モンカゲロウの乱舞を想像して出かけた信州路で完敗

釣り人というものは一度良い思いをした日の記憶を辿り、それがまた起こるだろうと信じて同じような季節に出掛けてしまうのが常。本当は駄目だった日の事を思い起こして、何故駄目だったかを推測し改善する方が次への一歩になると思うのだが、そうはならないのが私の問題点かもしれない。あぁ、今回の失敗はきっと季節のせいではありません、釣欲のせいです・・。

昨年はこの5〜8月の終わりまで、要所で出掛けた信州路のブラウントラウトハント。3年間通い続けてようやくその川が分かった気になって、今年も先だっての火曜日に出掛けたのです。それは第3火曜日なので火曜日店長の釣り研修を兼ねての釣行で、「スイングの釣りはこうすれば釣れるのだよ、ハッハッハッ。」と、簡単に釣って見せる予定だった訳。

今年もいつもの川へ到着すると、その暴れ川を抑えられないであろう新しいテトラがズラリ。まぁ、その場所を外して上下に移動すれば何とかなるでしょう。車から数キロ上のポイントへ25分ほど歩いてから入り、午前中いっぱい釣り降ってロッドへの魚信はコツンと寂しいアタリが一度だけ。昨年この季節のお昼ぐらいにはモンカゲのスーパーハッチがあったので、それを期待してドライフライを結んで釣り上がること夕方まで。虫は何も飛ばず魚っ気を全く感じる事がなく一日が終わってしまい、雑魚さへも釣れず完敗の信州路。

あ〜ぁ、往復500km以上を日帰りですぜ。帰りのパーキングエリアでは3人は肩を落とし、無言で飯を頬張るのでした。

その翌日、伸び切った髪を安い床屋で切ってもらった後、ユルユルの休日を過ごす筈だったのに、ふと気づけば車は北関東の端っこへ向かってしまった。渓流へヤマメを狙いに行けば釣る自信はあるのだけれど、相変わらずポジティブな私は本流イブニングにサクラが咲くのではと淡い期待を持って行ったのです。結果はもちろん何もありません。雑魚のヒットもありません。したがって二日続けて完タコでございます。この二日間の総移動距離は900kmオーバー。相変わらずおバカな私でゴザイマス。

信州の川
昨年のスタートは5月10日だったかな?なのでお魚は簡単に釣れるだろうとタカを括ってました。水温は13℃で問題なし。しかし虫っけがあったのは午前中の一瞬で、下れども下れどもロッドを引ったくるようなアタリを待ち続けるも皆無。
ヒゲナガカワトビケラ
草むらから1匹のヒゲナガがポトリ。おぉ、これは神のお告げ。午後はシングルハンドに持ち替えてヒゲナガを結んで釣り上がること4時間半。な〜んもありません。
信州の川
3人とも無言で流し続けるけれど、誰一人アタリがありません。何がいけないのでしょう? 納得のいく回答が見つからないまま、時間だけが過ぎていきます。
モンカゲロウのフライ
慌てて巻いたモンカゲロウのフライは結ぶ事なく一日が終わりました。イブニングの時間まで待ってもこの季節に虫がな〜んも飛ばないなんて。それも薄暗い中を叩きまわってもチビ一匹さえバイトして来ませんでしたとさ。もう完敗です。
イブニングの釣り
その翌日、体はボロボロなのに北関東の川の本流に立っていました。釣れそうなワクワク感があり、光量が落ちた18時位からキャストを開始して釣り降ります。
黄金バットのお友達
いつまでも明るいのでずっと釣り降り、ふと時計を見たらもう19時半を回っているじゃありませんか。雑魚のアタリは沢山あったものの、一本もキャッチすることがなく終わりました。こんな遅くだから水面にはヒゲナガが流れているかなと思いシャッターを切って見れば、そこには水面上を忙しく飛び回るコウモリが写っていたとさ。撃沈でゴザイマス。

萎えた太腿を鍛えるために、河原を延々と歩くブラウントラウトの釣り

季節はもう初秋。夏と間違えた蝉がまだ寂しそうに鳴く事があるけれど、大半は秋の虫が合唱し季節は移行中。そんな渓流閉幕の寂しさを感じる時期なんですが、禁漁間際のシメとしてドライフライにアタックする魚の姿を思い浮かべながら闊歩したいのが釣り人の性。実際には川面を流下する虫がいないのでその反応は薄く、一縷の望みを賭けて僕らは歩いて歩き続ける。実際のところ今の私には、川面に立っている幸せを感じていたいだけなのです。

政府の指針が変わり無症状の人は5日間の隔離生活とな。それも生活物資の買い出しOK。先月に10日間も軟禁生活を送った私が家でジッとしている時に思った事は「10日間休みがもらえるのだったら、モンタナへ旅行に行けたなぁ。」なんて、相変わらず釣りのことしか考えておりません。そしてその代償はこの春から渓流で鍛えまくった太腿がわずか10日間の軟禁生活で萎えてしまい、Gパンを履いた時にできるラインを、お尻から太腿へかけての肉をゴッソリと持って行かれてしまったのです。

私は今のようなダボっとしたGパン世代ではないので、お尻から太腿にかけてデニム生地に触れている状態でないと気持ちが悪くて仕方がないのです。なのでその太腿を取り戻すために先週は野反湖をグルッと歩き周り、今週は信濃路で今年歩き回った川へと再訪しに行ったのでした。太腿が鍛えられたかって?もちろんです。あの歩きにくい河原を日に4キロ以上歩いたのですから。釣果は納得? それは聞かないでくださいな(笑)

今回の教訓:季節の変わり目の釣りは難しいなぁ

河原を歩き回ってブラウントラウトを探す。
天気予報が外れて晴天ですが、台風の吹き返しで強風です。これはバッタのパターンで釣れるのでは?と、シングルハンドのドライフライで釣り上ります。しかし、1キロ歩いて一回で出るくらいのペースなので、こりゃ効率が悪いですな。
仮面ライダーを思い出す、河原にいるバッタ
このバッタの写真を収める為にシャターを100回ほど切りました(笑)。大きさは2〜3.5センチほど。カラーは全体がブルーグレーで、羽根を広げた時に見えるストライプ模様はなんとブルーでした。飛んでいる姿はまるでアゲハ蝶の様。その姿をスポーツモードで追いかけても、所詮望遠機能が弱いので撮れません。次回はこのバッタカラーの内羽根ブルーを巻いていこっと。 *後で調べたらカワラバッタ(ブルーサンド・グラスホッパー)と言うらしい。飛翔している動画があったので、こちらを参考に巻いてみてください。
ブラウントラウト
その後2時間近く叩いて何にも出ないので、ここぞというポイントでブラックリーチをシングルハンドで沈めてみました。アレま、あっさりと釣れるじゃありませんか。今日はまだバッタパターンの日ではないんですね。
ブラウントラウト
ある一定の水深以上あればブラウンは潜んでいる様ですが、瀬に入っている魚が少な過ぎて、ドライだと出ません。仕方なく、この後はシングルハンドで沈めて釣る事に。
秋を想わせる空
それにしても暑い。ペットボトル2本は午前中で空に。恐るべしフェーン現象。しかし、なんとなく太陽から降り注ぐ日差しは秋を感じます。
ブラウントラウト
この川の流れは毎年変わるのでそれに合わせて毎回沢山歩いてポイントを探すのですが、私の中で今年のランク付け一級ポイントがあり、なぜか今までそこで一本も釣れませんでした。が、今回はシングルハンドで沈めたら、あっさりこいつがヒット。大きさはセントリックブランクのロゴ上にある赤ラインまでだったので43センチかな。
ブラウントラウトの胸鰭
見てくださいこの胸鰭。立派な真っ黄色。今年はなんでこんなにブラウントラウトばかり追いかけ回しているのか自分でもわかりませんが、どんな魚であれ、自然河川で生まれ育った立派な胸鰭や臀鰭を見ると興奮します。
ダブルハンドの川
初日は死ぬほど歩いてドライフライでは一本も釣れず仕舞い、バッタで釣りたかったなぁ。翌日は天気予報が一日を通して大雨と言っていたので、皆さんがお好きなS川のC&R区間に入って、サクッと釣って帰ろうという算段。
うぐい/ハヤ
しか〜し流せども流せども、な〜んも手応えなし。流れているのはラフティングボートの上から学生達の黄色い声が聞こえてくるのみ(笑)。沈め方が足りないのかと思ってT7のカスタムティップまで使ってみたら、こんな小さなうぐい様。
ダブルハンドの川
お仲間は別の場所でレインボーをキャッチしたとの事だったので、そろそろ時合いだと思い真剣に流していたら、ヒット! しましたが、ジャンプ一発で2Xのティペットをぶっちぎってダンケルドと共に消えていきましたとさ。結びが悪かったのかもしれませんが、釣りたさにスケベ根性だして、ティペットを細くしたのが間違いでした。
ブラウントラウト
気を取り直して再開すると、今度は今までで最小サイズのブラウンが。よくもまぁ4番のウェットフライに掛かったものです。それにしても私はこの川との相性が悪く、まともな釣果を出したことが無いんだっけ。
ブラウントラウト
最後まで大雨は降らなかったのは良かったのですが、二日目はチビブラウン1匹で終わり不完全燃焼で終了。この秋はお店の移転問題があり、この先は連泊の釣りができないので、この川の今シーズンはお終いかな。私の本流釣りが今年は終わった感が漂い、少し寂しさを感じながらブログを書く木曜日の午後。来週からは日帰り圏内の釣りをお伝えします。

秋のトラウトは歩いた距離に比例しない

気がつくとそこには朝焼けの淡いコントラストに色付けられた高い山々に、綿菓子のような雲が添えられた場所。何かに導かれる様に着いたけれど、夏に触れた魚の感触がきっと忘れられなかったからここへ辿り着いたのでしょう。しかし場所は同じでも川原の虫たちはすっかり秋に変わってました。

先だってのシーバスで気持ちを切り替えた筈ですが、ダメ押しで川へ出掛けてみたくなったのです、それも歩かないと釣れない釣り。そもそもこの時期はヤマメを釣るのが難しくなる時期なので、それ以外の魚としてイワナではなくブラウントラウトを選んだのがここへ訪れる発端。7月に新しく開拓した場所のおかわりというか、もう一度その周辺を探って来年に向けての傾向と対策を考えようというもの。

で、まぁ二日間に渡って釣り続けた訳なのですが、やっぱり自分の思い通りに事は進まないんです。ポジティブに釣り下る私のロッドにはコツリとも当たらず、季節はしっかりと秋なのですね、激シブでした。それにしても日にどれぐらいの距離を歩いたのだろう。足はパンパンになるのは無論のこと、その距離に魚の数は全く比例せず、お魚は大きくなっているだろうという予測も見事に打ち砕かれ、「ヤマメの盆隠れ」ならぬ、「ブラウンの雲隠れ」と相成りました。

今回の戒め:ポジティブな考えを優先する前に先人の格言は肝に銘じよ。

関東圏の河川
「幸せは〜♪歩いてこない。だから歩いて行くんだね♪」私は釣りに関してはいつでもポジティブ。この果てしないラン(流れ)の先にきっと私が求めている大物がいると信じて釣り下るのです。結果は・・・(泣)
本流のブラウントラウト
釣れないことはないんですよ。しかし歩いた距離には比例しません。2キロ降って1バイトって感じかな。そんな調子の川なので人に勧められません。
関東圏でのヤマメ釣り
午前中は水温が上がりにくい事がわかったので、二日目の午前中はかなり上流へ行ってヤマメ釣り。グラスロッドを積み忘れたので、今回の相棒はウィンストン エア864/4です。久しぶりに使ったけれど、銘竿ですねぇ。
関東圏のヤマメ
この場所には前回取りこぼした尺ものがいた筈なのですが、格言通り「ヤマメの盆隠れ」。お盆を過ぎると魚は途端に動き始めて何処へ行ったのやら。産卵行動に入るし、な〜んもいません。ようやく釣れたのはこんなおチビさんだから疲労が半端ないって。
ガムシ
そして今回の昆虫採集はガムシ。ゲンゴロウに似ている水辺の生物です。
クイズ:お猿を探せ
さて、この中にお猿さんは何匹いるでしょう?隠れている子猿も多かったので、私にも正解がわかりません。河原の石をひっくり返して何かを舐めてました。
とある河川
午後はひと休憩してから、別の河川が合流する場所でウェットを流してみた。手前がクリアで奥が本流筋。チビバイトのみであとは何もなし。
ブラウントラウト
結局歩いても歩いても日に一本しか釣れません。夏はあんなにいたのにねぇ。ブラウントラウトも秋には大きく移動するのでしょうか。それとも夏の大雨で流されたのかなぁ。色々な事を推測しつつ、すでに来年の構想を考えています。

サクラマスのフライを使ってブラウンハンティング

今年は昨シーズンよりも更に釣りが厳しいと感じているのは昨年以上に緊急事態宣言が長く、普通の釣りが出来てないのが私の現状です。日常って当たり前のようでそうで無くなった時に、そのありがたみを感じる為にコロナウィルスは産まれたのかな?なんて思ってしまいます。今後ワクチン接種が進む事でこの危機が乗り越えられる事を祈りつつ、私はただ人との接触を極端に減らして釣りへ行く(仕事ですから)のみでございます。

今年は関東圏から出ないでずっとサクラマス狙いをしてきた訳ですが、結果は実らずに今期にこしらえたフライたちが余りました。もちろん繰り越して来年使っても良いのですが、シーズン前になればまたフレッシュなフライが巻きたくなるので、今のうちに消費しておきたいのです。

昨年この時期ブラウンハントに出掛けましたが、今年はその場所を変えてスイングの釣りで巻いたウェットフライをブラウントラウトに捧げに行くことに。しかしですね、初めての場所で結果はそう簡単に出るものではありません。いろいろな課題を抱えてきたので、2回目以降はその創意工夫で結果が出るのかが楽しみとなる訳です。

何もすることがない四連休を私はお仕事をしておりますが、どこにも出掛ける予定が無い人は、このブログでも見ながら失笑してくださいまし。

暑い夏の日の釣り
とりあえずチビブラウンをドライで釣っておきましょうと、少し上の方へ行って釣り始めた。最初のポイントでHさんは私の後追いだったのですが、ドンピシャのタイミングでヒット。綺麗なブラウントラウトをでっかいドライフライで仕留めましたヨ、流石です。
日本のブラウントラウト
こんな綺麗なブラウントラウトを青空の下で二人で釣りをしていると、ニュージーランドかモンタナで釣りをしているかのような錯覚に陥るのです。そしてモンタナ(サンフランシスコかも?)生まれのウィンストンのグラスロッドがギュンギュンしなってました。
放流もののイワナ
私はというとドライでブラウンはな〜んの反応もなし。それも私に掛かるのは放流もののイワナちゃん。あれ?なんか昨年と似ているぞ。ま、日頃の行いが良くないんでしょうな。
本流のウェットフライの釣り
ドライフライフィッシングは午前中で終了して本流へ移動。暑いので数時間休憩して夕方近くからスイングの釣りをする事に。本流の釣りは歩け歩け運動です。
本流のブラウントラウト
ポイントまで歩き、3投目からアタリがあった。流し方を変えたら掛かるかな?と考え、少し上流へ投げて沈める時間を長めに取ったらすぐにキマシタ。ま、チビですけれどね。それでも魂込めて巻いた殆どカラスのみ(ハーミット専属ハンターに仕留めて頂いたハシボソカラス)ウェットで釣れて嬉しいのです。
大きめのウェットフライ
カラスはウイングの部分とスロートハックル、そしてボディのダビング材にカラスのアンダーファーを混ぜました。バットにはアピールするためにオレンジのフロスとクレストのテール。真っ黒けはやっぱり効きますなぁ。
本流のブラウントラウト
その後は歩いてもなかなか出ないのと、これ以上良いポイントはない場所でもアタリが出ないので、リーダーをちょっと工夫して沈める事に。そしてようやく少しはまともなサイズがヒット。もっとも今回の目標はゴーマルだったので、サイズ的にはまだまだです。でも新しく挑戦したこの川をどう攻めるかはなんとなく分かったので、次回はリーダーからフライまでを工夫して挑みます。
本流の釣り
少しずつ空が暗くなる中で夢中になってキャスティングをしてましたが、気がつけば私の後ろでご満悦のHさん。聞けばドライで出したサイズよりも一回り大きいのがキャッチできたとのこと。私もとりあえず釣れたので、これにて納竿。空はまだまだ明るいですが、もう19時だものね。宿題をたくさんもらって嬉しいのは釣りだけかもね、次回が楽しみ。

妄想が止まらない 2

台風一過の後は晴天下での釣りを予想していたけれど、残念ながら一日中雨予報。では海はとみればウネリが強すぎてとても出来そうに無い。う〜む、こうなったら妄想フライフィッシングといきましょうか。

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遅い出発だったが、出掛けたのはとある湧水が湧き出る湖。昨日の台風の影響はまだ色濃くあり、水位は少し上昇。頭上の雲は慌ただしく、時折太陽を覗かせている。湖に目をやると雨の影響で水温が下がったのと、まだ気圧が低いせいもあってか、トラウトのライズがかなり頻繁にある。特に湖に流れ込むインレットでは魚が集まり多くの魚がライズしている、気持ちがはやる。

先日購入したばかりのファーガスのファインループはまだ一度しか使用してないので、フッキングの感覚を養うためにロングキャストが必要なこの状況ではあるが、あえて6フィート4インチという短いロッドでチャレンジする事に。

最初に結んだクリンクハマーはインレットの流れの筋に入り、ファーストキャストですぐにフライへの反応がありヒット。サイズは25センチだがロッドの柔らかさからそのファイトは40アップさながらである。幸先が良いと次のターゲットに品定めをしていると黒雲が突然に広がり稲光と共に雷鳴が轟く、一時休憩タイム。

車へ戻って10分程、天気は目まぐるしく変わる。さっき迄の黒雲は遠のき太陽は湖を照らし、再チャレンジの時間である。このインターバルに湖の雰囲気は一変し、同じフライでは反応しなくなった。フライローテーションを幾つも重ねるも、たまたまのヒットはあってもフライが合っている感じがしない。幾つ目の交換だろうか、ふと思う節がありフライをアダムススタンダード14番に変えてみた。

湖の周りを魚に気付かれない様にそっと歩き進む。すると岸ベタのポジションの岩陰に隠れてライズするブラウントラウトの姿があった。このロッドでは少し柔らか過ぎる感もあったが、今さら車まで戻るのはもどかしいので、先程結んだアダムスのままトライ。強風に煽られてブラウンの鼻先はなかなか落とすことができないが、一瞬の無風を捉えてシュートしたフライは4度目にしてブラウンの目の前へ落ちていった。そのブラウンは何の躊躇もなく食いついた。ロッドが大きくしなり、しばしの格闘の末ランディング。これぞブラウンハンティングである。その後アダムスは神がかった様に釣れ続けるのであった。なんて素晴らしい湖なんだ、朝霞ガーデン。
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こうやって書けばなんか朝霞ガーデンもドラマティックかな。短い時間で凝縮した内容を楽しんだ3時間でゴザイマシタ。

UBF LIQUIFY-X DRY FLY FLOATANT
3時間という時間を有意義に使うため、フィールドテストやロッドの癖などをチェックするのにも役立てました。この後ろに映るフロータントは、そのうちウオソウさんから発売されるフロータント。シリコンや有機溶剤を使っていない100%性分解するフロータント。環境を意識したアングラーにオススメ。使用感は少し硬めのペースト状でつけたときの伸びが良い。メーカー値では4倍の持続力となっているけど、それは少し大袈裟かな。でもこの温度でもテロテロにならないペーストタイプはなかなか無いので、使い心地はよかったです。
ペーストの伸びが良いのでそのまま使うのが正解。でもポッカリ浮かせたい人はその後にドライシェイク(後方に映るボトルは違うメーカーだけれど、中身はドライシェイクです。人とかぶらない様にしているだけね)を施すとポッカリ浮き、そしてペーストの粘度の高さからパウダーが落ちにくいので、その持続性が得られます(ドライシェイクプライマーみたいな使い方)。
レインボーをひとしきり釣って飽きたので、人が少ないので岸際をそっと歩きサイトフィッシング(ハンティング)。人がいないと際には落ちてきたものを選別してライズする魚たち。今回はブラウンだけ選って釣ってみました。流れは矢印方向なのでダウンストリームの釣り。そすればティペットが太くても喰ってきますヨ。但し、ラインにスラックを入れて流れと同じスピードで流し込む事が必要。
ファインループはとても柔らかいので、何を掛けてもロッドは満月。楽しいですなぁ。
岸際のブラウンハントは2匹でおしまい。だって片側の一辺は25mほどしかないもの。皆さんも菅つりが空いている時はこんな釣りを楽しんでください。

ブラウンクラフト

『となりのトトロ』でメイちゃんが、オタマジャクシの事を”オジャマタクシ”と言ったり、”トウモコロシ”と言ってますよね。この一文字間違いで覚えるのは子供だけとは限りません。すでに潰れてしまった菅釣りにあった看板ですが、確かこんな感じで書いてありました。

『ガツーンと強い引きレインボー、ブラウンクラフト』

何を作るのかとツッコミたいところですが、誤字脱字のオンパレードの私がこんなチャチを入れても仕方ないですな。今回はこのブラウンクラフトが頭から離れなかったので、ちょっと書いてみた次第。

そんなブラウンクラフト、もといブラウントラウトを求めて今年も夏のひと時を楽しんできました。それにしても昨年の台風と今年の大雨で各地の河川の被害は凄いものですね。この川は下流部はかなり被害を受けています。上流部は最上流にある砂防堰堤以外はほぼ堰堤がないので、砂礫は少ない方で巨岩帯も崩れることなく健在でした。

訪れる度に渓流はその様相は変わり続けるけれど、たくましく生きる魚たちに癒された二日間の釣行を、お暇な方は覗いてくださいまし。

この川はいつ行っても大体こんな色しているんです。なので釣り人は少なめの筈なんですが、下流部の大物ポイントがことごとく壊れて砂礫の川になってしまったので、ココは結構釣り人だらけ。熾烈な入渓点争いに失敗した私たちは、空いている場所に入るしかありませんでした。
魚は出るけれども案の定、すでに過去に釣られた鈎穴がある魚ばかりが釣れます。そして私はブラウンを狙っているのに、イワナばかりがヒット。とは言うものの8寸はあるので文句なしの楽しさ。魚は渋かったので、とても小さなスポットだけで反応する状態。
普段はニコパチを撮らない私ですが、カメラを向けられたのでご要望にお応えして・・。強い流れに押されながら、反対側の小さなヨレから出てきたイワナくん。
今回は3人で入り、ポイントを分け合って釣りをしました。巨岩帯があるのであまり離れて釣りをすると事故をした時に気づかない可能性があるので、見える範囲で間隔を空けて一気に登ることはしません。
満足のいくサイズのイワナくんなんですが、私はブラウンを釣りに来たのです・・・。そういえばここ川の最上流部は禁漁ですが、かつてはヤマトイワナの生息地だったのですよね、確か。でもこの場所は全部普通のイワナです。
全員にある程度満足の釣果があり気持ちに余裕が出る頃、一人がこんなサイズのブラウンをスティミュレーター#8で仕留めた。まるで北海道じゃありませんか。この魚をみた途端に私の気持ちはエンジン全開。チビは要らないので、更にでっかいフライを投げまくります。無論二匹目のドジョウは現れる事なく私はイワナオンリーで1日目を終えました、ふぅ。
二日目は場所を変えて更に巨岩帯が点在する場所へ。入渓点からすぐの場所で#8のチェルノブイリで8寸サイズのブラウンを仕留めたけれど、前日のブラウンが頭から離れない。なのでしばらくは良いポイントだけ探っての拾い釣り。しかしその後がなかなか釣れません・・。
たまに顔を出すのですが、やっぱりサイズは全て8寸ばかり。もっともこの場所に大物が沢山いるような所であれば、相当有名になっているでしょうから、そう簡単にゴーマルサイズは姿を表しません。
こんな感じの巨岩帯の場所が続くのですが(人間がちっこいですね)、遡行する苦労が報われません・・。大物は何処に?
後追いのお仲間も大体同じサイズのブラウンくん。ブラウンは個体によりこの柄がかなり異なるので釣れた後の撮影もなんだか楽しみ。
ふと空を見上げる頃には入渓から3時間が経ち、その間に魚の姿はほとんどありませんでした。朝の外気温は20℃以下だったけれど、お昼には26℃になり汗でグッショリ。
写真ではその落差が分かりづらいですが、今季最大の高低差。そして二日目の方が難所続きなので、後からくるお仲間の様子を心配して見守ります。
結果二日目はコテンパンにやられてしまい、初日に匹敵する大物は現れませんでした。それにしてもこのサイズ見惚れてしまいますなぁ、次回にはぜひ私も、このサイズを釣ってみたいものです。

Poindexter Slough / ポインデクスター スルー・クリーク

モンタナの中にはいくつものスプリングクリークがありますが、そのほとんどが私有地に流れていて入場数に制限があり、入漁料は州券とは別払いになります。私はリビングストンで働いている時に幸いな事に有名なデピュー、ネルソン、アームストロングの三河川(どれもイエローストンリバーに流れる川)で釣りをする機会がありました。でもこれらの河川は一日1万円以上の釣り場と高額な上にハイシーズンは予約が取れないので、高級ブランド釣り場と言えるでしょう。

そんな川とは別に、モンタナ州の南の下に位置するビーバーヘッドの支流にポインデクスタースルーというスプリングクリークディロンという街があります。ここはモンタナ州の釣り券で釣りができる場所でディロンからとても近い事もあり、多くのアングラーを楽しませる憩いのスプリングクリーク。川の大きさで言えば忍野をちょっとデカくしたくらいで、日本人には馴染みやすいサイズ感。

辞書で調べるとポインデクスターは『勉強ばかりしている人(優等生)』で、スルーは『蛇の抜け殻』なので、意味は大体「蛇の抜け殻の様にくねった川で(釣りの)勉強が好きな人が集まる所」とでも言いましょうか、簡単に沢山魚を釣りたい人には全く正反対の川なんです。パブリックの河川は人が多いから魚がスレているので致し方なしかな。

ハイシーズンに行けばきっとこの川でもグリーンドレイク(モンカゲロウサイズ)やサーモンフライ(大型のカワゲラ)で簡単に釣れちゃうのでしょうが、私が訪れる時期はお店の繁忙期を避け、きまってエアチケットが値下がりする9月上旬あたり。大型カゲロウの流下はほとんど無く、18番よりも小さいフライを強いられます。いつもはPMDやBWOなどを使うことがほとんどで、今回はトライコ中心(20番よりも小さいサイズ)だったので、ライズ狙いの難しさはマックス。

ちなみに私がこの川で釣ったサイズの記録は今まで45cm止まりでしたが、今回初めて50オーバーをキャッチしたので、気持ち的にはこの川は卒業です。と言っても1匹にかける情熱が半端ない河川なので、その達成感が癖になり再訪したくなることは間違いないのであります。

この時期のマッチザハッチスタイルが滅茶苦茶難しいこの川ですが、唯一の抜け道がバッタ、ホッパーパターン。風が吹けばバンクからバッタが落ち、それを食べるブラウンが「グァボッ!」っと、ものすごい捕食音を立てて食べるのです。それを見つけてバッタを投げれば一撃、ティペットも2xまで上げられますしね。

あなたの腕がどれだけ上がったかの技試しのこの河川。ちなみにウィードが半端ないので、ニンフは役立たず。ティペットを細くすれば藻化けの術で簡単に外されます。この川で見事40アップをマッチ・ザ・ハッチの釣り方で仕留めたら私はその方にはスプリングクリーク検定1級を差し上げます。

おまけとしてのお話。このディロンという街にはパタゴニア(ウェア)のアウトレットがあります。今回も釣り時間を半分にしてお土産買い出しチームと、ずっと釣りをするチームに別れましたが、お土産には困らない街かもしれません。え?私はどっちだったかって?もちろん釣りチーム。今回は現金で$500しか持っていかなくて、お土産代はほぼゼロの私です(笑)

この川は全体の長さが短く5〜6キロほどしかないかもしれません。釣り場へのアクセス用に駐車場が数カ所用意されていて、ここが全体の1/3の場所にある上流側で、下流は2/3くらいあります。わかりにくいかもしれませんが、藻がびっしり。ティペットを7Xなんてすると、40cmが掛かっても一気に藻の下に入り、藻化けします。虫の流下が多い時間帯に行けばライズはそこら中でおきますので、人が多くても釣りにならないなんて事はありませんので、ご心配なく。
駐車場にはレギュレーションの看板がいくつかあります。この看板を見て何か変だと思った方は凄いですぞ。そう、ポインデクスターの綴りが間違ってます。ワザとなのか本当に間違ったのかは定かではありませんが、この間違った看板は数カ所あります。訪れた際には探してみてください。
今回はメイフライの流下が極端に少なく死ぬほど苦労していましたが、いくつか良いサイズを釣ることができました。
こうやってみると以前に紹介したスルー・クリークに似ているでしょ?やっぱり蛇っぽい川はスルーという名前がつく様です。今回はムービーを全くとりませんでしたが、以前行った時のムービーをつなぎ合わせましたので、その場所の様子はこちらをご覧ください
シムスのウェーダーはグラベルガード部分に大量の雑草の種が付着します。他の場所に持ち込まない様に、釣りが終わったらこの場所で綺麗に除去しましょうね。
ドッパーンと水面を割ってでた50オーバー。対岸の沈木の下へ逃げ込み、そこから引きずり出すのに大変な思いをしました。やっぱりここのドライフライゲームは最高!
一箇所だけ物凄く大物が固まっている場所があって、1匹釣ってはポイントを休ませながら楽しんだ今回。いつもだったら、そのほとんどが20cmほどの魚ばかりなんですが、こんなこともあるんですね。次回に向かってタイイングの宿題もたんと持ち帰り、やっぱりこの川を卒業する事は永遠になさそうです。私は一生釣りの勉強を続けます(笑)

ミセス・シンプソン

ミセスシンプソン

昨日タイイングしている最中にコックフェザントのボディスキンを見ていたら、急にミセス・シンプソンが巻きたくなったので巻きました。このフライが日本でメジャーになったのは私の記憶では西山徹さん辺りが日本に紹介していたからの気がします。随分と昔の話なので間違っているかも知れないので、まぁ、信じないでくださいな。

ニュージランドの必携パターンとして有名なこのフライ。グーグルに『ウォリス・シンプソン』と入れればこのフライの由来となるお方が出てくるので、興味がある方は歴史を学んでみてください(私は全く興味がありませが、それだけ魅了されるフライという意味)。

さて、そんなフライ。ちろん私も雑誌の影響を受けて巻いてたひとり。このパターンはニュージーランドのブラウンキラーと言われていたので、持っていった先は本栖湖と同県のK川そして芦ノ湖です。その成果は芦ノ湖とK川はそこそこのブラウンをこのフライで釣りましたが、未だ本栖湖で火を吹くことはありません。

オリジナルのレシピは忘れましたが(テールがスクイレルテールだったと思う)、ウイングに使う雉のグリーンバックフェザーは何枚が正しいのか?というのを当時は酒を飲みながら論議していたことをふと思い出しました。

せっかく巻いたので、どこで使おうかな。やっぱり本栖湖で釣りたいですねぇ、でっかいブラウン。でも今では夢の夢で、オオニベと同じぐらい難しいことです・・・。

Hook:D-Hook 2421・#6
Tail:カーフテール &雉のバックフェザー
Body:オレンジシェニール
Wing:コックフェザント グリーンバックフェザー(全部で6枚)
Thread:ダンビルマスタースレッド・ブラック
*オリジナルのレシピではありません。

茶鱒への憧れ

フライフィッシングの対象魚で1番人気は私的見解では多分ヤマメだと思うけれど、北海道ではダントツ、フルパワーのレンボートラウトが人気。本州の人たちは尺ヤマメ(アマゴ)を求めて東奔西走するけれど、関東でレインボートラウトの人気がない理由は、ニジマス=管釣りで釣れるイージーな魚というイメージが色濃く、そして自然再生産している河川がほとんどないからだと思います。

私はFF人生の40年近くを本栖湖へ通いブラウントラウトの影を未だ追いかけ続けている人間ですが、湖の釣りを中心とする本州のフライフィッシャーマンならその人気は多分ブラウントラウトへの憧れが強いでしょう。その理由は関東圏で釣れる魚の順番では数がそれほど釣れないからだと思います(近年中禅寺湖はC&Rの効果も手伝って、随分と釣れるようになりましたね)。そしてなんとなく面構えは強そうでカッコイイといのはブラックバスも通ずるところ。

さてさてそのブラウントラウトですが、関東圏では80年代から数カ所で自然繁殖し現在でもある一定量のストックがある川があります。私がこの場所で最後に竿を出したのが1990年代半ばだったので、その後どうなんでしょう?ということでその川へ久しぶりの釣行が昨日のこと。前日との気温差で魚がびっくりしたのか虫がびっくりしたのか、河川は虫と魚の反応が極めて低い状態。本命の茶鱒は数本しか釣れず、その代わり遡上系のアマゴが数本釣れるというのは初のこと。ここはイワナの生息域のはずなのですが・・・。

平日釣行ができる人たちを引き連れて、十数年振りに訪れた川。歩いた距離に反比例して釣れません。虫っけが全くなかったのが原因?
本日写真を整理してわかったことが一つ。今回はWinston Boron Air 8ft6inch4番を持って釣りをしていたつもりだったが、間違えて9ft6番に4番ラインを乗せて釣っていたことが判明(笑)。お恥ずかしい・・・。

 

フライはライムトルード。虫で言えばブナ虫のイミテートになるのかな?
フライラインが引っかかりそうな木の真下にいました。

 

夕方までお昼寝して入った本命ポイントは、なぜかアマゴが・・・。この川で初めて釣りましたヨ。
「渋いライズはアマゴだよ。」と教え、皆にはフライサイズを下げてもらうように伝えると、すぐに良型アマゴをヒット。ブラウン狙いのはずだったんですが・・。

 

真っ暗になる頃にようやくチビブラウンが反応するのがやっと。久しぶりに真っ暗になるまでロッドを振り続けたとさ。