ウェットを嗜むフライフィッシング人口はもはや10%以下かもしれない

日本の釣り人口はかつては2000万人以上と言われていたけれど、現在では500万人程度となっているらしい。その中でフライフィッシングの人口なんてものは微々たるもので、私の肌感としては2〜3万人程度かな。こうやって私がいくらフライネタを発信したとしても、私のフライに対する熱い思いは僅かな人々にしか伝わらないのデス。

さらにこのフライフィッシング人口をざっくり分けると全体の約50%が初心者かもしくは管釣りだけを楽しむ方々。自然渓流を楽しむ人は4割程度で、残りの僅かな人々が海外やソルトウォーターのフライを楽しんでいると私は考えています。フライショップが減って始めるきっかけが無いとお悩みの方がいらっしゃいますが、幅広い知識を持った釣具店の店主が少ないのが現状で、これはこのスポーツに限ったことではないかもしれません。

川でフライフィッシングを楽しむ多くの方が好むのはドライフライのスタイルでしょうか。これはルアーのトップウォーターフィッシングと同じで、水面に浮かべた毛鉤に魚が ”ガバッ”と出るスリリングでエキサイティングな視覚が、釣り人心をくすぐるからです。もちろん私もドライフライは大好き。しかし、せっかくフライを嗜むのにウェットフライの釣り方を全くしたことがない方が、もはやフライ人口の10%も無いでしょうなぁ。1980年代後半〜90年代前半の全盛期に比べたら激減の一途であります。

そこで私はここであえて声を大にして叫ぶ。

「ウェットフライフィッシングって最高!」

一度やってみませんか?ウェットフライフィッシング。シングルハンドでも全く問題なくできるのです。というか、私でさえダブルハンドを握ってまだ30年位しか経ってないので、それ以前はシングルハンドでウェットを楽しんでいたのですよ。その魅力は、ドライは視覚での釣りに対し、ウェットはシンキングを使う湖の釣りにも似た手元にドスンと来るダイレクトなアタリ(魚の感触)。ストリーマーの引っ張りとの違いは、ラインの余りが手元に無い状態で魚のアタリを待っているので、魚が掛かればリールファイトでフライフィッシングを楽しめるのです。それが大物だったりすれば、リールはいきなり反転してドラッグ音を響かせるので、心臓はバクバクもので掛かった相手を想像しながらリールを巻くてに力がこもってしまうのです。時にニゴイやウグイ、シーバスにコイという外道だったとしても、そのやり取りをリールファイトで楽しめてしまうのだから、ソルトウォーターフライフィッシングの大物狙いと同じ感覚でリールをクリクリ巻きながら顔の筋肉が緩むのです。

さて、昨日は例によってそのウェットフライを持って本流でのそのスイング釣行は以下の通り。釣りの内容に触れずこんな話を書く時点でその様子はわかってしまいますな。でもね、夢に満ち溢れたスタイルなんです。あなたも一度で良いので、イブニングは川の流れでウェットフライフィッシングにチャレンジしてみてはいかがでしょう。分からない事はなんでもハーミットに聞いてくださいな。

草むら
昨日は1時起床でそのままダッシュで川へ行き、夜明けを待ってウェットのスイングを開始。一回キャストして何もなければ3ステップダウン(3歩下流へ降りて投げ直し)。それを10回くらい繰り返すと前回掛かったポイント。このスイングで来るんじゃ無いかと妄想を膨らませっているとリールが「ギャ!」と鳴いた。一瞬の緊張はあったものの、今回はフッキングせず。あぁ、残念。悔しくてまた戻って流し直したりしましたが、その後は何にもなし。仕方なく車へ戻るのですが、伸び切った雑草を見ると季節が進んだ事を感じますなぁ。真っ暗な中こんな雑草を掻き分けて河原へ行くのだから、熊が出没する地域じゃとても出来ないですね。
北関東の流れ
別のラン(スイングに適した流れ)へ車で移動し再び挑戦。しかし辺りが明るくなるとまるで魚信はなし。ザコからのアタリさえ無い。ハーディ ソブリンの悲鳴が聞きたかったなぁ。いい音するんですよ、このリール。
コオニヤンマのヤゴ
河原には見たこともない大きなヤゴの抜け殻。先ほどググってみましたが、コオニヤンマだと判明。河原はいつも新しい発見があります。
ブラックサンダーのバリエーション
以前は小腹が空いた時にはプロテインバー的なものを食べていたのですが、値段が高くなったので最近はコレ。セブンイレブンでは現在4種類もの味が手に入る『ブラックサンダー』。味とコスパでオリジナルが一番かな。これをかじると、つい歌ってしまうのがアリスの冬の稲妻、「ユア・ローリン・サンダ〜、 突然すぎた〜♪」てね😆
本流の釣り
午前中いっぱい色々と回ったけれど、結果何もなし。そして雨が襲来。いつもならば源流まで行ってイワナかヤマメを狙うのだけれど、午後はずっと雨予報なのとヤマメに関しては食傷気味なので早めに撤収しました。さて早く家に帰っても仕方ないのでどうしようかな・・。
フライシップロックス訪問
余った午後は競合店の調査に行きました! というのは嘘で、ここロックスはどこかで述べた様に前職が同じだったお仲間の店。前職は「J」とても言っておきましょうか(笑) そのフライJネットワークに、ロックスサーフェイスアウトフィッターズなごみがあるのです。まぁ関東のフライショップは仲が良いので、ハーミットのお隣りにある池袋サンスイさんにも私は遊びに行きますヨ。他のお店へ行くとお店のカラーが見えてきて面白いものです。

スイングブラザーズは信州にて撃沈し、旅は熊にて締めくくられる

以前に書いた新しいロッドへ魂を入魂する話なんですが、依然としてスコットのスイング1184/4が魚を釣る事を嫌がっている様に感じがします。先だっての東北遠征ではメインで使っていたにも関わらず、サクラマスを釣った日に限ってアスキスのダブルハンドを使ってしまったので、相変わらず運の無いロッドとしてレッテルが貼られている状態。というか、ここぞという時にロッドを変えてしまう私が悪いのですが・・。

そんな塩梅なのでダブルハンドでスイングの旅が続きます。前回は東北遠征でサクラマス狙いでしたが、今週は信州でブラウンスイングの旅で、もちろんスイングに魂を入魂する為。しかし今回もこのロッドには運がない旅となってしまったのです。

ハプニング1:カメラ紛失
このブログの写真はオリンパスのタフ現在はOM システム)で撮影しているのですが、いつものようにそれを持って雨の中で撮影&釣行。カメラはシムスのスリングパックのショルダー部分にネルエピックのカメラケースを付けて使っているのですが、何かの拍子に落ちたらしく探しても見つからず😭 もう一台色違いを予備で持っていたのですが、そちらは電池切れにて撮影出来ず。今回は全てiPhone にての撮影と相成りました。

ハプニング2:熊に遭遇
最近は毎年どこかで熊に遭うのですが、先週の東北では何事も無く、ここ信州で遭いました。日中はあまりにも暑く魚とのコンタクトが何もないので少し早めにイブニングのポイントを選定して入渓し、ポイントで待機することにした僕ら。その場所に着いてタックルを組んでいると、さっき僕らが歩いた土手の中腹を中型の熊が走って行ったのです。イブニングなので暗闇での退渓が嫌だなぁなんて思っていたのですが、熊が通り過ぎて15〜20分後、銃声が鳴り響きました。後で調べてみると数日前からその辺りで熊が出没し、警戒中だったとのこと。銃声が数発続いた事で少しだけ安心し?、イブニングの釣りを続けたのでした。

ハプニング3:フライラインの不良
一緒に行った仲間がフライラインを初おろししたのですが、初期不良だったらしく使えない状態に・・。こういう時に予備がないのはツライですね。ライン不良は滅多に無いのですが、釣りが満足にできないハプニングでした。

という事で、今回3日間はスイングでの釣果はゼロでドライフライで釣れました。相変わらずスコットのスイングは魚を釣る事を拒否している日々が続きます・・。写真はiPhoneで撮ったので撮影がほとんどありません(水没の不安で手軽に撮れない)。少ない写真ですが、どんなおバカな釣りだったかは、以下の通り。

信州の風景
初日は一日中雨でオリンパスのタフに収めていたので写真がありません😭 おまけに一日中スイングロッドでスイングし続けましたが、まるで何もなし。雨の影響はほとんど無かったので、ポイントの選択がダメだったのかなぁ。二日目はこの写真にある別の川に入ったのですが、この風景の中で釣りが出来ることは幸せ。
信州でダブルハンドの釣り
初日に全くの無反応だったので、ここは魂の入ったウィンストンで探ってみようという事に。すると開始早々アタリがあったのですが、フッキングせず。その後はもう一度小さなアタリがあるもののフッキングせず。相方は早々にダブルハンドを諦めて、ハルゼミが鳴いていたのでシングルハンドで蝉フライのドライフライフィッシング。その気持ちは分かるけれどまだ早いんでね〜の?、と私は思っていたのですが、なんとそのセミフライにヒット。私は一日中スイングした結果、オデコ二日目。
信州の川
三日目はさらに違う川へ行ってスコットのスイングを使いウェットフライをずっとスイング。しかし13時ごろまでやって全く何もなし。スイングの釣りはまるでダメなので、こうなればイブニングでのドライフライにかけるしかない。しかしスイングも捨て難いので、イブニングはマイクロスペイ10.6フィート3番にし、いざとなったらシングルハンドとして使い、ドライフライで釣ろうという根性なしのスタイルに変更。
ブラウントラウト
だいぶ涼しくなった17時からスイングするも、やっぱりまるで何も無し。しかしその15分後に散発ライズが始まった。だが、そもそもドライで狙う事を想定していなかったので、ドライフライがほとんど無いく、1本だけあったヒゲナガドライをチョイス。ライズする場所を数度流してコヤツがようやくヒット。オデコにならなくて良かった〜。
スイッチロッドをシングルハンドとして使う。
時間がさらに進むと、ヒゲナガのスケーティングが始まり、そこらじゅうでライズが始まった。ヒゲナガフライはぶっ壊れてしまった私は仕方なくグラスホッパーを結ぶ。しかしフライがあっていないので魚の反応は鈍い。フライサイズは同じなので、少し演出すれば釣れるかも?と、わざとドラッグを掛けて引き波をたたせると、ひとまわり大きいコヤツが釣れました。ヒゲナガライズは15分ほどで終わってしまい、今回はこれにて終了。結果、ウェットのスイングでは丸三日間、何も釣れなかった信州の旅でした。
ブラウントラウト
終わってみて思う事は、ここのブラウンはウェットよりもドライなんだなぁ、という事。以前も日中にモンカゲが湧いた時に、ものすごいライズが始まった事を思い出すと、次回は一日中シングルハンド一択にすると誓った信州のイブニングでした。ちなみにイブニングのドライフライフィッシングをたっぷり楽しんでしまったので、帰宅は午前様になってしまった事は言うまでもありません・・

サクラマス遠征の後はファーガスの里帰りの旅

私はマルチアングラーなので、サクラマス遠征に費やす時間は年に5〜7日程度で毎年サクラマスが釣れる訳ではありません。それ以外に関東圏でシーズン中にずっとウェットをスイングしている訳ですが、関東圏のサクラマスは数年に一度掛かれば良い方で、さらに釣れず。またサラマスの価値を下げたくない私は、一つの河川でサクラマスを一本釣るとスイングをやめて、翌年までその川では狙わない様にしてまます(日に2本釣ってしまった事もありますが・・)。なので私の人生はどんなに頑張ってもサクラマスはあと10数本釣れるかどうかという稀少な魚なので、釣れた時はつい目頭が熱くなってしまうのです。

今回の遠征最終日にサクラマスをキャッチする数時間前には宿のおじさんに延泊をお願いしていたので、釣れた後は宿に戻ってひとりで祝杯し早めの就寝。そして余った翌日は岩手県へ出向いてファーガスロッドの里帰りをしようというブログ的な企画を考えてました。丁度つり人社から『THE FIBER GLASS FLY RODS』が発刊されているので、タイムリーな話題になるかな?

ファーガスとハーミットの繋がりはファーガスの社長であるNくんが大学生時代にハーミットのお客さんとして来ていた話は、アクティブハイカーのインプレッションに書いた通り。 「サクラマス釣れたら切り上げて、ファーガスに遊びに行くよ。」とメールはしていたのだけれど、前日の電話で工房がお休みにも関わらず快く会社を開けてくれる事となった事に感謝デス。遠野で生まれたこのロッドはどんな所で作られ、そして地域にどう馴染んでいるのかを知りたかったのと、そして何よりもお店で話をしたことはあっても一緒に釣りをしたことがないNくんとの釣りを楽しみに岩手へと向かったのです。

ファーガスの工房は北上川水系稗貫川のほとりにあり、森とぶどう園に囲まれた緑豊かなみちのくの地。新しいロッドをテストしたければ、ちょっと車で走ればすぐに釣りができる点は、モンタナ州ツインブリッジにあるウィンストンの工場さながらである。

工房の大きさはウィンストンのバンブーロッド工房のそれと同じぐらいの大きさで10畳ほどのスペースが2部屋あり、マンドレイル(ロッドを巻くための芯金)やグラス素材をカットする作業台、ラッピングマシン、旋盤、塗装台など所狭しと並べてあるが、二人で動くには充分な広さが確保されていた。もちろん工房はとても綺麗に整理整頓されている。

ファーガスは今年5周年でその記念ロッドを製作中という事だが、すでに5ヶ月は過ぎようとしているのにのんびりと制作しているあたりは金儲けというより、より良いロッドを作るために時間を掛けていると言っても過言ではない。ま、本当は宇田さんもNくんも釣りが忙しいだけなんですけれどね(笑)。釣り好きが高じて竿を作るのだから当たり前の事なのです。

真面目な話をひとしきりした後は私の釣りの虫がウズウズ、と言うより私が使っているファーガスロッドが「魚が釣りたい!」というので、Nくんにポイントを案内してもらう事になった。遠野周辺の川は川沿いに集落が開け田畑の隙間を縫う様に流れている小規模な流れ。草木に覆われアップストリームで狙うのだが、両側の草木に阻まれるのを考えながらキャストして狙う。そんな流れに立ち、ファーガスロッドを一振り。浅瀬からは新子のヤマメ、ちょっとした深みから2年生のヤマメが沢山お目見えする。雪代がまだ収まっていないのでこれからがハイシーズンなのであるが、私が釣りを楽しんでいる以上に私のファーガスロッドがこの地で釣りを楽しんでいるかのように思えた、サクラマスとは対照的な穏やかな釣りを堪能しましたとさ。

そんなファーガス周辺の写真は以下の通り。このメーカーのロッド製作の姿勢や意気込みのさらに突っ込んだ話を知りたい方は、つり人社から『THE FIBER GLASS FLY RODS』をご覧くださいまし。

ファーガスロッドの工房の扉
ファーガスロッドが故郷に帰るの図。今回はアクティブハイカーとフォレストバムを持って行ったが、ゆったりとした雰囲気に合っているフォレストバムの7.6フィート3番で岩手の流れを楽しむことに。
ファーガスロッド
左が宇田バンブーの宇田さん。そして右が社長のNくん。将来を見据えてNくんに社長を任せたので、これからも発展しながら成長し続けるでしょう。これからの展開が楽しみです。
グラス素材
グラス素材(プリプレグ)はこんな感じでロールになっているのだが、そのまま放置すると硬くなってしまうので、冷蔵庫にて保管んされる。現在のグラスロッドは弾性率が高く軽くなっているので、昔とは比べ物にならないくらい、細くてもしなやかで張りのあるロッドが生まれる。
マンドレイル
このマンドレルと言われる鉄芯にグラス素材を複合して巻かれることでテーパーのあるロッド素材が作られる。さらにその上にテープで巻いて、それを焼き窯入れてロッドブランクになる。ロッドは巻きつけるグラス素材のカットや他の素材を複合することで、マンドレイルのテーパーと合わさってアクションが生まれるのだが、そのカットデザインは職人の経験によるもの。ファーガスの前進であるカムパネラから計算すれば26年以上も作り続けている工房なので、フライロッド作りに関してはプロ中のプロなのである。
ファーガスの旋盤
リールシートのフィラーとグリップはこの旋盤で削り出される。ちなみにハーミットでは昔旋盤を売っていた時代があるのですよ。ハーミットで旋盤を購入した方はその後に旋盤の世界にハマってしまい、最終的にフライリールを作っていた方もいました(後ハーミットフライリールの制作者になった)。フライフィッシングは釣りの楽しさはもちろんのこと、フライタイングをはじめ物をクリエイトする集団であるとも言えます。
コルク
重ね合わせたコルクとロッドを焼く為に窯の温度調整するスイッチ。肝心のロッドを焼くロッカーを写すのを忘れましたが、まさしく一般的な会社にあるロッカーで、その中にロッドを吊り下げて焼くのです。ちなみに焼くといっても焦げ目の付かないトースターみたいなもので、たいして高い温度ではありません。
遠野でフライフィッシング
私のファーガスロッドが釣りをしたいとせがむので、Nくんを急かすように工房を出て、近くの川でフライフィッシング。Nくんはアクティブハイカーを使い、私はフォレストバム。さすがロッド制作者だけあって、自分と一体化したようなキャスティングをしていました。遠野の川はこんな感じの場所が多く、ヤマメがそこらじゅうから飛び出てきます。季節がまだ少し早かったので大物との出会いはなかったけれど、私よりもロッドが岩手の魚とのコンタクトを楽しんでいました。いいな、遠野の釣り
遠野のヤマメ
この日は残念ながらとても寒く魚の反応は弱かった。それでも良さげなポイントからは2年生のヤマメが沢山遊んでくれるのです。こういった豊かな川が関東にもあれば良いのに。
トンボ
ここ数年トンボの数が激減しているので、ウェーダーで休憩するトンボを見て喜ぶ私。たまたま私のフライの横に止まってました。トンボはそこの自然の豊かさのバロメーター。いつまでも河原に沢山トンボが飛び続ける川であって欲しいです。
遠野のヤマメ
かくして、私の東北遠征は幕を閉じました。とはいうもののフライフィッシングシーズンは真っ只中。私は西へ北へとこれからも魚を求めて各地へ奔走いたします。

サクラマスに人生を捧げたNさんが星になった話(東北遠征編)

「行かないと釣れないですよ。」

そんなNさんの言葉に後押しされて私が東北のこの川にサクラマスを追いかけるようになって、早15年の日々が過ぎた。当時サラリーマンだったNさんは毎週末、東北へ向けて車を走らせ土日を釣りしてトンボ帰りするほどの釣り馬鹿であった。その年は解禁した第一週目に1本、翌週に3本、三週目に2本のサクラマスをキャッチしていたのを聞いて、「私でも釣れますかねぇ。」と、言ってみたところ返ってきた言葉が前述のそれで、私はその二日後には東北道を走ってその川に立っていた。

定年が近くなった頃には南国のソルトフライにもハマっていたので、Nさんを連れてハワイのボーンフィッシュを釣りに二人で行ったり、沖縄のマグロなんかも一緒に行っていたっけ。その後定年を迎えたNさんは余生は南の島でのんびりと暮らすよと言って沖縄に家まで購入していたのに、移住先を直前に東北のその川のほとりへと変更し、人生をサクラマスに捧げることにした。なのでこの季節はそこへ行けばいつもの場所でウェットフライをスイングしている筈だ。

先だっての月曜日からいつものようにサクラマス遠征が始まった私。いつもの場所でスイングしていればお昼頃にはNさんが現れるのだが、体の調子でも悪いのか現れなかった。徒労の1日が終わりいつもの常宿へ行くと、宿のおじさんが神妙な顔をしてNさんの訃報を私に告げてきた。聞けば3月に亡くなっていたのを知らず、つい二日前に人から聞いたとのことだった。

晩年、「サクラマスを100本釣るまで死ねない。」と言っていたNさんだが、残念ながらキャッチ数は98本と、あと2本足らず。きっと今頃あの場所であと2本釣るまではと、あの世へ行かずに粘っているのだなぁ。宿のおじさんと宿帳を見ながらNさんの思い出話で酒を呑んだが、彼が56歳にここへ訪れて20年で幕を閉じた事がわかった。

降り続く雨。そして増水。
先輩がまた一人減った事による悲しみが川面に降り注ぐ。
あぁ、今回は釣りに気持ちが入らないな。

予定の日々が何事も無く過ぎて最終日。増水はやや落ち着き、濁りは少しづつ落ち着いてきたけれど条件はまだ厳しいかな。今回は何もないまま終わりそうだと思った最終日は晴れ時々曇り。Nさんと一緒におにぎりを頬張った河原で今日は一人おにぎりを食らう。するとサクラマスに前のめり過ぎて気にも止めなかった周りの景色が一気に私の視界に広がり始めた。滔々と川の流れ、頬を伝う穏やかな風、芽吹く緑、広がる青空、鳥の囀り、大地の香り、のどかな午後。釣り以外の素晴らしさを感じ始めた時、ふと私の後ろにNさんが立っている気がした。

夕方、次のスイングでアタリがなければ延泊しようと思った時、サクラサク。穏やかな風が私の横を通り抜けていった。

くまさん
秋田県では毎日「クマダス」なる熊出没情報がニュースで流れる。前日は十数件あったので、この日は少なめ。今年も遭えるかな、クマさんに・・。
本流スイング
雪代がまだ収まっておらず、水温が低い日が続く。初日は今年の状況を探りに色々な場所を流してみる。
濁り
翌日からはずっとこんな状態。隣りの川まで出向いたり、最上流部へ行ってみたりしたが、どこも駄目。本流が駄目な時はヤマメ釣りに参じるのだが、最終的にはその渓流まで泥濁りになった。今までで一番酷い濁りでした。
稚鮎
良い事を上げるとすると今年は鮎の遡上量はハンパなく、フライをスイングしていると稚鮎がバンバン引っ掛かる。今年の夏は鮎釣り師で賑わう事でしょう。
ヤマメ
本流は泥濁りの日々なので、午後遅くはヤマメ釣りに出掛ける。しかし支流も水が多く水温が低め。と言っても、ヤマメはいくらでも釣れるのです。そしてイワナは少々。
ダブルハンドの釣り
連日、泥水を長い棒で掻き回している日々が続いたが、最終日だけなんとか濁りが取れた。でも水位は高め。ダブハン仲間のFくんは今年も絶好調で、すでに1本キャッチしている。
ダンケルド
最後のひと流しは新しいダンケルドで。この緩い流れのヨレを最後にして駄目だったら宿に帰るかな、とスイング。出るならここらへんと思ったら突然リールが「ギャッ、ギャッ〜。」と泣いた。ロッドが大きくしなり本命がヒット。しかし先週バラした北関東での悪夢が脳裏に過る。
サクラマス
河原が無く足場が高い場所で掛けてしまったので、ランディングするのも一苦労。川に落っこちそうになりながらようやくランディング。しかし水辺がないので仕方なく草むらへ上げて慌ててシャッターを切る私。サクラマスさん、ゴメン。
サクラマス
慌ててフックを外すとフック穴から血が噴き出したので、すぐにネットに入れて川に浸けてリリースを試みる。しかし腹を出してしまったので、今回は仕方なくキープすることに。魚の扱いって難しいですよね。私はいつもはサクラマスをリリースした後に宿のおじさんにサクラマスの塩焼きを夕飯にお願いする偽善者です。もっとも魚のダメージを最小限にするのであればバースレスフックが良いと思いますが、滅多に釣れないサクラマスの場合バーブレス派なんていません。Nさんは常にリリースしろと言っていたので、今頃怒っているだろうなぁ・・。
味噌汁
釣ったサクラマスはその1時間半後には、常宿にてこうなりました。残りの身は味噌漬けにしてもらったので、家で頂きます。かくして今回の東北遠征の旅は幕を閉じました。この後も色々な釣り旅へ行きますが、今年はスイングを楽しむ年になりそうです。

 

カエル顔の君に会いに行く(源流の釣りは先行車で決まる釣り旅)

関東の一般解禁からはや2ヶ月半、季節は一瞬にして過ぎ去って行く。寒かった3月、水量の多い4月から、現在は少しずつ雪代が収まりつつある関東の渓流。とはいうもののここ10年で一番雪が残っているので山頂付近はまだ白い部分が多く、今年の関東周辺の渓流は今のところ渇水の心配はなさそうです。

フライフィッシング歴だけで50年になってしまった私は、あと先を考えて最近は釣りへ行くペースが例年以上に出かけている。5月の半ばにしてヤマメの釣りはもう大分満たされたので、渓流の水量が落ちてくれば必然的にカエル顔を思い出させる、イワナに会いたくなるのです。

しかしながらなぜかゴールデンウィーク明けの林道は車が多い。思うに、「アユのシーズンが始めるまでもう少しあるから、源流へ行ってイワナでも釣るべ!」と考える同じような釣り人が多いのでは?というのが僕らの推測。なので林道を車止めまで走って先行車の車を見つけるとガッカリしてしまい、次のプランをどうするかを考えるのです。

今回最初に向かった川は今シーズン一度入った渓流。上流へ釣り上がればイワナが出るので、それを期待して行ったのですが、案の定入渓点にはすでに車が・・。場所を移動するたびに釣りをする時間が削がれてしまうので焦るのですが、今の季節は10時ごろにならないとお魚の反応が鈍いので、数カ所は探し回れる余裕があります。そして今回辿り着いた川は今シーズン初入渓。気持ちよく晴れた青空の下、林道の車止めから少し歩いてから入渓し、僕らの心を癒してくれるカエル顔のイワナに会いに行ってきました。

昨日の様子は以下の通り。まるで若者のように動き回る僕らは、イブニングは別の川で過ごす、相変わらずのダブルヘッダー。お暇な方はご覧くださいまし。

北関東の川
例年に比べると水が多いので、樹木の中を渓流の流れが複数走ってました。私は一旦降って様子を見る為に入渓点から下流へ向かい、見慣れない新たなポイントに手を出しながら上流を目指す事に。こうすることで狭い渓流でも一緒に入った仲間とある程度別々の場所を狙う事ができます。水深が膝ほどの深さを攻めていくと、大なり小なりお魚の反応はある雰囲気のある川なので、私の大好きな河川の一つ。
ヤマメ
虫が飛び始めるまでの小一時間はチビスケヤマメのライズに翻弄されて四苦八苦。コカゲロウが飛び始めてようやくヒットするようになりました。居つきのヤマメなので6〜7寸が中心ですが、油断すると8寸半が出ます。
イワナ
下流部はヤマメとイワナの混生の場所。最近はある程度上流へ行かないとイワナを見なくなったのですが、今年はいきなり9寸半のイワナが出ました。太っちょでいてカエル顔のイワナ。その愛らしいフォルムを見ると、思わず撫で撫でしたくなっちゃいます。
北関東の渓流
2時間半ほどで先行する仲間に追いつくと色々な虫たちがハッチし始めました。散発ながらライズをしている場所を徹底的に狙って上流を目指します。太陽が降り注ぎ気持ちの良い渓流だったのと、お魚のライズが多かったので、いつもよりも遡行スピードが遅かった僕ら。
ヤマメ
魚は思っていた以上に色々な場所から出てきた為に、ポイントを丁寧に攻める。縦長のプールでは仲間が一本釣って後ろへ下がり撮影。すかさず私がロッドを振るのですが、すぐに私のロッドにも掛かります。
ヤマメ
胸鰭と腹鰭がとても綺麗なヤマメたち。いつまでも豊かな川であってほしいと願う。
豊かな川
メマトイやブユが出始めているので、そろそろハッカスプレーサンゲイターは必須アイテム。ついでにグローブもあると嬉しいかな。
メイフライ
お魚にストマックポンプを入れると、マダラカゲロウ類の14番サイズがたっぷりと。それ以外に16番サイズの黒カディスが入ってました。
新緑の川
空の青と新緑のコントラストを見て、つい足が止まってしまい自然の美しさに浸る。マイナスイオンをたっぷり浴びて、穏やかな気持ちになっている自分がわかる。
イワナ
午後に入るとイワナのオンパレードで、立て続けに釣れる僕ら。同行の仲間は釣れすぎてなかなか上流へ上がってこない状態。そんな塩梅で予定していた退渓時間を3時間半オーバーしてしまった。この時点でもう大満足なので普通はもう帰路に着くのでしょうが、僕らはスイング・ブラザーズ。最後は本流でスイングしないと、釣りが終わった気がしないんですね。
ダブルハンドの釣り
源流から本流への移動時間は1時間半。そのおかげで陽はまもなく山並みに消えてしまう時間。雪代が収まっていないので水量は多めで釣れそうな雰囲気がムンムン。と、いつものポジティブシンキング。
チラカゲロウ
日没時間の18時半ごろ。陽が山に隠れて光量が急に落ちた瞬間、突然リールからラインが走り出しドラッグが鳴り始めた。”ギャッ 、ギャッ”と音を立てながらリールが反転。心臓バクバクもので掛かった本命は急に本流を登り始め、慌ててリールでラインを回収していた私の左手は追いつかず、テンションが抜けてしまい、久しぶりに掛けた本命をバラしてしまいました。あぁ無情。悲しさのあまりに力が抜けて流されそうになった私。本流の石にはチラカゲロウの抜け殻がびっしり付いていた、そんな昨日。「終わりよければ全て良し。」なんて言いますがそれが達成されず、昼間のパラダイスが一気に霞んでしまったイブイニングでした。ふぅ・・・。

サンデーアングラーの釣果を伸ばす方法を考えてみる

ゴールデンウィークのフライフィッシングの時間を、皆さんはどう楽しまれたでしょうか? 私はというと、このゴールデンウィーク中に2回祭日の日が私の休みになったので、普段一緒に釣りが行けなかったサンデーアングラーのお客様たちと祭日の釣りへと出かけたのであります。

私にもサラリーマン時代がありまして、内勤の時はもちろん土日祝日のお休みだったので、人が多い中でどう釣果を伸ばすかを工夫したものです。今回のゴールデンウィーク釣行では、どんな事をして同行のお客様がオデコにならぬようにしたかを、ちょと紹介してみようかと思います。すでに以下の努力をされているサンデーアングラーの皆さんは、サラッと流してお読みください。

情報収集は大切
釣りはどんな時でも情報収集。ネットで集められる情報は、行こうとする場所の漁協が提供する放流情報や放流場所、そして天気予報は雨かどうかだけでなく、外気温の変化に注目したい。川であれば河川の水位で、この時期であれば雪代の状況などを知る(分析する)ことができるのです。

現場でのコミュニケーションは釣果を伸ばす
釣り人は皆仲間。私は例えその人が釣りをしてる人でなくとも釣り場では挨拶をし、前日の天気や川の状況の変化を聞いたりします。別ジャンルの釣りをされている方でも、持っている情報はとても貴重。出会った人がルアーの方であっても、釣れた場所や時間が把握できるし、使ったルアーによって状況分析できる。エサ師であれば川虫を使ったのか市販品であるかで、魚の活性と放流魚の河川への順応がわかるというもの。シャイで他人とのコミュニケーションを取るのが苦手な方は、その時点で情報量は激減してしまうのです。

朝は偵察と状況分析
とかく釣り人は朝イチに良い場所へ入って、最初に釣ってやろう的な輩が多い。でも魚って必ず朝が良いのかな? 実は時期や状況によってはそうとは限らないんです。春先であれば適水温の時間がよく喰う訳だし、虫がハッチ(羽化して流下)しないことには、ドライフライの釣りは成り立ちませんしね。ゴールデンウィーク時期の河川であれば、まだまだ朝方の渓流は寒いのです。絶対に釣れないとは言いませんが、朝の寒い時間帯よりも少し温まった時間帯の方が虫も魚も活性が高い場合がほとんど。なので、釣り場へ早く行っても場所取り合戦するのではなく、ポイントをよく見極めて、虫のハッチが多い時間帯に良い場所へ入渓できるような工夫が大切です。

午後は狙い目
前述に近い話ですが、釣り人は朝が早いために午後にはモチベーションが下がり、サンデーアングラーは高速道路の渋滞を考えて早めに上がってしまう人が多いのです。その為お昼過ぎてしばらくすると人は少なくなり、川は思っている以上に動けるようになります。朝からずっと釣りを続ける体力がない人は、現場には早めに行ってゆっくりと用意して、しっかりと昼飯休憩を挟むこと。午後に体力を残して川を丁寧に釣り上がると、きっと良いことが起きるはずです。

さらにイブニングは誰もいない
最近の傾向としてイブニングライズを狙う方が非常に少ないんですね。特に日曜日や連休最終日は翌日の仕事を考えて、早めに上がるかそもそも釣りに行かない傾向があります。日曜日の18時以降のイブニングは虫のハッチは凄いし、お魚の活性もマシマシ状態。こんな時間にロッドを振っていないなんて、私には信じられません。

釣り方にこだわらない
フライフィッシャーマンはとかくドライフライにこだわり過ぎ(私もです)。でもどうしても釣果が欲しい初心者を連れ立っている場合は、ダブルチャンスシステムを勧めます。この言い方はハーミット的言い回しで、実際にはドライフライとニンフのドロッパーシステムとでもいうのでしょうか。インジケーターの代わりにドライフライを付け、ドライに30センチほどティペットをつけてその下にニンフを付けます。こうすることで水面下と水面上の両方をサーチする事ができます。トラウトがドライへ喰いつくようになったら、ドロッパーのニンフを外してドライの釣りを楽しめば良い訳です。このシステムを使えばアタリは倍増するので、寒くてドライへの反応が少ない時でもこの方法で魚がいるかどうかの確認ができるというもの。

竿抜けは何処?
釣り人が河川に多い場合、または後追いの状況での竿抜けは、人がやりにくい場所だけを選んでキャストしてみること。これは普段のキャスティング練習の有無で決まる事ですが、狭くて小さなポイントほどルアーは投げないし、流れが早い浅瀬などはエサ師も流すことは少ないでしょう。特に放流魚は一ヶ所に過多の放流がされるので、放流魚を狙う場合は必然的に一級ポイントを外れてとんでもない所にいたりします。

また最近の傾向としてルアー師はフライフィッシャーマンよりも若者が多いので、体力があるので最上流部を目指す傾向があります。さらにフライと違って虫の飛ぶ時間に合わせて釣行をしている訳ではないので、朝早くから入渓している方が多いのです。ちなみにフライフィッシャーマンの平均年齢はとても高くなっているので、歩きません(笑)。車を置いて一番近いところから入る傾向があります。よって昨今の渓流は真ん中ら辺が人が少ない傾向で適度に歩いてから入渓した場所が良い、というのが最近の私のスタイル。


書けばキリがないくらい細かな状況判断があるのですが、これ以外に季節による魚の付き場の違いを知るには、やっぱりベテランが付き添って教えるのが一番なんですね。一緒に行ってくれる先輩がいない場合はフライフィッシングガイドを一度使ってみるのも良い選択でしょう。最も全てがこうしてネットに溢れている情報や助言する人が常に隣りにいる状況で釣りをしている人は自分で考える力が身に付かないので、釣りが上達するかどうかは怪しいでしょう。ブログに書いておいてなんですが、皆さんは活字や動画に翻弄される事なく、自分で考えて行動する力を身につけてくださいね。そうすればもっと良い釣りができると思います。

長々書きましたが、今回サンデーアングラーを連れ立って訪ねたのは前回イレグイだった河川。一日中寒い雨という状況での釣りでしたが、そんな時はどうしていたかを知りたい方は、以下をご覧くださいまし。

温泉地に流れる川
天気は一日中シトシト雨で後半は雨が強くなる予報。そして最低気温は8℃で最高気温は14℃ほど。山にはまだ雪があるので水温があまり上がらないだろうから、こんな日は朝早く行ったところで魚が動かず何もない。なので少し早めに行って川を観察してからポイントを決める。漁協の情報ではゴールデンウィーク向けに放流をしているので、お魚のストックは問題ないだろうから、あとはこの寒さがどう出るかだけ。
ヤマメ
前回よりもずっと下流にあるプール状のポイントへ行くとエサ師が陣取っていた。話をすると、魚は見えども釣れないという。諦めて下流へ行くとの事でポイントを譲ってもらうと、時折ライズする大ヤマメさん。しかし見えるヤマメはフライに目もくれず、虫が流れ始めてもほとんど捕食しない。1時間以上粘ってもダメだったので、見えヤマメを諦めて全く違う流れの早いポイントへ。こんな所はエサ師は手を出さないだろうなぁ、という場所へフライを流したら一発で出た尺もの。大きいですが放流ものでゴザイマス・・・。
菜の花が咲く時期
それにしても寒さでドライフライへの反応が悪すぎるので、ダブルチャンスシステムに変更して、瀬や肩や渕などを手当たり次第流してみることにした。
ヤマメ
川を横断しないとならない対岸近くのポイントからポツポツとヤマメの反応が。しかしドライへの反応は少なく、ニンフにヒット。午後になればいくらか水温が上がるかなぁ、と思いながら雨で見えにくいドライフライをインジケーター代わりして各所を流しまくる。
うぐい(ハヤ)
ニンフには外道のウグイにカワムツが掛かるけれど、決して活性は高くなく数釣りはできない。そのままずっと叩き上がると堰堤下の流れでライズするヤマメを発見。どうせ釣るのならばドライで釣りたいので、それを集中的に攻める戦法に変えた。
フライフィッシング
今回もロッドはウィンストンのピュア2・834/4を使用。フライラインは新しくエアフロ スーパーフロ タクティカルを入れてみた。
ヤマメ
堰堤下の釣りは見事にマッチ・ザ・ハッチがハマり、同行の方々は良いペースで釣ってました。フライは16番のアダムスやコンパラダンで、特にディアヘアの少ないスカスカのコンパラダンがヤマメに高反応。
レインボートラウト
午後は雨が強くなる予報だったので、ビショビショになりながら皆さんがめげるまでフライフィッシングを楽しみましたとさ。結果、最後の方にはレインボートラウトも釣れて、サイズも揃い満足のいく釣行となりました。雨の日はお魚さんには水温低下と濁りというマイナス面があっても、人間さえやる気があれば釣り人のプレッシャーも少なく釣れるということを証明してくれた日でした。今回は震え上がるほど寒かったので、早上がりして日帰り温泉へ入って帰りました。皆さんも雨の日は暖かい格好でフライフィッシングを楽しんでください。

釣り人の魂は永遠の少年、そして釣欲は止まらない二十歳並み

地方に行くとFM放送を良く聴くのですが、エフエム宮崎(JOY FM)で『YES フレッシュ初老!』と言う合言葉を言うフレッシュ初老列伝という企画があり、それは年齢を重ねた事による笑えるボケの投稿を紹介するというもの。フレッシュ初老というだけあって、投稿する方の年齢は私なんかよりもずっと若いのですが、その内容が自分のことのようで共感してしまうのです。

私なんぞはフレッシュ初老を通り越し、すでに初老。いや、辞書を引けば初老というのは40歳の異称らしいので、初老どころか私は老人に括られるのかもしれませんなぁ。なんか悲しくなってきた。

そんな老人の戯言ですが、軋む身体に鞭打っても気持ちはいつでも20歳で、釣りでの行動は小学校5年生レベルだと感じてます。そんなおバカな私のここ数日の行動は以下の通り。

話を三つぐらいに分けても良いのですが、面倒なので長々書く事にご勘弁を。

朝霞ガーデン
先だっての日曜日は朝練(朝霞ガーデンで朝の練習会)を行うために早起きをして、いざ朝霞へ。渓流シーズンに入ったこともあり、朝霞ガーデンはガラガラでした。こうやって日に数回放流しているのですが、放流したての魚を釣るガツガツした釣り人が全くおりません。
朝霞ガーデンのスジエビ
ちなみに朝霞ガーデンって、色々な生物が住んでいる事をご存知? ホタルの餌になるカワニナがそこらじゅうにいて、さらにカメラを沈めればご覧の通り、スジエビが沢山。これをみてシュリンプパターンを巻いてみようという気になったかな?
オービススーパファイングラファイト
私は朝霞ガーデンで今年の新製品であるオービスのスーパーファイングラファイトの試投をしてました。その後キャスティングスクールへ移動し、スクールの最中もインプレッションを書くために色々なロッドを試し振り。午前中はこれにて終了。午後はお店に戻ってマッキーの仕事を手伝っても良かったのですが、朝霞ガーデンではほとんどロッドの試しぶりをしていただけなので、なんか釣り足りない私。
北関東の渓流
そんな私の午後は高速道路を2時間半走り、北関東の外れにある渓流へ入渓することに。日曜日の渓流は久しぶりでしたが、15時近くの入渓という事もあって、目的の場所から入渓できました。まだちょっと寒々しい感じですが、ヤマメさんは程よく遊んでくれました。その後イブニングは別の場所へ移動しましたが、雨が強くなり18時半にて終了。家に着いたのは22時ごろになってしまいました。

北関東の小さな川
翌日の月曜日は疲れた体にムチを打って仕事でしたが、昨日火曜日はまた朝早くから同じ北関東へとんぼ返り。走る道も同じでデジャブの様。この時期の私は、もはや北関東の住人です。そして選んだ川は今季初めて入る、田んぼの中を流れる小さな川。
ヤマメ
現地の通勤渋滞に捕まり現着は遅めになったのは計算通り。いくら温まりやすい渓相とはいえ、虫が飛び始めるのはこの時期だと10時ごろなんです。魚が掛かるまでは丁寧に色々な場所を攻めた結果、本日は白泡に近い早瀬についている事が判明。
ヤマメのお食事
陽がよくあたる小さな川は水温が温まりやすいので、ハッチの時間帯も他の川に比べると若干前倒し。ヤマメにストマックポンプを入れれば、アカマダラをはじめ、多くのカゲロウやカワゲラを捕食してました。
メイフライ
カワムツを避けるために使ったのはデタッチドボディフライ(ソラックスパターン)。フックサイズは13番で少し大きめ。亡くなった先輩が愛したフライパターンです。
ヤマメ
虫のハッチはあるものの目立ったライズが見えないので、早瀬を中心に攻めて7寸半のヤマメがこんにちは。フライはコンパラダンの#14ブラウン系。お昼を過ぎた頃にはこの渓流を後にし、さすがに睡眠不足の私は河原でお昼寝のインターバルをすること約1時間。そしてメインディッシュである本流へ行くのであります。
北関東の本流
今年に入ってこの川で幾度となくスイングを続けるスイングブラザーズ。この日は水量が多く水面には生命感あふれる虫たちの流下がたくさんあります。ロッドは修理から帰ってきたマイクロスペイ。
ウグイ(ハヤ)
瀬の頭からスイングを開始し、10数投目にきたドスンというアタリ。ついにきたか!と思ったら、#8のグリズリーキングを咥えた大きなグイウーくんです。でも涙が出るほど嬉しかった。何せ、今年初の獲物ですから😆
ヒゲナガカワトビケラ
釣りはここで終わらず、さらにポイントを変えて本流大ヤマメを求めて、ヒゲナガのスイングポイントへ。準備が終わる頃には私の体はこのヒゲナガくんだらけ。
ヒゲナガ不発
真っ暗な中でヒゲナガライズの音に聞き耳を立てていると、私たちより下流に入った方がキャッチした飛沫音が聞こえました。残念ながら僕らには何事も起きませんでした。夜の川面の写真を写せばご覧の通り。水面はおびただしいメイフライとヒゲナガくんのスケーティングで賑やかなのです。
モンカゲロウ
この時期の本流の水面上はとても賑やか。かといって大物の数は少ないので、そのライズを求めて色々な場所でヤマを張ってイブニングを待つしかないのです。今回は水が高い日が多かったので、上流へ遡上しているかと思ったのですが、そうでもなかったみたい。ゴールデンウィークの釣りは皆さんに任すとして、私はまたこのホームグラウンドの次回準備に励みます。

スイングブラザーズK川に死す。そしてその翌日は入れ喰いを堪能の北関東

私のジンクスの一つとして、新しいロッドを手に入れると、その初使用はオデコになるというものがあります。使い込んでいくと魚の釣れる味を覚えて釣れる竿へと変化するのですが、なかには融通の効かないロッドもあり、いつまで経っても魚の釣り味を覚えず、魂が入らないヤツもいるのです。

今期は解禁から本流でウェットフライのスイングを続けているのですが、ホームグラウンドの川は雑魚のアタリさえないので、先だっての火曜日はK川へ浮気することにしました。15年程前に通っていたK川は北関東にあるとても人気のある河川で、今でも多くの人がこの時期にマッチ・ザ・ハッチを楽しんでいる、本流ヤマメが釣れる場所になります。4月に入って大分気温も上がってきたことだし、そろそろスイングの釣りでサイズを気にしなければ何かしらかかるんじゃないかと思い、出掛けたのですが、今年はどこへ行っても例年とはちょっと違う様です。

で、最初の話に戻りますが、なかなか魂が入らないロッドとして、昨年購入したスコットのスイング1184/4が私の持っているご機嫌斜めのロッドです。もちろんこのロッドでお魚は何本か釣ってはいるものの、本命と呼べるサイズが釣れず、そして雑魚さえも掛からない竿として、その釣行が続いているのであります。

久しぶりに訪れたK川で、今回はマッキーを連れて3名でスイングし続けたのですが、結果的にな〜んにもありませんでした。このロッドに魂が宿るのはいつになることやらと、我がロッドの成長を見守るしかないようです。オデコはいつものことだけれど、このまま帰るのもなんか辛いので、翌日もこの北関東に留まって釣ることに決めたのでした。

変わってその翌日は今年手に入れたウィンストン・ピュア2・834/4のお話。このロッドは優等生でして、購入してすぐに最初の入魂はサクッと管釣りで済ませ、今回は2度目の使用。前日のK川を離れ、先々週行こうと思っていた4月解禁の川へ連れて行ったのですが、このロッドは魚を釣ることが嬉しいようで、次々とお魚を吸い寄せるように釣れてくれるのです。

そんなお話は以下へと続きます。ご興味がある方は以下をご覧ください。

K川本流
今回はマッキーとお仲間を連れての3人でのスイング。車を止めたポイントからそれぞれ500m近く離れてしまうので、現場では一緒に釣りをしていません。そして私が一番歩く場所を選ぶので、釣り始めるまでに時間が掛かるんですな。この場所は第4代火曜日の店長であった「ゆ〜じ」と釣りを楽しんだ、うぶゆ裏。そんな風に書いたところで、皆知らないだろうなぁ。
K川散策
K川は有名ですが、この写真でポイントがわかる方は地元民か相当通っている人になるかな。昔よりもアクセスが良くなって河原へはジムニーでなくても入れる様になった。左上は有名な河川との合流点左岸。右上は私が好きなボーンフィッシュフラット。しかし今回は水位が40センチほど高く何もなし。左下はすっかり様変わりした公園裏。そして右下はかつてライズを狙うのに上流から入り込んで真ん中ら辺まで入っていた某堰堤上。いずれも水位が高くどこも釣りづらい状況。
K川の桜
今回はマッキー号で出掛けたけれど、今回この場所の桜は満開が過ぎて桜吹雪状態。良い天気ですが、時折の雨と雷に怯えながら、橋から橋まで流し続けてな〜んもありませんでした。
ニンギョウトビケラ
場所によってはフタバとニンギョウトビケラがハッチしライズをするけれど、その個体は大物と呼べるほどのサイズではない。水が多過ぎてライズする個体が少ないのかな。サーフェイスアウトフィッターズに情報を頂いたのでドライの釣りをしようかと思ったけれど、その場所はひとだらけなのでやめました。
K川は惨敗
結果、イブニング近くまでずっとスイングし続けてな〜んもなし。雑魚さえもアタリません。このロッドは魚を釣る事を拒否している様です。マッキーは翌日ハーミットの仕事があるのでここで別れて私ともう一人が残り、明日は癒されたいという意見で4月解禁の川へ行くことにしました。

某川と桜
その場所は標高が高く早く行っても何も無いので、ゆっくりと現地9時過ぎ着。案の定、桜並木は全く咲いておらず、唯一咲いていた桜の前で釣りをしてみました。
ヤマメ釣り
本日の釣りは釣り上がりとライズを見つけたらマッチ・ザ・ハッチの釣りなので、新調したピュア2を使用。勝手知ったる川なのですが、とある橋下は餌竿だと橋が低過ぎて仕掛けが流せ無いので竿抜けになっているのです。それを知っているのでそこから始めると、あらま、お魚は残り過ぎ。
ヤマメ三昧
橋下は低いのでしゃがんでキャストするのですが、それでも油断するとロッドが上に当たってしまうのでかなり気をつけてキャスト。ゆるい流れでライズする個体を狙うと釣れる、釣れる。昨日があまりにも何も無かったので、その反動でこの橋下で釣れるだけ釣ってやろうと思いました。結果ヤマメが15本、レインボーが3本と3本のバラシ。それ以降は全く反応がなくなったので、ようやく移動開始。それでも午前中だけで25本以上釣りました。良くもまぁ飽きずに釣り続けた私。
ヤマメの胃の中身
ヤマメにストマックポンプを入れると、これまたバラエティに富んだお食事。特定の個体を食べているわけでもなく、手当たり次第という感じが、少し春が進んだ感じがします。フタバ、マダラ、ガガンボにカワゲラ。そして餌師から逃れたのか、ヤナギムシみたいな幼虫が一匹。目にみえるライズはフタバを主体に食べている感じでした。
ヤマメ釣り
下界はTシャツでも良い陽気なのに、ここはとても寒いんです。外気温は10℃で水温は7℃ほど。午後を少し過ぎるとグッと冷え込んできましたが、ライズする奴は片っ端からやっつけて釣果は伸びる一方。私にとっちゃ管釣りに来ている気分ですが、釣れるヤマメの半分は天然ものなので、小さくてもヒレピンの個体は嬉しいですネ。
ヤマメ
本日の最大魚はコイツですが、ネット内枠が31cmあるので尺もの。ま、放流ものですのですから感動はありません。フライはコンパラダンが中心でフライサイズは14〜18番まで。
ヤマメ釣り
お仲間もライズを見つけてはヤマメをヒット。マッチ・ザ・ハッチの釣りを堪能していましたヨ。
ヤマメ釣り
この場所には17時近くまでいたのですが、イブニングは別の漁協へ行くことに決め、釣れ続けるこの川にサヨナラして峠を降りることに。
下流部の釣り
下流にある別の漁協管轄へ行くと水位が50センチも上昇しており、メチャクチャ深くなっている状態。いつも見える石が全く隠れて見えなかったり。水も冷たいし、こりゃライズはないかもなぁ、とみていると対岸の端っこでハヤのようなライズ。あれはヤマメかなぁ、なんて疑心暗鬼になりながらキャスト。
上がりヤマメ
距離があり過ぎてキャストしてもすぐにドラッグがかかってしまうのですが、落ちたタイミングで喰うヤツもいるだろうと、ひたすらキャスト。やっとの思いで掛けると、やっぱりヤマメさんでした。この後もう一本追加し暗くなってしまったので、イブニングの幕を閉じました。今回の釣行でヤマメはゲップが出るほど釣れたのですが、まだまだ水温が低いのでイワナ釣りには出掛けず、もう少し本流のスイングを楽しみながらヤマメを狙うだろう私。今回の釣りでコンパラダンを使い尽くした感じなので、タイイングに励みます。

スイングし続けて10数年。この川は変わったなぁ、と思うこの頃

ハーミットのホームページは26〜7年前からずっとあるので、色々ググっていくと物凄く古いお話や商品の解説に辿り着いたりします。たまに電話でそれを見て「HPに載っている○○ってまだありますか?」と聞かれたりしますが、1990年代に記載したそんな古いものは流石に残っていません。古い記事はフライ業界の記録としてそのまま残してあるのですが、ちょっと考えものですねぇ。削除したほうが迷惑が掛からず良いのかなぁ、なんて思ったりもします。

このブログを書き始めたのはX(旧ツイッター)からブログに切り替えた訳ですが、遡ると2016年からの書き込み。そしてその数年前からK川から今通っているこの川へ切り替え関東の二尺ヤマメを夢見て通い続けているのですが、もう10数年通っている川になります。

そして今年も本流スイングとマッチ・ザ・ハッチを楽しむ季節がやってきました。10年ひと区切りと良く言いますが、すでに解禁から幾度と訪れて思うことは、今年を最後にこの川の本流釣りは引退しようかと考えるこの頃。決して関東での二尺ヤマメを釣る情熱が冷めた訳では無いのですが、この本流があまりにも生命感が無くなってしまったので、スイングしていても何か虚しさを感じる様になったのです。

この川へ始めて訪れたのは今から40年以上も前のこと。春は緩いプールでライズするヒカリ(一年を経て海へ降るサクラマスの子のこと)がライズし、外道はハヤにオイカワがたくさん掛かったものです。鮎が遡る頃にはサクラマスの跳ねがあったし、秋には鮭の産卵を見に訪れたりしてました。その川が今では雑魚さえも泳いで無いんです。雑魚が激減し始めたのは今から5〜6年前頃からで、それ以降年を追うたびにロッドへの魚信が遠退き、スイングをしていても魚がアタる感覚さえ忘れてしまいそうな位。この10年でどの本流も激変したという話が多々ありますが、流石にワンシーズン通して雑魚も掛からず何も無い年が続いているので、この川を引退というよりは、一旦離れて来年は他に様子を見て回ろうかと考えてます(支流の釣りは続きますので、年券購入は継続予定)。

ということで、今年は大好きなポイントへ通い尽くしてみようという年。この春は出来る限りこの川に訪れて、やり切ってみたいと思います。そして一昨日は本流では何も無いだろうと思い、魚の感触を求めて最上流部へ行って釣果を出してから、良い時間だけ本流を楽しむ事という計画。お暇な方は以下の写真にお付き合いください。

北関東の川
本日の組み立ては温まった午後から本流をやる予定なので、それまでは渓流でヤマメ狙い。まずは水深が比較的浅い水温が温まりやすい支流へ。遠くのお山はまだ雪帽子。例年に比べると桜の開花が少し遅い感じ。そして雪代のせいで水温が低く思っていたようなライズは無し、雑魚も釣れないので即移動。
北関東の川
2本目に選んだ川は本流の上流部で、これが失敗。どうやらダム水を流している様で水量が多く、水が極めて冷たい。プールである筈のポイントは流れが早く釣れそうな気がしないので、こちらもロッドを出さずに即移動。
北関東の川
3本目に選んだ支流は緩い流れでライズしていたが、エサ師が陣取っていた。なので上流を譲ってもらい、少し上へ入る事に。1枚スラブ(岩盤)が続くそのポイントはいつも小型が多いのですが、放流ものでは無いのでとても綺麗なヤマメが釣れる場所。最初は魚っけが全くなかったのですが、時間と共に虫が飛び始めて反応が出始めました。
山女魚
釣れるのはこんなチビっこですが、天然ものは愛おしいです。フライはコンパラダンとパラスピナーなどが良く出ましたヨ。
ヤマメ釣り
しばらく進むと大堰堤が出てきて、上がれなくなるので左右のどちらかを高巻きするのですが、昔はその右岸を登って上がっていたものの、現在は両岸が崩れてこんな感じ。ふと見上げた頭上がこんなだから怖くなってきます。昔は高巻いたこの壁は今では登れる気がしないなぁ・・。
ヤマメ
大堰堤まで釣り上がったところで折り返し元の場所に戻ると、ライズしているポイントのエサ師がお昼休憩。その間にライズを狙ってみれば7.5〜8寸サイズの放流ものがヒット。小型のカゲロウが流下するときだけパタパタっと釣れて、それが終わるとシーンとするの繰り返し。数本釣ったところで午後の本流へ移動のため、この場を切り上げました。
北関東の二尺ヤマメを探す旅
本流スイングはこの暖かさならばヒゲナガが出るだろうと思い、イブニングまでめいいっぱい スイングする予定。そして養殖されたサクラマスを放したという話もあったので、この際放流ものでも良いので、本流でのアタリが恋しくてココへと来た訳です。ロッドはこの川では相性が良いマイクロスペイ。バット折れ修理にて帰ってきたので、ロッドの見た目は新品同様。
本流スイング
長いランをいくつもスイングするのですが、フライはいつもと同じダンケルド。3時半に入渓してどんどん釣り降る私。しかし今回も雑魚さえのアタリも無い。
ヒゲナガカワトビケラ
18時を過ぎた辺りからヒゲナガが多くなり、時間と共に私の風下にヒゲナガ柱ができる。手にとってみれば、今年のサイズはやや小さめ。明るいうちは水面をスケーティングする個体はおらず、闇夜に喰われるのがヒゲナガの宿命。結局真っ暗にまるまでスイングしましたが一度もアタらずに終わりました。唯一やや明るい時間でヒゲナガを喰う個体がいましたが、本流は広いので足場の問題でその場所にはどうやっても届きませんでした。
ヤマメ
結果、本流は全くもって何も無し、ナッシング。釣果は支流のヤマメを数本取ったのみで終わりましたが、ライズの釣りが楽しめただけでもよかったかな。さて、来週はどうしようかと考える間にフライを巻かないとね。

 

釣りへ出掛けてもロッドを出さない日もある+ドラワカの話(芦ノ湖)

渓流のフライフィッシングはドライの釣りに偏っている傾向にあるのは皆さんもご周知の通り。特に解禁から5月あたりまでは昼間のライズが狙えます。流れの緩いところで日中にライズを繰り返すトラウトを探し、自分の対戦相手を決めるのがまず第一歩。そこから魚たちが何を食べているかを推測し、フライをキャストして見事騙されて喰いついてくれるかがスリリングな釣り。しかし、それで釣れたら万事よしではなく、釣れた魚が何を食べていたかをストマックポンプを使って確認し、それがフライと見事にマッチしていれば、私の推測が合っていたのだと満足する訳です。これがいわゆるマッチ・ザ・ハッチの釣り。この釣りをするためには、まずはライズを繰り返す個体を探さねばならん訳ですな。

先だっての火曜日(4/1)の天気を覚えていらっしゃいますでしょうか? 東京は一日雨だったのですが、私の行った地域は見事に雪でした。中禅寺湖の解禁日だったことはすっかり忘れ、4月解禁する川へと車を向けたのです。しかし雪、雪、雪・・。私の車はノーマルタイヤなので山道を少し上がってはみたものの、降りしきる雪をみて断念しました。仕方なく行き慣れた川へ行ってみるのですが、外気温は0℃の降雪の中、2時間近く待ってもヤマメはライズする事がありませんでした。

先週は用事があって釣りができなかったし、今週は釣り場へ行ってもロッドを出すこともなかった火曜日。釣具屋の店主が釣りをしないなんて良いのか? そう思った私は「マッキー店長、お休みをください。」とお願いし、昨日は予定になかった釣りへと繰り出すのでした。

大して面白い話ではないかもしれませんが、お暇な方は以下にお付き合いくださいまし・・。

寒い一日
山を登る前は雨でしたが、目指す方面の山はすでに真っ白け。この辺も時期に降るだろうなと思いながら途中まで山道を登るも、道路が積雪し始めたので断念して降りました。仕方なく車を行き慣れた川へと方向転換。
降りしきる雪
しかし北へ向かえば山道でなくともこんな状態・・。雪が降りすぎると例え魚がライズしていてもフライが見えないんですよね。
車のメーター
私は滅多に雪道を走らないので、初めてこんな表示を見ました。雪国の人はレーダーをどうしているのでしょうか。どこかにオフにするスイッチがあるのかなぁ・・。
渓流の雪
釣り人は皆無。そして雪は強くなる一方。外気温は解禁時よりも寒い0℃。仕方なくもう少し下流へ移動するも、下流部は水温がとても冷たく、そして雨濁り。
ミンク
釣りができそうな少し下流へ行き、いつもライズするプールでライズ待ちをするも、な〜んにもなし。隣でエンジンをかけて川面を見つめる釣り人らしき車も早々に退散。私はその後も粘りましたが何も起きませんでした。川面を見つめているとミンクらしき個体が泳いでました。以前長野県ではミンクの駆除をやっている地域がありましたが、関東圏はどこへ行ってもいる様ですね。結果14時ごろまで粘って何もないので退散しましたとさ。
芦ノ湖での釣り
釣りができない1週間なんて私は耐えられないので、急遽昨日(4/4・金)に芦ノ湖へと行ったのであります。その理由は前回の釣行でうえ乃ボートの杉ちゃんが「ドラワカでもう釣れますよ。」という甘い囁きをされてしまったから。シーバスのフローティングミノーよろしく、水面が炸裂する釣りは興奮度はマックスです。
芦ノ湖のドラワカフィッシング
4月に入るとボート出船は5時半なので、少々早めに到着する予定が5時15分ごろになってしまった。慌てて用意しボートへ乗り込み、いざ出船。 お気に入りのポイントへ到着して5分もしないうちに目の前でボイルが起きました。すかさずそこへキャストすると一発で喰ってきたブラウントラウト。上出来過ぎです。ヒレピンで丸々太った魚体を寄せ、そろそろランディングを・・。 ここでネットを車に忘れてきた事に気づいた。むむむ、50台後半はあるこの個体をどうやってランディングするの?と考えてハンドランディングを試みるも、そっと引いて寄せていたのですがティペットを手で持った途端にトルクフルなブラウンは2Xのティペットをぶっち切って行きましたとさ・・、トホホ。
チューブ・ウーリーバガー
その後ネットをすぐに取りに戻り、芦ノ湖の首の部分をずっとキャストし続けるも何も無し。とりあえず魚を釣っておくかと放流モノを求めて早川水門へ行く事に。情報ではタナは浅いと言っていたけれど、魚探と睨めっこすると連日の冷たい雪のせいで変わっていると感じた。フライはチューブフライのウーリーバガーとモンタナマラブーを使いましたが、相変わらず釣れたのはモンタナマラブーです。
芦ノ湖
なんか前回と同じで水温はとても冷たい6℃。しかし外気温が上昇中なので、時間と共に水温が上がるだろうと思い、水温が上がる時間帯を見計らって魚が濃い湖尻側のキャンプ場前から早川水門口へ移動し、魚探で魚の回遊するラインを探りながらアンカーリングしました。
レインボートラウト
すぐに釣りをせず魚探をかけてジグザグに回ると、お魚は水深7〜7.5mの場所で4〜6mの層を泳いでいる。なので、良い場所を探ってアンカリング。タイプ3のラインでカウント30〜40秒の間で色々と探るとたまに掛かる状態。今年は昨年同様にお魚が固まっていないので、釣れても次の小さな群れが来るまでに時間が掛かります。
魚探
最初の情報では水深5mの場所で底ベタか表層狙いでといわれたのですが、ここのところの雪で様子はだいぶ変わりました。でも、水温が10℃以上になったら突然魚はうわずり始めて動き回るので、最盛期まではあとちょっというところまで来ていますy。
レインボートラウト
午後は朝イチのブラウンを夢見て、平岩〜亀ヶ崎までドラワカを投げまくるも、な〜んもありませんでした。やっぱり水温がまだ低い為なのか、浮いてくる個体がいないのです。ボイルはごく稀にあるものの、都合の良い場所でボイルすることなんて稀ですから、朝イチのブラウンが悔やみきれません。結果、今回も放流ものに遊んで頂いた釣行と相成りました。