フェザーウイングについて

サクラマスのシーズンなので相変わらずダンケルドを巻いている私。その割には釣行の話が出てこないぞ、とお思いの貴方。私の修行は来週から始まるのであります。今年は水が無くかなり厳しい状況になっているので、釣りへ行く前に雨乞いをしなくては。まずはテルテル坊主を逆さまに吊ってみようかな?

ダンケルドやグリズリーキングに使うマラードのフェザーウイングの巻き止めは、初めてこのウイングに挑戦する人には至難の技。で、よく聞かれるのが、「どうやって取り付けているの?」という話。ウイングをセットしてから巻き止め手順はクイルウイングとなんら変わらないのですが、ウイングを取り付ける前の作業がいくつかの方法があります。私の場合以下の写真で説明する2パターンを多用してますが、それ以外にも個々に工夫された取り付け方があると思いますので、皆さんの好みで巻き止めてみてください。

それと「サクラマス・ツアーやって欲しい。」というお声がありますが、この釣りは本当に釣りたいと思ったら単独釣行がベスト。一つのラン(フライを流していく一定の区間)を攻めるのに、何人もの人が連なって入ったら、圧倒的に後から入る人が不利になっちゃいます。ですから私の後にお客さんが連なった場合そのチャンスの8割が私になり、その逆であれば私が2割になります。私も皆さんと同じように時間とお金をかけてサクラマスを楽しむいち個人の釣り人なので、魚を一本釣るまでは中々譲り難いので、その辺をご理解いただけると嬉しいです。

もちろんポイントや流し方に関しては来店されるお客様にはお教えしていますが、本流の流れは毎年変わるので私とて毎年そのポイント探しから始まります。なのでポイントに関してはあまり参考にならないでしょう。ただ一つ言えるのは、鮎釣りとサクラマスの両方を楽しんでいる人は、圧倒的に他の釣り人よりも有利だと思います。それはどんな台風や大水が出たとしても、動かない底石を知っているので、毎年変わらないサクラマスの休憩ポイントを知っている事になります。

さてさて、今年はどんな塩梅でしょう?海サクラとは別に川でもサクラが咲く事に期待して、今フライ達に魂を込めています。


Dunkeld

Tail:Golden Pheasant Crest
Body:Flat Tinsel Gold
Rib:Orval Tinsel Silver
Hackle:Orange Hackle(写真のハックルと種類が異なります)
Wing:Bronze Mallard
Eye:Jungle Cook Feather

マラードフェザー
ウイングの取り付けを失敗しない為のコツは、こうして軸(ストーク)を残した状態で巻き止める事。この状態であれば、巻き止めた時の形が悪かった場合、スレッドを巻きほどき、整えてから再度トライすることができます。
マラードフェザーで巻くダンケルド(dunkeld wet)
まずは一対を巻き止めた後に、その上からもう一対を巻き止めます。頭の大きさを気にしないのであれば、全てを一片ずつ取り付ければ(合計4回)かなり綺麗に巻き止められますが、ヘッドはデカくなります。私は三流ですからウイングの取り付けはこの程度ですが、一流の方は、全くシワひとつ入れずに巻きとめる方がいらっしゃいます(作っている最中に気づいたのですが、オーバルティンセルを間違えて細いものを使ってます)。
フェザーウイング・三つ折り
そしてもう一つの巻き止め方法は、三つ折りです。まずは先端部分の約半分を使って長方形のフェザーを切り出します。
フェザーウイング・三つ折り
こんな形に切り出したら、内側へ三つ折りにします(おもて面を外に出して、真ん中へ向かって両方から折る)。先ほどの場合と違い軸から切り離しているので、丁寧にそして力を入れずに三つ折りにする必要があります。
フェザーウイング・三つ折り
その三つ折りにしたものを巻き留めるとこんな感じ。ウイングは真上にしか巻き止める事ができないので、フックシャンクの下側にかぶるフラットウイングタイプとは違い、幅のあるウイングができます。ただし先ほどの方法とは違い、失敗はご法度。一発で決めないといけません。個人的には三つ折りの方がウイングの厚みや水に入った時の柔らかい動きは、このタイプの方が好きです。