気がつけばあと10日もすれば全国一般解禁。皆さんの準備はいかが?私はというと全くもって全然ダメダメ。何せ釣りばっかり行っているもので持ち玉のフライを巻く時間が取れず、新製品の入荷やら確定申告の準備やらで全くと言って良いほどタイイングが出来ていません。本当はフライボックスいっぱいに巻いてロッドとリールを綺麗に洗って解禁日を迎えたいけれど、ちょっと無理っぽいかも・・。
現在の私が準備できている事があるとすれば、毎週休みなく釣りへ行っているので釣り感は鈍っていないという点と、キャスティングをし続けているのでコントロールなども安定していることかな。ハーミットへ訪れる皆さんはと言うと、毎年の事ながら2月のキャスティングスクールに集結し、そこで自分のキャスティングをチェックして出掛けるのであります。
先月のブログにはバックキャストの話を書きましたが、今回のアドバイスは先日のキャス連でもお話しした滑らかな加速について書いてみたいと思います。
テーリングループ(フライラインの先端がロードしたライン全体よりも下を通る状態)の主な原因として、ロッドを突き上げてロッド先端の軌跡を凹で動かしてしまう事の他に不自然な加速というのもあげられます。これは所定の場所(例えば時計の10時1時の位置とか)でバシッと止めてください、なんて言うと力んで初速が速すぎてロッドが曲がり過ぎて滑らかに動かないと結果的にロッドティップの移動が凹になってしまいがちに。特に柔らかいロッドだとロッドが大きく曲がり過ぎて直線上に動かない事があります。フライラインの軌跡というのはティップの動きを習って行くので滑らかな加速と直進性がないとラインというのは乱れてしまうのです。
滑らかな加速というのは初速は決して早く無く、徐々に加速することでロッドがムラなく曲がってくれるので、力は徐々に加えて最大の加速でロッドをストップする事で、その時に弾き出される落差がループとなって現れます。でも上手な人のループってなんでカミソリみたいに細いのでしょうか? それはストップ位置は所定の位置でしっかり止めた後にループが大きくならないようにティップの位置を修正しているのです(見た目にはわかりづらい行為です)。フォワードキャストの時にロッドが大きくお辞儀していない様に見えます。初心者はそれを真似て9時の位置まで止めずにロッドをそのまま寝かせてしまう事で、結果的にロッドは曲がらないので力が伝わらず今度は扇状の大きなループになってしまいます。
滑らからな加速は車の加速と同じと言って良いかもしれません。表現として良くはありませんが、教習所で見せられるビデオを思い出してください。加速した車がそのまま壁にぶつかる衝撃がロッドを止める位置で、その時にシートベルトをしていないダミー人形が前へ放り出されるエネルギーがフライラインを飛ばす力です。車はいきなり100キロにはなりません。スポーツカーの加速は高弾性のグラファイトロッド。軽自動車の加速が柔らかいグラスロッドかもしれません。しかし不自然な急加速や加速が滑らかでないのはテーリングの原因になると私は考えています。
やっぱり言葉で書くとわかりづらいかな?さらに言葉だと誤解を生んでいる可能性もあるのでここに書いているものを全てを鵜呑みにせず、周りの意見をたくさん取り入れて自分でわかりやすい解釈を取り入れてみてくださいな。長々と書きましたが、春はもうすぐそこ。出掛ける前にあなたも一度キャスティングを再チェックしてみてください。