マダムX(改)フォームホッパー

なかなかタイイングの時間が取れずに困っている管理人ですが、先だって自分のフライを巻くついでに写真を撮ったので、久しぶりにタイイングティップスに記載します。「動画の方が良い。」というご意見もあるかと思いますが、動画編集は機材を準備するのが大変でして、もっと時間が空いた時に改めて撮る様にします。

さてこのホッパーですが、私の中では毎年形を変えて秋のシーズンに活躍します。以前作っていた「野呂バッタ」と大した違いはありませんが、簡素化してます。タイングの手順は写真を細かく撮りましたので、幾分わかりやすいかと思います。

晩夏になると飛び立ったバッタが風に流され河原に落ちたり。河原を歩く僕らにビックリして着地した先が川面だったり。川面に落ちたバッタは秋の産卵に備えた大物がガバチョと出るわけです。バッタというと殿様バッタのような大きなものを想像してしまいますが、実際によく食べられているサイズは小さく、フックサイズにして8〜12番程度。大きさにすると2〜2.5センチ程度でしょうか。若干長めのシャンクを持つフックの10番位が一番使いやすいサイズです。大物狙いなので、ティペットは3X位を使いましょう。

MadamX Mod Hopper

Hook:TMC 5212・#10
Thread:Uni-Thread 8/0・Olive
Body:Foam 2mm
Wing:Swiss Straw
Head:Dear Hair
Leg:Round Rubber Leg
Indicator:Foam 2mm Orange

ホッパー1
バッタのお腹になるフォームは大体4mm幅長さは途中でカットするので幾分眺めの20mm以上が良いでしょう。先端を細くして、その細くなった部分の幅の中央にフックを刺します。
ホッパー2
フォームを刺した状態でバイスにフックをセットし、アイの方からベンドに向かって下巻きをします。スレッドをベンドまで(写真の位置)まで巻いたら、フォームを右に半回転させます(フックの下側に)。
ホッパー3
フォームはフック下からフックシャンクに巻き止めます。フォームがグラグラしないように、同じ場所にスレッドを5回転程巻き止めます。
ホッパー4
フォームを等間隔に止めるためにスレッドだけ回転しながらアイ側に約数ミリ巻き進めます。
ホッパー5
1回目の巻と止めた時にできたコブと同じ大きさになるように、フォームはフックの下から包み込むように巻き止めます。この動作をアイ側に向けて数回繰り返します。
ホッパー6
この動作を4回繰り返すと写真の様にコブが5個で節目が4箇所できますが、一番右側のコブはシザースでカットしましょう。巻き潰しても構いません。
ホッパー7
次はウイングの取り付け。スイスストローを用意し、大体30mmくらいでカットします。カットしたスイスストローは一旦広げます。
ホッパー9
広げるとこんな感じ。これを三つ折りにしていきます。三つ折りにした大きさが大き過ぎると感じる方はこの時点で端を数ミリカットし、三つ折り幅の大きさを調整してください。
ホッパー9
三つ折りし直すとこんな感じ。幅は3~5mm位あるでしょうか?写真よりももう少し狭い幅の方が良いかもしれません。
ホッパー10
三つ折りにしたスイスストローを先程作ったボディを巻き終えた位置に巻き止めます。すると写真の様な感じ。左側に伸びたウイングはバッタっぽい羽根の感じにカットしてください。アイ側に伸びたあまりのスイスストローも綺麗にカットしましょう。
ホッパー11
ウイングを綺麗に処理したら、スレッドを写真の様にアイのすぐ前まで巻き進めます。ここがヘッドとなるディアヘアの巻き止め位置です。
ホッパー11
ウイングとなるディアヘアのカラーはお好み。今回はチャートグリーンを使いました。ウイングとなる適量のディアヘアはヘアスタッカーの筒の直径の60〜70%位にしましょう。
ホッパー12
カットしたディアヘアの先端を左手で持ち、その先端から根元に向かって櫛でとかします。するといらない短い毛とアンダーファー(産毛)が取れます。この時点でカットしたディアヘアの30%位は無くなるので、スタッカーに入れる量はかなり少なくなります。
ホッパー13
ディアヘアは根元側を右手に持ち左手でスタッカーを持って、その先端からスタッカーの内筒に入れます。入れずらい場合は、ディアヘアをあまり根元側で持たず、その中間ぐらいの位置で持つと先端が広がりません。
ホッパー13
スタッカーにディアヘアを入れたら、スタッかーの尻を硬い所に10回ぐらい叩きます。この時上からマテリアルが飛び出ない様に気をつけましょう。気張って力を入れすぎたり必要以上に叩くと、「うるさい!」と、家族に怒られるのでご注意を。
ホッパー14
スタッカーを水平に持ち、そっと内筒を引き抜くと、内筒から先端の揃ったディアヘアが顔を覗かせます。この先端がバラバラにならない様に、右手でその先端を持ちます。右手で持ったディアヘアを左手に持ち替えて、ディアヘアの先端が見える様にします。
ホッパー15
巻き止めるウイング(とヘッド)の位置は、フックのアイからカットしたウイングの先端までの長さが目安です。作りたいウイング幅が左手指先端に来るように、マテリアルを何度か持ち替えて取り付けるウイングの長さを確保します。写真の様にウイングの幅が確保できたら、このまま左手をスレッド位置まで持っていきます。
ホッパー16
スレッドは最初の数回は普通に巻きとめ、それ以降はフックの真下にスレッドが来たら強く巻き止めてください。その際はボビンはまっすぐ下に引く様にしてください(ボビン先端の部分にスレッドが触れると切れやすくなります)。
ホッパー17
ヘッドがグラグラしない様に少なくとも同じ場所で10回転は巻き止めます。うまく固定されたら、ウイングの付け根に向かって(写真左方向)に巻き進めます。ヘッドとなる部分の大きさは4〜5mm程度です。
ホッパー19
ウイングの付け根まで巻き進めたら、写真左側に伸びる余ったディアヘアはカットしましょう。
ホッパー19
前に伸びた(写真右)たディアヘアは写真左側へ折り返すので、右手で押して、左手で包みまとめるように持ち替えます。
ホッパー20
左手で持ち帰るとこんな感じ。スレッドは現在ウイングの付け根の位置でぶら下がっていますので、その位置でこのディアヘアを巻き止めます。
ホッパー21
巻き止めるとヘッドとウイングのくびれができます。この位置にスレッドを5回ほど巻きましょう。そしてレバーレッグを2個カットしたものを、調整しながら左右に一つずつ巻き止めます。
ホッパー22
ラバーレッグは左右にシャンクに水平になる様に巻き止めましょう。ラバーレッグの長さは長めに巻き止めて、後でカットして調整します。ちなみにラバーレッグをシマシマにするには、購入したラバーレッグをシートの状態の時に定規を当ててマジックで塗れば写真の様になります。
ホッパー23
最後に同じ位置に4×8mmにカットしたオレンジのフォームを巻き止めます。巻き止め終わったら、この位置でハンドツイストで巻き止めます(巻きとめだけ動画で撮ってアップしようと思ったのですが、余計分かりづらいので、今回は割愛)。
ホッパー24
巻き終えたら、最後に巻き止めたスレッドの上に瞬間接着剤を一滴垂らしておきましょう。レッグの長さを整えたら出来上がりです。このフライはそんなに手順はないので、巻き慣れれば簡単だと思います。晩夏はバッタは必需品ですので、あなたの地方のカラーに合わせてタイングしてみてください。

 

 

投稿者:

Hermit55

ハーミット店主の釣行記やよもやま話です。 お店にいる時間の方が長いので、釣りよりも店の話の方が多いかもしれません。漢字変換ミスが多々ありますが、見つけならが直しますので、ご勘弁を。