「うぁ水が透明でとても綺麗。でも風が寒いね。」
なんて言った後、彼女は彼氏に抱きつくカップル。
私の後ろでイチャイチャしやがって! なんて羨ましい・・・。
しばらくすると中国の方々らしい集団が来て、
「イーガー ミーリー デ フー。ディアン チェン チー ハンラン。」
(グーグル翻訳で逆引きするとこんな感じで聞こえる)
何を言っているのやら・・。
そして今度は韓国のお方らしき人たち。
「ムォセィ チャブル ス イッセルカ?」
あ、私をそんなに見つめてもそう簡単には釣れませんよ。
そして溶岩隊にはこんな軽装で寒くないの?と言いたくなるヨーロッパ圏の人々。
富士五湖は現在紅葉真っ盛り。日本はどうしてこんな急激にグローバルで多国籍に溢れる国になってしまったのでしょう。ハーミットのある大塚はホテルがたくさんあるので歩いている方の半分は日本人じゃないし、本栖湖観光駐車場にいたっては日本語で喋っている人の方が少ないのではないかと思うくらい。富良野や妙高と同じようにまもなく日本の観光地は全て英語表記で一般言語は英語になり、ラーメン一杯の値段は3,000円に迫るのかもしれない。
そんな釣りに関係のない雑念を振り払うことが出来ず、色々な思考が巡りながらも一本の杭になろうと努力する『河は眠らない/開高 健』信者の私。釣り人は糸を垂れている時間は決して暇ではなく、15分も投げ続けて反応がなければ何が悪いのかと思いを巡らせるのである。糸を細くしてみる、フライを変えてみる、ポイントを少し変えてみる、引き方を変えてみる。一通りの事をやってもダメな時は、前述のように釣り以外の雑念が発動するか、懺悔する禅の世界へと引き込まれていくのである。
時間とは短いものだ。
この繰り返しを何度か行うと17時を伝える町のチャイム音が聞こえてくる。浩庵荘には漁火を思わせるランタンが灯り、竜ヶ岳の上を覆う雲の龍が本栖湖へ舞い降り始める。これが本栖湖終了の合図となる。私の竿に手応えあらず、無事オデコを迎えるのであった。
そんな昨日のお話は以下の通り。お暇な方はご覧ください。