都会っ子の幼少期(今はなき豊島園でのフライフィッシング)

江戸っ子と言った方が聞こえは良いのだけれど、僕らは昭和生まれだから都会っ子と言った方が合っているのかもね。でも途端に『もやしっ子』に思われてしまうのでやっぱり江戸っ子と呼ばれたいのです。

私の実家はハーミットの近所で、遊び場と言えば皇居の外堀が僕らのフィッシングスポット。今だから言えるけれど、そのほかの釣り場は上野公園や東大の三四郎池、そして小石川植物園など、いずれも釣りをしてはいけないので、警備員さんと追いかけっこは茶飯事でした(笑)

そんな悲惨な都内の釣り環境の中、体育の日を境にオープンするのが豊島園のプール釣り堀であり、都会っ子がトラウトに会えるチャンスなのです。当時は流れるプールと波のプールが解放され、某ロッドメーカーの方なんかはロッドを試しぶりにきてたりして。今の方はなんでもかんでもリリースしてますが、当時はそのほとんどの人が魚を持って帰っていましたヨ。ま、管釣りと言ってもプールなので、最後は食べて上げないと無駄死にする事になりますから、それが正解な気がします。

あれから40年以上の月日が経った今でもとしまえんのプール釣り堀は健在なのは皆さんはご存知? 今はエサ釣り池が1番の人気でご家族連れの人で賑わっていますが、フライの人もちょこっと遊ぶにはもってこいの「電車でGO!」できる管釣り。

僕らがこの管釣りを楽しむのはこんな年末が多いかな。晦日はサクッと釣り納めをして午前中に切り上げ、池袋に出て昼呑みするというのが大人っぽいでしょ? 西武線の暖かいシートに揺られて向かう池袋までの間は寝落ちしそうな居心地。そして串焼きを食べてほろ酔い気分の帰宅路で、今年の釣りを振り返るのでした。

天気予報は大外れ? 雨は午後からと言っていたのに着いた途端にかなりの雨に見舞われて、寒さも手伝って釣りを始める前にめげちゃいました。
撮影者なので私は写ってませんが、レインウェアなんて持たずに出てきたので肩口はすでにビチョビチョ。そして投げても投げてもウントもすんとも言わないお魚。ヤベェ、晦日にタコリか?
タコリだけは勘弁なので、流れるプールへ移動しルースニングでトライ。しかし、適当に持ってきた管釣りフライではアタリがほとんど出ず、なんとか2本をキャッチと言う厳しさ。そんな中、爆釣する初心者Mさん。何使ってるの?と聞いたら「紫ですヨ。」とのアドバイス。ベテラン勢はタコリ寸前、しかし初めてまもない彼女は入れ食いとはどういう事?
紫のニンフなんて使う事ないから持ってないよ、と言いつつ念の為ボックスを確認んすると、息子がまだ餓鬼だった頃に巻いた紫の毛玉の様なフライがあった(笑) 試しに投げてみると、ありゃま本当に釣れるじゃありませんか。
その後は初心者Mさんの言う事を聞いて、ベテラン勢はオデコ脱出。いやぁ、ヤバかった。「紫のフライは一杯持っているので、私の使いますか?」と言われたベテラン勢の屈辱感たら、半端ないっす(笑)。ちなみに、イッパイと言われましたが、ボックスに刺さっていたのは2本でした(イチ、ニー、沢山なのか・・(笑)次回は絶対紫を巻いて行こっと。 その後は冷えた体を温める為に池袋で飲んだくれて帰りましたとさ。楽しい晦日。来年もコレで良いかな?