「A列車で行こう」のリズムに乗りながら、スコットのスイングで本流をステップダウンしてみた

「フライはリズムであり音楽」とキャスティングスクール時に良く生徒さんに話をすることがある。フライラインが後方へ伸びるのに1秒かかるとしたら、前方へ伸びていく時間も同じく1秒かかる。映画『リバーランズ・スルー・イット』で、お父さんがメトロノームを持ち出してキャスティングを教えていたが、まさしくアレ。飛ばす距離によってそのスピードは違うけれど、キャスティングの最中は常にリズムを心で刻みながら行うと割とうまくいというもの。私は1970年代のフォークソングを口ずさみながらリズムをとっていることが、ままあります。しかし、目の前で魚が跳ねたりするとそのリズムは途端に崩れて、さかな釣りたさ故にバックキャストの時間が短くなってしまうのは、エキスパートでも同じですな。

「Study to be quiet. / 穏やかなることを学べ」(アイザック・ウォルトン)

この春からスコットのスイングを手に入れた私は現在本流でこのロッドを振りたくて仕方がないので、いつもの北関東にある本流へ行ってきた。名前がスイングだから行きの車で「A列車で行こう」を聴きながら気持ちを入れて、そのノリノリのリズムのままそのスコット ロッドでスイングしてみた。が、スイングジャズのリズムとスペイでスイングのリズムはなんか違う、ミスマッチ。

そもそも英単語のswingの意味を調べると「揺れ動く、揺らす、素早く動かす、急に方向転換する」などの意味で、ジャズのスイングとフライのスイングは何の関係もなさそうですな。この中で言えば「急に方向転換する」の意味がこのロッドの意味なんでしょう(いや違う、もっと深い解釈があるゾ!という方がいらっしゃいましたら、是非教えてくださいまし)。

そんな調子でいつものように3つのランを自分のキャスティングを確認しつつステップダウンするのでありました。その釣りの様子は以下の通り。お暇かなたはお付き合いあれ。

スイングの釣り
気分はスティールヘッド。でも、何にもありません。ナッシング。キャスティング練習がただ続くだけ。雑魚さえもあたらない。なので一つのランが終わるとまた次のランへ。雑魚でも良いのでコツンとロッドを叩いて欲しいものです。
カワムツ
魚恋しさに3つ目のランに向かうと、そこは小場所なのでロッドをウィンストンのマイクロスペイに変更。すると、緩い流れでコツンとアタリ。雑魚だとは分かってはいたけれど何とか粘って掛けたカワムツくん。カワムツ1匹でこんなに楽しくなれるなんて幸せデス。
スイングのフライフィッシング
緩い流れはそんな感じなので、場所を変えて今度はかなり早い瀬の連続から開けた場所でスイング。するとガツンとあたるのだけれどフッキングせず。その場所で粘っていると、たまにライズするのでシングルハンドに持ち替えてドライフライに変えてはみたものの、いくら投げても無反応。ちょっと考えた末に再びスイッチロッドタックルに小さいウェットフライに変え、今度はポリリーダーをフローティングにして、上っ面をスイングしてみました。
ヤマメ
すると今季初の本流で渓流魚がヒット。何だか放流ものみたいだけれど、嬉しい出会い。サイズは9寸弱ってところ。フライはシルバーマーチブラウンです。
カワムツ
さらにステップダウンを進めていくと再び緩い流れではカワムツくん。いいんです、釣れてくれれば彼でも十分。
本流の放流ヤマメ
もうこの時点で16時半を回っていた。このままここでシングルハンドロッドに持ち替え、ドライフライを結んでイブンングを待って入れば釣れそうな感じ。ただ、ここのところ2連チャンのフライフィッシングを続けていたので疲労困憊の私。それも本日は朝早くから片道160kmの距離を全部下道だものね。ということで、今回はイブニングを待たずの早上がり。次回はまた別の場所でスイングの釣りを楽しみます。

投稿者:

Hermit55

ハーミット店主の釣行記やよもやま話です。 お店にいる時間の方が長いので、釣りよりも店の話の方が多いかもしれません。漢字変換ミスが多々ありますが、見つけならが直しますので、ご勘弁を。