カメムシは緑色と決めつけてはいけない、丸沼のドライフライフィッシング

気がつけば今月は今週でもうおしまい。ようやく涼しくなるのかと思ったら、今週はまた暑いそうな。それはそれでビールが美味しく飲めるかな、なんてポジティブに考えるようにしています。

先週は野反湖で命の洗濯をしてきたのですが、私は釣果がありません。今週は野暮用が多すぎて釣りプランを立てることが出来ず、結局「野反湖」の道具を積んでいたのでそのまま使うことになるけれど、何ができるかな? 考えた結果、今週もカメムシフライに頼って見るしかなかったので、その場所を変えて丸沼へと車を走らせた火曜日。

入漁証とボートの支払い時に環湖荘のスタッフに最近の状況をお聞きすると、すでに朝の気温は5℃だそうな。季節は進んでないように見えて山々の天気は例年通りのようで、木々の緑が少し黄色く色づき始めました。

気温が上がるまでは何にも無いだろうと、それまでは急深の岸際を回遊するレインボーを探してのサイトフィッシング、一撃必殺パターン。お魚はいるのですが例年よりも一回り小さく25〜30センチ前後でフッキングしない個体が多い。仕方なくフライサイズを下げて何本かのレインボーをゲット。

気温が上がるとブヨっぽい小さな黒い虫と、茶色い虫が水面に落ちているが、朝早く出てきた為に近い場所の焦点が合わず目がショボショボでなんだかよく分からない。ライズは時折起こるものの、肝心のカメムシは落ちてないんだなぁと思い、茶色いおパターンを投げていたら、ものすごく反応が良かった。今日はカメムシの日じゃ無いんだなと思ってましたヨ。

サイズはどんなに頑張っても40センチに届かなくかどうかの個体が最大。魚のコンディションも胸鰭がない個体が多く、いくら釣ってもそんな調子だったのでモチベーションが下がり始め、ツ抜けしたところで早上がりすることにした。帰り際に浮いている茶色い虫を見つけたので、それを拾い次回の釣りに繋げようとネットで拾い上げて写真を撮り始めた。あれ?なんか見慣れた形。よく見ればいつもよりもかなり小さい茶色いカメムシじゃあ〜りませんか!

思い込みと老眼はフライフィッシングの天敵だと思った今回の丸沼でした・・。

次回の為に茶色いカメムシを巻きます。

丸沼ダムサイト
初めて丸沼のダムに立ってみた。といっても鉄格子の隙間からカメラを入れて見た写真。さっきまで写真に見える場所で釣っていたんだよね(帰り際に撮りました)。
大尻沼と丸沼
写真の案内板の様に丸沼と大尻沼はダムがあるだけで繋がっています。その落差は20〜30mくらいかな?大尻沼の解禁は隔年なので来年解禁します。
丸沼の釣り
丸沼の解禁日は毎年異なりますが、だいたいゴールデンウィークの頃で11月末日まで釣りができます。入漁料は大人¥2,500で、ドライフライフィッシングを楽しむ場合はボート利用が断然有利。ボート代は¥2,900掛かります。丸沼はそこそこ大きいので、エレキを持っている方は持って行ったほうが良いでしょう。入漁証は朝6時半ごろから買えますが、あまり早く行っても朝は寒くて何もありません。
オールとライジャケ
環湖荘で料金を払ったら、ボート置き場から少し離れた場所にこんかバンがあります。ここからオールを持って行きボートに備えます。ライジャケがない方は同時にここで借ります。使い終わったらきちんと戻しましょう。
丸沼の釣り
こんな青い空の写真を出すとさぞ天気が良かったのだろうと思われてしまいますが、コレは帰り間際の写真。朝からずっと曇りでお昼は雨が降っていました。そんな天気だったのでむしろドライへの反応は良かったのだと思います。水中写真を撮った直後なので水滴が写ちゃってます。
カワムツ
フライを小さくし過ぎると、恒例のカワムツくん。岸ギリギリを狙うとコヤツが釣れちゃいます。沖で起こる散発ライズはレインボートラウトです。
レインボートラウト
考えてみれば前回もモホークが良かった話を書いたかも? フライパターンはフォームビートルの他にモホークを巻きましょう。時間を見つけてタイイングティップスに記載しますので、しばしお待ちを。
ボートフィッシング
一緒に行った後輩は沖で連発しているんです。「何使っているの?」と問うと、「カメムシパターンですよ、茶色だけれど・・。」と言う。確かになんか茶色いもの落ちてたしね。
茶色いカメムシ
初老の私は小さいものに目を凝らすのが苦手なんです。なので、虫を掬ってマクロレンズで引き延ばして後で見ればいいやと網に入れると、よく見ればカメムシじゃありませんか!それも、いつもよりもグッと小さく、フックサイズでいえば12番ぐらいかな?念の為ひっくり返してみるとお腹は鮮やかなオレンジではなく、ブラウンオレンジ、あるいはブラウンオリーブといった感じ。
レインボートラウト
お魚はいっぱい釣れたけれど、胸鰭が無い個体が多いのが残念。サイトで岸際の魚を探しても、泳いでいるのは最大で40センチくらいしかない。大尻沼の大きさと比べたら、かなり寂しい・・。
レインボートラウト
帰り際に掬ったカメムシを船の上に乗せて写真を撮っていたら、別のカメムシがまた舞い込んでくる。でもみんな同じ茶色。浮いている姿勢をよくみるとひっくり返ってもがいているもの。また、温泉にでも浸かっているかのようにじっと動かず羽を少し広げて大きく見せているものなど、その浮いている姿勢は多様だった。いずれにせよサイズを気にしなければ、今が丸沼の旬です。真面目に釣ったら相当数のレインボーが釣れる事間違いなし!と言いたいですが、あとはお魚とお天道様のご機嫌次第です。今週末は丸沼へGo!

 

青空の下にある碧い野反湖でレインボートラウトと遊ぶ

秋はどこへやらで相変わらず湿気が多い初夏みたいな9月。先だってのモンタナはこちらとは逆で例年に比べ少し寒く水温が上がらない状態だったけれど、空気は乾燥していて釣りをするには過ごしやすい気候だった。今の私はこのジメジメから抜け出したい気分。そう、モンタナの風を思い出しながら、似たような景色の中でボーッとしたいのである。

このブログでは本栖湖の話が多いけれど、湖の美しさで言えば野反湖が私は一番好きだ。関東近郊の湖は数多くあれど、そのロケーションの美しさはダントツであり、ニュージーランドのレイク・テカポと比べても引けを取らないのではなかろうか。標高約1,500mにある野反湖は周りを1,900m級の山々に囲まれた天に近い湖で、私は常々「日本のニュージーランド」と口にする程、四季折々の美しさを持つ。

天気予報は晴れのち曇り。午後には雷雨のマークが付いている。標高が高いので朝の気温は10数℃といったところで湿気は少ない。まさしく海外気分を楽しめる気候と、青い空を持っている群馬県にある天空の楽園なのだ。

この湖は高速道路からのアクセスが悪い事から地元の方が多い釣り場だが、良いポイントへ入ろうと思うと地元エサ師とのポイント争奪合戦になる。なので僕らは家を2時に出て現地へ5時前には到着して用意。がしかし、早く来たつもりでも一番良い場所には6名のエサ師がすでに鎮座していおり、結局はその戦いに敗れてしまう。

賑わうニシブタ沢に釣友を残し、私は人のいない奥を目指す。そこは天空の青と湖の碧がグラデーションを作り、時に風が止まると無音の世界に陥る。聞こえるのは私の歩く音ばかり。水面の変化に目を凝らし延々と水辺を歩き続けると、気がつけばすでに湖を半周していた。休憩するのにちょうど良い石を見つけ、コンビニで買ったおにぎりを頬張り、湖をボーッと眺める。人混みに疲れたらこの時間がとても大切だなぁ。

魚っけが無く緊張感は無くなってしまった事で気持ち良くうたた寝をしてしまい、あっという間に時が過ぎていく。しかし沢のワンドに残してきた釣友の事が少し心配になったので、また湖伝いに魚を探しながら戻ることにした。

場所を動かずその場で釣りをし続けた釣友は、声を掛けずともその満足げな雰囲気で察する事ができる。声高に語る彼はドライでもシンキングでも釣れたそうで、最大は57センチだそうな。ではでは、ハイキングを楽しんだ事だし帰るとしますか。私はレインボートラウトに触る事なくルート405を攻めながら下るのでした。

朝霞ガーデン
モンタナから帰って来てその日曜日に行った朝霞ガーデン。簡単に釣れる幸せ。ドライで5本釣ったら飽きちゃったので、朝練に来られた方々と雑談の場。その後にキャスティングスクールを行い、日焼けした顔が更に黒くなってしまった。
野反湖の夜明け
朝焼けの野反湖。この奥がニシブタ沢なのだけれど、エサ釣り師の密集地隊となっていたので、私はその場を離れた。だって静かな自然の中でボーッとしたかったんだもの。
青空と野反湖
シラカバ淵を経て南へと向かう。雲はすぐそこで、時に自分の中を抜けていく。風は無く無音の世界。釣り人はひとっこひとり見えない。しかし、魚も見えない。期待したカメムシやビートルも落ちていない。
蛇帝ヶ原
山の天候は目まぐるしく変わる。さっきまでオーブンで焼かれている様な気がするくらいの陽射しを浴びていたのだけれど、曇った瞬間に寒くなってくる。でもこの方がライズは起きるんですよね。その後カモシカ淵でず〜っとライズを待っていたけれど、回遊魚は一度も見ず。前回ボイルしていた場所は鏡のように静か。水温が18℃と、ちょっと高いからなのかなぁ。
野反湖キャンプ場
野反湖キャンプ場にひと張りのテントも無いって初めて見たかも? キャンプブームが終わった感がありますな。これでようやく僕らがキャンプする気が出て来ました(笑)
野反湖の釣り
朝も早かったし少し疲れたので、ウェーダーを脱いで、備え付けの木製テーブル&チェアでゴロ寝。あぁ、なんて気持ちが良いのだろう。心地よい風が少し吹いていたので1時間半程寝てしまった。
野反湖のレインボートラウト
釣友の元へ戻るとご覧の通り。良いサイズがバカバカ釣れています。エサ師はすでに帰り静かになったので、私もロッドを出す事に。私のカメムシドライに出たレインボーは5本で、そのうち2本はランディング寸前にネットに驚いてしまいバラしてしまいました。使用済みのフライは大尻沼などと兼用だからバーブレスなので致し方なしかな。でも十分にその引きを楽しめました。それよりも50センチオーバーのイワナを前にして、イワナはすでに禁漁に入ったものだと勘違いして狙わなかった事が悔やまれる。
野反湖
期待した午後の部はライズもなく全くの無反応なので、あまりにも気配がないので早めに退散する事に。その際入れ替わりに入ってきたスペイキャスターに「どう?釣れた?」と聞かれたので、「いえ、全然釣れません。」と答える。すると、「ここで釣れない様じゃ、どこへ行っても釣れないよ!」と言われてしまいました。そうですか・・、精進いたします。

 

あなたはフロータントを何種類持っていく?管理人の持ち物公開(フロータント編)

ようやく釣果が出たので休憩する気になった時、ふと思った事はフィッシングベストってドラえもんのポケット状態だってこと。「あれ、こんなものも入れていたっけ?」なんて、色々と出てきませんか? 私の場合は携帯食品(エナジーバー)やおにぎりの食べカス(外装フィルム)が至る所から出てきたりして、うっかりするとおにぎりの化石と遭遇するのです(笑)

一昔前は一眼レフをぶら下げながら釣りをしていたので、それが一番重い持ち物だったけれど、私のベストってなんで今だに重いのだろう?と思うのですが、フライフィッシャーマンは心配性だから色々なものを突っ込むのですね。ちなみにフライは数があるほど安心が生まれるので、常時持ち歩くフライボックスは大体5個かな。でも最近はその中身がスカスカ・・。

ちなみに今回持ち込んだフロータントの数は全部で7個。これでもいつもに比べると少ないんですが、そんなフロータントの良い点や使い分けについてご説明。そのついでで、昨日の釣果報告となりますので、「お前の釣りには興味がない!」という方はフロータントのハウツーだけお楽しみください。

kty 3フロータント(リキッドタイプ):液体ドブ漬けタイプでは速乾性が高く軽い(イメージ?)。フライを選ばずなんでも使える、持続性も○。魚を連チャンで釣りたい時に、水分だけ飛ばせばすぐに使える。主にパラシュートやスタンダードフライに使用。難点は部分塗りができない。

ドライシェイク(パウダータイプ):高浮力で使う人が多いフロータント。私の場合は主にフライドライヤーと同様に乾かす為のものとして考えている。なので、魚を釣った後の乾かし役。持続性は×。

フライディップ(リキッド+パウダータイプ):最近ハマっている、高浮力持続性タイプの粉もの。パウダーの付着性が高くドライシェイクやスプレーパウダータイプよりも持続性がある。しかし一匹釣った後は浮力が復活しないので、一回乾かしてからもう一度漬ける必要がある。また、速乾性はKty3よりも劣る。

ルーンダスト(パウダーハケ塗り):ミッジのインジケーターポストやイマージャーの浮力を得たい部分だけ塗布し、フライを半沈状態にする為のもの。なので使うのはラストチャンスクリップルやミッジ中心。今の時期は必要無いかもね。

⑤リフトフォース(リキッドスプレータイプ):液体のスプレータイプ。速乾性はないけれど、半乾きでも浮力はある。高圧ガスを使ってないので遠征時に持っていく人が多い。浮力の持続性が高く役目はkty3と同じかな。でも塗布直後はフライが水面につくと油膜ができるので、それを見ていると環境に悪い事をしている気分になる。

kty 激粉スプレー(パウダースプレータイプ):お店で一番売れるのはドライシェイクスプレーだけれど、それよりも白さが少ないので、フライが真っ白けよりは少しマシなので、巻いたフライのカラーの認識ができる。手軽さゆえに最初にコレを吹く事が多い。手間をかける時はパワーフロートを少量塗りこんだ後に、このスプレーを拭くと、さらに持続性が増す(と思っている)。

パワーフロート(ペーストタイプ):ルーンダストは浮力が高いけれど、持続性がない高浮力の部分塗り。こちらは浮力の持続性が高く、部分塗りが可能。なので最初にコレを塗って、浮力が落ち始めたところでルーンダストを塗ることが多い。もしくはその両方かな。ペーストはなんだかんだで万能なので、一つしか持っていけないとすれば、このパワーフロートが良いかな。

釣具屋の私なので、お店で販売しているフロータントはどれも使ったことがありますが、最近はこん7つに収まってます。ちなみにシーバスのフライフィッシングにもフロータントを持っていくのですが、フローティングミノーとリーダーにはシルバートラウトのUBFホットデイを塗ります。

余談ですが、最近フロータント以外の工業用グリースや防水スプレーをフロータントとして紹介するページを見受けますが考えることは皆同じで、もちろん私も過去に色々と試しました。結果、衣料に使う防水スプレー類はフライに防水効果はあるものの浮力はほとんどないので銀幕を覆ってフライは沈みやすいです。工業用グリースは粘度が高くフライの産毛が潰れてしまい、つけ過ぎると重くなりその効果はほとんどありませんし、CDCに向いていません。やっぱりフライメーカーさんは色々と配分を考えて製品を出しているのだなぁと思うのが私の意見です。

フロータントをこんなに持ち歩きたくない方は、最初の一本はペーストタイプを買いましょう。CDCフライを使わないのであれば、アクエルもオススメできます。私はペーストフロータントをドバッと大量に付けますが(染み込ませたほうが効果が長続きする様に思えるので)、一般的には薄く伸ばして浮かせたい部分だけに塗ります。

さて、フロータントの話はこの辺にして、後半戦は昨日の釣りのお話。

岩陰から魚
最近はフライが足りていないので、手元にあるフライでなんとか釣りをしている次第。なのでお店で売っているコマーシャルフライを使うか、色目だけ夏っぽいフライだけれど季節感がないフライを使っていたりして・・。そして今回訪れたこの場所も車を降りて2時間以上渓流を歩きました。渓に入ってみると既にヤマメの盆隠れが始まってました。
夏はポイントまでが遠い
この木の実がいっぱい落ちている時点でどこの県にいるかお分かりですね。
イワナ
この川はかなり深く入り込んでもイワナとヤマメの混棲。落ち込み前や岩陰にはイワナ。早い流れの筋や流れの頭ではヤマメが釣れます。
ヤマメ
ヤマメはすっかり黒ずんでしまい、レッドバンドが色濃くなりました。時折見かける大物はとても浅い細かな砂利上で定位し、見つけるとすぐに深みへ逃げてしまいます。仮に見つからないようにして上手くキャストしても、フライが通ると逃げちゃいます。まだペアにはなっていませんが、すでに産卵モードに入ってしまった個体がいるようです。
山奥の渓流
どシャローの強敵を見つけてはチャレンジはするものの、何を投げても一投目で逃げてしまいます。なので、見えた尺に近いヤマメは一つも取れず。元気が良いのはまだ食欲旺盛な6〜7寸サイズのヤマメ達。
イワナとヤマメ
イワナもヤマメもそこそこに釣れたのですが、ツ抜けは出来ず。見えている大物は一つもキャッチできません。更に渓流には虫っけは何もなし。アブさえもいません。イワナ狙いならばもう少し釣りにはなるでしょうが、これからのヤマメは釣れても婚姻色が強くなるので、私の中では今シーズンの渓流釣りはこれで終わりだと感じました。
ナースローグ
こんな場所をかき分けて斜面を降りると、この川があります。様々な紅葉樹に支えられたこの森は、朝方に雨が降って気温が上がったので、退渓するために下流へ降った時に要所でなんとも言えぬカツラの甘い匂いが漂っていました。もうすぐ秋ですねぇ。
2023年渓流シーズン終焉
今月の火曜日は残すところあと一回ですが、私の2023年渓流シーズンは幕を閉じましたので、あとはみなさまに任せます。秋になれば湖の釣りやシーバスが忙しくなるのですが、まずはフライを巻かないことには、すべてのフライボックスがエンプティ状態です。明日はタイイングできるかなぁ・・。

一投一撃、丸沼のサイトフィッシングはトラウトハンターの釣り

この時期、丸沼のフライフィッシングスタイルは様々で、湖岸からウェーディングにこだわってスペイキャストで引っ張りの釣りを楽しむ人や、ボートからシングルハンドでシンキングラインの釣りを楽しむ方もいらっしゃいます。私はというとこの季節の変わり目に水面へ落下するカメムシやその他のテレストリアルを投げて釣るドライフライの釣りに没頭します。

前回のブログでも書きましたが私はヤマメのフライフィッシング好き。それもライズを見つけて仕留めるハンティング的な要素が高い春のライズを狙うのが特に大好きです。アイダホ州にあるヘンリーズフォークリバーで繰り広げられるそれ(トラウトハンティング)もよろしくライズの釣りは他の釣りと少し違い、魚を見つけて狙いを定めた獲物を仕留めるまで諦めない。その魚が仕留められなかった時に敗北(負け)を感じるのです。それはまさしく鹿や猪を狩るハンティングと同じ。

では湖でのドライフライを私がどのように行なっているかというと、フライをただポカーンと浮かべてただ待っている訳ではありません。まずは湖の形状と風の向きなどを見て戦略を練り、見い出したポイントへ向かいます。フライは闇雲に投げて浮かべて置くのではなく、魚を見つけてからのキャスティング。なので事前にラインを出して直ぐにキャスト出来る様に準備し、櫓でゆっくりと漕ぎながら魚を探していきます。

レインボーを見つけるとその進行方向を見極めてこれから向かうであろう方向に向けてキャスト。レインボーがフライに突進してきて違和感を抱き、喰いつかない事が数回続けばラインの置く位置や方向を変えてみたり。それでも喰わない場合はフライを交換し再度チャレンジ。そんな具合に見つけたトラウトを見事仕留めた時の達成感は渓流で狙うヤマメと同じ感動を得る事ができます。

最近流行り始めたシャローエリアのクロダイもしかり、またボーンフィッシュなども同じスタイルで釣るので、サイトフィッシングで仕留めた時の達成感はそのスタイルを貫いた方には共感してもらえるでしょう。

ということで、昨日は今更ながらですが今年初の丸沼でのカメムシドライへチャレンジ。さてさて、その結果は・・・。

昨日の戒め:ま大丈夫でしょう、と言う甘えがタカ切れ(ティペット切れ)を引き起こしてしまう。

カメムシフライ
前日に慌てて巻いたカメムシ三つ。この季節に水面へ落ちているであろう虫を想像してフライを巻いた時点で、妄想のかなでは既に魚は釣れています(笑)
2022年秋の丸沼
朝の外気温は10℃。晴天無風で都会と同様に外気温が上がるのかと思ったら、暑くはなりませんでした。山はだいぶ色づいてきてます。
丸沼のトンボ
トンボは水面に飛び回った後に休むところがないのか、何度もボートの上に戻ってきます。そろそろ産卵を終えて最後の時を迎えるのでしょう。私はそのトンボを見つつ、目先はクルージングする水面直下のレインボーを探します。そのクルージングは少なく15〜20分に訪れ、そのワンキャストに全てを掛けます。
丸沼のレインボートラウト
午前中はカメムシフライで4回バイトさせて、珍しく緊張して3回はすっぽ抜け。さらに4回目は結び目が甘いと分かっていたリーダーとティペットの結び目からタカ切れ。大丈夫だろうという甘えは駄目ですなぁ。そして無風の時間が続きゴミが固まらず、午後になってようやく1本目をキャッチ。フライはブラックビートル。
丸沼の秋
ロッドは男らしく一本のみで浮気せず、ひたすらレインボーのクルージングを探します。しかし、ゴミが固まらず、クルージングするトラウトがなかなか見つけられずに大苦戦。もう少し風が吹いて欲しかったなぁ。
丸沼のレインボートラウト
今回はあまりにも風が吹かないので、岬周りの釣りをせずに水が動くであろうダムサイトの両岸100mほどの場所だけに絞って、魚を探し続けました。
フォームビートル
カメムシフライへの反応はとても良かったのですが、何度も同じ魚に見せているとスレてしまうので、ひと回り小さいこのビートルとの2本でローテーションをしてました。
丸沼のレインボートラウト
レインボーは岸際ギリギリに泳いでいる個体が少ないのは、先だっての大尻沼と一緒。落ち葉のゴミの中に紛れる死んだ虫を探してクルージングしています。このサイトフライフィッシングで見つける個体数を大尻沼と比べると、丸沼はその1/4以下とかなり至難の業。釣果数を求めるのであればインタミラインを引っ張ったリトリーブの方が良いでしょう。
丸沼のフライフィッシング
ともあれ今回は陽が傾くまで探しまくって40〜50cm弱が3本キャッチという貧果ですが、サイトフィッシングの場合そのプロセスを楽しんでいるので3本釣れれば自分的には非常に満足であります。これからの季節、紅葉を楽しみながらレインボートラウトに遊んでもらう釣りをあなたもいかが? 丸沼は11月末日まで楽しめます。

『嵐を呼ぶ男』ならぬ、レインボートラウトは『風と共に去りぬ』

それにしてもまぁ、雨の中へわざわざ釣りに出かける私はかなりの変態ですな。いくら人が来ないから良い釣りが出来るだろうと言っても、秋の雨は一雨ごとに寒くなるので、体感温度はグッと下がって寒く感じる。もうフリースを着込む季節は目の前なんですね。

台風接近だけれど、関東へ接近する時は熱帯低気圧に変わる予報が出ていたのは月曜日のこと。その予報では現地へ着いた頃に一番雨量が激しい時間帯になるというけれど、どうしよう?なんて考えてた。台風接近時に釣りをする選択肢に川へ出かけるという選択肢は無いので、このブログでは何度も書いてますが台風到来の場合は私の釣りは大尻沼一択になります。

その理由は大尻沼丸沼に比べて規模が小さく谷間にあるので、風の影響が極めて少ないこと。南が強く吹いていれば南岸へ寄り、北ならばその反対。吹き返しが多少はあるものの風の影響を受けにくい場所で釣るので、ロッドが振れないというほどの強風を感じないのが今までの経験。そしてもう一つはそんな大雨の日は釣り人は来ないという事。フィッシングプレッシャーがない上に、湖面には風による吹き溜まりができ、さざなみのおかげでティペットの影を気にする事なくドライフライフィッシングが楽しめる。また、今までどんな大雨にあっても、泥濁りになることは一度も無かった場所なので、大雨の中でもドライフライフィッシングが楽しめてしまうのです。なんて書いているけれど、人間は寒さに打ち勝つ必要があるので、装備が万全でないとツライですヨ。いずれにせよ無理は禁物ですので、ちょっとでも不安を感じたらすぐに撤退するつもりでなければいけません。

ブログを辿ると前回のここでの釣りは7月12日でこの日も大荒れの日。どうせ暇だし行って駄目(悪天候で出船停止)ならば観光でもして帰るつもりで予約電話を入れると、今回も「本当に来られるのですか?」と僕らの道中の身を案じてくれる優しい環湖荘のスタッフさんでした。

今回の教訓:釣り馬鹿につける薬は無いが、自然を相手にする釣りなので、無理をせず現場の指示には必ず従うこと

雨の大尻沼
国道120号線を金精峠に向かて登る途中は大雨過ぎて、こんな日に釣りをするのかと思うほどの雨だったが、現地へ着く頃には程々の雨。雲は凄い勢いで動いているけれど、湖面は風速1〜2m程度。ボートが流されることもありません。もちろん、丸沼を含めてもこの時点で私たち以外に釣り人はおりません。
レインボートラウトとのファイト
今回は初っ端からトラブルで到着早々に大物を掛けて魚が走り出したら、ロッドの3番から上がすっぽ抜けてバレちゃたのです。抜けたロッドを回収するとロッドが抜けたのではなく、ペグ(ジョイント)の部分がポッキリ折れてました・・。ボートにロッドは一本しか積んでおらず、仕方なく車へ戻る羽目に。ココへ来られたことがある方はご存知だと思いますが沼の一番奥にいた場合、車まで戻ってまたボートで漕ぎ出して元のポジションへ戻るのに、40〜50分は掛かるかな。まぁ、でも戻ってきてすぐにバックアップロッドで釣れました。
大尻沼のレインボートラウト
今年の傾向として岸際の木の下でクルージングする個体は少ないと感じます。今回はそのほとんどを沖にできるスカムライン(ゴミの溜まり)でテレストリアルを啄む個体。慣れない人は沖にアンカーをうって、適当に投げている方法で釣れると思います。
大尻沼
時折大雨がやってくるので、その時は丘へ上がってひと休憩。この場所は丸沼から続くお散歩コースの林道。普段は疲れて眠くなった時に、船が流されないようにこの近所に船を上げてお昼寝しているポイント。
カメムシ・ビートル
例によって今回もフライはカメムシのフォームビートル#10〜#8オンリー。カラーは色々と使ってみましたが、何色でも問題ないみたい。リーダーはトラウトハンターのトラウト10フィート3X。ティペットは同じメーカーのフロロティペット3Xを90cmです。
大尻沼にある熊避けの鐘
この周辺も熊さんがいるので、丘にはこんな熊に知らせる鐘があります。良い音がしますが、鳴らすのがちょっとコツがいるかな。
レインボートラウト
今回のサイズは40〜60cm弱までで、釣果は休み休みで20本弱っといったところ。釣り方は湖の真ん中で鼻を出して虫を食べている個体を探し、その鼻先1mへフライをキャストするというスタイル。泳いでいる魚を見つけるのは慣れが必要です。しかしボートが少ないのでそのプレッシャーがなく、3m近く外しても喰いつくヤツもいました。
大尻沼の釣り
嵐の間にこんなふうにほんの数分間水面が静かになります。すると落ち葉が溜まっている付近でライズが始まり、それを目指してボートをそっと漕ぎます。射程距離に入ったらフライをプレゼンテーションすれば素直に喰いついてきます。ただ午後3時ごろから南西風だった風は北西に変わり、一気に寒くなり食い渋る一方。
大尻沼のレンボートラウト
アイシャドウのブルーは深いところにいた魚の証? 深い所から一気に上がってくるレインボーはその水の青さと同じカラーになります。そんな魚にはフライが落ちたことをアピールするために、こんな大きめのビートルが効くのです。
大尻沼のレインボートラウト
最終的にレインボーは休み休み数釣りを楽しんだ訳ですが、午後の風が去った後は急激に冷えてしまい、レインボートラウトは風と共に去りました。なんかこの三連休も台風が近づき天気が悪いみたいですね。私と同じような釣りを真似する人は何人いるのかしら? 悪天候はレインウェアを着ていても身体はびしょびしょになりますので、くれぐれも風邪をひかないように。それとライフジャケットは必須です(持っていない人は環湖荘で貸してくれます)。

カメムシフライに願いを込めて(予測とのズレ)

朝の冷え込みを少し感じる頃には「そろそろカメムシの時期だな。」なんて思いながらほくそ笑むのはフライフィッシャーマンだけ。都市から少し離れた場所に住む人にとっては越冬の為に家に侵入する厄介者であり、この虫を見たら臭いを想像してしかめっ面することでしょう。

今年は暖かいのか寒いのかよくわからないのが私の見解。朝の気温は例年に比べて涼しいと感じるけれど、陽が上がるとカラッとしてはいても夏に近い暑さが続いている気がします。シーバスでもそうですが、海水温がまだ高めだからもう少し様子をみようと二の足を踏んでいると、あっという間にシーズンは始まりボート予約が取れず、気がつけばピークを過ぎているなんて事もあるもの。そう、季節は必ずどこかで追いつくのです。釣り人はそれを頭に入れて行動しないとね。

台風後の暑さも落ち着き寒暖差が大きくなったのでそろそろカメムシでしょ、と思って今週の釣りは湖のドライフライフィッシングに決定。そのドライで狙う候補地は現在は芦ノ湖本栖湖野反湖丸沼。この四候補の中で野反湖は先だって行ったので却下。芦ノ湖本栖湖はまだ水温高めなので、ならばと丸沼へ出かけてきました。

さてさて、その結果はいかに?

今回の戒め:ポジティブな希望で楽観視せず、最悪に備えてフライはバエティに富んで備えよ。 タックルは仕事同様にダブルチェック!

丸沼のカメムシ
今年二回目の丸沼ドライフライ釣行。前回は長雨による河川増水で最後に残った選択肢。しかし今回は、「カメムシと行ったら、野反か丸沼でしょ。」とのポジティブな気持ちから出向いた。早々に丸沼手前のコンビニで見つけたカメムシ。今日は爆釣か?
減水気味の丸沼
丸沼到着後に気づいた忘れ物。セントリックC904/4忘れた。リーダー忘れた。フライボックス一個行方不明。6番と思っていたロッドが8番だった。シンキングライン間違えて持ってきた。よって持ってきたタックルで組み合わせたのが以下の通り。Scott Radian R905/4・Aiflo Forge WF5F・Airflo ポリリーダー トラウト 8ft(本来はウエット用)+0Xを90cm 。さらに3Xを50cm。ロッド一本のみのドライ縛りです。
丸沼のカワムツ
あぁ、また君か。#8のカメムシにフッキングするなんて、カワムツは随分と大きく成長しましたね。例によって木の下をブラウンが出るのではと期待して投げても彼らばかり。日本の在来種だけれど、外来種と呼びたい地方から飛び火した厄介者。
小さめのビートルパターン
午前中は前回同様にシビア過ぎて釣れない。そしてカメムシのカの字もないくらいに落ちてない。水面に舞うのはユスリカのみという状況で、大きいカメムシを投げても魚は喰う気配さえ見せず。仕方なくこの10番にサイズダウンしてみるけれど、結果は同じ。小さいフライなんて積んできてないし、う〜む・・・。
丸沼のレインボートラウト
写真を撮り忘れちゃいましたが、さらに小さいゲーリー・ラフォンテーンのパターン、モーホーク(Mohawk)に似たものをボックスの片隅に見つけて、それで釣ることに。風が出るタイミングでフライをタイミングよくプレゼンてションしてようやく出た最初の一本。時間は12時を少し回った時刻。
丸沼のボート上
釣り方がわかってしまえばこちらのもの。風とタイミングを待って投げる時のみバイトしてきます。しかし、1日を通してほとんごこんな感じの無風なんです。
ドライで釣る丸沼のレインボートラウト
魚のサイズは30cm平均で40センチをギリギリ超えないサイズ。前回よりもサイズダウンですが、胸鰭は綺麗な個体がほとんど。前半はレッドバントが色濃い子たちで、岸際の風が当たる岬の裏側でヒット。
沖のライズを狙うドライフライフィッシング
夕方の後半戦に入っては沖のな〜んもないところで突然起きるロケットライズ狙い。深いところから一気に上がってくる個体はシルバー色が強いです。フライは色々変えてはみたものの、モーホーク以外は反応せず。
丸沼のイブニングタイム
野反湖の時合いと同様に4時ごろにはイブニングのピークが来たのだけれど、如何せん風なしなので釣るのが難しかったです。こんなベタ凪のディンプルライズはティペットの影で反転してしまうんですね。
リリースされ丸沼へ帰るレインボートラウト
結果トータルで5本をキャッチ。しかし大物は一本も混じらず。そうそう、午前中にダム近くでロクマル半ばのヒレピンブルーバックレインボーを見つけたのですが、カメムシフライはガン無視。大きなスティミュレーターに変えた時に一度だけフライをチラ見をしましたが、完敗です。沈めて釣れるのかなぁ、岬周り1-2m下を回遊するその大物は次回の宿題です。そしてあなたが出かける頃にはきっとカメムシで爆釣シーズン。私の代わりにたんと大物を釣ってくださいまし。

渓流の締めくくりは湯川でリハビリフィッシング

記憶とは当てにならないものですね。昨年のこの時期に湯川へ行ったと思ってましたが、今ブログで確認すると2年前の9月17日でした。コロナ禍は人生の貴重な時間に影響を及ぼし、昨年の記憶は無かった様な一年になっているなんて、悲しい。

私はハーミットを始める前に某釣具関係に勤めていたのですが、その頃の私はオートバイの免許しかありませんでした。北海道釣行もバイクで楽しんでいた輩なので普段の釣りは何ら不都合を感じず。しかし誰かと一緒に行くとなると車の免許がない役立たずなので、皆が私のアッシー君になってました。そんな時代に私のアッシーをしていた後輩のHくんが約25年ぶりにフライを再開するとの事で、そのリハビリ釣行へ。あ、今回は彼がアッシーではなく、若い頃のお礼を兼ねて私がアッシーくんです(笑)

2021年の渓流シーズンもあと僅かという時期なので、やっぱりオデコなんて嫌ですよね。なので確実に魚が居る湯川を最終戦として選んだ訳ですが、ハッチの少ないこの時期は決して簡単なものではありません。渋ちんライズをいかに仕留めるかが鍵です。そういえばひと昔前の禁漁直前の湯川なんて朝は霜が降りるほど寒かったのを思い出し、地球温暖化の進み具合を改めて感じました。

そんな昨日の湯川は以下の通り。楽しい1日でございました。

戦場ヶ原にある木道
今回は赤沼茶屋から入って湯滝手前まで釣り上がり、魚を探しながら往復する釣り。木道歩きが半分、そして藪漕ぎが1/4、さらに水中闊歩が1/4。朝早くはライズが無いけれど、時間と共に魚が浮くので、魚影を見つけて狙うサイトフィッシング。
ライズを見つけて狙う湯川のブルックトラウト
彼が湯川に来るのは初めてだとか。リハビリ釣行なのでライズを見つけてあげて、まずは体を慣らしてもらいましょう。入りやすいポジションだと魚が目の前になっているので、入渓は匍匐前進さながら。低い姿勢で用意して、タイミングをはかります。
ドライフライでヒットしたブルックトラウト
川での釣行が25年振りだというから難儀するかと思いきや体はフライフィッシングを覚えている様で、すんなりと大物を掛けてランディング、流石です。これで一安心して私は自分のお魚探しに入ります。
湯川の秋空
今回のフライフィッシングは今年1番の密(みつ)かな。それは釣り人ではなくジジババ様たちのハイカーがとっても多いから。紅葉はまだですが、こんな景色なので写真は撮りたくなるし、出掛けたくなるのも致し方ないです。
FAGUS ファインループ 6フィート4インチ3番
ブルックトラウトはこんな木の下でライズするのでかなり難儀します。リーダーはかなり短くして6.4フィートのファーガスでフライをねじ込むのが丁度良いシチュエーション。以前の釣行では上流部の方が魚が濃かったですが、今回は青木橋よりも下流の方がライズが多かったです。13時まで掛けて上流を目指しましたが、ライズの少なさにライズの多かった下流部へ速攻Uターン。
湯川のブルックトラウト
これがライズなの?と、思うくらい渋いライズが木が邪魔をする岸ギリギリであります。疑心暗鬼になりながらもそんな場所へ投げるとそれが全部ブルックトラウト。7フィート台のロッドでは長さが邪魔をするのでねじ込むのが難しい事でしょう。さらにキャストの正確さが要求されます。でもね、掛けた所でこのロッドの柔らかさが仇になり、藻化けする事多数発生。
戦場ヶ原の木々
木々は少しずつ黄色みが増してきた感じ。この場所が紅葉渋滞する頃には釣り人の姿は無くなりますが、その頃にはブルックトラウトの産卵を見に行くという楽しみ方があります。私がそれに行くかって? 答えはいいえ、私は他の釣りで忙しいのです(笑)
朱点が宝石のようなブルックトラウト
魚の渋ちんライズを見つけるのに大変苦労したために前半はとても苦労しましたが、パターンさえわかってしまえばこちらのもの。似たような場所を見つけて投げやすいポジションからフライをねじ込みます。そのポジションがたとえ胸近くの水深があるとしても、それを忘れて投げ続けて釣果を伸ばす私。
藻の隙間に隠れるブルックトラウト
先だっての野反湖と同様の時刻の30分だけライズの嵐。写真撮影なんてやめて片っ端から釣れば良いと思っていたのは若かりし頃。今は納得がいく釣りができればそれで十分。最後にリリースしたブルックは藻の中に隠れた自分は完璧だと思っている姿が可愛かったので、その写真を撮影していたら、川面のライズは静かになったとさ。

完敗寸前で乾杯へ持ち込んだ丸沼のドライ縛り

♪雨、雨、降れ、降れもっと降れ、私のいい人 つれて来い♪
なんて雨が降るとつい八代亜紀の歌を口ずさんじゃうけれど、僕らは釣り人だから雨は程々が良いんです。全く降らないよりは活性が上がってずっと良いのですが、僕らの気持ち的には、
♪雨、雨、降れ、降れちょっと降れ、私の大物 つれて来い♪
と言う感じかな。このブログには演歌がよく出てきますが、私は全く聞ません。でもふとした瞬間にサビのフレーズが出てくるのが演歌の凄さなのかもね。

今年の梅雨は雨が多いですな。なので釣り前日は積算雨量と川の水位を確認するのがルーチンワークですが、今回も本流〜中流域はまず無理。かといって車止めから1時間源流を歩いて、途中からザーザー振りにあったりすると帰りの道程が嫌になっちゃう。なのでこの時期に天気予報が芳しくない時は必然的に私の足は湖に向きます。7月だからその選択肢は野反湖丸沼となる訳ね。

蒸し蒸しのシトシト雨予報、普通に考えたら入れ食いでしょう? そんなポジティブな私の気持ちとは裏腹に、午前中はいくら探しても魚の気配は全くなく、岸際の魚も全く見えずライズもなし。もしかしてこのままボウズ? 少し考えた結果、車にシンキングラインを取りに戻ったところ、こんな時に限ってロッドは4と5番の2本しか積んでおらず、仕方なくラディアン9ft5番にWF8Sタイプ6を乗せるという危なっかしいタックルを組む始末。この時期にタイプ6なんて釣れないよなぁ・・。

シンキングラインを試しては見るものの、手応えはまるで無しなので、すぐに諦めモード。もう完敗かな。疲れていたのでボート上でふて寝した帰り際、残りの時間を散発すぎるライズをなんとか釣るしか無いかと・・、その結果は以下の写真参照。

昨日の釣りを一言で片付けるならば「あ〜疲れた。」かな。腕はパンパン足は船上でずっと立ちっぱなしでバランスを取っていたので、本日はふくらはぎが筋肉痛でゴザイマス。

丸沼でカワムツ
雨の当たらない木の下でライズしていたのは全部カワムツ。群馬県も放流魚と共に入ってきてしまって増えたのかな。そして写真右は真っ黒けのカディス。水面はこのカディスとフライングアントの二種類が落ちていたので、12〜14番の真っ黒けを投げれば簡単に釣れる筈だったのです。しかし午前中はな〜んもありません。
スコットのセントリックC904/4
湖ドライフライと北海道の渓流用に購入したスコットのC904/4。ようやく本来の威力を発揮してもらいたかったのに、岸沿いを泳ぐトラウトで確認できたのは水深2mよりも深いところ。フライを投げても全くドライに気づきもしません。仕方なく沖の散発ライズを狙ってみることに。しかしこのディンプルライズはエレキの音やオールの軋み音がすると途端にライズが止みます。もうギブアップして帰ろうかとも思いましたヨ。この時点でボートを漕ぎ過ぎて腕はパンパンだったしね。
丸沼のヒレピンレインボー
船が動くとライズが止むので、船は風まかせのどてら流し。曇りのサイトフィッシングはレインボーが見つけづらいので、なるべく背景が水面に映るポジションで魚を探す。ライズのタイミングをカウントして次の場所を予測してキャスト。全てがうまく行った時にようやく釣れた1本目。
丸沼のブルーバックレインボー
サイズは大きいものは出なかったですが、ドライで釣れる魚はいつもヒレピン。そして水底から一気に上がってくる個体なので、本栖湖と同様にとても綺麗なブルーバックです。
丸沼のレインボートラウト
コツを掴んでしまえばあとはお魚を探すだけ。今回のサイズは35〜40cm位までで胸鰭の大きさも立派です。
尾鰭のしっかりした、丸沼のレインボートラウト
この大きな尾鰭でグイグイ引っ張っていきます。なのでランディングまでかなりヒヤヒヤもの。ティペットは3Xでフライは14番のフライングアント。終わり間際に釣れた3本で、ようやく気持ちが楽になった。あぁ〜精神的にも疲れたヨ・・。
丸沼
お昼を過ぎ頃はこのままオデコで帰ろうかと思ったけれど、ギリギリまで粘ってヨカッタと納得する自分。最後は完敗でお手上げの写真を撮る予定でしたが、居眠り運転しないようにモンスターで独り乾杯して帰りましたとさ。

 

イロモノ(大尻沼で仕留めた綺麗なブラウントラウト)

エリアフィッシング(管釣り)を中心に楽しむ人たちはレンボートラウト以外の魚をこう呼ぶらしいのですが、辞書を引けば元々は寄席用語で正統派(主軸)以外のものがイロモノらしい。確かに管釣りではおよそ90%はニジマス系の魚であるから、それ以外はイロモノで良いのだろうが、なんか言葉の響きがどうしても揶揄している様に聞こえるなぁ。

で、昨日はセントリックとラディアンの振り比べの地として選んだのは群馬県の大尻沼。今年7月にも訪れているので、入漁料を支払うと時に釣り情報的には丸沼にしておけば良かったなと、ちょっと後悔の念。景色を見回せば湖の紅葉は少しずつ近づいています。

私にとっちゃ大尻沼はイレグイの地。魚のコンディションは良くサイズも大体50センチ前後はあるから、ロッドのパワーやランディングまでの感覚を楽しむには良い場所と判断したんですよ。その道のりは事故で通行止めになった高速道路のおかげで到着は少し遅れて8時半。でもこれ位の時間から水温が温まってお魚が釣れる筈。船は4隻しか出ていないらしいから、今日はきっと入れ食いを楽しみつつ新しいロッドの感覚に触れられる筈。そんな思いで湖上に船を滑り出し、すぐに岸際のレンボーを探しに入ったのです。

ん?お魚はどこ?

7月に訪れた時は縦横無尽に私の前を横切るレインボーを見ながら、どの角度のレインボーが一番釣りやすいかと考えながらキャストしていたのに、その姿がほとんどない。よくよく見ると岸際20センチぐらいの所でライズが少しある。それを見つけてきっちりキャストを決めてみるも、フォームのカメムシフライは食い込むことはなく、キスする時間だけが続く。キャッチ&リリースの宿命か、オープンして数ヶ月が過ぎるとこんなにもスレ切っちゃうのですね。

いつもならば午前中だけで二桁は釣れるのに、時間ばかりが過ぎていく。少し風が強いせいもあってボートポジションが取りずらさもあるが、それはいつものこと。秋らしい天気なのにカメムシの落下は全然なく、そのライズはものすごく小さなものを食べている様子。なんかいつもと勝手が違うんですね。

仕方なくサイズを12番まで落としたフライイングアント。シャローレンジで小さな虫をついばむレインボーを見つけてキャストするもその着地点が少しズレたのでガン無視されてしまった。しかしその下の水底が動いたかと思うと別の魚が食いついた、ラッキーである。でもね、コヤツがそこへグイグイと持っていく感じで、マーキスが悲鳴をあげてくれないんです。

手繰り寄せて近づいてきたそれは管釣りルアー用語で言う見事な彩色をまとったイロモノ。茶色にイエローのボディに黒のマーブル模様が綺麗に施され、その間に当たるマーブルにはオレンジが散りばめられた、これぞブラウントいうブラウンでした。

ここまで綺麗なブラウンは大尻沼では8年振りぐらいに釣ったかな。胸ヒレが綺麗なオレンジでとても印象に残る一尾の出会い。もしあなたがこんな魚には出会った時には、決してイロモノなんて言わないでくださいな。ブラウントラウトという立派な名前があるんですから。嬉しかった一尾のご報告ですが、結果一日中魚を探し回って9本という釣果はなんか微妙・・。

ボート上からだと魚と自分が近過ぎてまともな写真が撮れないのが玉に傷。いやぁ、本当にオレンジ色の胸鰭が印象的な綺麗な魚でした。
かなりのシャローレンジで掛けたので、リリースした直後はこんな感じでじっと底から動かず。やがて深場へと姿を消しました。この写真だけ見ていると、昨年のポインデクスタースルーリバーのブラウントラウトと変わらないです。
サイトフィッシングで魚が見つかる量がいつもの半分。そして魚を見つけてもフォームフライへの反応がものすごく悪い。皆が皆して同じもの投げ過ぎているのかなぁ。最終的に一番良く釣れたフライはイワナやヤマメ釣りに使っているクリンクハマー14番でした。
しかし秋のシーズンなので、魚のコンディションは抜群。どの個体もとても綺麗でしたよ。ただし、栄養となる餌が少ないのかスリンキーなんですね。
いつものボートランプ近くは全く釣れず、今回は丸沼寄りのポイントのみが反応。風と湖流がぶつかってできたスカムラインにクルージングをする魚を見つけてから釣りが楽になりました。最も終わり間際だったので、セントリックと交換して釣りをする余裕がなかったのであります。
落ち葉と虫がごっちゃになった吹き溜まりは今回は湖のど真ん中。なので後半に釣った魚は全部湖のど真ん中。魚のサイズも岸際よりはど真ん中の方がずっと良かったです。
こうして呑み込む個体は稀で、ほとんどが上顎にチョン掛かり。そのシビアさが伺えます。魚のサイズは40〜50cm半ばまでといった所。
気がつけば帰りの奥日光路を走る頃には道路も暗がりに。こんなにめいいっぱい大尻沼で釣りをしたのは初めてかも。でも試練を与えられた方が釣りはメラメラと燃え上がるものですね。あ〜でもない、こ〜でもないと試行錯誤している時間がいつも以上に楽しかったです。そして今回の様な綺麗なブラウンが釣れるのならば、もう一回行こうかな?

釣り人の行動

夜明けのライズを仕留めようと睡眠を削り着いたのは朝4時半。暗がりの中で準備をしているとこんな夜更けに次々と車が流れ込んでくる。そんな時間に行動するのは釣り人だろうと予想はつくので、僕らは競うかの様にして準備を急ぐのである。これって、湖での釣りのあるあるですね。

各車のライトが落ち車のエンジンが切れると「よーいドン!」の合図の様なもの。入漁証を買うのにダッシュするもの。慌てすぎてウェーダーを履かずにウェーディングシューズを履くもの。そして既にタックルが組まれているルアー組の素早い動作を見て、私は先に準備を済ませた仲間に先に行く様促すのです。朝の時間はまるで借り物競争の様ですな。

そもそも、なんでこんな人がいるの? と思う位、平日なのに人だらけ。そしていつもと違うのはエサ師がとても多い事。この時点であらかた察しがつきます、放流でもあったんだなと。

今回の一泊二日旅は以下の写真の通り。少しずつ水温が下がり、野反湖は初秋を迎えレインボーシーズンを迎えました。あなたも時間を見つけて出かけてみてください。

借り物競争を勝ち抜き、先に行った仲間は一昨年の一番良かったポイントに入るや否や、次々とドライフライでレインボーをキャッチ。出遅れた私は対岸に入り狙うけれど、流れの筋が対岸。なので対岸のエサ師は5分に1本のペースで釣り続ける。ま、放流ものですけれどね。
ふと見回せば私の側にも釣り人だらけ。でも急斜面の釣りにくい所で陣取っているので、真似をする人は無し。水温の上昇と共に私の方も入れ掛かり。あっという間に二桁釣果。野反湖で初めての経験です。
大体秋のシーズンは野反湖の水を抜くので、水位は7月上旬の満水時から比べると4~5mは落ちている状態。湖が小さくなる分だけポイントが絞りやすく釣りやすい。おまけにこの塩焼きサイズのレインボーが入れ掛かり。放流魚の大半は胸ヒレが欠損しているのがちょっと悲しいけれど。
魚のサイズは22〜40cmちょっと位まで。ハコスチと一般的なレインボーは見た目で判断できないけれど、ハコスチは掛かった瞬間にジャンプを繰り返すので分かります。このハコスチは何度か釣られたのでしょう、上唇の欠損アリ。
ずっと横にいるので魚をねだっているのかと思ったけれど、魚を捕まえる事は私よりも何倍も上手でした。
ハコスチとは群馬県が養殖しているレインボーで、その食味を優先するのではなく、ファイトを楽しむために作られたレインボー。当初は尾鰭がとても綺麗で有名だったこの魚は最近では養殖が追いつかないのか、年々そのクオリティが低くなっている様に感じる。今回はブルーバックを釣るために湖の奥深くへ行かず多くの釣り人に混じって釣りをしたので、綺麗な魚体が釣れる確率は1/10くらいになっちゃった。
今回の様に水位が低いと高い所で魚を確認し、その魚を狙い撃ちするというサイトフィッシングが楽しめる。ただし、サイトフィッシングの場合は飛ばしている距離はフルキャストに近いので、それなりの力量が必要。でもご心配なく。岸近くをただ浮かべっぱなしでも十分釣れます。お魚はその時の気分で食いくので、サイトのスタイルとは違い、浮かべっ放しで待つ根性が必要。
休憩するお仲間は更に高い位置から魚を見つけて、「あっちにでかいのがいる。」「もうちっと右。」「あ、今デカイのが見て帰った。」などとチャチを入れるので、釣りをしている方は煩いったらありゃしない(笑) 仲間でくるとそんな楽しみもあります。
高い位置で確認してキャストするので、ヒットした時はこの位置。ファイトを楽しんで5m下の岸際まで降りて行きます。
写真ではわかりづらいですが、私が居る位置は5mほど上。そこから見える魚にキャスト。ラインが足りず、手元はバッキングラインが出ちゃうことも。フライはビートル・ホッパー・エルクヘアカディスなど。
気がつけばこの二日日間は菅釣り状態の釣果。魚は掛けるたびに飛んだり跳ねたり。仲間達のため息が木霊し、楽しい時間はあっという間に過ぎて行きます。野反湖は11月10日まで釣りができますが、10月中旬以降はとても寒いので、ドライの釣りは難しくなるので、このスタイルを楽しみたい人はそれ以前に行かれるのが良いでしょう。皆さんもいっぱい釣ってね、幸運を祈ります!