ダンディなエンリコミノーは櫛を入れて使うフライ(ボートシーバス)

私は休みというお休みはほぼ釣りへ出向いているので、家でじっとしている日は無いに等しく、何事も野暮用は出勤前に済ませてしまうようにしている。散髪はお洒落なんて言葉から程遠い状態で、ハーミットを始めてからというものの俗に言う千円カットの様な安い床屋で済ませてしまう。昔はその千円カットで髪を切ると使い捨ての櫛を「お持ち帰りになりますか?」と尋ねられたので、それを必ずもらってましたよ。何故かって?フライフィッシングはとかく櫛が必要なんです。

私がソルトウォーターでよく使うエンリコミノーはご周知の通りエンリコファイバーを使用した大きめのミノーパターン。このフライはマテリアルに適度なコシがあり、軽くて大きなフライを作れるのがその特徴。タイイングの仕方は以前YouTubeにも載せましたが、少し大ぶりにざっくり作った後でそのシルエットを整えカットする方法。やっていることはまるで散髪屋さんと同じでありタイイングに櫛は必須アイテムなんです。もらった使い捨て櫛はこのタイイングで活躍するのです。

それともう一つ、櫛は釣り場でも使います。おろしたてのエンリコミノーを使い魚がヒットしランディング。フックを外すとそのフライの姿は強風に煽られて髪を乱されたロン毛の兄ちゃんの様。フックに長髪が絡まり、その状態ではフライの動きがおかしくなるので櫛を入れて元通りにし、イケてる兄さんに戻ってもらうために櫛を使います。この櫛を入れる作業を続けていると、イケていたお兄さんは魚を釣る度に毛が薄くなるので”おじさんフライ”になり、やがては毛がほとんどなくなる頃には針先も甘くなり、お役御免となるのです。ま、そこまでフライを使ってもらえれば本望ですな。

さて、昨日の夜(今日の朝)はシンプルにエンリコミノーだけで勝負。フサフサだったマテリアルはやがて抜け去り、数時間にしてお役御免となりました。そんなエンリコミノーのシーバスフィッシングは以下の通り。お暇な方はご覧くださいまし。

シークロのリュウちゃん
この秋シーズンになって三度目のシークロフィッシング。今回のキャプテンはご存じリュウちゃんです。11月は無休で働く季節労働者の彼は、来週の今頃は働き過ぎで死んだ目をしているでしょう。
シーバスフィッシング
今回は潔くロッド一本にエンリコだけを持って乗船。なのでコノシロ撃ちをせずにストラクチャー打ちのラン&ガンの釣りスタイル。最初のポイントに着き3投目で同船のOさんがいきなりロッドが絞り込まれる。そしてそれが水面を割って出た。デカッッ!
80センチ弱のシーバス
ロッドを絞り込む暴力的な引きに耐えて上がってきたそれは80センチ弱の大物。それはそれは見事な魚体でした。それを見て興奮する私ですが、な〜んもありません。
ボート移動
ま、そのうち釣れるでしょうと鉄板ポイントへ移動するも、お魚の姿なし。あれま、今日はあれでお終いか?なんて思っていたのですが、沖へ出た途端にそれは一変するのでした。
入れ食いシーバス
風は北風数メートル。潮が効き始めた海は俄かに活気だちボイルが始まる。それにキャストすればガッツーンと夏シーバスを思わせる強い引き。幾度となくダブルヒットが続く無限モード。魚のサイズは平均すればほとんど60アップで、55〜65センチのサイズが次々と釣れるのです。この間私はず〜っと1個のエンリコミノーで釣り続けました。
シーバス
今思えばボガグリップがバッグの中にあったのに、それを使わず何度も素手でシーバスを掴んで記念撮影などするものだから、指はズタボロに・・。左手人差し指は皮がベロ〜んとめくれてしまいました。痛々しいけれど、そのチクっとした痛みを感じる度に釣れたシーバスを思い出す訳。
ヒラスズキ
潮の効いた真っ暗なポイントではヒラフッコがヒット。いつかこの横浜の海で80アップのヒラスズキを釣ってみたいものです。
エンリコミノー
エンリコミノーの途中経過。すでにイケている若者から中年のオッサンになりつつある状態。フライは一回り小さくなってしまったので、3/0のフックサイズがやたらと目立つ。
フィッシュグリップ
最近ではいろいろなフィッシュグリップが売られているけれど、重さを測らないのであれば、こういったタイプの方が断然使いやすい。ボガグリップはやたらと重いですし、無くした時の痛手が半端無いっす。
シーバス
かくしてエンリコミノーはその姿がほとんど毛が無くなるまで釣り続けましたとさ。その結果、手は痛々しい傷だらけになりましたが、本日は心地良い疲労感の中でお仕事を頑張っています。

投稿者:

Hermit55

ハーミット店主の釣行記やよもやま話です。 お店にいる時間の方が長いので、釣りよりも店の話の方が多いかもしれません。漢字変換ミスが多々ありますが、見つけならが直しますので、ご勘弁を。