忘れないうちに今日見た夢の話を書いてみる。
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私は見たこともない広い川でダブルハンドを振り回していた。流れはとても緩やかで目の前には流しにくそうな二筋の流れがあり、うまいことフライが流れてくれず幾度となく流し直している。キャストはうまく決まらないのだけれど、へなちょこに流れる何度目かのスイングでラインが走りだしロッドが大きくしなった。
あまり苦労することなく上がってきたのは、見たこともないとても大きなアメマス。私は親指と小指をめいいっぱい開き手尺でおおよその大きさを測ってみると、1メーターはゆうに超えている大物。しかし、私はこれを狙っていたのでろうか。
そんな疑問を感じたものの淡水魚で初めて釣ったメーターオーバーなので、写真を撮らなきゃという気持ちに駆られる。カメラを探すといつも入れているポケットにオリンパスのタフが入っていない。どうやら車に忘れて来てしまったようだ。ならば一緒に来た友達に写真を撮ってもらおうかと仲間を探しに河原をさまよい始めた。上流へ向かうもその景色は殺風景で人の姿がなく、下流へ降っても同じように変化がない。大きなアメマスはネットに入れたまま引きづり回していたので徐々に弱ってきている。このままではイカンと思い魚をマジマジと眺めて記憶に刻み、そっとリリースをする。アメマスはゆったりとした流れの中へ帰って行った。
「俺は確かに釣ったんだよな、間違いなく釣ったよな。」
と、何度となく今起きた事実を確かめながら左の胸に手をやると、ポケットにはiPhoneが入っていた。あぁ、何でこのiPhoneで写真を撮らなかったのだろうと悔やんでいると時間が急に巻き戻り、釣った直後の場面に戻った。あれ、何が起きたのか?
釣ったアメマスを眺めていると先ほどとは違い今度は下流に友達が見えたので、大声で叫び寄せた。
「どうだ、メーターオーバーだぞ!」と私が言うと彼は怪訝な顔をして無言でメジャーを当てる。すると魚は80センチしか無いのである。彼はそっぽを向いて笑っていた。そんははずはないと私がメジャーを当てると、やはり1メーターを少し超えている。「ほれみろ、やぱりメーターアップだ。」と言い張ると、また彼がメージャーを当てると魚は縮み80センチになってしまう。これをケンカをしながら何度となく繰り返すのである。
「まぁ、いいや。メーターを釣ったのは事実だから。」と開き直る私。大きなアメマスを眺めながら、その白いお腹をそっと撫でてみる。あれ、アメマスのお腹の感触ってこんなだったっけ? なんかいつもと違いフカフカと柔らかいぞ。
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ここで私の夢は覚めた。
そして私の右手が撫でていたものは自分の羽毛布団だった。
お後がよろしいようで・・。