右されにくい釣り場は釣り人の味方

釣りはどうしても天候に左右されてしまうから、天気予報で「明日は一日中雨が降り続けます。」なんて言われたら、多くのフライフィッシャーマンは釣りを断念し、『晴釣雨巻』(晴れた日に釣りをして雨の日はフライを巻く)になるのでしょう。確かに想像力を掻き立ててフライを巻くのは大好きな作業ですが、限られた休みをタイイングの時間に当て難い。タイイングはそのいく場所があって巻きたいモチベーションが保たれるので、雨が降ろうとヒョウが降ろうとすでに巻き貯めたフライがあるのであれば、釣りへ行きたい私です。

春から初夏へのフライフィッシングは私もやっぱり渓流メインなので、大雨でなければ渓流へ出掛けたいところ。しかし雨予報でどこも増水が予想される中、雨で沈んで見えないドライフライを目を凝らして探す釣りなんぞは望みません。無理に渓流へ出かけたところで得られるのは釣りへ行ったという満足度だけになる可能性が高いので、私にはロッドから伝わる魚の鼓動が感じられる釣果が欲しいのです。そんな雨空が予想される日には私は関東周辺の天気をざっとチェックし、大体は湖のドライフライフィッシングに気持ちを切り替えて出かけます。私のお気に入りは野反湖と大尻沼ですが、今回は大尻沼のお話。

何年か前の事、釣りへ行こうと思った日が台風通過で関東は大荒れ予報。本来ならば釣りを断念するところ、午後は突風が残るものの徐々に晴れ間が出る予報。家でじっとしている事が苦手な私は竿がどうしても振り回したくて、そんな悪天候の予報が出ているにも関わらず、前日に大尻沼の予約を決行。案の定、「本当に来るのですか?」という感じでした。

そんな日はもちろん船の最大予約が20艇のところ、誰も来ることはありません、大尻沼独り占め。雨足が強い間は木の下に入り込み、お魚も木の下で雨宿りをしているかの様に、そこにいるんですね。フライは何があっても沈まないようにフォームビートルを投げれば、スレていないレインボーは一発でヒット。午後には雨も小降りになり、突風混じりなので遠くへは行かずに発着所周りでの釣り。しかし谷間にある大尻沼は上空の雲の動きとは比べ物にならない位、釣りには影響がなく、ずっとイレグイだったのはいうまでもありません。いつもならば日に5〜15名が攻めているのを一人で釣るのですから、そりゃ釣れるってもんです。

そんな以前の釣果を思い出しながら、今回も大尻沼を予約。到着すれば「今日はあなた達の貸切ですよ。」の一言。こりゃ入れ食いか?

本日の戒め:リリースは自分のフライを優先しない

大尻沼
「午後は荒れるだろうから早めにサクッと釣って帰ろう。」と言いながら二艇で出船。本日は僕ら二人だから、どこへ行ってもお魚は昨日までのことを忘れて?スレていない筈。もう入れ喰い確定じゃん。一人は右岸を攻めて、私は左岸を右回りで攻める事に。
大尻沼のレインボートラウト
なんかいつもよりも魚が浮いていないのは時間のせいかな?と思いながら湖面を見つめていると、岸際30センチ位のところに引き波が。その引き波が動く方向の30cm前にフライを的確に入れ、一発でヒット。予想通り本日は入れ食いかも?
壊れたフォームビートル
スレていない事もあり、フライは丸呑みされ、最初の一本でギタギタに壊されました。同じフライが4本しかないので、なんとか修正をしてそのまま使います。
大尻沼のレインボートラウト
このまま入れ食いになるのかと思いきや、曇っているとはいえサイトフィッシングで確認できる個体がほとんどいません。右回り半分を攻めた時点で3本しかキャッチできない状況。何せ回遊している個体が見あたらないのです。仕方なく、岸際のギリギリに目を凝らして、引き波や小さな波紋を探しようやくヒットする状況。
大尻沼から丸沼側を望む
思っている以上の悪戦苦闘。今年はハズレの年なのかも?と、思いつつ釣り進めていると、ふと風が穏やかになり暖かくなってきた。すると丸沼側のインレットに吹き寄せられたスカムライン(浮きゴミ)の中で多数のライズが始まった、なんだ居るじゃん。私はそっと近づき風任せで流れながら、その一つづつを狙い撃ちにします。
大尻沼のレンボーたち
最初のうちはフォームビートルを丸呑み。それが一本取るごとにどんどんスレていって、最終的には皮一枚で上がってくる個体も多くなった時点で、また風が冷たく吹き付けてライズ終了。
レインボートラウト
その後、岸際の魚を探してヒットさせた本日最大のロクマルオーバー。この子はフォームビートルを丸呑みしてしまい、最後の1個だったので、口の奥深くに入ったフライをフォーセップで取る時にフライがエラに触れてしまい、血が出てしまった。慌てて放流したのですが、血の量から察すると生還率は低いかも・・。最後の一個になったフライを回収したさにフォーセップを使ったことに深く反省しております。
大尻沼の雨
最後は雷様と大雨の襲来にて15時に終了。ツ抜けはしませんでしたが、最低サイズでも50センチアップだった9本の釣果、何だかんだで十分楽しめました。今回は引きを味わいたくてセントリックのC904/4を使いましたが、ロクマルサイズには少し非力で、浮かせるのにかなりの時間を要したので、次回から5番に戻します。
レインボートラウトのリリース
釣果が伸びなかった理由を推測すると、外気温は18→22℃で気温はあまり上がらなかった事。もう一つは丸沼側からの入水による水の動きが無かった事で、回遊するレインボーが見られなかったのだと思います。暖かくなると下からロケットの様に上がって一気に帰る個体はいましたので、今後の大尻沼に今年も期待大。皆さんも行くところがなくなったら、前日予約でレインウェアを着て行ってみてはいかが? しかし、これをみて同じ事をする人が増えると、やっぱりお魚はスレちゃうんだろうなぁ・・。

 

タイイングキットを巻いて、写真とどの程度違うのかを検証してみる

Flymen Fishing Co,
Fly Tying kit
Panfish & Topwater Trout Popper

あぁ、懐かしきタイイングキット。と言っても最近始めたばかりの人には何のことやらですが、35年ほど前にフィッシングビデオメーカー(当時はVHSビデオ。後にマテリアル&ビルディングメーカー)であるキロワールドが、タイング本を出版し、それに沿ったタイイングキット販売があったのです。一番最初のステップはタップス・インディスペンサブルだったかな。最初は簡単なフライから始まるのですが徐々に難しくなり、カネマラブラックを経て最後はフルドレッシングのサーモンフライのジョックスコットだった様なうろ覚え。

当時覚えている事はマテリアルが高いパターンはよく売れて、タップスなどのお金が掛からないものはあまり売れなかったと記憶してます。時代は巡って十年一昔からまたタイイングキットの時代が到来した、と思ったのがこの『フライメン フィッシング Co フライタイングキット』。このシリーズはリサーチが良くできているのか、完成品フライとして安く販売されているようなパターンはなく、「ボックスに2〜3個あったらなぁ。」と思うようなフライばかり。そんなパターンは材料を揃えて巻くと結果的に材料がいっぱい余って高くついてしまうなんて事もあるので、こんなキットが良いんですね。

さてそんなフライタイングキット。自分の意に反して売れるのはゲームチェンジャーばかり(笑)。英文の説明書というのが問題なのかもしれませんが、一度このキットを自分で巻いてみることにしました。今回はキットに入っているものをそのまま使いましたが、写真のフライパターンとどれぐらい相違があるかは、皆さんが検証しみててください。

パンフィッシュ&トラウトポッパー
今回巻いて見たのは、パンフィッシュ(ブルーギル・子バスなど)&トップウォータートラウトポッパー。そんな命名だけれど、トラウトにポッパー使ったことがないので、今度この巻いたフライたちを湖で試してみよっと。デカがりサイズは3.8cmで6本巻けるマテリアルのキット。
タイイングキットの中身
ポッパーヘッドはカラフルに6色なので、それぞれ1個づつ巻けます。アイは20個付属していたので、8個(4個分)余りました。
タイイングキットを巻く
とりあえず説明書通りの順番で巻いてみます。まずはポッパーボディのケツからボドキンを貫通させます。
タイイングキットを巻く2
付属のサーフェイス・セデューサーのポッパーフックに下地を巻き巻き。これはポッパーボディを刺した時にしっかり止まるようにするために、瞬間接着剤を染み込ませるためのスレッドした薪。
タイイングキットを巻く3
黒バックに黒のスレッドで見にくくてごめんなさい。その今巻いた下巻きに軽く瞬間接着剤を付けます。
タイイングキットを巻く4
ポッパーヘッドをアイ側からグリグリと押し込み、ちょうど良い位置にきたらしばらく固定してフックに接着させる。
タイングキットを巻く5
手順通りに巻いているので、この時点でアイを付けて、その上からUVレジンで固めます。実際にやってみた結果、この手順は一番最後にした方が良いです。1個目はUVレジンで固めましたが、2個目以降は愛を貼った上から瞬着を垂らすだけにしました。
タイイングキットを巻く6
ここからライイング開始。まずはマラブーを適量巻き留めます。つけ過ぎてマテリアルが足りなくなるかもしれないと思いましたが、マラブーは大量に余りました。
タイイングキットを巻く6
次にラバーレッグ2本の真ん中を巻き留め、半分を折り返して、フックの手前側に巻き留めます。見えませんが、左右に2本づつオリーブのラバーレッグが配置されました。6本巻き終わったあと、レッグも半分以上余りました。
タイイングキットを巻く7
ラバーレッグを巻き留めた上に、長さ2.5センンチほどにカットしたコックハックルフェザーを片側に2本づつ巻き留めます。このハックルフェザーは最後に足りなくなったので、後半の2本は左右に1枚づつの配置にしました。
タイイングキットを巻く8
今まで巻き止めたマテリアルのスペースにコックハックルを巻いていきます。このキットにはブラックとホワイト、ブラウンの3色が入っていたので、ブラックを選択(見えにくくてスミマセン)。先端をそのスペースに巻き止めます。
タイイングキットを巻く9
ブラックのコックハックルの先端をハックルプライヤーで挟み、ハックルを巻き込まないように後方へ撫でながら、ハックルプライヤーを前(ポッパーボディ方向)へ巻き進めます。巻き終わったらスレッドで巻き止めてカット。ポッパーヘッドのお尻部分にハンドツイストでフィニッシュ。スレッドをカットした後にヘッドセメントを垂らします。
タイイングキットを巻く9
ポッパーボディにボドキンを刺し、その出来た穴にボビンスレッダーを刺します。
タイイングキットを巻く10
ボビンスレッダーを刺して反対側から先端を出したら、その隙間にラバーレッグを一本さします。さしたらそれを引き抜くのですが、ボビンスレッダーの先端が反対側から出たとろでストップしてください。
タイイングキットを巻く11
スレッダーでラバーレッグを引き抜かず、この辺の位置にきたら、ラバーレッグをカットします。そうすることでその穴にラバーレッグが2本入っている事になります。ラバーレッグは抜けないようにその穴に少しだけ瞬間接着剤を垂らしておきましょう。この前足は波紋を作り魚たちにアピールします。
タイイングキットを巻く12
これでポッパーは完成。最後にマジックなどでカラーを塗りたして遊んでください。ここで気づきましたが、ポッパーカップの中を赤く塗りたい場合は、この作業を最後にするのではなく、一番最初にやる事でカップ内を綺麗に着色できます。
ポッパーを巻く
営業時間内にチャチャっと巻いたので、クオリティがやや低いですが、こんな感じのポッパーが6個巻けるタイイングキット。よくを言えば、ポッパーヘッドのカラーに合わせたマテリアルが欲しいけれど、そう思った人はお持ちのマテリアルで色々と遊んでみてください。

プラモデルを組み立てるような感覚で巻けるフライタイイングキット。初めて巻く方でも簡単に巻くことができますが、このキット以外に以下のものが必要です。

タイイングツール:バイスボビンホルダーボビンスレッダーハックルプライヤーシザース
キット以外に必要なマテリアル類:スレッドヘッドセメント瞬間接着材

芦ノ湖でトラウトを釣りながらウクライナの事を思う

先週の土曜日にBASECAMPにて『毛ばりカフェ』と言うフライタイイングスクールをひと月ぶりに行いました。今回のタイングテーマがマラブーフライだったのですが、時間配分で余裕があると別のフライをタイイングします。今回も予定通り進行したので、2種類目のフライとして写真のモンタナマラブーをタイイング。

フライフィッシング歴が40年以上の人ならば「今さら何を」と言われてしまいそうなフライですが、このフライを巻いてみてビックリの、「こんなフライ初めてみました。」と言われたのにはチト驚いた。10年ひと昔と言うけれど、確かに40年以上前に私がよく使っていたフライだから、今の方々にとっちゃ珍しいのですな。そう言えばモンタナマラブーをしばらく使って無かったかも。ならばと、このフライの使い道として今週の釣り場が決まったのです。

私が芦ノ湖へ通い始めたのは中学1年生からで、当時は釣行計画書を親に出して釣行費を捻出し、春休みにバンガローで友達4人で一泊二日の釣りをしたのが懐かしい思い出。当時は国鉄の時刻表を購入し、それと睨めっこするのが好きだったので(私は鉄男くんではありません)、行った事のない遠くの釣り場はどのようにして乗り換えて何時に着くかを調べてよく妄想してたものです。

そして当時フライタイングはまだまだ修行の身だったので、高価だったけれどランドール・カーフマン著の『American Nymph Fly Tying Manual』を購入しフライを模倣して実釣で試すの繰り返し。その本の中ページに唯一のカラーページがあり、自分の中ではモンタナがカッチョ良く思えて沢山巻いていたのです。昔はこのフライを持って芦ノ湖へ行ってたなぁ、なんて懐古な今週の釣りは以下の通り。

毛ばりカフェでタイイング
今回の『毛ばりカフェ』のお題は左のマラブー&パートリッジ。そしてついでに巻いたのが、右のモンタナマラブー。タイイングしている最中に懐かしさが込み上げてきた。
American Nymph Fly Tying Manual by Randall Kaufmann
当時はまだ1ドルが¥300くらいしていた時代です、確か。なので右上には$9と書いてありますが、裏表紙にスタンプされた金額は¥3,700なり。よくもまぁこんな高い本を買ったなぁと思うのですが、それぐらいフライフィッシングの情報が無かったので洋書にすがるしか無かったのです。
ランドール・カーフマン
著者近影でランドール・カーフマンがカメラを持つ姿が写っているのですが、後に彼に遇う機会がありましたが、白髪の紳士になってました。そして私の恥ずかしい部分として、洋書の冒頭は一生懸命に訳したルビが英語の上に・・・。中学一年生頃のレベルはこんなものだと思うので、許してやってください。
モンタナストーンフライ
このページに記載されているフライの中で一番カラフルなフライがモンタナストーンフライ。他の洋書だとファンシーニンフと書いてありましたが、ストーンフライとして紹介されていたんですな。さっきパラパラとめくっていてびっくりしたのが、ダグ・プリンス(Doug Prince)のプリンスニンフが『Brown Forked Tail』と言う名前で紹介されてます。プリンスニンフと言う名が定着したのはこの後だって事ですね。それ以外にキャロット、テリコ、ビーバー、ヘルグラマイト,ティンバーライン、ビッチクリーク、ダムゼル、キラーバグなどなど。知っている人は「懐かしい〜」を連呼、知らない人はどんなフライかを妄想してみてください。
うえ乃前でスタートフィッシング
そしてそのモンタナマラブーを持って出かけた芦ノ湖。うえ乃ボートさんに聞くと、まだ水温が上がらずうえ乃ボート前で釣っていた方が釣れるとのこと。なのにエンジン船を借りて目の前でスタート。水深9mで魚探に映る魚は6〜8m付近。ラインはタイプ3でカウント30〜35秒で超スローリトリーブ。ティペットは3Xでモンタナフライは8番と10番。
放流もののレインボートラウト
今も昔もモンタナマラブー健在。他のフライに変えるとあまり釣れないのですが、このフライにすると順調に掛かります。そもそも順調に釣れる理由はロッド2本だしだからと言うこと。カウントダウンの時間が長いのでその際にもう一本をフルキャスト。投げ終わると最初に投げた方をリトリーブしてまた投げ返すので、普通の人の倍のキャストとリトリーブをしてます、疲れるけれどね。
芦ノ湖のサツキマス
釣れる魚はレインボーだけではなく、写真のサツキマス、コーホーサーモン、ブラウントラウトなど。イワナは残念ながら釣れませんでしたが、一人で四目釣りを達成。
イワタニのマーベラス
ひとしきり釣れたところでコーヒーブレイク。コロナの影響で食事はやっていないような事が書いてあったのでバーナーを持ち込んだのですが、月曜日から再開してましたので、美味しいカツ丼を頂きました。
この時期に使う芦ノ湖タックル
持ち込んだロッドは緑色のウィンストン6〜8番。ブルーのラインはシックスセンスのタイプ3。グレーのラインはSAのシンキングラインタイプ4です。いつもなら気にならない事なのですが、芦ノ湖は釣りをしている最中に富士駐屯地演習中の榴弾砲の音が聞こえてきます。その音が今TVで連日ニュースになっているウクライナへの砲撃音と同じなので、複雑な気持ちになるのと同時にTV映像に、映し出される瓦礫になった都市がフラッシュバック。アタリが無い時間帯はその音が鳴り響く度に胃がギュッと握られる様な気持ちに苛まれました。釣りなんかしていて良いのだろうかと・・。
元箱根湾
魚はかなりの数を釣ったのでその後は色々な場所を散策。湖尻のキャンプ場前は鉄板ポイントで人だらけですが、ポツポツ釣れてます。胴切り、プリンス、深良水門のあたりも少し釣れてます。元箱根の方は思いの外釣れておらず、僕らは1時間もやらないで退散です。
芦ノ湖の釣果
湖尻でやっていた時間が長いのもありますが、結果的に湖尻の方が沢山釣れました。一緒に行った後輩は最大で60センチ弱のサイズをキャッチ。私は大きいサイズは出なかったものの、リリースしながら一人でこの釣果。余裕で定数オーバーですが、写真撮影後に全てリリースです。ちなみにこのほとんどがモンタナマラブーでの釣果。
撮影後の放流式
今回は懐古ネタだったので、モンタナの他に普段使わなくなったミセスシンプソン、マツーカ、ミッキーフィン、グレーゴーストなど使用してみましたが、この中でモンタナが一番フックサイズが小さかったので釣れたのかも?
ブラウントラウトとサツキマス
釣果の上では大満足の釣り。しかし3月11日が近い事もあって、東北大震災の瓦礫と化した町並みと芦ノ湖で聞こえる自衛隊の砲撃音から思い出すウクライナの今がリンクしてしまい、複雑な心境でそのストレスから口内炎だらけになってしまいました。天災せよ人災でもよきせぬ事に巻き込まれて死んでいく事は、誰しも望んではいないでしょう。私に何ができるのかは分かりませんが、少なくとも人の手で解決できる不安は1日も早く無くし、戦争のない平和を望むばかりです。いつか安心してウクライナの川で魚を釣ってみたいなぁ、ってやっぱり考えることは釣りか・・。こりゃ私は死んでも成仏しないな。