渓流釣りの日釣り券(鑑札/入漁証/遊魚料)はどうやって買うの?

私がフライフィッシングを始めて早45年以上の月日が流れました。その当初は釣り計画を立てると大体釣り情報誌を手に漁協へ電話を掛け、どこで券を売っているのかを確認ついでに釣況を聞き出すという買い方。その際に釣り人の手を縛りたい様な大袈裟な情報をくれるのですが、ついその気になって妄想を膨らませたものです。そしてその釣り券を手に入れる先は一般民家である事が多く、恐る恐る朝早くから呼び鈴を押して機嫌の悪いご主人から入漁証を購入したりして一苦労したものが古い記憶。

数年前のいつだったかの事。気持ちがせいてしまい川を見ずにセブンイレブンで入漁証を購入。その際に「今、釣れてますか?」と店員さんに聞いても、釣具屋じゃないから生返事で釣り場マップを渡され自分で確かめてみてください、的にアルバイトくんに接客されました。その足ですぐにポイントへ向かうと増水の泥濁りで釣りどころではなく、入漁証がパァになったなんてのは私には茶飯事のこと。でも最近の釣り券は年々高くなっているので、こんな失態はしたくありませんよね。

前置きが長くなりましたが、昨今の釣り券(入漁証)購入事情はご存じ? 古くから釣りをされている方だと、前述の様に漁協指定の購入場所へ行って購入する人が多い事でしょう。さらにコンビニが掲げる漁協の赤いのぼりを探しまくる人もいるかな?

私は古い人間なのでここに書く購入方法は意外とここ数年で知った事なので、知らない方の為に少し書いてみようかと思った次第です。昔と違って入漁証の購入方法は多様になってきたので、知らない方はその変化についていきましょう。

■漁協指定の販売所で買う:これはネット検索で行きたい川の漁協を見つけて、その販売所を確認する一般的な方法。オヤジの私は昨今の買い方に気づかず、つい最近までやっていた手法です。メリットは人対人なので、直接最近の釣況を聞くことができる事。釣れればまた来てくれるかもしれないので、意外に良いポイントや放流情報を教えれくれます。デメリットは漁協員の一般家庭だったりするので、朝早く行っても対応してくれなかったり、留守だったり。予定通りに事が進まない事が多々あります。

■コンビニで買う:現場近くへ行けば大抵は赤や黄色ののぼりがあるので、そこで買う事ができます。メリットは24時間営業なので、釣りを朝早くからいつでも対応してくれます。デメリットはコンビニの店員さんのほとんどは釣りに無関心なので、缶ジュースを販売するのと同じ感覚なので、何も情報は得られません。また、漁協のHPで記載されたコンビニに行っても、今年はやってないなどと言われ、徒労に終わることもしばしば。

■コンサート感覚でコンビニのチケット販売で買う:最近はコンビニのチケット発券機で簡単に購入出来る事はご存知? この機能については以下の写真で説明しますが、メリットは漁協ののぼりがなくてもどこコンビニでも購入することが可能です。なので、東京で買って栃木県の◯◯川で釣りをするなんてのもできます。場所や枚数、日時指定をして、出てくる紙を持ってレジに行って支払いをすれば、野外フェスのチケットを手に入れるかの様に、入漁証をくれます。デメリットは全ての漁協が対応されていれば良いのですが、登録されている漁協を事前に知っておく必要があります。現在登録されている漁協をここに全て記載しようかと思ったのですが、その登録番号や漁協の内容が日々変わるので、こちらのJTBのページでチェックしてみましょう。

■アプリを使って購入:現地へ行って川を確認し入渓する前に購入することができるのがスマホアプリ。私の知る限り現時点では「フィッシュパス」と「つりチケ」の二つ。メリットは現場で買えるので、川を見て判断し購入出来ること。また、色々な機能がついているので、もしその川が釣れなかったとしても、そこに記載される情報で購入した漁協内の別の川へ移動したり、水位や天候などのチェックができる優れもの。デメリットは全国の漁協が網羅されているわけではない点。電波が届かないと買えません。それに開発半ばだと思われるので、個人的に追加してほしい機能が多々あります(例えば、位置情報はその管轄の購入者全てが見えていれば、入渓時の間隔を取りやすくなるとか)。

とまぁこんな感じです。現在のチケット販売とアプリに関しては以下に写真を少し記載しました。これ以外に購入方法があるかの情報をお待ちの方は教えていただけると幸いです。さて、あなたはこのページを見てどの方法で購入しますか?

鑑札/入漁券
だいぶ処分したけれど、ハーミットに飾ってある入漁証に払った額は安い車が一台買えてしまう額。そんな額を納めているけれど、川を取り巻く自然環境は今も昔も良い方向に向かっているとは思えません。砂防堰堤なんとかならんかなぁ・・。昔の年券はこんな風に木札の漁協が多かったです。
海外の釣り券(入漁証)
海外の場合は一河川で入漁料を収めることは少なく、ほとんどの場合州単位の入漁証。その買い方は様々ですが、書き込む所が多く、住所・電話番号・氏名・生年月日・性別・髪の色・瞳の色・身長・体重などなど。場合によってはパスポートで確認もあります。で、翌年行くとその情報が残っていて、記入しなくても良い場合もあります。フィッシングライセンスの発行のそのほとんどは釣具屋で行います。
JTBレジャーチケット
コンビニでチケットを買う場合の例ですが、これはセブンイレブン。チケットはレジャーチケットか商品番号の直接入力で買えますが、控えてきた番号が変更された為に使えなかったので、レジャーチケットを押して次の画面へ。
JTBレジャーチケット画面
各漁協はその他の項目の最後の方で21〜23ページ目あたりに記載があります。
JTBレジャーチケット
漁協を選択し渓流用の釣り券を押し、使用する年月日や枚数を手順通りに入力すると、レジに持ち込む紙が印刷されます。それを持ってレジへいきましょう。
JTBレジャーチケット
店員さんは慣れておりますので、お支払いを済ませるとコンサートのチケットを手渡すかの様にチケット用の封筒に納めて手渡ししてくれます。
JTBレジャーチケット
これが持ち帰ったいつぞやの一例。細かな注意事項は書いてありませんが、その辺は事前に漁協のページで確認しましょう。ここでは右の欄に氏名住所等を書き忘れましたが、譲渡防止の為に書く様です。
釣り券を購入するアプリ
スマホのアプリは現在フィッシュパスつりチケがあります。現地点ではアプリ内の情報の多さと漁協の扱いの多さではフィッシュパスの方が優位かもしれません。その川の空撮や釣り情報、水位、釣りができる範囲などなど、情報は盛り沢山。フィッシュパスを使うと自分の位置が漁協の人に知らされるので、遠くに離れていても確認できるので漁協の方々にはメリット。この様に両方入れていても、全国全ての漁協は網羅されません。このアプリを見ていると、古い体質の漁協はまだまだこういった新しい波には乗れない様です。
釣り券の話
この入漁証の買い方は統一されてくれれば、釣り人としてはとてもありがたいことですが、そんな日は 訪れるのでしょうか? また、最近の漁協は管理釣り場化している所が多くなっていますが、是非とも自然環境保全や産卵床の保護、釣獲制限などを設け頂きたいと切に願います。

アマゴ(ヤマメ)の盆隠れを体感するシャワークライム

先人達の的を射た格言は、いつも釣り場で思い知らされます。その格言は夏のものが多い気がしますが、「ヤマメの盆隠れ。」以外に「夏ヤマメ、一里一匹。」なんてのもありますな(夏ヤマメは一里歩いて1本釣れる感じで難しいという意)。水温が上がるとそれだけ難しく、またお盆を過ぎるとヤマメはソワソワし始めて、川によっては産卵準備の為にそのボディカラーが少しずつ変化する時期でもあります。

と言う格言は頭に入りつつも、釣りに関して私はいつでもポジティブ。お盆まであと数日先だからまだ釣れるだろうとか、この時期は玄人の釣り場は空いている筈と勝手な推測をしてみたり。もっとも、婚姻色をまとったヤマメは産卵前の大事な時期にいじめているように感じてしまうので、特に色変わりが早いヤマメ釣りは私はやめてしまいます。なので昨日をもって今年のヤマメ(アマゴ)釣りはお終いと決めたので、その締めくくりを何処にするかを悩んだ挙げ句、ヤマメではなくアマゴの川を選択と相成りました。

さっき国土地理院の地図で調べてみたけれど、昨日の釣り場は標高1,200mオーバー。先週よりもプラス200m上に位置する関東圏の渓。この川へは今季2度目ですが、前回は車止めに4WDが多数あったのでパスしましたが今回は無し。むふふ、大物のイレグイか? なんてポジティブな心は大抵帰る頃にはへし折られているものです。

今回の戒め:先人の格言は肝に銘じよ

高巻きにつぐ高巻き
皆さん歩くのはお好きですか? 歩くと言ってもこの時期に良い釣りをしようと思うと、道なき道を進むこと1時間半くらいは掛かってしまいます。今季に鍛えた太ももとふくらはぎをどれだけ鍛え上げたかを試しに行っているようなものです。前回と同様に河原までは15m以上高い場所で、さらに斜度60°位を何度も高巻きしていきます。
パイプ堤防
高巻いた先にはさらに行手をはばかるパイプ堤防。ほったらかしだから砂礫でパンパンになり、その一番上から水がオーバーフローしている状態。そのため飛沫がすごく、ずっとシャワーを浴びている状態。ここの少し前にこの川最大級の大物が肩から出てきて、ビックリ。それもフライをバックリ咥えて猛ダッシュ。そのスピードが早すぎて糸を送ることが出来ず、5Xを簡単にぶっちぎって逃げていきました。いつもながらその日一番の大物がキャッチできない2022年。
関東圏のアマゴ
ようやく歩きがひと段落してロッドを出したら、一投目からこのアマゴ。そして同じポイントからまたすぐに魚が釣れます。ありゃ、この先は入れ食いモードなのかな?
関東圏のアマゴ
今回メインで使ったフライは前日に巻いたアブドメンをコックフェザントテールで巻いた、クリンクハマー。だけど、川には虫っけが全くありません。やっぱり季節がちょっと遅いんだよなぁ。標高が高いので蝉も鳴いてません。
関東圏の渓流
こんな感じの緩いプールには多数のアマゴが並んでいる。それを背後からそっと近づき狙うのだけれど、ドライフライへの反応はとても薄い。魚はなんか戯れあっている様にも見える。
amago
キャストを何度か繰り返し、しつこく流していると喰いついてはくるのだけれど、見えている数に比例しない、喰いっけがないなぁ。
アマゴ釣り
水深はそれほど無くお魚は丸見えなので、そっと近づき流し方を変えながら何回もキャスト。
アマゴ
ここのアマゴは川底の色を映して白っちゃけているが、いつもよりもなんか茶色い。あれ、もうすぐ衣替えなのかしら? そういえばお盆は目の前ですしね。サイズは7寸半〜8寸半といった感じ。
フライフィッシング
お仲間はポジションを変えて狙った魚を見事にゲット。
アマゴ
臀鰭のホワイトティップがとても綺麗な、ここのアマゴの特徴がよく出た個体。
巨岩帯
ちなみにどんな場所で釣りしているかが寄りの写真だとわからないので、巨岩の前に立ってもらいました。この岩はハーミットの床面積よりも大きそうで、そんな岩がゴロゴロとある巨岩帯。途中自分よりも重そうな石が目の前で落石したので、ビビりました。高低差もあり、万が一のことを考えて一人での行動はやめましょう。
巨岩帯
なんか物凄く釣れたように見えますが、僕らからすると見えている魚の量と釣果に差があり過ぎて納得がいきません。一つの淵に20匹ぐらい見えているのですが、その魚全てがドライへの興味を示さず、一度も出ないのです、時間を追うごとに。なのでいっぱい歩いてナンボの釣果になってしまいました。やっぱりお盆が近いのだなぁ。姿を沢山見ているので、盆隠れというよりは盆の食い渋りかな。
釣りの帰り
それでも二人とも納得のいく魚が出たので、ルンルン気分で帰路に。と言いたいところですが、たくさんの高巻きの後は、怖い降りがあるのです。捨てロープは当てにならないので、使用するときはしっかりとチェックが必要。ちなみに写真を撮っている私の背後は谷底で15mほど下に川が通っています。
トラバース
谷のスケールが大き過ぎて写真に写りませんが、この下もかなり下に川が流れています。そんな場所を延々とトラバース。車に着く頃には持って行ったペットボトル3本は全て消費。そしてアマゴの盆隠れを感じた、今年最後のアマゴ釣りとなりました。これから私の釣りは海と湖、そして最後のイワナ釣りへ行くかどうかかな。渓流の季節が残り少なくなってきたので、皆さんも残り少ない夏を満喫してください。

 

猛暑を嫌って避暑地の釣りを探す岩魚釣り

こんなに暑い日が続くとビールを煽ったりアイスを食べて暑気払いする日が多くなる事でしょう。しかし私みたいなアウトドア好きの人が野外で暑気払いなんて言っても、都会ではなんら解決策にはなりませぬ。私の体はヤマメ体質であり、水(空気)の流れを感じて木陰で涼みたいのです。さて今回はどこの渓流へ行こうかなぁ。

一般的に標高が100m上がると外気温は0.6℃下がると言われてます。つまり私の住んでいる場所は標高3mほどしかないので東京の予報が36℃だというのであれば、それよりも気温が低い地方の標高1,000m以上の源流へ逃げ込めば、余裕で25℃台になるというもの。さらに私が目指す源流域は谷間で陽射しは木漏れ日程度。そして8月はゲーターを使ったウェットウェーディング(ウェーダーを履かずの釣り)なので、14〜5℃の渓流に足をつければ暑さなんて何処へやら。もしそれでも暑かったら、釣りの最後は泳いじゃいます(笑)

ということで今回の釣行候補の条件は標高が高く谷深い川、そして天候の三つの条件を満たした場所。しかし昨日の予報はどこの山々も午後は雷様予報。この時期はいつものことなので、朝早くに入渓して雷様到来前に車へ戻るという早上がりかな。なので南アルプス某所は帰りのバスまで行きっぱなしの釣りなので却下。必然的にそれ以外の標高の高い河川となりました。

その川は結構人気のある川で、フライフィッシャーマンとしては陽が少し入り始めた虫が川面を飛び始める時間に釣りがしたいのだけれど、先に一人でも入られてしまうと川通しの為に後追いになってしまう。なので、珍しく早めの出発で現地へ。しかしその甲斐虚しく、すでに地元ナンバーのバンが1台・・。8月は皆さんがお休みに入るので、平日でも先行を死守するのは難しいものです。

今回の教訓:ボンネットを触って暖かいからといって、釣りを諦めずに何か次の手を考えるのが得策

関東の川
到着すれは車止めの前には先行者の車。ボンネットはまだ生あったかい。ここから1時間以上歩いて釣りを開始するのがいつもの釣り方なんですが、先行者のすぐ後ろの釣りになりそうだったので、一番近い入渓点よりも20分ほど歩いた中途半端な位置から入渓することに。いつもより早い入渓なので、まだ薄暗く川には朝霧が立っています。
関東のヤマメ
入渓点の一番近い淵をお仲間に譲り、私は50mほど上の場所から開始。仲間はすぐに次のポイントで9寸サイズのイワナを掛けましたが、木々がルーフのように迫り出し、そこにロッドが引っ掛かり無念のバラシ。私はその様子を見て、この辺から釣れるのだと確信し丁寧に釣りをし、その少し上でヤマメを釣りました。いつもよりもずっと下流から入渓したのでこの辺はヤマメとイワナのどっちも釣れるんです。
新緑の森
真上を向けば、木々の隙間からようやく木漏れ日が差し込んできました。この川は開けた場所が少ないので、ずっと新緑のトンネルの中で釣りをしている感じです。ウェットウェーディングが気持ちイイ。
関東のイワナ
入渓の多い下流部のサイズは6寸半〜8寸程度が中心。このペースだと確信部までは行けないかもなぁ、と思いながらポツポツ釣れるイワナを楽しんでました。
新緑の森
ずっと日陰が続くので長袖一枚の私はむしろ少し寒いくらい。汗などかかずに要所のポイントを見つけては叩きながら釣り上がる。スレッカラシが多いけれど、お魚はそこそこいる川なので、飽きる事がありません。
高巻き
途中に魚止めの滝があるので一旦タックルを畳んで高巻き。斜度は60度以上はあると思うので、遡行は複数人で行い、無理は禁物。
関東のイワナ釣り
先行者はいるかもしれないけれど、どうしても核心部は攻めたかったので、中流部は仲間を釣らせることにし、私は釣りをせず水の無い古い流れの跡を辿りながらひたすら上を目指します。その間にまた高巻きアリ・・。いくつかの藪を越えてようやく上流部に到達し、再度ロッドを組んでフライフィッシング。サイズは少し上がって7寸〜8寸平均のイワナ。
関東の尺イワナ
核心部に到達しましたが、前回よりも水が少なくポイントはさらに砂礫で埋まってました。しかしながらこの川の大物はくるぶしぐらいの浅瀬にいることが多いので心配なし。木が覆い被さる流れの奥の奥へフライをねじ込むと、やっと出ました尺イワナ。ネットの内径が31cmなので32センチ程。今年はこのファーガスのグラスロッドが大活躍してます。
イワナ
私はこの一本で大満足。雲行きも怪しくなってきたので仲間と合流し、上がってきた川原をまた延々と歩いて帰るのでした。釣れない時はその帰り道はとてつもなく長く感じるのですが、今回は二人ともそこそこの釣果でルンルン気分。

ヤマメ好きな私ですが、夏になるとイワナに恋する浮気もの。本当はこれよりも大きいイワナが荒瀬の中から出てきてキャストしたライムトルードを咥えるのかと思ったら、私と目が合いウインクをするかの様にスローモーションで沈んだ事は黙っておきましょう。

♪〜夏の日の恋なんて 幻と笑いながら このひと(岩魚)に賭ける〜♪

家に着くと永ちゃんの『時間よ止まれ』を聴きながらビールで暑気払いしましたとさ。