フライフィッシングの魅力
フライフィッシングはイギリスで生まれアメリカでスポーツフィッシングとして発展した毛針釣りのこと。トラウト(マス/鱒)を中心とした様々な魚を釣ることができ、その歴史は500年にも及ぶ。生きた餌を使わないのでエサの入手に困ることはなく、ミミズなどの虫が苦手な人でも釣りを楽しむ事ができるのもその魅力の一つである。
日本には古来から「テンカラ」と呼ばれる伝統的な毛針釣りがあるが、糸の重さだけで毛針を飛ばすという点で限りなく似ているといって良いだろう。鳥の羽根や獣の毛を虫に似せて釣り針に巻き止め、魚を騙して食わせる点では全くもってフライフィッシングと同じ。相違点はフライフィッシングはリールに糸をき貯めてあるので、そのラインを繰り出してより遠くの魚が釣れる仕組みになっている。
私がフライフィッシングを始めた当初は「フライフィッシングは海外の釣りだから日本のフィールドには合わない、テンカラの方が理にかなっている。」と唱える先輩が多数いた。しかし現在の様に日本渓流で多くのフライフィッシャーマンが釣りを楽しんでいるのは、日本の釣りに合っており順応している証拠である。テンカラとフライの相違は極めて細かい点の違いだけであり、昨今はどちらの要素も重なり合って毛針は同じで握っている竿が違うという感じになってきていうように私は思える。
もしテンカラよりもフライフィッシングに優れている点があるのだとすれば、それはロッドの長さやラインの太さが多種多様な点ではないだろうか。テンカラはある一定の長さ(約3〜4m)のロッドに少し長めのラインを使うので、狙う距離は9m位までの範囲。それに対してフライフィッシングはおよそ25m以上の糸をリールに収めているので、キャスティング(投げる事)をマスターすればその距離の範囲にいる魚は全て釣る事ができるという事になる。さらにシングルハンドロッド(片手投げの竿)は5フィート(1.5m前後)〜10フィート(約3m)まであるので、小さな狭い空間でも毛針を投げることが可能だし、長いモデルはテンカラと同様の釣り方が楽しめる。