本栖湖は週を重ねるたびにアウトドアを楽しむ人々が減っていき、やがては釣り人のみになる。彩りを添えた紅葉シーズンが終盤になる頃には登山や観光の人も見えなくなるので、土産物屋は半分も空いていない。そうなると僕らの昼飯はコンビニ飯に頼るしかないのが、もうセンブンイレブンのおにぎりは飽きたなぁ。
この季節になると水温は10℃前後まで下がるので小物の動きは鈍くなり、大物狙いの季節となるのは東京湾のシーバスと一緒。その大物を求めて本栖症候群にかかった僕らはここへ通う訳だけれど、ルアーとフライではその年齢が大きく違う事に気づいてしまう。
昨今の本栖アングラーはレイク狙いの人が多くジグスプーンや重いスプーンを投げているのだが、そんなルアーアングラーは見ている限りでは30〜50歳前後ぐらいになるだろうか。それに対してフライフィッシャーマンは若くても50歳以上で60歳前後が中心となる。かといってこの過酷な寒さなので、70歳以上で本栖通いを続けているのは稀なのである。そういう訳でフライフィッシャーマンはジジイなのだ。
インターネットとは情報収集するのにとても便利なもので、例えばハーミットのホームページ回覧数や見ている人の住んでいる地域、性別、あるいはその年齢なんてものが拾えてしまう。ではハーミットのHPやフェイスブックを見ている人々の年齢層を見てどうかというと、50歳から上の方だけでなんと50%以上を占めてしまうのだ。ちなみに20歳以下の方は1%程度なのだから、どれだけフライフィッシング業界がジジイの集団なのであるかが分かる。
釣り場で声をかけられた時、ふとそんなルアーとフライの年齢差を感じてこんな事を書いているのだけれど、そろそろジジイの私なんぞがフライへの情熱を語るよりも、熱を帯びた若者がフライフィッシングの楽しさを発信してほしいと感じるこの頃。
こんな事を考えながら投げ続けていれば何かいい事が起きるだろうとポジティブにキャスティングを続けていたけれど、辺りはいつの間にか暗くなり、空にはうっすらと雲を被ったお月様が、私を労う様に優しく照らすのであった。チャンチャン。






