雨が降ると舞い上がる気持ち、関東スイングボーイズの悪あがき

「今度の火曜日は雨だけれど、釣りへ行かないんですか? 前日も結構雨は降っているみたいだし・・。」という釣行の打診が。

ふむふむ、雨ですか。

それを聞いて私がまずする行動は天気予報のチェック。それに続いて過去数日間を遡って行こうとする川の水量などなど。本流は田んぼにひとしきり水が入った後はちょっとの雨では濁らないし、そもそも水位がずっと低い状況が続いていたので、これは遡上魚の活性が上がっちゃうんじゃないの?的な、ポジティブな思考はいつもの通り。結果的に警戒級の大雨でない限り、安全そうな場所を選んで釣りに出掛けてしまう私。今回の条件は水位、水温、季節、天候などなどを考えると、釣れそうな予感が拭えないので朝とは呼べない午前1時に出発。

到着する頃には少しずつ夜が明け始め、川面は釣れそうなムンムンとした雰囲気。心をときめかせながら僕らスイングボーイズは本流にひたすらウェットフライを夜が明け切るまで投げ続けるのでありました。

結果ですか?

まぁ、聞くまでもない、たくさん釣れましたよ。

雑魚が・・。

でも安心してください、釣れてますよ、第二部の釣りで。相変わらずアホらしいほどハードな釣りに、自分の年齢を忘れてしまうのでした。

今回の教訓:忘れちゃ大変な老眼鏡

オイカワ(ヤマベ)
今回のやらかしは北海道から帰って、なか4日で出撃したので忘れ物だらけ。一番困ったのは老眼鏡の類が一つも積んでませんでした。まだ真っ暗な時間に心眼でフライのアイに通す私。そして一投目からオイカワがコンチハ。続いて小鮎・・。合計で雑魚が7本、本流の活性はとても良いですが、遡上魚不在。
スイングの釣り
長いランをステップダウンしながら下ること2時間。まだシトシト雨で暗いのでも別のポイントへ移動する事にしました。
スモールマウスバス
「ん?なんんか掛かった!」との声の後に上がってきたのはスモールマウスバス。数年前の台風で全く見なくなったのに、またもや復活の兆し。コヤツはどんな水害でも無敵なのかな? 8時まで流して本命からの魚信はないので、源流へ向かって一路移動は1時間。
北関東の源流
移動に1時間を要したのに、さらに1時間釣りをせず川を登って開始。大雨予報なのに、僕らはバカですね。前日からの雨で増水しているのかと思ったら、むしろ平水よりも低い状態で釣り向き。さらにこんな天気なので他の釣り人が先行しているなんて事はありません。
イワナ釣り
ポイントへ着くや否や、釣れそうなポイントからの魚信は止まりません。やっぱり雨の日は警戒心が弱くて釣りやすい状況。濡れるのが嫌いじゃない人にはパラダイスですが、急な増水が考えられるので慣れている川だとしても、いつでも撤退できる準備が必要です。何事も無理は禁物。
キノコ
川の周りには知らないキノコだらけ。私は知識がないのでただ眺めるだけ。相変わらず魚は釣れ続けるので前へ進めないけれど、天気は少し回復傾向。
関東のイワナ釣り
1キロほど釣り上がったところから魚のサイズが上がり始めたけれど、この時点で少々釣り飽きた。というか、老眼鏡(Hat Eyes)を忘れたので、フライを結び変える事が容易ではない状況。なので途中から釣りをやめにして、仲間をガイドしながらの釣りに切り替えた。
減水気味の源流
昨日まであれだけ降っていたのに、川は平水よりも少ない状態。お魚は増水して少し喜んでいるみたい。しかしまだ水温は低めで、お魚の本格的な活性はお昼を少し回った頃から。夏イワナまではあと少しって感じ。
イワナ
少し釣ったら帰るつもりでいたのに、結局退渓したのは午後4時過ぎ。睡眠時間が1時間半ほどしかないのに、休みなく釣りを続ける僕らは帰る頃にはフラフラ。モンスタードリンクの力を借りて休み休み帰りましたとさ。さて、皆さんはどんな釣りをされていますか? 私は昨日の釣りで初夏を少し感じました。次回の釣りがもう楽しみです。

春の釣りにおける曇りのち雨は、魚のスイッチが入るGoサイン

ハーミットがなんで第三火曜日だけお休みなのかというと、毎月この日は火曜日の店長の研修日になってます。なので、現在はマッキーの知らない釣りへ引っ張り出して知識を高めてもらいます。それはキャス練だったり、渓流だけに留まらずシーバス船やシイラ釣行など様々なフライフィッシングを経験してもらってます。

さて季節は進み良い時期になったので、今回は何にしようかと考えて三つのお題目をマッキーに提案。

1:芦ノ湖でブラウンのドラワカフィッシング(エンジンボートで私のガイド)
2:私がいつも行っている本流でダブルハンドの体験&練習
3:4/1解禁の渓流でヤマメのライズハンティング。イブニングは別の漁協でイブニングライズ狙い。

そしてマッキーが出した答えは、

「ダブルハンドが全くの未経験なので教えてください。」

との事。ふむ、釣果を求めずキャス練をしたいなんて、こんなに良い季節なのにいい根性だな、と私のホームリバーでキャス練をすることと.なりました。とはいっても、万に一つの確率で本命が掛かるかもしれないしね。

ダブルハンドのキャスティングの難しさはシングルハンドで普通にキャスティングが出来るからといって、すぐには習得できない事は皆さんもご周知の通り。竿をしならせてその反発力で飛ばす原理は同じでもその所作が異なるし、ロッドが長いから同じ軌跡を反復する事さえ最初のうちは大変なんです。さらにウェーディングする深さが変わったり使うティップの重さやフライによって、思った位置にアンカーが打てなかったりするもします。

私でさえ毎回最初のキャスティングは考えながら投げてますし、ポイントが変わるたびに悩みながらキャスティングしてます。天気が悪かった一昨日、そんな調子で二人でキャスティング練習だけれど、もちろんフライはついてます。マッキーには基本の4つのキャストを教え、右岸と左岸のポイントを見つけてそれぞれの投げ分けを教える訳です。最初は苦戦していて力無く伸びなかったラインが1〜2時間も続けると、ある時フッとラインが伸びたりするんですね。まだ投げた後の流し方のイロハを教えてないけれど、あの感覚がもう一度味わいたくなると、ダブルハンドの世界は抜け出せなくなるのです。

そんな塩梅で今回は本流でキャスティングを続けているとあるポイントでいつもとは違うアタリが・・・。

この先を知りたい方は以下の写真を読み進めてみてください。

今回の戒め:重ね得た経験はいつかきっと役に立つ

本流でダブルハンドキャストの練習
よりによってこの日はとても寒く、途中からダウンジャケットを着込みました。さらに追い討ちをかけるように、予報が外れて午後早くから次第に雨が強まりました。この頼りないラインの軌跡を見れば、初心者なのは一目瞭然。それでもキャストを繰り返すたびに自分なりの答えを出して少しづつラインはまっすぐと伸びるようになってきます。
ウィンストンマイクロスペイ10フィート6インチ3番
私は修理から帰ってきたマイクロスペイ10フィート6インチ3番を楽しみに来たようなもの。そして新しいランニングラインの使い心地をチェックします。このロッドは短くて柔らかいのでキャスティングが難しくなりますが、スイングする時のお辞儀の感覚が大好き。やっぱり柔らかいロッドは楽しいです。
モンカゲロウ
午後にさしかかった頃、水面にはモンカゲロウナミヒラタの流下が。寒いながらもモワッとし始め、曇天も手伝ってこれは午後には良いことが起きるかも?的な希望的観測。田んぼへの引き水の為に一気に減水したので、河岸ではオオヤマカワゲラとそれより一回り小さい黒系のカワゲラが大量にハッチしてましたが、写真があまりにもグロいので、そちらの記載はやめました。
スイングの釣り
動から静に変わるスイングの時間。この時はどんなアングラーでも背中に哀愁が漂いカッコよく映ります。
ウェットに掛かるオイカワ
マッキーがひたすらキャス練をしているけれど教え過ぎると訳がわからなくなるので、少し教えては遠くに離れて私はひたすら雑魚ポイントを貯めていきます。このオイカワはメチャ大きかった20センチオーバー。
本流のハヤ
浅いチャラ瀬の中ではオイカワが掛かり、少し緩いスイング終わりではウグイが掛かります。雑魚は高活性だし、雨の振り始めはいつも良いことがあるんです。マッキーには「今日は3時半から4時半には何か良い事が起きるぞ。」とポジティブな宣言をしてましたが、私はマルタウグイかスモールマウスバスでも掛かるかなと思ってました。
戻りヤマメ
「次のスイングは荒瀬から少し深みへ変わるポイントが変化する場所、掛かるならばココだな。」と相変わらずポジティブにスイングを開始すると、ラムソンのドラッグが突然滑り始めてリールがけたたましくヒットを告げるのです。「まさか、スモールでしょ?」なんて思ってたら、ジャンプする姿は細身でさらに首振り、小さいけれど本命じゃありませんか。石に潜られテンションが抜けてバレたと思うこと2度ほど。上がってきた個体は小ぶりながらも戻りヤマメでした。2421の#8に巻いたグリズリーキングが一番良い所に掛かってます。
カワムツのフライフィッシング
私は戻りヤマメ1本で大満足。あとは残りのスイングをマッキーに代わってもらい、キャストを続けると緩くなったポイントからカワムツがヒット。その後も連チャンでカワムツをヒットさせる事が出来るようになったので、「カワムツマスター」の称号を与えました。
戻りヤマメ
この日はとても寒かったのでイブニングの釣りは無しにして、この場を後にしました。この戻りヤマメとて6月後半に釣れば40cm近くまで成長しますから、大物に成長する戻りヤマメは意外と大食いなんです。さて、本流シーズンはまだ始まってもいない感じですが、幸先良いスタートのまま6月のハイシーズンを迎えたいもの。これからもスイングに精進いたします。