私が若い頃は海外へ行くのは夢のまた夢の話。親戚近所を見回しても海外へ行ったことがある人なんていない庶民だから、雑誌やTVで眺めるそれは別世界の事だと思っていたのが高校生の頃のこと。当時有名な日本のアウトドアブランドが新しいウェアの新作発表会と共にファッションコンテストを開くという企画があり、「皆さんお洒落して出かけてきてください。」というイベントがあった。
どれぐらいの規模だったかは今になっては定かではないが、数千人がその会場にいて私はいつの間にかファイナルの10名に選ばれていた。2位の賞品が前から欲しかったダウンジャケットで淡い期待を寄せていたが見事に外れため息をついていると、なんと私は優勝してしまったのである。その時の副賞がアラスカ旅行であり、私には早すぎる初めての海外経験だった。
アメリカ大使館へ行ってビザを取得。行くのは当初の予定と異なり高校二年生の独り旅。不安だらけで出かけた先はアリエスカのスキー旅行で、私はスキーなんてやったことがないので、これがスキーデビューとなったのである。
もちろん釣り好きの私はなんとか釣りができないかと思い、指定されたシーズンをギリギリまでずらしてもらったのだが、現地で身振り手振りで聞いてはみたものの、釣り物はハリバット(オヒョウ)しかないらしくてその場から遠く残念ながら出来なかった。スキーはとても面白かったけれど、思い出に残ったのは一人タクシーに乗り、『ゲーリーキング』という釣具店を探して、そこで買い物時に英語が通じなかった記憶を今でも覚えている。そうそう、学校のクラスメート分のお土産としてバスケチームのタンクトップも大量に買ったっけ。
当時はビザを取りに行くのが面倒だったけれど、これをきっかけに海外釣行はそんなに難しいことではない事がわかり、就職をしてからは金を貯めては海外へ行くと言う釣りバカ人生が始まったのである。ちなみに私の英語は未だ片言でまともに話せませんヨ。
私の場合は高校生に得られた経験が良いキッカケで始まった海外釣行だけれど、「いつかは行ってみたい」を言っているだけではこの先、何事も始まらないでしょう。気がつけば私も半世紀以上生きてしまったので、後先短く残された時間を考えるだけでも釣り人生は足りない。
「いつかは行ってみたい。」をやるならば即行動。
あなたの釣り人生はあと何年ですか?
How many springs will you have?
Chase your dreams!