オオニベ戦記7(備忘録)

昨年の備忘録にはこう書いてある。

『タイプ3をカウント15にファーストシンキングのポリリーダー。
ランニングラインは改善の必要あり・フラットシューターの伸びはアタリが分からず。
エビパターン? ボディの耐久性を引き上げる事が必要。
ヒント:ルアーとの違いは波動・音?』

ふむふむ、そういえばそんな感じだったなぁ。ラインは昨年と同様のデルタXのSHとしても、アタリを取りやすいランニングラインとして上げられるパワーコアを使ったランニングラインは30ヤードしか無い。その為ランニングラインが全部出てしまい、バッキングラインでは柔らかくて絡むしリトリーブできないので、この場合システム全部の長さである43.3m(ティペット含まず)しか投げれないので苦戦していたのである。長いラインは出ていないので今年は同じランニングラインを2本繋いで勝負デス。

エビパターンはたまたま釣れていた他の魚種が全てソレだったけれど、波とバックキャスト時に迫り上がった砂地に叩きつけられるフライは、丈夫さがとても重要でしたな。波動に関してはボリュームである程度変わるかも。そして持ち込んだフライの半分にラトルを仕込んでみた。

さてさて、もうシーズン7にもなったオオニベ戦記。「いい加減、釣ってくれよ!」とお叱りの言葉を頂きつつ、その結果は以下に・・・・。

波が少ないところを探す釣り
先に申しますと、今回は滞在中うねりがずっと高く、サーフキャスティングはほぼ出来ませんでしたので、やりたい釣りさえさせてもらえてない日向灘でした。今回の移動は北は美々津から宮崎空港裏まで、うねりが多少おさまる河口に絞る、仕方なくそんな釣りに。写真はまだうねりが少なめの到着日の午前中。
耳川河口にて
耳川と言えばヤマメを釣りに来るところですが、私はその河口でオオニベ狙い。沖に張り出したテトラ周りは波をかぶっているので、内側にある小さな砂浜で振ることに。見慣れない釣り方に周りの釣り人からの注目度は凄いですが、何も釣れません・・・。
ランニングラインをシュリンクチューブで継ぐ
ランニングラインの途中にこのような継ぎ目が。PEスレッドでループを作ってループ・トゥ・ループにし、その上にシュリンクチューブを被せました。思っている以上に継ぎ目が引っ掛からず(使ってわからない位)、スムーズな遠投が可能に。もっともこんな事しなくても、あとラインが10mも長ければ問題ないのに・・。
釣りをしながらネット会議
途中から加わったこちらのお方、こう見えてもお仕事中・・。世の中は便利になり、ラインをリトリーブしながらネット会議参加中。考えてみれば意見交換している画像なんて見る必要もなく、こうして音声だけ聴きながら意見を言えば良いんですね。それにしても時折風に乗って聞こえて来る釣りには到底関係のない言葉が、とてもシュールです。
大荒れの日向灘
サーフィンの人はいい波を求めて、釣り人は良い凪を求めて移動。沖をみればこの通りの大荒れで操業する船さえいません。それでも一縷の望みに投げ続ける私。朝4時半に宿を出て、午後5時まで投げ続ける行為。これは釣りではなくもはや筋トレ以外なにものでもありません。フライを小さくすれば、何か別の魚は釣れたかもね。
砂浜を歩き続けてポイントを探す
河口から川をみればベタ凪状態。なのでその境目を釣るしか私には手立てがありません。色々な川を巡ってみた結果、この河口が一番濁りが無く深そうだったので、ここで勝負することに。
ラトル入りシュリンプパターン
フライはこんな感じのエビチャンなど。フックサイズは2/0でラトル音とキールバランスを取るために、ラトルはフック下へ。スイムテスト済みでしたが、とても良い姿勢です。これを対岸までキャストして、カウントダウン。ラインが張ったところからリトリーブ開始。河口での釣りはスイングの釣り。できれば下げ潮が少し効いている状態が釣りやすいかな。そんな事を考えているとロッドが突然曲がりました。ギュイ〜ンと・・!
日向灘のオオニベ
ついに出ました!オオニベ! と言いたいところですが、ロッドが曲がったのは私の竿では無く、先程サッパを生き餌として投げ込んだ隣の餌釣りおじちゃんの竿。正確に言えばハチマルよりもやや小さいのでクイチ(あるいは中ニベ)です。なんか昨年と同じ展開ですなぁ・・。
オオニベは牙が生えてます
オオニベとグチ(ニベ/白グチ)を比べるポイントは、まずオオニベは口が下向きではない事。下顎と上顎はほぼ水平に閉じます。口の中は黄色でカマスの様な牙(前歯)があります。この顔をマジマジと見て、どこかで似た奴を釣った事がある事を思い出した。それはテキサス州パドレアイランドで釣ったシートラウト(現地名)。正確にはスポッテッド・シートラウトかな。
側線が輝くオオニベ
この魚が南半球でJewfish(ジュゥフィッシュ)と言われる由縁は側線にあるこの鱗が光の方向によって宝石の様に輝くから。
尻尾に鱗がある魚、オオニベ
それと一番の特徴として尻尾の真ん中に鱗がある事でイシモチやグチと区別がつきます(写真は昨年の魚)。
朝日の中でフライキャスティング
このおじちゃんが魚を釣った事で私のやる気マックス。釣れた時間、潮の程度、ベイト(餌)の塊と種類、水深などなど。これらを考えて、日に2回来るであろう時合いを徹底的に狙うことに。そして翌日は真っ暗な中を延々と砂浜を歩いてポイントへ。そんな時間帯でも他に釣り人はいて、横並びに数時間投げまくったのです。しかしな〜んも無し。一番良いと思う目星をつけた午後の下げはさらにベイトの反応が全くなく、それに総じて釣り人もおらず何も起こりませんでした。
使用したフライの残骸
時は無常にも過ぎて行き、波は最後までおさまる事はなく、フライは高波に揉まれているだけでした。今回使用したフライの残骸。その半分は壊れていて、さらに半分は砂に擦れて針先が甘いもの。爆投は数知れず、今回は外道一匹さえも釣れない本当に筋トレの旅となりました。1月にもう一回行きたいなぁ・・。