思い出にひかれて再訪した新潟は妄想の釣り旅に

松任谷由実の「カンナ8号線」という曲はご存知?

2番の歌詞がこんな感じなんです。

♪〜
カンナの花が燃えてゆれてた 中央分離帯
どこへ行こうか待ち遠しかった 日曜日
いつか誘って昔のように 笑い転げたい
うらまないのも かわいくないでしょう
だから気にせずに
〜♪

ユーミンが失恋ソングをポップにさらりと歌うのですが、この曲を初めて聴いた時に国道8号線の中央分離帯にカンナの花が咲いているのだと思い、それを見たさにオートバイで独り8号線を目指したのです。当時学生だった私は各地にツーリング(釣〜りんぐとも書きます)へ行っていたのですが、気がついたら国道1〜10号線のうち、7と8号の全線を走ったことがないので、7号線の途中あたりから京都まで目指したのでした。後にこの歌に出てくる8号線は環八だという事が分かり私の妄想だった訳ですが、夏の終わりにRD400と一緒に走ったツーリングの旅は今でも忘れません。今思えばその時は失恋した直後でそんなセンチな気分だったのかもしれません。

単に新潟繋がりで昔話を少ししてみたのですが、今回訪れたのは国道8号線よりはずっと東京寄りの場所。相変わらず釣りに対してポジティブな私は台風の影響が少なそうな場所を探し出してお天気と相談し、「これくらいの増水だったら今までの渇水を相殺して、お魚は入れ喰いになるんじゃない?」とおバカな妄想と期待を膨らませたのでありました。

写真の少なさから昨日がどうだったかはあらかた察しはつくのですが、お暇な方は以下の写真をご覧くださいまし。

新潟の渓流
そもそもあれだけまとまった雨が降った後だから釣りは止めれば良いのに、ついポジティブな考えがよぎってしまうのですな。行ってみれば増水は15センチほど。むしろ夏前の平水ぐらいだから、気分はルンルン。でも、周りで鳴くのは秋の虫達なので、一気にセンチメンタルに。
大堰堤
一本めの川は前回の新潟旅では入らなかった川。最上流部へ行かず少し下流からの入渓でイワナ狙い。
ノコギリクワガタ
今までの水位のラインが渇水だとわかるラインが石にくっきり。それを見るととても良さげな流れも、ついこの前までは流れがほとんど無かった事が分かる。なので、ある程度以上水深がある場所とその前後だけをずっと叩き上がる。そして最初の獲物はノコギリクワガタでした😆
新潟の渓流
3人で釣り上がって1本しか出なかったので川を変えて今度は人気河川へ。すでにお昼近くなので、きっと上は釣りの車でいっぱいだろうと思い、あえて入渓のしやすい下流部から入渓(車だらけでした)。私は彼らにこのポイントを任せて、上流にある大堰堤まで一気に歩いて行った。
大堰堤2
この大堰堤を巻いてさらに1キロほど上がれば、前回尺イワナを見つけたポイント。気持ちはそれを仕留める為に、単なる沢登りとなってしまった。前回はアプローチの仕方が悪かった為にすぐに逃げてしまったのだから、同じ轍は踏まぬと再チャレンジ。しかし居ないんです尺イワナ。じっと待って出てきたのは7寸ほどで、そやつでさえも最初の一投でフライを見切り、二度と浮いてきませんでした、トホホ。
チビイワナ
こうなったらなんでも良いから一本をと、オデコになった事がない河川へ行ってみれば、上流にあるダムからの放水で釣りどころでは無い。右往左往した結果、本流筋で一番入渓しやすい場所ならば、放流ものがすこくらいは残っているだろうと入りました。そして一投目でようやくおチビさんが顔を出してくれた。
川の合流点
この調子で沢の合流点で狙えば大物が出ちゃうかも?なんて、思いながら上を目指しやってきた合流点。色々と投げては見るものの全くの無反応。そして気がつけばもう17時半を廻っていた。帰りを考えて慌てて撤収し車へ戻りましたとさ。昨日は釣りというよりも藪漕ぎと沢登りを楽しみに行ったようなもので、秋の気配は物悲しさを感じる1日でありました。そろそろ湖とシーバスの準備かな。

お盆明けの洗礼は堰堤を10基高巻きして1尾

今年のお盆は猛暑が手伝って川や海で泳ぐ方が多かったものだから、先祖に呼ばれて亡くなってしまった方のニュースが多かった気がします。実は我が家の愛猫もこのお盆の最中に亡くなってしまったので、それ以前に飼っていたペット達に呼ばれて逝ってしまったのか、長寿を全うし往生しました。現在の私は1番の話し相手を失い、心のどこかがポッカリと穴が空いてしまったようで、少しだけボーッとした日々を過ごしています。でも何もしないと気が滅入ってしまうので、いつもの様に源流へ赴むく事にしました。

この時期はやっぱり南アルプスか北アルプスを分水嶺とする標高の高い川を主として釣りへ向かうのですが、その中で私がお気に入りとして通うのは8河川ほど。昨日はその中でも今年は初めて訪れる某河川。

天気予報は連日の様に「午後は雷か夕立」と報じているので、午前中勝負で出かけた甲信越地方。いつもより早めに到着したその川は、連日の夕立のおかげで水位はやや多めで若干の笹濁り。コンディション的には凄く釣れそうな感じ。

以前訪れた時と同じ場所からスタートし、天気が悪くなるまで釣り上がろうと決めた僕らはポイントを的確に攻めて上がるのですが、私には岩魚の反応は一向にありません。30分が経ち、1時間が経ち、気がつけば堰堤を幾つも高巻きをして、かなりの上流部に到達。そしてそのまま5時間が過ぎても岩魚の影さえも見る事もなく、フライへのアタックが一度も無し。

やっぱりお盆明けは厳しいのだなと、釣りを半ば諦めて腰を下ろしおにぎりを頬張る私。マイナスイオンをたっぷりと浴びながら、青い空の向こうに行ってしまった愛猫との思い出にゆっくり浸れたので、今日はオデコでもいいかな。

いつもよりも太ももを酷使して最後の堰堤を高巻き、その上にある小さな巻きのポイントへフライを落とすと、最後の最後にたった一度だけイワナが姿を見せてくれました。ひと休憩入れた事で肩の力が良い感じに抜けて、釣りたいオーラが無くなった事がよかったのかな、イワナに感謝。

退渓する時に感じたことは、蝉時雨はいつの間にか穏やかにフェードアウトし酷暑のピークはすでに過ぎた事を感じた昨日の事です。

フライウェイトウェーディングシューズ
左はおよそ一年前におろしたシューズで、ソールは無くなり今にもはげ落ちそうで、側面には穴が空きソックスが見えてます。右は新調した同じ靴。酷使するので来年の今頃は左の靴と同じ状態になっているでしょう。
おんぶバッタとバッタ
河原を歩くとバッタだらけ。こりゃホッパーで入れ食いだな!なんて楽観的になっていた私。しかし源流用ホッパーボックスをもってきていなかったので、手持ちのホッパーは一本のみ。
マダムXグラスホッパー
先に行った後輩は入渓してすぐにホッパーパターンで最初の一本をキャッチ。それに続けとホッパーを結んで叩きまくる私ですが、あれまイワナはどこへやら。
甲信越の川
写真だと分かりづらいけれど、落差は15m以上。場所によっては二段堰堤になっていて、さらに高い堰堤もあります。この川は熊さんに良く会うので、皆さんもその対策は万全に。
甲信越で釣り
ポイント撃ちの漏れがない様に、私はゆっくりと遡上し丁寧に一つ残らず攻めた筈なんですが、退渓寸前まで岩魚の生命反応は一切感じる事がなかったので、普通に沢登り状態。堰堤や滝を高巻く度に太ももの筋肉を酷使している事がわかります。
堰堤
黙々と登るだけだとつまらないので、時にシャワーに近づきその飛沫を浴びて涼みます。
ニッコウイワナ
今日はオデコで帰ろうと思った退渓間近な頃にようやく出た。サイズ的には満足のいく1本。フライはライツロイヤル#10でした。
尺イワナ
この個体もすでに釣られた針傷が反対側にあり、お盆には多くの方がここを訪れたことを物語っています。
源流釣り
気がつけばこんなに上まで来たのかと思うほど、いつもよりずっと長い距離を遡行した二人。帰り道は途中まで川通しでその後は林道を延々と歩くのですが、車に近くなるまで蝉の声は一切なし。車を置いた場所がおよそ1,200mで釣り終わりが1,700m弱。

人混みが嫌いな私は避暑地を求めて山へ分け入る南アルプスの旅

先週の隅田川の花火は盛況だったようですが、今週は戸田橋花火大会なので週末は晴れであることを願います。この花火大会はいたばし花火大会と同時開催なので荒川を挟んで両岸から打ち上げる迫力満点の花火。最近は音楽とシンクロさせて演出され、昔と違ってお洒落なショーを見ているような感覚です。

私の家はこの花火大会に近い場所にあるので、仕事を終えるとその人混みの中を抜けて帰宅するわけですが、私は見知らぬ人の数に圧倒されて、人混みの中でひとりぼっちの寂しさを感じてしまうのです。日々の生活では通勤電車の中で知らない人々に揉まれ、この人々は自分との繋がりが全くないのかと思うと、侘しいとも感じます。

そんな私なのですが、山へ分け入り一人ぼっちでいる時は寂しさを感じる事は全くありません。その訳を考えても理由はよく分かりませんが、少なくとも自然の中でボーッとするひとりの時間は私にとっては心が安らぐとても重要な時間なのでしょう。

関東は連日の酷暑日と熱帯夜。毎週の釣行は暑さが募る度にその行き先は標高が高くなっていきます。先週は1,000mと少しだったので今週は1,500m付近まで行こうかな、と南アルプスへ。その場所はかつては自分の車で行けたのですが、20年ほど前からマイカーは規制されて入れなくなり、現在は登山バスでの入渓のみになりました。

さてさて、今週も涼しさを伝えられるかな?

お暇な方は以下写真をご覧くださいまし。

北岳登山道入口
北岳といえば標高3,193mの富士山に次ぐ日本の第二高峰。この看板を見れば「あぁ、あそこね。」と分かる方がほとんどですが、河川名は伏せておきます。この場所へ辿り着くには登山バスを利用する2ルートがあり、今回は家から近い方のルートを選択。家から遠い方のルートを使う場合は入渓点が下流部になります。この川は流程が長いので、好きな場所は人それぞれ。上を目指すものはテントを背負って二泊三日だったり。私はジジイになってので、ほどほどの場所でやるようにしてます。
北岳へ向かう吊り橋
この橋を見てどこぞの漫画に出てきたなと思った貴方、その場所です。本来はここからさらにバスを乗り継ぎ上を目指すのですが、2019年の台風による崩落以降はこの上の林道は復旧の目処はたっていませんので、乗り継ぎバスはありません(徒歩でも通行できません)。現在、上を目指すには長野県側から入るしかないのです(もしくは川通しでずっと釣り上がる)。
カメムシ
この川はバッタがすごく多いのでホッパーパターンを持参しますが、バッタ以外にカメムシも沢山河原に飛来してました。サイズは野反湖のものより若干小さいくらい。バッタの方は写真を撮らせてくれないので写真なし。
hopper
大きさでいうとTMC5212のフックで10番サイズぐらい。なのでボディサイズは2センチを超えるので結構大きめです。風が吹くと落っこちてスプラッシュライズが見られます。
ニッコウイワナ
現在は入渓点が限られるので、お魚はスレスレ。なのでいかに人が狙わないような小さな場所へフライを落とすかが基本。「イワナは岩を釣れ」を思い出しましょう。ホッパーパターンを使えば岩魚のサイズは平均8〜9寸半くらいで、今回は尺は出ませんでした。
南アルプスの川
真っ青な空に深みを増した緑。その谷間を流れる川。いつもは足をずっと突っ込んでられないほど冷たいのですが、今年は入ったままでも大丈夫。でも外気温が25℃なので、泳ぎたい気分ではありません。
イワナ
スレスレの場所なので、でっかいイワナはチェイスするのは一度だけ。それもある程度深みがある場所で、大きなフライをキャストしてアピールしないと浮いてこないのです。
イワナ
大きいフライばかり投げているとバイトはあってもフッキングがしないので、浅い場所では14番まで落として釣れば、一回り小さいサイズがバンバン出ます。なので釣りたくなったら14番のアントやパラシュートを流すのです。
南アルプスの川
川へは遅くに入ったので他の釣り人を後追い状態。なので、いつもよりもずっと丁寧にそして小さなポイントも全て流して進みます。そのおかげでイワナの顔は沢山見ることができました。
ホッパーで釣る
一つのホッパーで釣り続けていたらヘッド部分がボロボロになってしまったので、色を変えて2番バッターのバッタに交換。大きいフライはすこぶる反応が良いのですが、掛からない個体も数多くあります。
突然の雨
山の天気は何があるか分からない。突然の土砂降りは私が雨男であるからで、天気予報は1日を通して晴れと言っていたのに・・。雨が降れば体が冷えてしまい、長袖1枚で入渓したことを少し後悔したりして。
イワナ
喰いっけがある個体はやっぱり投げにく場所で釣れるんです。そんなヤツは狙われてないからフライをバックり。帰りのバスに乗り遅れると大変なことになるので、あと1〜2箇所やったら帰りの準備。
イワナ
丁寧に攻めたので距離はさほど進んでいませんが、キャッチは多分25〜6本をこえたかと思います。この上に大物ポイントがあるのでゆっくりと狙いたいのも山々ですが、後ろ髪を引かれる思いで撤退。帰りは石和〜大月で大雨に遭い、事故にならないようにゆっくりと帰りましたとさ。

フライフィッシャーマンの特権であるマイナスイオンを浴びに、南アルプスの川へ行く

関東圏は軒並み38℃以上の最高気温がズラッと並び始めた途端、ご来店するお客様の足はパタっと減りました。そして通勤時間帯はかろうじて蝉が鳴いているものの、昼間は暑過ぎるのか、やかましい鳴き声はさっぱり聞こえてきません。この50年間でホントに夏の様子が変わったことを実感してます。なので、年々自分の考えていたパターンがハマらなくなってきてしまい、頭が硬い年齢に入ってきたのに柔軟に考えなきゃならんのです。

さて、先週は歩け歩けの9時間無休憩の釣行。今回は余りの暑さにもう少し標高の高いところへと行かないと、気分的に私が参ってしまいそうなので、プールにでも行く感覚でシャワークライムに行くことにしたのです。

源流のお魚は水温が上がらない早い時間はあまり喰いがよく無いので、現着6時にしてそこから川伝いに2時間ほど歩いたから釣りを買いしようというのがいつものパターン。そう考えるのもこのこの気温じゃ改めなきゃならんかもしれません。そしてこの時期はエサ釣り師は鮎釣りに興じて渓流は空いているものなんですが、最近は若い方の源流釣行が流行りなので、予定通りの時間についても車止めには2台の他府県ナンバーの乗用車。隣りの川へ逃げようかと思ったのですが、その移動だけでも40分以上は掛かるので、そちらで後追いになったことを考えると、このまま入渓した方た得策と判断。いつもならば釣りをせずに1時間以上遡上してから釣りを始めるのですが、今回は入渓して15分ほどだけ歩き、そこから後追いで上流を目指すという事に。なので釣りと言うよりは堰堤や滝についたら、水浴びしてしまおうというマイナスイオンを浴びる感覚を楽しんじゃおうかな。

気がつけば堰堤と滝を合わせて8個も高巻きしたので、本日は珍しく筋肉痛。暑い日が多いので、少しだけ皆さんに涼が届けば嬉しいです。お暇な方は以下をご覧くださいまし。

南アルプスの渓流
こんなに下流部から釣りを始めるのは久しぶりだなぁ。だけれどもつい15年前はこの辺が尺サイズのポイント。早々始めようと思ったら、なんとメインのフライボックスを忘れてきました。この日のために巻いたのに😭 手元には小さいフライ中心だけれど、まぁ丹念に攻めればなんとかなるでしょう。しかし時間帯が早いせいか全くもってこの場所は無反応。むむむ・・・。
渓流にある堰堤
写真だと迫力が薄れちゃうけれど、15mくらいの落差はあるかと思います。堰堤下に近づいてフライをキャストすると、フライは飛沫ですぐに沈んでしまい全身びしょ濡れ。そんな状態ってマイナスイオンを浴びている事になるのでしょうか?
ストーンフライ(オニチョロ)
この場所で標高は1,000m以上ですが、ストーンフライの抜け殻が多数あり。俗に言うオニチョロですな。しかしこの暑さのせいか水面には虫っけがありません。チビは結構見えるのですが、フライには全く持って反応なし。
大きな堰堤
堰堤と滝を数個を高巻きしたところでようやくフライへの好反応。でも使えそうなフライがほとんどないんだよなぁ。手元にある中で一番大きなコンパラダンを結びキャストすると、ポイントの肩から出てきた9寸サイズ。ヒットするも、そのまま下流の下泡に流されてプッツン。少しは魚のやる気が出てきたかな。
上を目指して歩く
暑さのせいなのか、ポイントの肩から出てくる個体は少なく、荒瀬のシラ泡の中から飛び出るヤツの方が多いんです。しかし流れが強いから喰い切れず、かといってフライが小さいからなのか、同じ場所を何度流しても出てきません。
源流のアマゴ
フライボックスを今一度確認すると、一本だけ前回使っていたブナ虫のパラシュートパターンが出てきたのでそれをチョイス。いつもより太い流れを丹念に流していると、岩陰の反転流に魚の形をした白い石らしきものを発見。アレは石だよなと思いつつもキャスト。その反転流にフライを流し込むとパックリと喰いついた石。白石ではなく魚でございました。
フィッシュポンドのベスト&パック
今回、いろいろなものを忘れてきた原因は新調したフィッシュポンドのリッジラインテックパックの為。いつものベストに入っているものを全て入れ替えたのではなく必要なものだけ移行したら、粉のフロータントを忘れたり、フォーセップがなかったり。今一度確認して、次回はこっちのベストを完全武装にします。
滝
その後に尺モノが2本並んでいるポイントがあったのだけれど、なかなか喰わせることができずキャスティングポジションを変えて攻めようとしたところ逃げてしまいました。結果あとはチビを数本追加したのみでこの滝で終了。いつもならこの上にあと滝二つ行ったあたりまで行くのですが、今回は後追いということもあり、午後は雷様予報も出ているので、雷に遭わぬ様に帰りの時間を考えてやめました。もっとも独り釣行だから、この後の高巻きやヘツリはチト危ないしね。
アマゴ
帰りは要所要所で釣具を陸に置いて滝壺へザブンと入りクールダウン、びしょびしょで戻る方が涼しいですヨ。それにしてもこの場所で寒いと感じないのは30年前ではありえない事なんです。そして車へ戻ればさらに気温が上がり、帰りの道中は外気温計が41℃を示していた、昨日の事です。

ジジイになった証なのか、源流釣行の帰りにこむら返りが頻繁に起きる件

日本でフライフィッシングを楽しむ方々の平均年齢をハーミット的に考察すると60〜65歳ぐらいになるでしょうか。年々お店へ訪れるお客様の頭は白くなるのですが、それに伴って病気の話をする方が多くなっています。腰が痛いや肩が上がらないなどから始まり、どこぞの病院は良いぞなんて言う人々が多くなってきたので、ハーミット店内ではいつからか病気自慢は厳禁となりました。いや、マジな話ですよ。ここは夢を見る空間ですから、楽しい妄想を描いてやる気満々の状態でお店を後にして欲しいと願っておりますので。

さて、そんな私も良い歳になりました。どこぞが痛いなんて、痛くても言いません。しかし、歳を重ねると少しずつ釣り仲間があの世へ行ってしまい、その度に誰かに鞭を打たれたかなように釣行に拍車が掛かり、いつ死んでも後悔しないように日々釣り人生を邁進しているのです。

体幹は少し落ちたでしょうか。体力的にはまだまだ問題ありません。一昨日の釣りはひとりで9時間無休で釣りっぱなしの源流歩きですが、何ら問題はなし。と言いたいところですが、釣り終えて車に戻った後が問題なんですよ。

車へ戻り一息入れてウェーダーを脱ごうとすると、突然足が痙攣してこむら返り(足がつる)が起こるのです。その原因は大量に発汗しているのに水分の補給不足、水温からくる足の冷え、加齢からくるものらしく、50歳を過ぎた辺りからその頻度は増すと、いろいろなところに書いてあります。

以前に帰りの高速道路で、ブレーキペダルを踏む右足がふくらはぎと太ももがいっぺんにこむら返りにあってしまい、突然ペダルから足を離すこともできず、つったまま次のパーキングまで走る続ける地獄の苦痛に逢いました。

更にその後に今度は高速へ乗る直前にこむら返りにあいました。その時にふと思い出したのが昔にあった小林製薬の「コムレケア」のコマーシャル。たまたま目の前にツルハドラッグがあったので慌てて入店。足が攣った状態で定員のおばさんに腓返りの最中だと説明すると、「あらま大変ねぇ。」と勧められたのがコムレケアゼリー。水入らずのゼリー状で、服用後にすぐに聞くとのこと。オマケとして頂いたサロンパスを足に貼り、すぐにゼリーを食べると15分ほどで症状が軽くなったのです。

それ以来は車に常備している「コムレケアゼリー」ですが、苦痛を伴ってから慌てて飲むよりも川を降る際に先に「コムレケアa」を服用した方が良いかとも思いましたが、箱には「症状がある時のみの服用にとどめ、連用しないこと」と書いてあるので、事前に飲むのはダメなんですね。そもそもその原因は水も飲まずに休みなく釣り続ける無茶な釣行をする私が問題なのです。魚が思った様に釣れないと目の前の事しか見えず、気がつけばこむら返り地獄。皆さんは私の様にならない為に、気持ちに余裕を持った釣行をお楽しみください。

以下はこむら返りになるまでの一昨日の釣りの様子です。

北関東の釣り
また一人釣り仲間が減ったので、その弔いになればと出掛けた渓流。到着が少し遅かったけれど先客は1台だったので、気にせず入渓点からゆっくりと上を目指すことに。鮎が始まっているので釣り人は一気に減りましたが、魚も少なく敏感になっているので、歩いても歩いてもなかなか釣果がでません。
北関東のヤマメ
ドバッと出る大物は意外と下流部に多く、しかし普段は狙わないチャラチャラの早瀬から飛び出てくる。それも舐めるような感じで一度だけのアタック。それを丹念に攻めていたら時間が掛かるので、釣れそうなところだけ片っ端に攻めていたら、結果的に釣りが雑になってなかなか釣れない。気がつけば一本を釣るまでに3時間も掛かっちゃった。
北関東の川
もっと起伏のある石が多いポイントの方が釣れそうなんですが、そういった場所は荒れていて全く魚が出ず、むしろ何にもないペロンとしたこんな場所で魚が出てきます。それでも人気の河川なので出るのは一発だけで、フライを選んでいる感じは否めません。
ヤマメの胃の内容物
ヤマメにストマックポンプを入れて胃の内容物を採取すると、7月だとメイフライは入っていません。アリだかハチ類だかわからないのテレストリアルがちらほら。フックサイズは16番前後といったところ。
ウェーディングシューズ
このシムスのフライウェイトは使い始めて1年と少しですが、ソールはすでに殆どなく、サイドのシームが剥がれてきました。私の場合は釣行回数が多過ぎて、シューズやウェーダーが2年は持たないんですね。現場で壊れるのは最悪なので、そろそろ書い替え時です。ちなみに足がつる原因の一つとして、シューズの締め付け過ぎもあるかな。私の場合は途中で緩んでくるのが嫌なので、つま先と足首をかなり締め付けてしまうんです。結果的に血が回りづらくなり、足がつる原因になってしまいます。
ヤマメ
釣り慣れた川なので、釣果がいつも少ない場所はすっ飛ばし、上へと目指しますが、その反応は少なくて数はそれほど伸びません。
北関東のイワナ
イワナが釣れ始めたところで川を降る帰りの時間を計算すると、そろそろ上がらなくてはとなり、このイワナを最後に納竿となりました。かなり上まで来たのに合計6本の貧果ですが、一人で物事を考える時間がいっぱいとれたので、気分的にはスッキリしました。
こむら返り(痙攣・足が攣る)
そして冒頭のコムレケアの話となります。こんなパッケージで4包入り。ゼリータイプで飲みやすく即効性があります。私は車に常備していますが、こうならないためにもこまめな休憩とストレッチ。それに水分補給を忘れずに行っていれば、私のようなこむら返り地獄は起こることは少ないでしょう。でも、もしもの為にあなたも車に積んでおいた方が良いですよ。

 

中越のC&Rへ癒されに行ったつもりが、雨乞いしたくなった新潟釣り旅

『雨』というキーワードは、このブログを見て頂いている皆様には馴染みのワード。もはや雨の昭和歌謡ネタは出尽くした感があるので、今頭の中に思い浮かんだ曲は過去に登場しているから使いません。ハイ・・・。

「ハーミットの管理人は雨男なんだろう?」は、もはや否定はしません。先だっての南国釣行は全日程が大雨だったし、そもそも雨は嫌いじゃないしね。特にこの時期の雨は今後の釣行に左右するし、今時期のシトシト雨は釣り人は萎えて釣り場から減るし魚の活性は上がるので、むしろ喜んで出かける私。

今回、中越にある五十嵐川にあるC&Rへ行く気になったのは、今シーズンに入ってスイングの釣りでは全くと言って良いほど魚が掛からず、雑魚さえも釣れないのでロッドから伝わる魚信をすっかり忘れてしまいました。なのでその感覚を呼び起こそうと思ったので魚がいるC&R釣行へ足が向いたのデス。本当は7月の上旬に行こうと思ったのだけれど、「今年は水が無くてヤバイ。」という話が多く聞こえてきたので、他の釣りと振り替えて前倒しで行くことにしました。先だっての離島では雨がヤバイくらい降り過ぎてどうにもならなかったけれど、今の関東には程々の雨が降って欲しいのです。梅雨入りはいるになるのかなぁ・・。

新潟県にある五十嵐川は東京から約350kmの道のりになるので今回は一泊二日。そしてそのスタートはまたしても雨。ここのところずっと雨が降っていないので、良いお湿りで釣りには影響ないだろうと、事前情報も無しに適当にC&R区間の上の方に入ったのですが、その水量を見て愕然。ネットで見る渓相とは水量が全く違うローウォーターではありませんか。水はユルユルと流れ、スイングするほどの水量と水深がないのです・・。

そして今回も迷走の旅が始まるのでした。お暇な方は以下の写真にお付き合いください。


五十嵐川C&R(いからしがわ)
新潟県信濃川支流(五十嵐川漁業協同組合)

C&R区間:こちら(PDF)
入漁料:¥1,000

五十嵐川入漁証
東京から約350kmの場所にある五十嵐川のC&R区間。田園が広がるその上流域にC&R区間があります。その区間はとても長く、ざっと7km程度。僕らはセブンイレブン滝谷店で購入したのですが、その場所から橋が4つ上の白山橋から上流の守門川(すもんがわ)合流までの区間です(一部禁漁区あり)。
渇水の五十嵐川
C&R区間はとても長いので、どこで釣って良いのやら右往左往しましたが、あまりにも水が無かったので少しでも水がある所を探した結果、たどり着いた場所がココ。この看板が設置してある所が、どうやら放流エリアっぽいです。車を停めるのもこの看板ある場所の周辺は駐車スペースがありました。
レインボートラウト
川を見た瞬間にスイングを諦めてシングルハンドのドライを早々に始めた後輩。開始早々すぐにレインボーをキャッチ。
五十嵐川
私はというと、せっかくスイングを楽しみにきたのだからとスイッチロッドを選択。この場所からずっと500mほど降りましたが、水がユルユルすぎてスイングできず、一度もアタリは無し。そしてピックアプする時、水面に浮き上がったウェットフライに飛びつくレインボートラウトを見て、スイングを諦める事に・・。
レインボートラウト
シングルハンドに持ち替えてドライフライを浮かべれば、ハイこの通り。サイズは30センチサイズ中心しか取れませんでしたが、イブニングまで待てば深みのあるプールでお大物が出るのかな? 丹念に叩けばそれなりに数釣りが楽しめます。
ヤマメ
渇水で浅いポイントが多いので水深の無い瀬を丹念に攻めると、ギンギラギンのヤマメさんがヒット。その後はC&Rを外れて上流部を釣り歩いたのですが、水が無い上に虫っけが全く無く釣果が伸びそうも無かったのでイブニングを待たずに宿へ移動。
アパホテル
東京から距離がある場所なので、今回は一泊二日の旅。そして初めてのAPA体験。それにしてもあまりの水の無さに翌日も同じ場所をやる気にならず。この日は午前中を中心にまとまった雨が降ったのですが、中越地方はこの辺から北側はほとんど降らなかったのです。なので各河川の降水量を調べて出した結果は、東京に近い新潟エリアの方が降水量が多かったので、翌日は慣れたエリアで釣りをすることにしました。
渇水の新潟
しかし訪れてみればご覧の通り。前日に降った雨では川の渇水から回復させるだけの水量は無く、難しい展開。とはいうものの、渇水事は魚のいるところがはっきりしてくるので、問題ありません。渇水時の釣り方で気をつけなくてはならないのは、近寄りすぎない事で、いつもより距離を長めにとってアプローチが必要。更に、釣りの格言である『イワナは岩を釣れ』(岩に擦り付けるぐらいギリギリにフライを入れろ)を忘れないように。
イワナの釣り
それを頭に入れておけば、9寸サイズが釣れてくれます。入れ喰いとまではいかないとしても、ここぞというポイントからは魚の反応があります。ただし、渇水事はいつものアプローチで川面を覗きながら釣りをするとイワナはスプーク(怯えて逃げる)してしまうので、いつもよりも距離を取るのでロングレンジの上にキャスティングコントロールがとても重要になります。
新潟の川
入渓点に水が無くとも、上流へ行けば伏流して増えている場所もあるのですが、それは通っていないとわからない事。大水が出ても壊れにくいプール状の深いポイントを覚えておくのも良いでしょう。
新潟のイワナ
イワナのサイズは6寸半〜9寸までで、一本目の川では5本のキャッチ。そのままずっと釣り続けようと思ったのですが、気分を変えて移動する事に。
水が無い新潟
2本目の川はこんな感じで入渓点の水はスッカラカン。しかしプールのあるポイントを思い出してそこまで降ると、ほぼ止水に近い状態なのですが、ポカーンと浮かぶ余裕の尺越えイワナ。相当慎重に近づいたのですが、後方15mまで近づいた時に歩く音で逃げてしまいました。ガックシ・・。
新潟のイワナ
水がある上流へ移動すれば、パラダイスとはいかないまでも、やはり7〜8寸半程度がたくさん遊んでくれます。最近の傾向として上流へ登り過ぎる方が多いので、あえて入りにくい中流域を選ぶと竿抜けしている事が多いので、皆さんもそんな場所を探してイワナのフライフィッシングをお楽しみください。それにしても雨が少な過ぎる上信越地方。本日の東京は雨ですが、今日の上信越も晴れなんですよねぇ・・。お米がちょっと心配。

東京は暑いという予報なので、山奥へマイナスイオンを浴びに行った

この釣り道中の前から耳から離れない昭和歌謡。

『♪今日は渋谷で5時〜♪』(「渋谷で5時」鈴木雅之

最近は昭和歌謡を取り上げる番組が多く、それをたまたま観ていたりすると頭から離れなくなってしまうのです。もちろんおバカな釣り人である私は、この歌詞を替え歌にして車の中で熱唱してしまいます。

♪今日は河原で5時〜♪
♪仕事をサボタージュ〜♪
♪ちょうどライズは5時〜♪
♪そう今から釣りが始まる〜♪

とはいうものの昨日のメインは山奥へマイナスイオンを浴びに行くのがテーマ。余力があればイブニングは下流へ行ってPM5時から大物狙いを始めようという魂胆。

ここのところ私の遊漁管轄内は激混みであり、ブログで紹介しているせいかフライフィッシャーマンが増えてきた感じ。さらにフィネスベイトを好む若いルアーアングラーとエサ師は、夜が開け切らないうちから林道を歩いて上流を目指しているので、平日なのに人だらけなのであります。

なので、今回は林道歩き無しの河原を1時間ほど歩き登って、上流を楽しもうという魂胆。川通しで遡行する場合、車止めに先行者の車が止まっていれば諦めて他の川へ行くので、あらかじめ2本の河川を予定して出発。

少しゆっくりめに出たので先行者がいる可能性があったのだけれど、ラッキーなことに今回は誰もおらず。とはいうものの、林道は無く川通しの遡行で途中に高巻きが2回あるので、好きな人じゃないとこういう所へは行かないよね。

そしてその結果、太腿を酷使したのと充分な釣果だったので、来週の遠征のことを考えて『河原で5時』をする事なく、早々にアイスを食べながら退散するのでありました。もう少し暖かくなったら、ゲーターを穿いてもう一度行こうかな。

お暇な方は以下の写真で今回の様子をご覧ください。

今回の戒め:遠征前に行くような場所じゃないな(怪我したら遠征は松葉杖になってしまう)

高巻きの降り
残置ロープを信用してはならないけれど、あるものを利用して高巻き。一旦上がると今度は河原まで降り。これが怖い。まだ水が冷たくてとてもゲーターという気分ではなかったのでウェーダーで行ったけれど、身動きがやっぱり制限されるんです。
源流のイワナ
こんな塩梅で河原を歩いたり高巻たりしながら、入渓点から約1時間ほど歩いた所でようやくロッドを出す。すると目の前には4〜5本の8寸〜尺サイズ。それを慎重ににじり寄って狙います。ほふく全身に近い身のこなしでフライをひょいとキャストすると、イワナは何も考えずにくわえます。
胃の内容物
ストマックポンプを刺して何を食べているかを確認してみると、ドロドロに溶けてほとんど分からず、目ぼしいものはブナ虫っぽいもの。確かにブナ虫は至る所に吊り下がっていました。
イワナ
ちょっと進めばすぐに釣れるので、こんな感じで記念撮影を繰り返します。彼はこの後に尺をゲットしていました。
源流のイワナ
私はパラシュートアントやロイヤルコーチマンを中心にイワナ釣りを楽しみました。常に入れ喰いということはなく、やっぱり水温が上がり始めた10時過ぎぐらいからお昼が良い時間帯です。
アクティブハイカー
ロッドを担いで山へ分け行ったので、今回の相棒はアクティブハイカー733-6オービスのCFO III。パックロッドはベストの後ろに入ってしまうので、何かと便利です。
源流のイワナ
こうやって水中撮影してはみたものの、まだ水が冷たすぎて長い時間手を浸けることができません。この川で大物狙いであれば、今月末ぐらいからかなぁ。今回私は尺には遭遇せず、8寸半どまりでした。
滝
魚止めの滝に到着。お昼近くなのですが、滝から出る飛沫がミスト状に広がり、マイナスイオンが全開で放出されています。しかし、その冷却効果と外気温の寒さから、長袖1枚じゃとても寒くてしょうがないので、レインウェアを着っぱなし。
遠征
ある程度釣れた所で帰りの事を考えて、今回は納竿することに。でも行きに逃した大物釣りたさに、ロッドを組んだままそのポイントを目指しましたが、不発。やっぱりライズがあるのはほんのひと時で、タイミングが重要なのですな。さて、来週の遠征に向かってフライを巻かなきゃね。あれ、考えてみたら先週も遠征だったなぁ・・。

ツキを呼ぶ黄色いエクストレイルを追いかけた東北遠征

「サクラツレマシタ。」とNくんからの報告。

彼は一つの釣りにハマるとのめり込むタイプで、このダブルハンドの世界へ入る前はフライフィッシングを離れて鮎釣りに専念している時期があった。鮎の友釣りはそれこそ九州から北海道の朱太川まで釣り場があるけれど、鮎が釣れる有名河川は本流に魚が付く石が多く、サクラマス同様に海から鮎はやってくるのである。

鮎釣りをしたことがある人だと経験があるかと思うけれど、意外に鮎釣りでサクラマスが掛かるんですよ。そもそも生息域は同じだし、大きなサクラマスは大きな石から石へとポイントを少しずつ上流へ移している遡上魚。時に雨で降ったり、秋になって慌てて登ったり。鮭と違って母川回帰率は低いので、必ずしも生まれ故郷に帰るわけでもない。

そんな訳で私はどんな場所を探すかといえば、サクラマスが着きそうな石が点在する場所を探すのです。そして話はNくんの話に戻るのですが、彼はこの川でも鮎をやっていたので、上流部から下流部まで動かない石がある場所を知っているんですね。それも鮎の場合ウェットタイツで釣るので流されるのは当たり前だから、腰高の水深を気にもせずに普通の人が渡らない中洲で釣りをするんですな。そして人よりもフライが水面に付いている時間が長く、多くのポイントを探る。結果的に費やした時間に魚は比例して釣れ、彼の場合それを効率よくやってのけるのだ。

今年の私はというと、到着日にNくんに会うと、「サクラツレマシタ。」と立派なサクラマスを見せられて、おめでとう!と一言。彼は今、黄色いエクストレイルに乗っており、その車に変えてからかなり運が向いている。私は彼に二匹目のドジョウならぬそのポイントを教えてもらい、翌日からその場所へ通うこととなったのでアリマス。

サクラマスは単体で遡上するのではなく、幾らかの群れになって上がってくるのだけれど、一つのポイントで食べるために持って行ったとしても、魚が全くいなくなるという事はない。そもそも私は今までどうやって釣ってきたかという話をすれば、実はサクラマスのハネを見つけてそれを狙っていたので、常にバカっ跳ねありきのフライフィッシングでありハンティングに近い。私の個人的な解釈をすれば、サクラマスが跳ねると、それは良い場所を見つけた合図。翌日から数日はそこで過ごし、渇水になり始めるとその瀬頭のほうへ移動して次の雨を待ち遡上する、というイメージ。大水が出た時は下がる時もたまにありき。しかし、ここ3〜4年はこのハネが全くといって良いほどなくなったのである。

釣れたという場所は何の変哲もない場所。ヨレが僅かに起きているけれど、はっきりココがポイントと思える場所がわからない。なので、私はとりあえず上から順にステップダウンしながら釣り下がる。彼が釣れた時間と重なる頃、疑心暗鬼で投げていた私の真横で全身をあらわにした立派なサクラマスがバカっ跳ねをした。本当に久しぶりの出来事。これは釣れてしまうなと思い、緊張しながらそのポイントを何度も狙い続けるが、その日は何もなし。

翌日はそのポイントに集中し水温が上がり始める時間を狙って、あまりしつこく流さず、ココぞという時だけにキャストすることに決めた。虫が飛び始め水温がいくらか上がり始めた頃にスイングを開始。何投目だったろうか、ロッドティップを僅かに抑えるような感触。念のためロッドを止めてその感触を確かめると、ガツンと首を3度振るサクラマスのアタリ。リールは逆転して幾らか下流へ魚が降ったが、その後スッと抜けてしまった。掛かりが浅かったのはおそらく、完全にくわえ込む前にロッドを引いてしまった為にフライはカンヌキに刺さらず口の先っちょに掛かってしまったのである。バラす時って大体鼻先に掛かっているのだけれど、それさえ確認できずに終わってしまった。ま、これがサクラマスの釣りですな。

結果的に今回の旅はその一度だけで、雑魚や外道もなく何にも無いという徒労の5日間。雑魚さえ掛からないのは関東のサクラマス狙いと同じで、現在の本流は日本全国どこへ行っても田園が広がる下流部は虫や雑魚が一切居らず、川が死んでいると感じます。ホタルやトンボなどは全く見なくなりました。昨今言われている農薬(ネオニコチノイド)が原因かどうかは現段階で私には判断できませんが、この10年は年を追っておかしくなっているのは間違いないです。皆さんはどう思いますか?

森を歩くとクマさんに遭う。
車を止めてから川へ出るまで、結構な距離を藪漕ぎします。コレが怖いんだな。実は最終日は川へ入ると対岸に人影が見えたので、挨拶でもしようかと思ったら、人ではなく熊さんで、お互いにビックリ。するとクマさんは何を思ったか私の方へ泳いで来やがって、仕方なく車に戻ったという経緯がありました。年に一度はクマさんにお会いするのが常になってきましたが、このペースだと年に2回くらい会うかもしれませんな。
流れを下る
人気のポイントは皆さんにお任せして、私はひたすら今年の良い石を探してステップダウン。一番良い時間だけ、Nくんの釣った場所でステップダウンしてました。
ダンケルド
今シーズンも相変わらすダンケルド。問題は手持ちのジャングルコックが少なくなってしまったので、古いフライを壊してジャングルコックだけ再利用。
ダブルハンドロッド
今回の一番の敗因は、ロッドがスコットとGルーミスなのに、帽子はウィンストンキャップをかぶっていたことでしょう(笑)。きっとロッドがスネたのです。
本流は増水
東京が大雨だった後、東北もまとまった雨が降ったために50センチ増。昨日まで見えていた石は全く見えず濁りがひどいので、こういう日は気分を変えて支流へヤマメ釣り。でも今回は朝から晩までずっと本流で投げていたので、渓流に分け入ったのは一日のみです。
ヤマメ釣り
そもそもが例年に比べて渇水だったので、支流へ入ったところで雨の影響は全くなく、むしろ平水。どこへ投げても釣れる川なので、何も心配せずに適当に入渓。
ヤマメ
相変わらずヤマメはよく釣れる川ですが、今年は育ちが悪く例年よりも一回り小さい感じ。
ヤマメ
支流は田園がほぼないので、虫はたくさん飛んでいます。今回はアカマダラカゲロウが沢山飛んでいましたヨ。都会のヤマメと違いおおらかなので、どんなフライでも飛びついてくれます。おかげでエンプティボックスの片隅にある、ゴミ見たいなフライでも遊んでくれるので助かります。
堰堤
いかにもいそうな堰堤や大場所には魚がいません。ってか、いないというよりは分かりやすいポイントなのでスレていて、浮いている魚はいないんです。数釣りはいつもくるぶし程の瀬から飛び出てくるヤマメ狙い。
東北の魚
半日も釣り上がるとゲップが出る位釣れちゃうので、適当にフライを変えながらゆっくりした歩みで楽しみます。上流では時にイワナがお目見え。
ヤマメ
渓流は文句なしの東北の旅。しかし本流は関東と同じ、死の川。見た目をよくするために清掃活動をした所で、雑魚が住めない綺麗な河川なんて、私にはピンとこないかな。皆さんも現在の本流の姿を見て何か思うことがあれば、教えてください。

体調不良の時は体を整えに行く為に山奥へ昼寝しに行く?

5月に入ってからどうも体調がスッキリしない。その昔、バハマからの帰国後に食欲不信がずっと続いたことがあったが、それに似ている感じ。その時は3〜4日に一度出てくる亀のスープにあたった気がして、ずっと胃がモヤモヤが続いてました。勝手にそれが原因だと思い込み、薬局で虫下しを購入し飲んでみたら一発で治った(多分自分の気持ちの問題)という経緯があったっけ。なので今回はお酒を断ち、しばらく胃を休ませる為に胃薬と風邪薬を日々飲んでみたものの体調の改善がなく、ずっとモヤモヤが晴れない状態。

医者嫌いな私は何か改善方法は無いかと考えた末に出した答えは、「新鮮な空気を吸って昼寝でもすれば改善されるのでは?」という馬鹿げた事。私みたいなおバカは薬で治療するよりも、必要なのは自然(アウトドア)なのです。そのモヤモヤを治す為にで釣りを休むなんてしたものだから、余計体調が優れなくなり結局無理くり時間を作って釣りへ行ってみた方が調子が戻るのではないか、という事。

その結果、実際に釣りへ行ってみれば思った通り胃のモヤモヤは解消され、気分は一発で晴れました。やっぱり釣りバカに付けるのは薬ではなく、休息(癒し)ですな。そう思った先週のこと。

今週の個人的な戒め:熱があるかもと思ったら「釣りへ行け!」・気分がすぐれなかったら「釣りへ行け!」・嫌な事があったら「釣りへ行け!」・雨が降ったら「釣りへ行け!」・考えないで「釣りへ行け!」(みなさんは真似しないでください)

北関東の渓流
時間を捻出して無理くり行ったので、到着は午後。すでに先行者は車2台あったので、私は一旦降って下から良いポイントだけを拾い釣り。すでにこの時期で水は渇水気味。今年の夏は思いやられるなぁ。
沢のヤマメは少し錆びている
無駄撃ちせず釣れそうな水深がある場所を中心に攻めていくとヤマメさんがこんにちは。しかし今回のターゲットはヤマメではなくイワナ。なので、ペースを早めて釣り上がっていきます。
ヤマメの胃の内容物
胃の内容物を見るためにストマックポンプを入れてみましたが、ヒラタのニンフの他にフライングアントなどがちらほら。もう初夏が目の前です。
沢のイワナ
ポイントを瀬から巻きに変えてようやくイワナのお目見え。サイズは8寸中心で、大きめのフライに反応します。
渓流へ
昼寝をするつもりで入った渓流ですが、大物が出ないので更なる上を目指していきます。といっても、後追いなので難しいか・・。
藪漕ぎ
途中で川が遡行できなくなるので、ロッドを一旦畳んで藪の中を高巻きするも、道に迷った図。獣臭い藪の中を歩いた後は、マダニやヒルが付いてないか気をつけてましょう。
イワナ
そしてまた川へ戻ればイワナ様。勢い余ってティペットがグルグル巻き。
イワナ様
大きなプールで距離を取って駆け上がりを攻めてヒット。でも最大でも9寸までかな。
上流の風景
水が無いなぁ、とロッドを振り回すが、先行者がいる為か釣れそうもないヒタヒタなポイントでチビゲットが続く。そして、この先でようやく先行者とご対面。釣り終えて降っているところだったので、交差したポイントでようやく休憩のお昼寝タイム。とはいうものの、釣りたさに休憩は15分ほど。で更に釣り上がる私。
北関東のイワナ
帰りの道のりを考えるとこれ以上釣り上がれないので、このイワナを最後に引き返す事に。数時間かけて車へ戻れば、着いた時にはなかった別の車が3台ありました。平日で7〜10名の人がこの沢に入っているなんて、そりゃお魚はスレますなぁ。次回は雨が降った時に来ることとします。

たまには癒されたいという提案から北関東のメジャー河川に癒されに行った件

今年の私は天気には恵まれず釣行日は大荒れか大雨で増水という日が続いてます。さらにここ数年の春を振り返ると朝の気温が低く寒暖差が激しい上、なぜか夜に風が吹く傾向にあると感じており、夜のシーバスはいつも強風となる。そして雨の周期が火曜日絡みとなるので、毎回どこへ行くかを悩んでしまう。そういえば家のトイレにあるカレンダーに書かれた九星気学でいう私の5月は最悪らしいので、占い通りということの様ですな。

そんな訳で今週は私の意思で動いてもあまり良い結果が出そうもないので、一緒に行く釣り仲間に幾つかのパターンを提案をして、そのどの河川に行くかを委ねてみた。すると出てきた答えは「癒されたい。」である。確かに、ここ何週間はパッとした釣果がないので、それも良いかなと北関東のメジャー河川を目指すことにした。

で、スケジュールはこんな感じ。

その場所は標高で800mほど。まだ水は少し冷たいので朝早くに行ってもライズは少ないので、現地到着8時ごろ予定。虫が飛び始めるのはその頃からだろうから、サクッと数釣りをして昼はコンビニ飯ではなく、ウェーダーを脱いでちゃんとご当地人気グルメを頂こう。午後はその川の支流に入ってちょっとだけ山岳渓流を楽しむ。そしてイブニングはずっと下流へ移動してイブニングライズで大物を狙ってみようという、三回戦仕立て。

その内容は以下の通り、お暇な方はご覧くださいまし。

今回の戒め:私の今月は占いには逆らえない?

北関東の川
この川は私にとって今年は二回目。釣り人は多いけれど、フライフィッシャーマンの姿はほとんどありません。以前やった場所は簡単にツ抜けできるほど魚がたくさんいたので、その場所をお仲間二人に譲り、私は車を停めた場所から2キロほど降って、前回やらなかった場所をゆっくりと上がっていこうという寸法。
デタッチドボディパラスピナー
ゴールデンウィーク用に尺ヤマメの放流があったらしいのでそれに癒されようと思っていたのです。ところがギッチョンその放流尺ヤマメが強敵で、ライズを繰り返すのですがスレッスレで、ヒットさせるまでに2時間を費やす始末。おまけにランディングネットに惣菜パンを入れて歩いていた事を忘れ、ネットを取り出すと同時にパンの川流れ。それを回収しようと慌てた時にラインテンションが抜けてしまい、バレてしまいました。放流ものとはいえど、取りたかった尺ヤマメ・・・。
放流もののヤマメ
仕方なく移動して別のライズを見つけて、ようやく釣れたのがコヤツ。胸ヒレの厚い放流ものでゴザイマス・・。最初の一本を釣るのにとても時間が掛かってしまいました。
グイウー
その後はハヤに遊んでもらい、昼メシを食う時間になってしまったので、ヤマメの釣果は一本だけ。上に行った仲間に聞けば相当数が釣れたとのことで、二人の顔はとても満足げでした。そして予定していた食堂へ出向けば休業の文字が・・。こういうことが続くと、カレンダーに書かれた私の運勢が気になって仕方がない。
支流河川
午後は予定通りその川の支流に入ってサクッと釣る予定。この場所でも二人には上に行ってもらい、私は下のポイントで大物を狙う予定、・・だった・・。
チビヤマメ
しかし、お気に入りのポイントはライズは無くなんだか水色が悪い。そして虫も飛ばず魚っ気なし。仕方なくそのまま釣り上がり、今年生まれた一年生に遊んで頂きました。
モンカゲロウの乱舞
よし、三回戦で尺を狙うぞと意気込んだ私。その川の10kmほど下流にあるポイントへ移動。暗くなる前にはモンカゲロウのダンやスピナーが舞い踊るも、待てど暮らせどヤマメのライズが無い。更に得体のしれない背中側が黒で腹側が血の色の赤を纏った魚がジャンプしている。何をやっても釣れなかったけれど、あの魚は一体何? 気がつけば真っ暗になってしまったので、ヒゲナガフライをスイングしてみるも、な〜んの反応もありませんでしたとさ。
ヤマメ
結果、私は丸一日かけて放流モノの9寸弱を一本のみ(小物は数えず)。仲間たちの満足げな表情とは裏腹に、気分がスッキリしない私でありました。占いでは今年一番良くない月だと告げられているので、今月はずっとこんな釣りが続くのかな。占いなんて信じない方だけれど、調子が悪いと占いのせいにしたくなりますなぁ・・。