愚息がまだ小学校の高学年だった頃、春休みという事もあって芦ノ湖へ釣りに連れて行った事がある。まだキャスティングがままならないのでルアーの方が良いだろうと思い、スピングロッドにミノーを付けて投げさせていたのだが、サミングを知らないから岸に向かって投げると全て木に引っ掛かっちゃうんですよ。
ある程度のキャスティングを教えても数度に一度は引っ掛かり、その度に船を岸際に張り出した木に寄せてルアーを回収していた時の事。何度目かの回収に向かいエンジンをニュートラルに入れてミヨシ(船首)に向かい引っ掛かったルアーを取っている最中に、突然の強風が吹き煽られ重い船はそのまま岸際の木へめり込むように突っ込んだのである。
私は海老反りになり、もはや湖に落ちる以外の選択肢しかなかったが、自動膨張式の救命胴衣を着けているから「ま、試しに落ちても良いか。」的な感じで頭からドボンとダイブした。
落水して数秒が経ち立ち泳ぎをしている私を見て慌てる息子。私はというと、いつ膨張するのかと待っている状態。しかし10秒ほど経っても膨らまないので、3月下旬の寒さもあってすぐに船に上がったのである。
実際に落水にて膨張した事がある人に事前に聞いていたので、開くまでの数十秒間がパニックになると言われていたので冷静に対処した訳なのだが、船上に上がってしばらくしても開かないのである。
構造を調べるとプラスティックのコマに厚手の紙のようなものグルグルと巻きつけてあり、それが溶けると引き金が突き破るような感じで膨張する仕組みになっているらしい。どうやらその数十秒間の浸水では私の場合はその濾紙のような紙が溶ける(伸びる?)事はなく、その後は乾いてしまったので、膨張する事はなかった。
先だって中禅寺湖釣行の準備をしていたら、車の中に何やら見慣れぬ黄色いものが見えたのだが、8年の時を経て私の知らぬところでコレが暴発したようである(笑)。
人の命を支える道具、私のようなズボラな管理では命は守れませんので、皆さんには定期的な点検とボンベ交換をお勧めいたします。来週は沖縄なんだけれど、交換シリンダーが間に合うかなぁ・・。