私が宮崎ブーゲンビリア空港に降り立ったのは午前中のこと。そこから車を走らせ海岸線を南側から順に海の状況を見て回るのだが、波の高さはサーファー天国と言ったところ。力で進む若者のパドリングを見て、若さって素晴らしいな、と感じてしまう。
そして砕ける波に向かってロッドを出したのはお昼過ぎの事。私がいる場所から少し離れた場所で、カップルが海を見ながら車の中でプレゼント交換をしている。そうか、今日は12月24日なんだよね。そのイチャイチャを見せつけられてしまうと、二人の愛を感じてしまうのである。
あまりの波に何もナッシング。潮が変わったから日が沈む前に他の場所へ移動しようと車へ戻る時、女子高生二人とすれ違った。彼女達は海風を受けて仁王立ちし、髪を後ろになびかせた一人の娘が突然「バカヤロー!」と叫ぶ。その彼女の肩に手を回すもう一人の娘。こっちはクリスマスの日にお別れがあったのだろうか、妄想が膨らむ。何れにしてもこりゃ青春だな。
その日の私は一旦宿へチェックインして、仮眠を取った後に下げ潮と共に海へ舞い戻る。満月で明るい浜辺で海に向かって独り投げ続けてみるが、聞こえて来るのは激しい飛沫の波音だけで手応えは何もない。メリークリスマスな夜は宮崎らしく暖かいけれど、どこを探してもサンタクロースはオオニベ を抱えて降りては来ませんでした。睡眠時間を削って妄想を繰り返して投げまくるオオニベ キャンプは、今までで一番魚との出会いを遠いいと感じたシーズン4年目、これもまた私の青春です。