Stillwater River / スティルウォーターリバー

モンタナのリビングストンに住んでいた頃は、少しの情報があればどこへでも釣りへ出かけたものです。当時の高速道路は制限速度が無く(と言っても時速100マイルで走れば捕まりますが)、片道200マイルなんて普通に行ったものです。町の裏には歩いてい15分ほどでイエローストーンリバーが流れているので、本当はそんなに遠くへ行く必要はないのだけれど、常に新しい環境に触れてみたくなるものですよね。

リビングストンを中心として東西南北へ出掛けていたのですが、今回紹介する東側に流れるスティルウォーター・リバーは私にとっては初めての川。「レイバーデー(勤労感謝の日)明けでイエローストン・リバーはスレているので、よかったらスティルウォーターへ行ってみない?」と言われ、なんか川の名前からして穏やかな流れで静かなボートトリップができそうだと感じて二つ返事でお願いしたのです。

ベアツース・マウンテンは日本語で言えば熊牙山かな? 富士山よりも高い標高3,904mの山々を水源に持つスティルウォーターリバーは長い流れを経て、リビングストンから西へ1時間のコロンバスの町でイエローストーンリバーへと注ぎ込む。それこそなんでこの川へ今まで来なかったかというと、アメリカは日本と違い私有地を流れている所が多いのです。釣り人にフィッシングアクセスを多く解放している川は良いのだけれど、知らずに私有地を歩いていたら下手すると住人にライフルで威嚇されるかもしれませんからね。そんな場所はボートトリップに限るのです。

さて、今回は前情報を入れずに適当にフライを持って行ったのですが、元ルームメイトだったクリスに「バッタある?6番ロッドはある?ティペットは2Xは持ってきた?」などなど。おいおい、そんなにデッカイのがくるのかよ、と心配しつつ、ボートへ乗り込むのでした。

その様子は以下の通り。以後この川へ行かれる方の参考になれば幸いでゴザイマス。

タンドラとフィッシングボート
ガイドのクリスはダンベイリーで働いていた時代のルームメイトで今はガイド業。前回はランクル80だったけれど、タンドラに乗り換えたばかりだとの事。「あれ?マッケンジーボート(グラスファイバーで出来た川下り用釣りボート)は?」と尋ねると、ローウォーターの時はゴムボートなのだとか。出てみてわかったけれど、底をするほど浅いところが多いので、いざとなったら押すのです。
なぬ?これがスティルウォーターなの? これじゃ全く反対でラフティング中に釣りでないの! 通りでライジャケの着用年齢やらボートの制限など厳しく書かれていた訳だ。後で聞いた話だが、この川で沈没するガイドもいるのだとか。こりゃフロートボートじゃないとダメですな。そんな激流降りの合間に「ハイそこに入れて!」と支持されます。
スティルウォーターリバー
ポイントによってはユルユルエリアなのですが、午前中は水温が低くお魚がドライになかなか出てくれません。同船のMr.Kは海外のフライフィッシングは始めてなので、全てクリス任せ。ドライで出ない時間はインジケーターを付けてドボンチョしてました。
ブラウントラウト
大物はなかなか姿を見せないものの、25〜30センチほどのレインボーやらブラウンはドライフライに釣れてくれますから飽きません。時にボートを降りてライズ狙い。
カワゲラの抜け殻
川原の石を見るとそこらじゅうにストーンフライの抜け殻だらけ。「この虫なんて名前?」と聞いた所で日本とは違い「ストーンフライ(カワゲラ)」としか返ってこない。そう、アメリカ人は細かな種類なんて気にしない。むしろ、「グレーダンカラーのミディアムサイズのストーンフライがハッチしていた。」なんて感じで教えてくれる。
レインボートラウト。
この川はレインボーとブラウンの混生。早い流れではレインボー。肩やちょっとした巻きではブラウントラウト。フライはホッパーの10番。
ストーンフライ
川原を走り回っている個体を見つけたが、これはメスとの事。大きさにして4センチくらいかな?肝心のバッタは全然飛んでいないし流れていない。むしろコイツの方が流れている感じ。
ストーンフライのオス
面白い事を教えてもらったのだが、このストーンフライのオスは羽が短く飛ばないとのこと。なので早速その辺りを探すと細いフナムシの様なオスが走り回っていた。ちゃんと成虫なんですが、なるほど、この羽根じゃ飛べないわな。そして右下はそれに合わせてクリスがくれたフライ。
クリスのフライボックス
ガイドのフライボックスってすごいんですぜ。暇を見つけては巻き貯めるので、死ぬほど入ったフライボックスを常に10個くらい持ち歩いてます。
レインボートラウト
クリスにフライをチョイスしてもらって釣れたレインボートラウト。この大きさでも強い引きに翻弄されてました。
スティルウォーターリバー
私は後方に乗って常に二人の背中を見ての釣り。ドライフライにこだわって釣りしている私にはサイズアップはありませんでした。
ブラウントラウトの釣り
喰いが渋かったのでクリスがデッカいストンフライのニンフに替えた所、デカブラウンがヒット。この後無事にランディングしたのですが、ボート後ろの私に向かってポーズをお願いしたら、写真を撮る前にそのままリリースしてしまいました。でも私の中にはしっかり20インチブラウンを記憶しました。
レインボートラウト
その後イエローストンリバーの合流付近でレインボーがやたらと釣れたあとはまた喰い渋り。ドリフトボートの釣りの場合、記念撮影がとても難しいのでこんな写真ばかり。
トレーラーとボート
最後はイエローストーンリバーに合流し、3キロほど降った所にあるスティルウォーターゴルフ場下流にあるボートランチで終了。のんびりゆったり、久しぶりのボートトリップをたっぷりと楽しみましたとさ。

投稿者:

Hermit55

ハーミット店主の釣行記やよもやま話です。 お店にいる時間の方が長いので、釣りよりも店の話の方が多いかもしれません。漢字変換ミスが多々ありますが、見つけならが直しますので、ご勘弁を。