イロモノ(大尻沼で仕留めた綺麗なブラウントラウト)

エリアフィッシング(管釣り)を中心に楽しむ人たちはレンボートラウト以外の魚をこう呼ぶらしいのですが、辞書を引けば元々は寄席用語で正統派(主軸)以外のものがイロモノらしい。確かに管釣りではおよそ90%はニジマス系の魚であるから、それ以外はイロモノで良いのだろうが、なんか言葉の響きがどうしても揶揄している様に聞こえるなぁ。

で、昨日はセントリックとラディアンの振り比べの地として選んだのは群馬県の大尻沼。今年7月にも訪れているので、入漁料を支払うと時に釣り情報的には丸沼にしておけば良かったなと、ちょっと後悔の念。景色を見回せば湖の紅葉は少しずつ近づいています。

私にとっちゃ大尻沼はイレグイの地。魚のコンディションは良くサイズも大体50センチ前後はあるから、ロッドのパワーやランディングまでの感覚を楽しむには良い場所と判断したんですよ。その道のりは事故で通行止めになった高速道路のおかげで到着は少し遅れて8時半。でもこれ位の時間から水温が温まってお魚が釣れる筈。船は4隻しか出ていないらしいから、今日はきっと入れ食いを楽しみつつ新しいロッドの感覚に触れられる筈。そんな思いで湖上に船を滑り出し、すぐに岸際のレンボーを探しに入ったのです。

ん?お魚はどこ?

7月に訪れた時は縦横無尽に私の前を横切るレインボーを見ながら、どの角度のレインボーが一番釣りやすいかと考えながらキャストしていたのに、その姿がほとんどない。よくよく見ると岸際20センチぐらいの所でライズが少しある。それを見つけてきっちりキャストを決めてみるも、フォームのカメムシフライは食い込むことはなく、キスする時間だけが続く。キャッチ&リリースの宿命か、オープンして数ヶ月が過ぎるとこんなにもスレ切っちゃうのですね。

いつもならば午前中だけで二桁は釣れるのに、時間ばかりが過ぎていく。少し風が強いせいもあってボートポジションが取りずらさもあるが、それはいつものこと。秋らしい天気なのにカメムシの落下は全然なく、そのライズはものすごく小さなものを食べている様子。なんかいつもと勝手が違うんですね。

仕方なくサイズを12番まで落としたフライイングアント。シャローレンジで小さな虫をついばむレインボーを見つけてキャストするもその着地点が少しズレたのでガン無視されてしまった。しかしその下の水底が動いたかと思うと別の魚が食いついた、ラッキーである。でもね、コヤツがそこへグイグイと持っていく感じで、マーキスが悲鳴をあげてくれないんです。

手繰り寄せて近づいてきたそれは管釣りルアー用語で言う見事な彩色をまとったイロモノ。茶色にイエローのボディに黒のマーブル模様が綺麗に施され、その間に当たるマーブルにはオレンジが散りばめられた、これぞブラウントいうブラウンでした。

ここまで綺麗なブラウンは大尻沼では8年振りぐらいに釣ったかな。胸ヒレが綺麗なオレンジでとても印象に残る一尾の出会い。もしあなたがこんな魚には出会った時には、決してイロモノなんて言わないでくださいな。ブラウントラウトという立派な名前があるんですから。嬉しかった一尾のご報告ですが、結果一日中魚を探し回って9本という釣果はなんか微妙・・。

ボート上からだと魚と自分が近過ぎてまともな写真が撮れないのが玉に傷。いやぁ、本当にオレンジ色の胸鰭が印象的な綺麗な魚でした。
かなりのシャローレンジで掛けたので、リリースした直後はこんな感じでじっと底から動かず。やがて深場へと姿を消しました。この写真だけ見ていると、昨年のポインデクスタースルーリバーのブラウントラウトと変わらないです。
サイトフィッシングで魚が見つかる量がいつもの半分。そして魚を見つけてもフォームフライへの反応がものすごく悪い。皆が皆して同じもの投げ過ぎているのかなぁ。最終的に一番良く釣れたフライはイワナやヤマメ釣りに使っているクリンクハマー14番でした。
しかし秋のシーズンなので、魚のコンディションは抜群。どの個体もとても綺麗でしたよ。ただし、栄養となる餌が少ないのかスリンキーなんですね。
いつものボートランプ近くは全く釣れず、今回は丸沼寄りのポイントのみが反応。風と湖流がぶつかってできたスカムラインにクルージングをする魚を見つけてから釣りが楽になりました。最も終わり間際だったので、セントリックと交換して釣りをする余裕がなかったのであります。
落ち葉と虫がごっちゃになった吹き溜まりは今回は湖のど真ん中。なので後半に釣った魚は全部湖のど真ん中。魚のサイズも岸際よりはど真ん中の方がずっと良かったです。
こうして呑み込む個体は稀で、ほとんどが上顎にチョン掛かり。そのシビアさが伺えます。魚のサイズは40〜50cm半ばまでといった所。
気がつけば帰りの奥日光路を走る頃には道路も暗がりに。こんなにめいいっぱい大尻沼で釣りをしたのは初めてかも。でも試練を与えられた方が釣りはメラメラと燃え上がるものですね。あ〜でもない、こ〜でもないと試行錯誤している時間がいつも以上に楽しかったです。そして今回の様な綺麗なブラウンが釣れるのならば、もう一回行こうかな?

投稿者:

Hermit55

ハーミット店主の釣行記やよもやま話です。 お店にいる時間の方が長いので、釣りよりも店の話の方が多いかもしれません。漢字変換ミスが多々ありますが、見つけならが直しますので、ご勘弁を。