お店にあるチューブフライマテリアルを使って色々な魚を釣ってみる

チューブ(Tube)と言えば夏をイメージさせるミュージシャンで、車で聴くカセットテープ夏セレクションとして必要です(古いなぁ)。今時のチューブといえばYouTubeですが、フライフィッシャーマンに必要なチューブといえばパイプを利用したフライのことです。しかし世間一般にはあまり浸透してないですよね。

このチューブフライというものは主に北欧のアトランティックサーモンを狙うのに使われているもので、日本ではあまり馴染みがなく使っている方はごく少数派で、主に本流でのスイングの釣りでしか使われていません。しかし実際はどんなフライパターンでも応用することができ、しかもフックは甘くなれば交換できるという利点があります。なので、フライは魚に壊されるまで永遠に使えるというエコなフライなのであります。

なんか凄く良さげなフライなのにどうしてハーミットで今まで紹介してこなかったのかと言えば、少々複雑な部分があるので、説明するのが面倒臭いの一言。今回思い立ったように私が使い始めた理由は単純で、大塚へ移転の際にそのセール品としてメーカーさんのチューブフライの在庫をセール品として全部買い占めてセールかごにドッサリあるのです。しかしその在庫、私が説明しないので売れるスピードは至って遅くこのままでは不良在庫になりかねないと考えて、その説明をしようということになったという訳。

すでにハーミットのセールかごはごちゃごちゃでネットに載せるほどではないので、このブログを読んだ後にご来店した方は、是非このチューブフライのマテリアルを購入してにチャレンジしてみてくださいまし。きっと新たなパターンで釣り場での選択肢が増えると思いますよ。ということで、チューブフライを使ったフライの話はしばらく続くと思います。

Guide Line FITS ターボ
Guide Lineが発売していたターボという円盤。この効果は水押しで、水流が生まれてフライが苦手とする左右の動きが出るというもの。ようはルアーに少しだけ近い動きになる。円盤のサイズはXS〜Lで直径は4〜12mm。重さは大してないのでLでも0.75gと、投げにくくなることは無い。穴の大きさは全て1.6mmになっている。種類は写真以上に沢山あり、元の価格は¥1,320するのですが、セールかごの中では¥462〜¥495とお買い得。今回はこれを使ったタイイングのお話ですが、従来のフライの前に通して使っても、その効果はあります。
Guide Line FITS Tube
チューブの太さ(直径)はXS1.6mm・S2mm・M2.7mm・3.2mmあります。ターボの円盤はXSが通りますので、このXSを使います。フックのアイをチューブに刺すためにアウターチューブ(外側)を使うので、MサイズにちょうどXSが入るので、そちらも使います。LにはSが入るのですが、Sサイズにはターボシステムが通せないので、結果Sは使うことがほとんどありません。また一番太いLは私がシーバス用のフローティングヘッドを作るのに使っています。
Guide Line Turbo System
こんな風にXSのチューブにターボ円盤が刺さります。Mのチューブ無しでもフライは出来るのですが、今度はフックが遊ばないように、別にシリコンチューブが必要になるので、基本的にはこの二種類のチューブでフライを巻くことをお勧めします。
ターボシステム
例えば全長50mmのフライを作る場合、チューブのXSとMを約20mmの同じ長さににカットします。XSのチューブにはターボ円盤を刺し、ライターで炙るために約1〜2mm前へ出すので、外側のMのフック側にはXSが2mm足りなくなります。その部分にストレートアイのシングルフックを刺す事で、フックの遊びが無くなります。今回使用しているのはがまかつのB10S・#8ですが、ソルト用フックはアイが刺さりません。その際にはホームセンターなどで売っているシリコンチューブを使います。
ターボシステム
そして巻いたフライはこんな感じ。左はワカサギっぽく巻いたグレーオリーブのワカサギフライ。右はウーリバガーです。ターボの円盤は小さいとビーズヘッドフライのような集魚効果のみになりますが、大きい円盤をつけるとリトリーブするとフライに揺らぎが生まれます。大きいほどその効果が感じられ、小さいものは、ビーズヘッドのような集魚効果を狙えます。
ターボシステム
先週の金曜日の夜に、チューブフライゾンカーを持ってシーバスへ行ってきました。フックがかなりテールに近い位置にあることでフッキング率が向上し、またフライは腹筋後直後に上部へ移動するので、ファイティング時にフライが邪魔にならずに(通常フライが重くなるとそこが支点になりバレやすくなります)バレが少なくなります。
中通しのフライ
このシステムを使ったことで、こんなちっこいサバまで掛かってしまいました。いっぱい釣りたい時には良いシステムですし、フックが甘くなったら交換もできるので、フライは無限に使用できます。
シーバス
フッキング率が良くなった事で、サイズを選ばずかかってしまうのでオデコ逃れには良いのですが、ソルトウォーターのシーンではずっと使っていると小物の入れ食いになりますので気をつけましょう。そのうち、管釣りにも持ち込んでいっぱい釣ってみます。

 

マダムX(改)フォームホッパー

なかなかタイイングの時間が取れずに困っている管理人ですが、先だって自分のフライを巻くついでに写真を撮ったので、久しぶりにタイイングティップスに記載します。「動画の方が良い。」というご意見もあるかと思いますが、動画編集は機材を準備するのが大変でして、もっと時間が空いた時に改めて撮る様にします。

さてこのホッパーですが、私の中では毎年形を変えて秋のシーズンに活躍します。以前作っていた「野呂バッタ」と大した違いはありませんが、簡素化してます。タイングの手順は写真を細かく撮りましたので、幾分わかりやすいかと思います。

晩夏になると飛び立ったバッタが風に流され河原に落ちたり。河原を歩く僕らにビックリして着地した先が川面だったり。川面に落ちたバッタは秋の産卵に備えた大物がガバチョと出るわけです。バッタというと殿様バッタのような大きなものを想像してしまいますが、実際によく食べられているサイズは小さく、フックサイズにして8〜12番程度。大きさにすると2〜2.5センチ程度でしょうか。若干長めのシャンクを持つフックの10番位が一番使いやすいサイズです。大物狙いなので、ティペットは3X位を使いましょう。

MadamX Mod Hopper

Hook:TMC 5212・#10
Thread:Uni-Thread 8/0・Olive
Body:Foam 2mm
Wing:Swiss Straw
Head:Dear Hair
Leg:Round Rubber Leg
Indicator:Foam 2mm Orange

ホッパー1
バッタのお腹になるフォームは大体4mm幅長さは途中でカットするので幾分眺めの20mm以上が良いでしょう。先端を細くして、その細くなった部分の幅の中央にフックを刺します。
ホッパー2
フォームを刺した状態でバイスにフックをセットし、アイの方からベンドに向かって下巻きをします。スレッドをベンドまで(写真の位置)まで巻いたら、フォームを右に半回転させます(フックの下側に)。
ホッパー3
フォームはフック下からフックシャンクに巻き止めます。フォームがグラグラしないように、同じ場所にスレッドを5回転程巻き止めます。
ホッパー4
フォームを等間隔に止めるためにスレッドだけ回転しながらアイ側に約数ミリ巻き進めます。
ホッパー5
1回目の巻と止めた時にできたコブと同じ大きさになるように、フォームはフックの下から包み込むように巻き止めます。この動作をアイ側に向けて数回繰り返します。
ホッパー6
この動作を4回繰り返すと写真の様にコブが5個で節目が4箇所できますが、一番右側のコブはシザースでカットしましょう。巻き潰しても構いません。
ホッパー7
次はウイングの取り付け。スイスストローを用意し、大体30mmくらいでカットします。カットしたスイスストローは一旦広げます。
ホッパー9
広げるとこんな感じ。これを三つ折りにしていきます。三つ折りにした大きさが大き過ぎると感じる方はこの時点で端を数ミリカットし、三つ折り幅の大きさを調整してください。
ホッパー9
三つ折りし直すとこんな感じ。幅は3~5mm位あるでしょうか?写真よりももう少し狭い幅の方が良いかもしれません。
ホッパー10
三つ折りにしたスイスストローを先程作ったボディを巻き終えた位置に巻き止めます。すると写真の様な感じ。左側に伸びたウイングはバッタっぽい羽根の感じにカットしてください。アイ側に伸びたあまりのスイスストローも綺麗にカットしましょう。
ホッパー11
ウイングを綺麗に処理したら、スレッドを写真の様にアイのすぐ前まで巻き進めます。ここがヘッドとなるディアヘアの巻き止め位置です。
ホッパー11
ウイングとなるディアヘアのカラーはお好み。今回はチャートグリーンを使いました。ウイングとなる適量のディアヘアはヘアスタッカーの筒の直径の60〜70%位にしましょう。
ホッパー12
カットしたディアヘアの先端を左手で持ち、その先端から根元に向かって櫛でとかします。するといらない短い毛とアンダーファー(産毛)が取れます。この時点でカットしたディアヘアの30%位は無くなるので、スタッカーに入れる量はかなり少なくなります。
ホッパー13
ディアヘアは根元側を右手に持ち左手でスタッカーを持って、その先端からスタッカーの内筒に入れます。入れずらい場合は、ディアヘアをあまり根元側で持たず、その中間ぐらいの位置で持つと先端が広がりません。
ホッパー13
スタッカーにディアヘアを入れたら、スタッかーの尻を硬い所に10回ぐらい叩きます。この時上からマテリアルが飛び出ない様に気をつけましょう。気張って力を入れすぎたり必要以上に叩くと、「うるさい!」と、家族に怒られるのでご注意を。
ホッパー14
スタッカーを水平に持ち、そっと内筒を引き抜くと、内筒から先端の揃ったディアヘアが顔を覗かせます。この先端がバラバラにならない様に、右手でその先端を持ちます。右手で持ったディアヘアを左手に持ち替えて、ディアヘアの先端が見える様にします。
ホッパー15
巻き止めるウイング(とヘッド)の位置は、フックのアイからカットしたウイングの先端までの長さが目安です。作りたいウイング幅が左手指先端に来るように、マテリアルを何度か持ち替えて取り付けるウイングの長さを確保します。写真の様にウイングの幅が確保できたら、このまま左手をスレッド位置まで持っていきます。
ホッパー16
スレッドは最初の数回は普通に巻きとめ、それ以降はフックの真下にスレッドが来たら強く巻き止めてください。その際はボビンはまっすぐ下に引く様にしてください(ボビン先端の部分にスレッドが触れると切れやすくなります)。
ホッパー17
ヘッドがグラグラしない様に少なくとも同じ場所で10回転は巻き止めます。うまく固定されたら、ウイングの付け根に向かって(写真左方向)に巻き進めます。ヘッドとなる部分の大きさは4〜5mm程度です。
ホッパー19
ウイングの付け根まで巻き進めたら、写真左側に伸びる余ったディアヘアはカットしましょう。
ホッパー19
前に伸びた(写真右)たディアヘアは写真左側へ折り返すので、右手で押して、左手で包みまとめるように持ち替えます。
ホッパー20
左手で持ち帰るとこんな感じ。スレッドは現在ウイングの付け根の位置でぶら下がっていますので、その位置でこのディアヘアを巻き止めます。
ホッパー21
巻き止めるとヘッドとウイングのくびれができます。この位置にスレッドを5回ほど巻きましょう。そしてレバーレッグを2個カットしたものを、調整しながら左右に一つずつ巻き止めます。
ホッパー22
ラバーレッグは左右にシャンクに水平になる様に巻き止めましょう。ラバーレッグの長さは長めに巻き止めて、後でカットして調整します。ちなみにラバーレッグをシマシマにするには、購入したラバーレッグをシートの状態の時に定規を当ててマジックで塗れば写真の様になります。
ホッパー23
最後に同じ位置に4×8mmにカットしたオレンジのフォームを巻き止めます。巻き止め終わったら、この位置でハンドツイストで巻き止めます(巻きとめだけ動画で撮ってアップしようと思ったのですが、余計分かりづらいので、今回は割愛)。
ホッパー24
巻き終えたら、最後に巻き止めたスレッドの上に瞬間接着剤を一滴垂らしておきましょう。レッグの長さを整えたら出来上がりです。このフライはそんなに手順はないので、巻き慣れれば簡単だと思います。晩夏はバッタは必需品ですので、あなたの地方のカラーに合わせてタイングしてみてください。

 

 

プロペラ(巨神兵)から生まれる副産物は毛玉みたいなフライ

さて、昨日紹介したプロペラ(巨神兵)を作るとカットした毛が余るのですが、この毛を利用してもう一つ別のフライを作っていきます。こんなに節約されるとフライの消費が減るのでショップ泣かせの企画になってしまいますが、初心者の皆さんはまずは沢山お魚を釣って楽しんでいただくのが一番ですので、プロペラ(巨神兵)がスレた時はこのフライを使ってみてください。

皆さんはMSCというフライをご存知ですか? ひと昔前に岩井渓一郎さんが考案されたパターンで、M(メイフライ)S(ストーンフライ)C(カディス)頭文字を取ったフライ名で、ファジーニンフ(シルエットが曖昧なニンフ)を追求すると、そんな形になり、まるで毛玉の様になります。

さらに歴史を遡るとフランク・ソーヤが考案したキラーバグというフライはライトグレーのモヘアをボディにして、それをコパーワイヤーで止めただけのフライがあるのですが、これはテールもありません。見た目は芋虫っぽいというよりは、やっぱりただの毛玉ぽいのですが、よく釣れます。

今回は余ったラビットファーを使いますが、猫や犬がいらっしゃるご家庭では、ブラシシングした隙間に挟まったあの毛玉(フライ用語ではアンダーファー)で良いのです。この巻き方を覚えたら、その毛玉を使って同じように巻いてみてくださいな、きっといっぱい釣れる筈です。その作られた新たなフライパターンは「キラー●●(愛犬や愛猫の名前)」と呼びましょう。うちの猫の毛で巻いたフライは「キラー・アミー」となります(笑)

毛玉フライ(キラー・ラビット?)

Hook:TMC 3769・#12
Thread:Uni-Thread 3/0(ラビットのカラーに揃える)
Weight:No,3のレッドワイヤー
Body:ラビットファー(またはあなたの愛犬・愛猫の毛)
Tail:マラブー(ボディのカラーに近いものを選ぶ)

毛玉フライを巻いてみる
前回巻いたプロペラ(巨神兵)を作った時に、クリップ(またはマテリアルクランプ)に挟まったままの毛を今回は使います。その他に愛犬の毛玉でも構いませんが、クリップにこんな感じに均一にクリップに挟んだ状態にしてください。写真はプロペラ(巨神兵)を作った余りなので横に約5センチほどに広がっていますが、3センチもあれば大丈夫です。
毛玉フライは管釣りフライ
フックは太軸のフックであればなんでも良いです。シャンクにはレッドワイヤーのNo,3を8〜10回転ほど巻いて、瞬間接着剤をほんの少しだけ垂らして固定しておきます。
毛玉は釣れるのか?
スレッドはマテリアルの色に近いスレッドを選びましょう。下巻きはこのように適当で構いません。どうせ隠れて見えなくなってしまいますから。
毛玉のしっぽ
マラブーは同色に近いカラーを選び、シャンクの1.2〜1.5倍の長さで巻き止めます。思った以上に長くなってしまった場合マラブーは簡単に手でちぎれますので、必要な長さになるまでちぎってください。
マラブーはテール
テールを取り付けたらスレッドはそのすぐ前で巻き止め、ボビンからスレッドを引き伸ばしてその引き出したスレッドを左手指に引っ掛けます。その長さは約5〜7センチの輪にして再びスレッドをシャンクに巻きます。輪を作ったらスレッドはアイの直ぐ手前まで巻き進めそのままにしておきます。
ダビングワックスを使う
左手に引っ掛けている輪にダビングワックスを塗っておきましょう。こうする事でマテリアルが抜けにくくなります。塗り終わったら抑えている左手指の所にダビングツイスターを引っ掛けましょう。
ツイスターを使いこなす。
出来たループの隙間にラビットファーを差し込んで挟み込みます。挟み終えたら、ループを引っ張ってダビングツイスターを使ってループを回転させます。
ダビングループ
ダビングツイスターの形は様々ですが、ようは挟まったマテリアルをグルグル回ることで、芯となっているスレッドにより付けられるという事です。ワイヤーの隙間にゴミが挟まって抜けなくなっている様なもの、という感じ? 余計分かりづらいかな・・。
ダビングブラシ
マテリアルが挟まったループを回転させると、この様にブラシ状になります。今回はクランプに挟まったラビットファーをそのままつけたので、大量のマテリアルになってしまいましたが、このフライを一個作るのだと、毛の量はこの1/3で十分です。
毛玉フライ
このブラシをフックシャンクに巻き付けるのですが、案の定量が多過ぎて必要以上の毛玉になりました(笑)。アイの後ろまで巻いたら、スレッドと交差して巻き止めます。写真はマテリアルが多すぎるので、余ったものが多過ぎてよく分かりませんが、皆さんは材料は少なめにセットしてください。
毛玉フライ
フライのアイが見えなくならないように、マテリアルを全て左手の方へ引っ張ってアイの直ぐ後ろにスレッドを数回巻きましょう。
管釣り用フライ
余ったマテリアルのついたブラシ状のマテリアルはカットしましょう。
毛玉フライ
スレッドはハーフヒッチ、またはウィップフィニッシュしてスレッドをカットします。
毛玉フライ
スレッドにヘッドセメントを垂らして完成ですが、ダビングブラシ(硬めの歯ブラシでも良いです)で、ブラッシングして形を整えましょう。見た目ただの毛玉ですが、よく釣れます。光り物を加えたくなると思いますが、この手のフライはあまり光らない方が釣れると私は思います。このフライもインジケーターフィッシングに向いていますので、プロペラ(巨神兵)同様に管釣りのパターンとして巻いてみましょう。

初心者の救世主となるラビットスキンのフライを「プロペラ」と呼ぶ?

私のようなフライ歴が長い人は、禁じ手というか封じているフライが沢山あります。管釣りではエッグフライにトラウトガムなどのスキンタイプの他に、私の場合はエルクヘアカディスさえも一般河川で封じ手としています。釣り人ってややこしいもので釣れすぎると文句を言い、釣れないと釣りたさからこの封じ手に手を出したくなるものなのです。

昨今は色々な皮もの(動物の皮を使ったフライ)が多くなってきましたが、その中であまり紹介されてそうもないフライパターンのタイングを紹介してみます。正式名称は特にないのですが、仲間内では「プロペラ」とか「巨神兵」と呼んでいるフライで、従来のフライっぽくないところが面白いでしょうか。もちろん良く釣れるので私の中では封じ手なんですが、タコリたくない時と初心者にどうしても釣ってもらいたい時に差し出す為に、ボックスの隅っこに数個は入ってます。

タイイングは極めて簡単ですが、わかりやすいように写真をかなり分解して写しました。まだまだ管釣りで魚が釣り足りない方は、このフライを是非ともお試しを。

プロペラ/巨神兵

Hook:TMC 3769・#12
Thread:Uni-Thread 3/0(ラビットのカラーに揃える)
Bead Head:1/8” ゴールド
Body:Uni-Thread 3/0
Wing:ラビットゾンカースキン

プロペラをタイイングする
名前をプロペラなんて呼んでますが、キャスティング時にグルグル回ってティペットが縒れてしまう様に出来上がった場合は、それは失敗作ですからお間違えのないように。まず用意するのばラビットゾンカースキン。長さは約5センチ。もう少し長くても構いません。
巨神兵を巻く
まずはこのラビットスキンに生えている硬いガードヘアをむしり取ります。この工程は直接このフライのタイイングには関係ありませんが、副産物としてできるMSCタイプのフライを後に作りますので、その時の出来栄え(見栄え)に影響しますので、やっておきましょう。
管釣りフライを巻く
硬いガードヘアをむしり取ると、毛の先端は柔らかい毛だけになります。下準備ができたら長さが5センチ以上ある透明のクリップを用意しましょう(100均で手に入ります)。一応私はフライショップの人間なので、ここでは高価なマテリアルクランプを使用してます。
管釣りフライを巻いてみる
指先を少しだけ水に湿らせてラビットスキンを撫でて、クリップ(クランプ)に対して真っ直ぐ挟まる様にします。この時ラビットスキンの皮部分と毛の間を2〜3mmぐらい開けておきます。
ラビットヘアをカット
刃先が長いシザース(ハサミ)があると一発で切れるので便利ですが、皮に少しだけ毛を残す感じでラビットの毛をカットします。
管釣りフライをタイイング
切り離しとこんな感じ。クリップ(クランプ)に挟んだラビットヘア(毛)は次回のブログでそのフライタイングを説明しますので、そのままにしておいてください。今回使うのはラビットの皮の方です。今は長方形の短冊上ですが、カッコ悪いと感じる方は四隅をカットして丸くしましょう。
ラビットスキンフライ
ラビットスキンの四隅を丸くするとこんな感じ。そしてフックにはビーズを通しておきましょう。ラビットスキンは半分に折り、その中心をフックで刺します。刺す方向の裏表はその人の好みですからどちらでも良いでしょう。ここで失敗して欲しくないのは左右の長さを一緒にしてほしいことと、この皮幅の中心に必ずフックを刺して欲しい事です。
プロペラみたい
フックを指すとこんな感じ。左右のバランスがおかしかった場合は差し直すのが良いでしょう。また、刺した後に長い方をカットする手もありますが、長さが短くなると水中での泳ぎ(腕を開いたり閉じたりするようなイメージ)が悪くなります。
プロペラフライ
ここでようやくバイスに挟みます。今刺したラビットスキンの後ろにスレッドを巻き留め、ベンド方向(画面左)に向かって巻き進めます。スレッドの余りはカットしましょう。
プロペラのタイイング
フックベンドまでスレッドを巻いたら、また元の方向(画面右)に向かって巻き進めます。ラビットスキンの抜け止めとしてその一番近い場所にスレッドを多めに巻きましょう。ボディに当たるこの部分は他のマテリアルを付けたくなりますが、色々と試した結果ではシンプルな方が釣れるという結論です。
巨神兵のフライをタイイング
最後はハンドツイストでスレッドを止めます。難しく考えずにスレッドを結び止める為にボビン側の糸がフライ側の系の下に潜るようにすれば交差するので止まります(ハーフフィッシャーを使った時と同じ動きです)。その動作を一度ではなく数度行なってスレッドをカットします。
巨神兵のフライタイイング
スレッドをカットしたら、ヘッドセメントをボドキンに付けて、今巻いたスレッド部分に塗りつけましょう。これで完成です。
巨神兵
このフライの使い方ですが、一般的なのはインジケーターを使ったフライフィッシング。フライからインジケーターまでの距離は1〜1.5mの範囲が良いでしょう。フライを結んだらまずはフライを水に浸けて少し揉んで水に馴染ませます。完全に水を吸い込むと2本の腕は巨神兵の様にダランとします。フライをキャストして放置しても釣れますし、誘いをいれれば腕が動くので誘いに乗って魚が喰ってきます。寒い時期は明るめのカラー中心(クリーム・オレンジ・チャート・ピンク・レッド・タン)が良く、暑い時期は暗めのカラー(オリーブ・ブラック・ブラウン・パープル)などがよく釣れますので試してみてください。

 

タイイングキットのクロウダッドを巻いてバスのフライフィッシングを妄想する

若かりし頃は色々な魚を飼育してましたが、ブラックバスって圧倒的にエビちゃんが好きなんですよ。色々なエサを与えて検証しましたが、カワエビを水槽に入れた時のその興奮度合いは尋常じゃないのです。それを思うとこんなザリガニチックなフライってきっと釣れるんだろうと、妄想が膨らむなぁ。

このフライアイ近くに取り付けられた金属片(シュリンプ&クレイテール)はレッドアイやビーズチェーンと同じ役目で、フックをキール状態に安定させる役目と、着底時の安定感を得るためのもの。

キャスティングするとザリガニの尾っぽの方からスッと水底に向かって沈む。着底してリトリーブする度に泥底をこの金属片で少しかき回して、バックで逃げるザリガニさんを演出。それを見つけたバスが「エビちゃん見っけ!」と突進しバックリ喰うのです。ロッドに伝わるズシリとした重みを想像すると行きたくなるなぁ、バスフィッシング。

ともあれ妄想はこの辺にして前回と同じ様にこのフライタイングキットを巻いて気付いた点と注意点をご紹介。とここまで書いておいてなんですが、フライ業界って圧倒的にトラウト崇拝者が多いので、書いたところでどれぐらいの方が興味があるのかは微妙ですな。

Fish-skull Crawdaddy

フィッシュスカル クロウダディ
このキットでタイングに気をつけることはフライは8本巻けるキットなのですが、圧倒的にワイヤーの長さがギリギリ過ぎます。なので、キットとは別にハーミットでコパーワイヤーを追加しておきます。ボディのフィネスシェニールは2本入っているので、それをあらかじめ均等に4本にカット(計8本)にカットしておく事をお勧めします。ちなみにこのキットを買わなくてもタイイング方法を見て真似て違うものを作るのもアリですよね。
クロウダディの巻き方
先ずはエビちゃんの形をしたクロウダディの表面は適用に自分で絵を描きましょう。そして裏面のこの位置に印をして、その位置にフックを裏から指します。
クロウダディを巻こう
刺すとこんな感じ。バイスにセットすると絵を描いていない裏面が見えてます。そしてシャンクにスレッドを下巻きしましょう。
クロウダディの巻き方
シュリンプ&クレイテールというウェイトを曲がっている部分が上向きになるように巻き留めます。巻いた上には瞬間接着剤を塗って固定しましょう。巻き終えたらスレッドはフックのベンド側(向かって左)に巻きながら移動。
クロウダディ
黒くてわかりづらいですが、フェイクバックテールのブラックをアンテナとして2本巻き止めます。髭は左右に分けて取り付けて、Vの字にセットしましょう。
クロウダディ
アンテナを巻き留めたらその位置にフィネスシェニールを巻き止めます。で、このシェニールは見ていてエリアフライ用にとても良さそうなので、現在USAヘ注文中。来週待つぐらいには届くかと思います。
クロウダディ
このフィネスシェニールをフックシャンクの半分を巻き進め、一旦仮止めします。その仮止めした位置にコパーワイヤーを巻き止めます。ワイヤーを巻き止めたら、さらにフィネスシェニールをシュリンプ&クレイテールが巻き止めてあるアイ付近まで巻き進めます。
クロウダディ
フィネスシェニールをフックシャンク全体に巻き進めるとこんな感じ。それをスレッドで巻き止めて余った部分はカット。今はコパーワイヤーがフックシャンクの中央から生えている感じ。
クロウダディ
フックを逆さまにバイスに留め直します。ロータリーバイスで作っている人はそのままフックを逆さまにしてこの状態にしてください。するとお絵描きした表面が出てきますので、エビの尻尾部分をコパーワイヤーで螺旋状に巻き進めます。スレッド位置まできたらスレッドで巻き止めます。最後にアイの位置でスレッドをウィップフィニッシュし、スレッドをカット。瞬着を着けて完了です。
クロウダディ
正面から見るとこんな感じ。ザリガニの形をしたクロウダディはフェイクスキンなので、乾いても硬くなることはありません。
クロウダディ
フライは一袋で8本巻けます。写真に写ったこのフライの4-5本はフライガチャのアタリとして入れておきますので、実物が欲しい方はガチャガチャで運試しをしてください。このフライの動きをチェックしたいので、本日朝は赤坂見附の弁慶池に持っていってその動きをチェックしてきましたので、その様子は次のブログで。

 

タイイングキットを巻いて、写真とどの程度違うのかを検証してみる

Flymen Fishing Co,
Fly Tying kit
Panfish & Topwater Trout Popper

あぁ、懐かしきタイイングキット。と言っても最近始めたばかりの人には何のことやらですが、35年ほど前にフィッシングビデオメーカー(当時はVHSビデオ。後にマテリアル&ビルディングメーカー)であるキロワールドが、タイング本を出版し、それに沿ったタイイングキット販売があったのです。一番最初のステップはタップス・インディスペンサブルだったかな。最初は簡単なフライから始まるのですが徐々に難しくなり、カネマラブラックを経て最後はフルドレッシングのサーモンフライのジョックスコットだった様なうろ覚え。

当時覚えている事はマテリアルが高いパターンはよく売れて、タップスなどのお金が掛からないものはあまり売れなかったと記憶してます。時代は巡って十年一昔からまたタイイングキットの時代が到来した、と思ったのがこの『フライメン フィッシング Co フライタイングキット』。このシリーズはリサーチが良くできているのか、完成品フライとして安く販売されているようなパターンはなく、「ボックスに2〜3個あったらなぁ。」と思うようなフライばかり。そんなパターンは材料を揃えて巻くと結果的に材料がいっぱい余って高くついてしまうなんて事もあるので、こんなキットが良いんですね。

さてそんなフライタイングキット。自分の意に反して売れるのはゲームチェンジャーばかり(笑)。英文の説明書というのが問題なのかもしれませんが、一度このキットを自分で巻いてみることにしました。今回はキットに入っているものをそのまま使いましたが、写真のフライパターンとどれぐらい相違があるかは、皆さんが検証しみててください。

パンフィッシュ&トラウトポッパー
今回巻いて見たのは、パンフィッシュ(ブルーギル・子バスなど)&トップウォータートラウトポッパー。そんな命名だけれど、トラウトにポッパー使ったことがないので、今度この巻いたフライたちを湖で試してみよっと。デカがりサイズは3.8cmで6本巻けるマテリアルのキット。
タイイングキットの中身
ポッパーヘッドはカラフルに6色なので、それぞれ1個づつ巻けます。アイは20個付属していたので、8個(4個分)余りました。
タイイングキットを巻く
とりあえず説明書通りの順番で巻いてみます。まずはポッパーボディのケツからボドキンを貫通させます。
タイイングキットを巻く2
付属のサーフェイス・セデューサーのポッパーフックに下地を巻き巻き。これはポッパーボディを刺した時にしっかり止まるようにするために、瞬間接着剤を染み込ませるためのスレッドした薪。
タイイングキットを巻く3
黒バックに黒のスレッドで見にくくてごめんなさい。その今巻いた下巻きに軽く瞬間接着剤を付けます。
タイイングキットを巻く4
ポッパーヘッドをアイ側からグリグリと押し込み、ちょうど良い位置にきたらしばらく固定してフックに接着させる。
タイングキットを巻く5
手順通りに巻いているので、この時点でアイを付けて、その上からUVレジンで固めます。実際にやってみた結果、この手順は一番最後にした方が良いです。1個目はUVレジンで固めましたが、2個目以降は愛を貼った上から瞬着を垂らすだけにしました。
タイイングキットを巻く6
ここからライイング開始。まずはマラブーを適量巻き留めます。つけ過ぎてマテリアルが足りなくなるかもしれないと思いましたが、マラブーは大量に余りました。
タイイングキットを巻く6
次にラバーレッグ2本の真ん中を巻き留め、半分を折り返して、フックの手前側に巻き留めます。見えませんが、左右に2本づつオリーブのラバーレッグが配置されました。6本巻き終わったあと、レッグも半分以上余りました。
タイイングキットを巻く7
ラバーレッグを巻き留めた上に、長さ2.5センンチほどにカットしたコックハックルフェザーを片側に2本づつ巻き留めます。このハックルフェザーは最後に足りなくなったので、後半の2本は左右に1枚づつの配置にしました。
タイイングキットを巻く8
今まで巻き止めたマテリアルのスペースにコックハックルを巻いていきます。このキットにはブラックとホワイト、ブラウンの3色が入っていたので、ブラックを選択(見えにくくてスミマセン)。先端をそのスペースに巻き止めます。
タイイングキットを巻く9
ブラックのコックハックルの先端をハックルプライヤーで挟み、ハックルを巻き込まないように後方へ撫でながら、ハックルプライヤーを前(ポッパーボディ方向)へ巻き進めます。巻き終わったらスレッドで巻き止めてカット。ポッパーヘッドのお尻部分にハンドツイストでフィニッシュ。スレッドをカットした後にヘッドセメントを垂らします。
タイイングキットを巻く9
ポッパーボディにボドキンを刺し、その出来た穴にボビンスレッダーを刺します。
タイイングキットを巻く10
ボビンスレッダーを刺して反対側から先端を出したら、その隙間にラバーレッグを一本さします。さしたらそれを引き抜くのですが、ボビンスレッダーの先端が反対側から出たとろでストップしてください。
タイイングキットを巻く11
スレッダーでラバーレッグを引き抜かず、この辺の位置にきたら、ラバーレッグをカットします。そうすることでその穴にラバーレッグが2本入っている事になります。ラバーレッグは抜けないようにその穴に少しだけ瞬間接着剤を垂らしておきましょう。この前足は波紋を作り魚たちにアピールします。
タイイングキットを巻く12
これでポッパーは完成。最後にマジックなどでカラーを塗りたして遊んでください。ここで気づきましたが、ポッパーカップの中を赤く塗りたい場合は、この作業を最後にするのではなく、一番最初にやる事でカップ内を綺麗に着色できます。
ポッパーを巻く
営業時間内にチャチャっと巻いたので、クオリティがやや低いですが、こんな感じのポッパーが6個巻けるタイイングキット。よくを言えば、ポッパーヘッドのカラーに合わせたマテリアルが欲しいけれど、そう思った人はお持ちのマテリアルで色々と遊んでみてください。

プラモデルを組み立てるような感覚で巻けるフライタイイングキット。初めて巻く方でも簡単に巻くことができますが、このキット以外に以下のものが必要です。

タイイングツール:バイスボビンホルダーボビンスレッダーハックルプライヤーシザース
キット以外に必要なマテリアル類:スレッドヘッドセメント瞬間接着材

一本の価値を高めるために追求するタガメン

皆さんは私の真似なんてしなくて良いんですよ。シーバスを確実に釣りたい方は、ホワイトゾンカーとクラウザーミノーの2種類を持って行きインタミラインで引けば、サイズを気にしなければ十中八九釣れるはずです。状況がよければ、もしかしたらそれは管釣り以上に釣れるかもしれません。私たちはそんな釣りを20年以上前はしていました。でも今の私はかなりジジイになってきたので、シーバスに求めるものは釣る過程で得られる一本の価値なんです。

現在はフローティングミノー全盛のシーバス・フライフィッシングですが、30年前は釣れるサイズに合わせてゾンカーやマラブーなんかを引っ張って私は釣りしてました。それが海外の影響を受けて色々なフライを使い出し、十数年ほど前に岩井さんがイワイミノーを使い始めてトップウォーターがメージャーになったのです。

なぜトップが流行るのか? 例えればルアーフィッシングでワームを使って釣るのとトップで釣るのとでは一匹の価値観がかなり違う様に思いませんか? もちろん人の価値観ですからどちらで釣っても悪い事はいのですが、より難しくハードルを上げた釣り方で上げた場合、そのプロセスにつり人は満足しているのだと思います。なので、まだまだ釣り足りないこの釣りを始めたばかりの方々はゾンカーを引っ張ってください。もしくはフローティングミノーのフッキング率の悪さに翻弄されながら、時にゾンカーを引くのが良いでしょう。

現在シーバスルアーはメガトップ全盛時代。私はそれに触発されて大きいフライには大きいシーバスという現在のスタイルになってます。なので釣れる数は激減してますが、一本の価値が高まるからこそ、人がやっていない事を試したくなります。

で、数年前から始めたメガトップフライで釣る挑戦ですが、昨年こしらえたタガメンがかなり良い線までいっている感じなのですが、フッキング率が上がりません。単にアシストフック(例えばフロントフックからハリスを出して、テール近くに小さいフックを忍ばせるなど)を付ければ釣れる事は分かっています。ですがそれだとスレ掛かりが多くなりフライらしくないので、タンデムフックは使わないのが私のポリシー。漢ならシングルフック一本、言ってみれば頑固親父が掲げる漢の浪漫ってやつですな。

トップウォーターシーズン真っ盛り、でも船が人気すぎて今シーズンはあと何回行けることやら。その際に投げているフライはこんなものですので、お暇な方はご覧くださいまし。

タガメン 零号機
最近流行っているメガバスのメガドッグでドーンと出るのをみて、それに近いサイズのフライを作って見たのがタガメン零号機。使ったやつなので小さくなってますが、サイズは220mmで重さはご覧の通り。8番ロッドでも投げることができますが、抵抗が大きいのでリーダーは極端に短くする必要があります。私はエアフロのバス/マスキー4ftフローティングのリーダーをつけて、その先のティペットは50センチほどです。
タガメン・初号機
タガメンは下から見た時のシルエットがはっきりわかる様にするために、ジョントフライで前後にフロートフォームを魚っぽいシルエットに近づけました。フライフィッシングはルアーと違いその投げる本体が重ければ重いほど投げにくくなるために、0.1gでも軽くする努力をしました。結果、フックをライトワイヤーのSC15・#3/0にしていたのですが、この大きさに対して3/0フックは小さすぎてフッキングが悪いんです(2個付ければ掛かりますが・・)。
フローティング・ドラゴンテール
こちらは番外編のフローティングドラゴンテール。フックは6/0番。このフライが一番魚の反応が良く出るのですが、ドラゴンテールは一度水を吸ってしまうと地獄の重さで、シングルハンド12番でないと投げれません。あまりにのツライので現在はGルーミスのNRX+・11ft・8wtで振っています。ボートに乗っている間、ひたすら投げ続けるのでこのフライは現在はほぼ使ってません。
EPフローティングミノー
こちらも番外編で、EPミノーのフローティングバージョン。魚を釣り過ぎて、ヘアが短くなってしまいましたが、当初の長さは15〜8センチほどありました。フックの上側にハート形にカットしたフォームを3枚挟み、その間にEPファイバーが生えている感じ。めちゃくちゃ釣れるのですが、メガフライとは言い難いので、これ以降は量産していません。
タガメン・弍号機
そして今回巻いた、タガメン弍号機。結果的に重量が上がってしまったのは、横から見た時のシルエットも水に使った状態で大きく見えるように、少しだけ下のボリュームを増やしました。また、長いサドルハックルを重ねることで、下から見たシルエットも透けない様に工夫。今年はこんな感じで試してみます。
メガトップの大きさ比べ
大きさを比べるとざっとこんな感じで大体20センチ位に収めてます。かつては25センチ以上も試しましたが、数センチ大きいからと言ってバンバン出るわけでもないので、これからは約20センチほどにまとめて、水押しなどを考えて改造し続けます。
メガ
このメガトップ達はオープンウォーターで投げる事が多いので、基本無くなりませんので増える一方。また、毎回試しながら巻いているので、同じフライはほとんどありません。もし、今まで使ったこれらのフライが欲しい場合は、お店でシーバスの話をすれば、管理人の私が機嫌の良い時であれば貰えるかもしれません(笑) その前にこのフライ達を投げたいのであれば、キャスティングスキルを磨く事は必須ですので、お忘れなく。

フローティング キャンディ(弍号機)はどこで投げる?

過去のタイイング動画を見ていただくと一年ほど前に「チューブキャンディ」を紹介しています。そのフライはサーフキャンディよりも軽く投げやすくて壊れない優れものフライとして活躍中ですが、それをちょっといじったのが前回の初号機であるフローティングミノー。

初号機の大きな問題は下から見たシルエット。フローティング部分の後ろにシンセティックファイバーのみにしたのですが、下から見えるシルエットの透け感が強過ぎてテールがほとんど見えないんです。なのでこの部分を柔らかい素材にして存在感があるマテリアルにする必要があります。

今回仕上がった弍号機のテールにはゾンカーストリップを使いました。これによりスキンが透けないのでその存在感と柔らかい動き、さらに食い込み抵抗が少ない(従来のフローティングミノーと比べて)効果が狙えます。

さてさてこの写真を撮る前に失敗作は2本。チューブとボディウイング材の量を減らすことでいい感じにまとまりました。湖で使うことを前提にワカサギカラーにしましたが、すぐに芦ノ湖へ行く予定はないので、次回は本栖湖かな。その前にシーバスで試そうかと思ってます。

Floating Candy

Hook : D-Hooks #2461・ #4
(バリバスフックは製造中止になりましたので現在はこのフック)

Thread:ビーバス GSP・100D
Tail:ゾンカーラビットスキン
Wing :クラフトファー
Sparkle:EPスパークル
Body:モノチューブ+ファントムチューブ
Eye:フィッシュスカル リビングアイ(4mm)

フローティングキャンディの下巻き
スレッドは適当にシャンクの真ん中あたりからスタートして巻きましょう。GSPスレッドは滑りやすいので、要所で瞬着を使うことをお勧めします。
フローティングキャンディのテールを取り付ける
今回は全体が7センチになるようにしました。なのでゾンカーストリップの長さは約5センチくらい。長く取り付けて後でカットしても良いでしょう。
フローティングキャンディのフローティング部分
中に入れるフォームは6mmのラウンドフォームをこんな形に切りました。このフォームはフックベンドから外へ出ないようにしましょう(長くしても良いですが、それだけ動きの邪魔になります)
フローティングキャンディのフォーム取り付け
フォームはフックアイよりも2mmほど後ろ(通常よりも少し広めのスペース)が良いでしょう。前側がカットしてあるので、今はたった状態。
フローティングキャンディのアンダーボディ
フローティングキャンディのアンダーボディとしてホワイトのクラフトファーをフックの下側に巻き止めますこの材料は折り返すのでフックアイから右側に伸びる材料はフックベンド位置ぐらいまでの長さにしましょう。
フローティングキャンディのオーバーウイング
フローティングキャンディのオーバーウイングボディはワカサギっぽいゴールドにしました。同じように折り返すので、フックアイよりも右側に5〜6センチほど出しましょう。それぞれのクラフトファーは折り返すので材料は少なめにつけることをお勧めします。
フローティングキャンディのスケール
さらにキラキラものとして少量のEPスパークルを同じ場所へ巻き留めます。後で長さはカットして調整しますので、適当です。スレッドはこの位置で巻き留めて一旦カットし、瞬着を垂らします。
フローティングキャンディのボディを逆撫でする。
フローティングキャンディ全体に巻いてあるクラフトファーを均等に逆撫で(全てのファーを左向き)にします。チューブを被せた時に偏りがないように逆撫でしましょう。
フローティングキャンディのモノチューブ
逆撫でしたら、その上からモノチューブを被せます。
フローティングキャンディのファントムチューブ
さらにその上からファントムチューブを被せます。ファントムチューブだけだと色は綺麗なのですが、ボディ全体がボコボコになるので、このようにに二重にしてみました。またモノチューブはテールの絡みどめの効果もあります。
フローティングキャンディの制作1
チューブを被せたら、アイのすぐ後ろの位置でスレッドをキツく巻き留めます。そしてアイよりも右側に余った材料をカットして綺麗に取り除きます。
フローティングキャンディのボディ制作2
前側に余ったマテリアルを綺麗に取り除く方法は、シザースで縦にカットして解けたマテリアルを丁寧に数本ずつ切ると切りやすいです。
フローティングキャンディのアンダーチューブをカット
モノチューブは硬いので、写真のようにフックベンド位置で吊った状態になっています。この部分にシザースを入れてカットしボディが真っ直ぐになるようにしましょう。ベンドより後ろに伸びたモノチューブはそのままにしてテールの絡み留めとして活躍します。このチューブの上にはセメダインスーパーX2クリアを塗っていきます。
フローティングキャンディにセメダインを塗る
セメダインスーパーX2は少しだけドライヤーで温めで柔らかくしましょう(人肌でも良いです)。爪楊枝でぎりぎり垂れない量を2-3回分をボディの全体に塗っていきます。アイ側だけ綺麗に塗れていれば、あとは適当で大丈夫です。
フローティングキャンディのコーティング
適当に塗り終わったら前からドライヤーを当てて接着剤を柔らかくして馴染ませましょう。適当にフライを回転すると5分程度で全体に馴染みます。馴染んだら半乾きの状態で魚の目(アイ)を貼り付けます。あとは一晩乾かせば完成。
フローティングキャンディの完成
セメダインスーパーX2を塗ることで壊れないフライになり、ヌメっとした雰囲気になります。テールはゾンカーストリップなのでよく動きますし、硬さがないので魚の吸い込みが期待できるでしょう。少し前にこのアイデアが浮かんでいたら、前回の芦ノ湖で使っていたろうに。まぁ、とりあえず次回の釣行でどこかで浮かべて、更なる改善点が見つかればまた変化していくことでしょう。そんなに難しいパターンではないので、皆さんも巻いてみてくださいな。

Mole Tail

なんか前回のタイイングと同じじゃない?と思っているあなた、そうです、ほとんど一緒なんです。なんで同じようなフライを載せたかといえば、単にこのドラゴンテールの小さい方を見つけて少しだけ安く入るので、それを載せたいが為に作ったフライ。ちなみに先日ライブ配信でタイイングを行いましたが、皆さんは動画と静止画とどちらでタイイングを見たいですか? 意見を頂けるとありがたいです。

本当は名前をモーラーフライにでもしたいのですが、『モーラー』は増田屋さんの商標ですので、モグラの「モール」とドラゴンテールの「テール」を取って一応名前にしてみました。とはいうもののモグラの尻尾にはチト似ていませんが・・。

仕上がりの大きさは約9〜10cmと一番ミノーらしいサイズ。とりあえずはシーバスに使うカラーの3色を仕入れてみました。元々がおもちゃだから、トラウトに使えそうなカラーがあんまりないので今後カラーが増えることは多分無いと思います(ブラックとかオリーブだったら巻きたいですか?)

水中では存在感のあるボディがレロレロの動き。大きいドラゴンテールと違って重くならずキャスティングも楽なフライです。ゾンカーフライに飽きた人はタイイングしてみてください。

Mole Tail

Hook:Gamakastu S15 #1/0
Thread:Uni THread 3/0
Body:Mole Tail
Flash:EP®Sparkle
Head:LLAMA Fiber
Eye:EP® Plastic Eye

手順はラウンドヘッドストリーマーと一緒なので、サラッと書いていきます。まずは全体に軽く下巻き。ボディーとなるモールテールがズレてこないようにするために行います。
まずはプラスティックアイの装着。フックアイから約2〜3mm後方(写真の位置)に襷掛けで巻き留めます。アイがぐらつかないように何重にも巻き留めて、止めた位置に瞬間接着剤をたらします。
プラスティックアイを取り付けたら、そのすぐ後ろからモールテールを巻き止め、フックベンドの方までしっかりと巻き止めます。このときモールテールの先端は少し長いので、少しカットしましょう(私は5mmカット).
フックベンド付近までスレッドをで巻き止めたら、同じ位置にギニアフォウルを1枚巻き止めます。フェザーを逆撫でして、境目ができたところが巻く位置です。その境目をフックシャンクにしっかりと巻き止めましょう。
巻き止めたギニアフォウルフェザーはハックルで挟んで右手で持ち、左手は全ての毛が左方向に向くように引っ張りながら巻いていきます。
ギニアフォウルフェザーを全部巻くとこんな感じ。スレッドと巻き終えたギニアフォウルフェザーの軸を交差させて材料をしっかりと巻き止めます。右側に出たいらないフェザーと軸はカットしましょう。
次にヘッドとなるラマファイバーの切り出し。長さは9センチ程度にカット。横一列をカットしましたが、使うのはこの1/3くらい。
カットしたラマファイバーの量は9センチ×1センチ程度を取り分け、まずは上半分に巻き止めます。スレッドはプラスティックアイのすぐ後ろまで巻きながら移動しておきましょう。そしてこの位置に前(写真右)に3/2、後ろ(写真左)の位置で巻き止めます。この時気をつけることは、ラマファイバーがフックシャンクの上半分を覆うように巻き止めることです。
今度は下半分を巻き止めます。先程と同じ手順の同じ量でラマファイバーを巻き止めます。すると写真のような感じでフックシャンクが全て隠れ上下にラマファイバーが分かれた状態になります。
さらに同じ位置にEPスパークルを少量巻き止めます(お好みで)。
スレッドはアイの後ろ(左)から前(右)に向かって巻き進め、この位置でラマファイバーをフックシャンクを覆うようにしてしっかり撒き止めます。
前に伸びたラマファイバーは全てテール側へ手で引っ張り、そのすぐ前にスレッドを巻き止めて折り返したヘッドを作ります。この時注意するのは、フックシャンクを綺麗に覆うようにして全体が均一になるようにテール側へ返します。この状態になったらスレッドはウィップフィニッシュしてカット。そして巻き終えたスレッドに瞬間接着剤を塗りましょう。
フライをバイスから外し、ヘッドはクシを入れて整えます。全体が綺麗に整ったら、棒をカットしたプラスティックアイを用意。接着面にはジェル状の瞬間接着剤を塗りましょう。アイは棒が突き出た位置に接着。乾くまでに約30秒ほど掛かります。
はい、フライの出来上がり。とっても簡単で動きがミノーらしいフライが出来上がります。作ってみた感じではこの1/0番が一番使いやすいと思います。
カラーバリエーションはこんな感じ。なんてサイケデリックなフライなんでしょう。一見魚とは似つかわしくない配色ですが、夜のシーバスはUVカラーに反応するので、このカラーで間違いなく喰ってきます。お試しあれ。

 

Round Head Streamer

東京都はコロナのおかげで自粛モードになり、お店が暇です。来店がほとんどないので通販頼りになります。現在は新製品の更新は一通り終わった感があるので、新しく仕入れたマテリアルのその使い方でも紹介しようかと思います。

今ハーミットではタイイングのライブ配信を準備中。ゆくゆくはブログと動画の両方をやっていきますので、私がそばにいなくとも今後は皆様のタイインがよりスムーズになるように願ってます。また、ハーミットに置いてあるマテリアルで使い方などわからないものがあれば、それを使ってタイイングするフライを紹介していきたいので、メールかハーミットFacebookで呟いてくださいまし。

さて今回のタイイングはEP クラフトファーブラシとラマファイバーを使ったフライタイイング。出来上がりサイズは9センチほどで、サイズを変えればトラウト狙いのストリーマーにもなりますので、まずは真似て巻いて見てその後は自分なりにアレンジしてみてください。今回のフライのレシピは以下の通りです。写真は多いですが、タイイングはいたって簡単デス。

A2Z風(ラウンドヘッドストリーマー)

Hook:Gamakatsu S15 #2/0
Thread:Uni 3/0 Thread
Wing:EP® Craft Fur Brush
Flash:HL Ice Wing Fiber
Head:LLAMA Fiber
Eye:Game Changer Eyes or EP® Plastic Eye

フックサイズは色々と試してみたのですが、ソルトフライで使う場合はこの2/0サイズがバランス的に相性が良い気がします。まずは適当に下巻きしてフックのベンド側(写真左)へスレッドを移動しておきます。
写真の位置にクラフトファーブラシを巻き止めます。この商品は芯がワイヤーなので、ニッパーかワイヤーカット専用に丈夫なハサミを用意しましょう。
クラフトファーブラシを写真のように左手で左方向へ引っ張りながら、フライの軸に巻いていきます。一回転するごとに毛が絡まないように左手で何度も撫でながら巻くのがコツです。クラフトファーブラシはフライのシャンク(軸)に6〜7回転重ならないように前方向(写真右)へ巻き進めましょう。
巻き終えたら、スレッドで巻き止めニッパーでカットします。このブラシには3種類のマテリアルが挟み込んであるので、たったこれだけで雰囲気のあるストリーマーウイングが作れます。
今回はプラスティックアイの棒を切らずにたすき掛けでプラスティックアイを止めていきます。止め方はダンベルアイを巻き止めるのと同じ要領。斜めに3回かけたら、同じ要領で反対向きに3回巻き止めます。最後に根本を絞るように巻き止めてアイが動かないようにキツく巻き止めましょう。(今はゲームチェンジャーアイも輸入しまてますので、そちらの方が作りやすいです)
巻き止め終わったらアイが動かないように瞬間接着剤を塗ります。
ヘッドを用意しましょう。ラマファイバーを使います。この材料は好きな長さにカットして使えるのが良いところ。今回は6センチほどにカットしました。
6センチにカットしたラマファイバーを適量(1センチくらい)を巻き終えたクラフトファーブラシのすぐ前に巻き止めます。この時、このラマファイバーはフック全体を覆うようにして巻き留めてください。難しいと思う方は上下に分けて2回巻き止めると良いでしょう。
ラマファイバーを巻き止めた場所にアイスウイングファイバーを適量巻き止めます。アイスウイングファイバーは8インチあるので大体真ん中で巻き留めて手で折り返して左方向に撫でてまとめます。
前に伸びたラマファイバーはクシを使って後ろへ撫でてひとまとめにします。この時に各面からクシを入れて、後ろへ折り返すラマファイバーは偏りなく針軸全体へ折り返すようにしてください。
ラマファイバーを後ろ(写真左)にひとまとめにしたら、そのすぐ前にスレッドを何回か巻きます。
このラマファイバーをつける動作をもう一度やります。現在のスレッド位置にラマファイバーを適量巻き止めます。今度は上下に分けて巻き止めてみました。なので写真は上半分を巻き止めた図。
続いて下半分を巻き止めてスレッドはこの位置(写真右方向)へ巻き進めます。
先程と同じようにスレッドをアイ側へ滑り込ませ、前方に伸びたラマファイバーを写真左へ撫でてひとまとめにします。
ラマファイバーを写真左方向へひとまとめにしたら、スレッドをアイのすぐ前で何回か巻いて、ウィップフィニッシャーを使って結びとめてカットしましょう。
巻き止めたスレッドにはヘッドセメントか瞬間接着剤を垂らしましょう。そしてラマファーバーはクシを入れて丁寧にヘッドの形を作ります。
まとめるとこんな感じ。まだ右目がついてませんね。この状態だと反対側には目があります。もう一つプラスティックアイを用意し、今後は棒の部分をニッパーでカットして半球だけにします。一度裏返ししてアイの位置を確認しましょう。
裏返すとこのようにアイがありますが、この位置の真反対に棒が出ていますので、その位置に専用の瞬間接着剤かエポキシ接着剤でアイを貼り付けて完成です。
写真の数が多いので手順が複雑のように感じますが、いたって簡単に巻けてタイイング時間がかからないフライパターンです。これから初めてシーバスをチャレンジする人もぜひ巻いてみてください。
この6本を巻くのに1時間も掛かりません。色違いを巻いてみましたが、トラウト用に巻く場合はB10Sの#4フックで黒系を巻くと良いでしょう。同じ材料を使う必要はありませんので、あなた好みでアレンジしてみてください。