春を探しに行った東海の解禁は地元の優しさに触れた旅

マッチ・ザ・ハッチの釣りスタイルというものは、まずはお魚が水面近くで虫を食べてライズが始まらない事には釣り自体がスタートしない。川面をくまなく見渡し水面に広がる波紋を探し続ける間、フライフィッシャーマンはライズが無ければひたすら暇である。寒さを凌ぐ為に体を揺すりながら、両手はジャケットのポケットへ入れたまま。扇風機の様に首を左右に振りながら二つの眼で探していく訳なのだが、一人よりも二人、二人よりも三人と多くの眼があれば、その確率が上がるってもんです。

解禁当初は放流情報、あるいは釣れている情報を頼りに釣り人は行動するので、釣り場はいくらでもある大河なのに、釣り人は一点に集中する。そんなライズ待ちをする景色の中に溶け込む為に今年も岐阜県へ行ってきました。

ライズは虫の出現によってその日のパターンがある程度変わっていくが、釣り人の予想通りに虫がハッチ(羽化)しないのがまたこれも自然。ライズがなければ持て余す時間は多く、遠征組である私は釣り人を見つけては今年の傾向や近況を世間話をしながら聞いて回る。特にライズが全く無い時は話しかけられた釣り人も暇であり、快く情報を提供してくれる心優しい地元の人々。

「わざわざ東京から、そりゃ釣って帰ってもらわないとなぁ。」

ライズが全く無いので、「この状況でもあの場所ならばライズは少しはあるかもよ。」と言うポイントをいくつも教えてくださる。とにかくライズが無ければ暇なので、いつの間にか釣りから脱線して最近の経済についてや地元愛について語って頂いたり、釣り場で得る情報は多岐にわたる。

そもそもせっかく遠征したのだから、「ライズが無ければ沈めて釣れば良いじゃん!」と言う意見もあるでしょう(ユーロニンフの対極にあります)。しかし、そもそもマッチ・ザ・ハッチのスタイルが好きな人種は釣りの中でもかなり特殊であるから、「ライズが無ければひたすら待つ。」のは当たり前。結果的に全くライズが無ければ、ロッドを出さずに帰っちゃうこともあるほど変態的な人種なのであります。

このスタイルは虫のハッチから始まり、それが何であるか、そしてどんな流れ方をしているかを推測。この季節に飛ぶであろう虫を前もって巻いておいた物からフライをチョイスし、流し方を工夫しながら魚のライズに目掛けてキャスト。うまくヒットしてランディングしてもそこで終わりではなく、ストマックポンプを使い(魚の食べていたものを吸い出すポンプ)、釣った魚の食べた内容物と自分のフライが合致した時に自分の推測が正しかったのだと満足する。だから、お魚の大きさはさほど問題ではなく例え放流魚であったとしても、ハンティングの様なプロセスを踏んだ楽しさが、このスタイルの魅力なのです。

そんな「マッチ・ザ・ハッチ」愛に溢れた地元民とずーっと談笑していたのが今回の旅。お察しの通り、ライズがあまりにも何も無く、手も脚もでない状態で完敗。過去のブログや記録を見ると、東海遠征の勝率はおよそ1/2といったところ。高らかに解禁宣言する予定でしたが、しばしお預けとなりました。そんな東海の旅は以下の通り。お暇な方はご覧くださいまし。

長良川本流の流れ
ハーミットのオープン当初はもっと上流の支流でやる事が多かったけれど、2000年代からは本流と下流部での釣りが多くなりました。このポイントでの思い出はたくさんありますが、今回は水が少なく流れは緩慢。しかし放流したてらしく、お魚の群れがグルグル回っているのが見えたのでやる気満々。ライズが起きるまでひたすら待ちます。
郡上漁協
釣り券はフィッシュパスでも買えるのですが、なんとなく地元へ直接落とした方が良いかと思い、デイリーマートで購入。パンをかじりながら、ひたすらライズを待ちます。
緩い流れ
ポイントへ着いたのが10時ごろでそれから15時ごろまでライズはほぼ無し。その後写真の場所で2度ライズしたのを見て、タイミングを見てキャスト。すると一投目が終わり投げ返そうと思ったフライに出たがヒットせず。そしてその後はずっと沈黙。
ライズ待ち
一緒に行ったDくんはライズがないので土手でお昼寝、時々川面を眺めるの繰り返し。ずっと何もなかったんもですが、真っ暗になる直前にお一人が釣れたのでポイントを譲っていただきました。しかし散発ライズはわずか数分で終わってしまいました。
夕食
釣りを頑張りすぎたといっても、キャストはトータル20分ほど。宿には遅く着きすぎて慌てて夕食。魚を釣っていないのに、お魚ずくしの夕食。そして朝食に梅干しが出たのだけれど、前回は食べても釣れたので問題なしと、食べたのが問題だったのだろうか。
長良川の支流
翌日は以前よく釣っていた支流へ移動。良かれと思って来たのですが、9時から12時まで待ってライズは無し。タックルは組んだものの、一投もしませんでした。
長良川の支流
釣り人がじっとライズを待つ間、アオサギもずっと動かず。何もないので、その後フライショップ『TailWalk(テールウォーク)』さんへ行き、情報収集。この川は漁協が3分割なので、いく場所によって購入しなければならないので、最初に行った場所は入漁証を買って釣りをしない始末。なので、教えてもらったポイントは様子を見て良かったら入漁証を買うつもりでしたが、強風で断念。
クロカワゲラ
結局どこへもいくところが無く、前日の17時過ぎに15分だけ魚の反応があったので、それに望みを託すことに。移動するとそこには誰も居らず午前中の雨で水位が10センチ増し。そして風に飛ばされてカワゲラ少し
フローティングニンフ
とりあえずフローティングニンフを結び様子を探る。最終的にやらないで買える選択肢が無いと判断し、17時に入漁証を購入。が、ライズは無し・・。このまま終わるかと思いきや橋上流でモヤっとしたライズが3回続いたので移動し、キャストすると暗闇の中でお魚の感触、ヒット! 8Xだし丁寧にとゆっくりと寄せたのですが、ネットに手を掛けた時にテンションが緩んだのか外れちゃいました。硬い竿でバーブレスだと、どうしてもロッドを立ててしまうとバレてしまう事がありますなぁ。そもそもこの時間だと暗闇なのでドライで掛けたと言うよりはスイングで向こうアワセなので、マッチ・ザ・ハッチとはチト違うわなぁ・・。
明方ハム
二日間でフライをキャストした時間は全部で30分ほど。それの為に入漁証を3枚買った今回の旅。沈めるフライに手を出さずにやり切ったので、気分はスッキリ。さて今回のお土産は何にしようかなと思ったのですが、「地元では明宝(メイホウ)では無く明方(ミョウガタ)ハムの方が人気なんですよ。」と聞いたので、そっちを購入。聞けば元々は一つの会社だたそうで、工場移転の際に会社が二つに別れたそうな。いずれにせよ、どっちも美味しいお酒のおつまみ。