思い出を探して

私の行動は緻密なプランニングの元に実行されるタイプではなく、休みだけ大まかに決めてその日の気分や風任せで行動している感じかもしれない。

前日は北関東でダブルハンドを振り、いったん帰宅した翌日は芦ノ湖へ行こうと思ったのだけれど、長距離移動で疲れていたので早起き出来ず、起きたのは出勤時間。通勤渋滞にはまり頭がはじき出した答えは、芦ノ湖をやめて20年前までは通っていた西の渓へ行く、日帰り思い出の旅である。

こんなタイトル、男ってセンチなんですね。今でも学生時代の彼女の電話番号がすぐに思い出せる私なんかは、やっぱり男脳で物事を考えているようです。大きな魚を釣った記憶はしっかりと脳内にミラーリング(二重保存)され、決して消えない記憶となって名前付きでフォルダに保管されてます。それを時たま引っ張り出して思い出に浸るのですが、脚色されていくのです。それって、私だけじゃないですよね?きっと釣り人男子は皆そうです。

K川は上流と下流で漁協が違い、その様相が大きく異なる関東の有名河川。上流部は住宅侵攻が進み車を止めるのにも一苦労する場所で、廣済堂出版の「Angling」があった当時は、名前が付いた有名なプールがいくつも存在していた大物スポット。しかし二面護岸が多いのとゴミの多さに閉口し、自分の目標サイズを達成したのを機にその通いをやめてしまったのである。しかし今回はその下流部散策。

上流部とは違い深い谷が多く、道を知らないと入渓さえできないポイントが多く、間違えて侵入すると民家の小道へ入り、後戻りできなくなってしまう場所が多い。その下流部で大物を仕留めたのは今から20年位前のことでしょうか。上流とは違い一度入渓すれば両側は高さがある崖が続くので住宅は見えず、遡上し続ければ退渓点が見つからないので、また同じ場所まで戻って帰るの場所だらけ。いくつかの大きなプールを有し、イブニングシーズンは雑魚釣りのオンパレードが日常で、ウグイを100匹釣って初めて1本良いサイズが釣れるぐらいの確率。大物の確率ってそんなもんです。

思い出のプールは大きくえぐれたスラブ(一枚岩)なので、その様相が変わる事はなかったが、その上流のエリアは石が細かく砕かれ小砂利が多くなり、魚がつく場所が減ったようである。ライズなし。

いくつかのポイントを数キロ歩きながらライズハンティングしていた所、別のスラブの川溝でスプラッシュライズをする強敵を発見。歩き回ること2時間後のことで、座り込んでフライをいくつも変えて粘りましたが、ライズは真昼間の1時間でお終い。その後17時を伝える音楽を聞きながらトボトボと車へ向かうのでした。やっぱり手元のフライだけで予測を立てて投げるのには、事前に予測して巻いていかないとフライが足りないと感じます。

そして車へ戻るまでの長い距離の間にK川らしい大物を発見。ライズの主は大きな三角口を開けて緩いプールでミッジを吸い込んでいる。すぐさま#22のミッジを結び9Xでフッキングはしたものの、その強烈な主の引きは淵奥へ逃げ込まれて見事にプッツンです、尺ゲットならず、よってオデコ。悔しいからまた通うのか? いえいえ、もう過去の山女魚(女)に未練はありません。あ、嘘つきました、男脳ですから未練タラタラ(笑)

ソメイヨシノ
どこの川でもそうですが、ソメイヨシノが開花していれば、ドライフライフィッシングシーズン突入です。
水温
方々水温を測って歩いたけれど、北のK川よりも西のK川の方が水温高め。湧水の河川なので、上流だともっと高いです。
k川
対岸の壁でブシュと出ます。ですが、1時間でライズは終了し、その後は何もナッシング。
K川
こんな渓相がずっと続きます。市街地へ入ると一変し、二面護岸になっちゃう河川。イブニング時にフライを変えて一発目に出たやつは余裕で尺上だったけれど、9Xだと相当運が良くないと上がらないですなぁ。淵へ潜ってプッツンです。来週も行っちゃう? でも多分しばらくは出てこないでしょう。