愛と青春の日向灘

私が宮崎ブーゲンビリア空港に降り立ったのは午前中のこと。そこから車を走らせ海岸線を南側から順に海の状況を見て回るのだが、波の高さはサーファー天国と言ったところ。力で進む若者のパドリングを見て、若さって素晴らしいな、と感じてしまう。

そして砕ける波に向かってロッドを出したのはお昼過ぎの事。私がいる場所から少し離れた場所で、カップルが海を見ながら車の中でプレゼント交換をしている。そうか、今日は12月24日なんだよね。そのイチャイチャを見せつけられてしまうと、二人の愛を感じてしまうのである。

あまりの波に何もナッシング。潮が変わったから日が沈む前に他の場所へ移動しようと車へ戻る時、女子高生二人とすれ違った。彼女達は海風を受けて仁王立ちし、髪を後ろになびかせた一人の娘が突然「バカヤロー!」と叫ぶ。その彼女の肩に手を回すもう一人の娘。こっちはクリスマスの日にお別れがあったのだろうか、妄想が膨らむ。何れにしてもこりゃ青春だな。

その日の私は一旦宿へチェックインして、仮眠を取った後に下げ潮と共に海へ舞い戻る。満月で明るい浜辺で海に向かって独り投げ続けてみるが、聞こえて来るのは激しい飛沫の波音だけで手応えは何もない。メリークリスマスな夜は宮崎らしく暖かいけれど、どこを探してもサンタクロースはオオニベ を抱えて降りては来ませんでした。睡眠時間を削って妄想を繰り返して投げまくるオオニベ キャンプは、今までで一番魚との出会いを遠いいと感じたシーズン4年目、これもまた私の青春です。

初日にエサ釣りのオジサンが持っていた唯一の釣果。ニベとオオニベ を同じ魚だと思っている人が多くいらっしゃいますが、全く別の魚です。これはニベ(グチ)。大きくなってもオオニベ にはなりません。
潮色が悪いうえ海からの向かい風の日は釣り人は不向き。しかし、モーターパラグライダーにとっては良い日みたい。
チーム福岡のメンバー3名と合流し、しばし釣り談義を楽しむ。聞けば三連休はヒラスズキ三昧だったとか。羨ましい。
北は北海道、南は宮崎まで旅をするWinston Boron III TH 15フィート。使い込み過ぎて少しコルクが痩せてきた。
いつもの人気ポイントは入れ替わり立ち代り誰かが入っている状態だが、ベイトっ気が全然なし。潮が速く波も高い日がずっと続く。
波がおさまらないので、久しぶりに延岡まで大遠征もしましたが、どこへ行っても今年はベイトの気配を感じません。そして浜は貝殻だらけ。
日向灘の真ん中ら辺は浜というよりは玉砂利の海岸が多い。雰囲気はヒラスズキ狙い。
朝は夜明け前からキャスト。夜は下げ潮のタイミングで夜中の3時に投げる私。青春というよりも、ただの馬鹿です。
ようやく凪いだのは最終日の帰り間際近く。私の日頃の行いが悪いのだろうか。なんか明日は釣れそうと思うポジティブシンキングで、後ろ髪を惹かれる思い。
何れにしてもこの5日間魚っけがありません。でもフライフィッシングへの認知度は上げてまいりました。ちなみに「フライで釣れるの?」と人々に聞かれますが、オオニベ をフライで釣ったことがないので、わかりません。でも毛ばりが海中にある限りそのチャンスはあります。ちなみにこの4年間の間、私が釣りをした同日にルアーの方もオオニベ を釣っておりませんので、それだけ難しい魚なんです。偶然に近いというか、運を引き寄せない事にはなかなか難しい魚です。まずはドキドキするような雰囲気の中で釣ってみたいですねぇ。未だ、そのチャンスでさえ訪れません。あ、でもソゲ(ヒラメ)ならば釣れますヨ、フライを小さくすれば・・・。