丸沼の船上で五里霧中になってしまったドライフライチャレンジ

このブログ内のタイトルで五里霧中という言葉を使うのは2度目のこと。釣り場は水辺なので霧に包まれてしまうのは頻繁にあることなんですが、今回は行き先が見えないだけではなく釣りの戦法までが迷わされ手探りな状態に陥りました。まぁ先週の野反湖から何も準備せず、簡単に釣れるだろうと高を括っていた私が悪いのです。

天気予報は曇り。片品村は1日を通して外気温が上がらない予報。沼田インターチェンジを経て最近はその道すがらにある「すき家」で朝食を済ませるのだが、それが朝7時半の頃。予報とは違い思っていた以上にここ沼田では雨が降っていた。そこから奥日光へ向かう国道120号線を登り始めると、その雨は霧になり丸沼の湖上は一寸先が見えず霧に包まれていた。外気温は11℃。

丸沼の岸辺には4〜5名のダブルハンドキャスターとルアーマンがいるけれど、湖上は霧に覆われていてどれだけ船が出ているか分からない状態。この季節はいつもならばダムサイト付近が釣れるので、行く手を拒む霧に惑わされないように、岸辺近くを伝ってダムサイトを目指す。かつてハーミットがシーバスガイド船をやっていた頃、こんな霧の状況で船を出した事があるが、マリンコンパスがあるにも関わらず全くどこにいるのか分からず、遠くの大型船が放つ霧笛を聴きながら船を進める恐怖を少し思い出した。

なんとかダムサイトに辿り着くが、湖面にはライズはなく寒くて虫が全く飛んでいない状況。さらには霧は小雨になり5番ロッド一本しか持って来ていないので、沈めてリトリーブする事もできず。仕方なくインジケーターを付けてニンフを沈めると、イワナが掛かったかと思ったらニゴイが釣れる始末。あぁ、まさしく八方塞がりの五里霧中。こんな時、あなただったらどうしますか?

そんな昨日のフライフィッシングは、以下の通り。
帰ろうかと思った午後に一筋の光が見えたのでした。

日光丸沼
丸沼に着いてはみたものの、湖面はこんな状況で全く先が見通せない。うむむ、どうする、私。
丸沼の釣り
丸沼は野反湖よりもやや低い1,400m台。でも先週の野反湖よりも寒い一日。今シーズン初めて背中にホッカイロを貼りました。ボート代¥2,900+入漁料¥2,500を環湖荘に収めていざ出発。
ライフジャケットとオール置き場
湖畔のすぐ左側にワンボックスのバンがあり、この中のオールとライフジャケットを借りて出船します。自前のライフジャケットを持っている人はこのオレンジを切る必要はありません。漕ぐ体力を奪われないように、オールの面が小さいもので長さが短いものを選ぶように私はしています。
タックルは5番ロッド
手漕ぎボートのフライフィッシングは荷物が少なくて良いですね。雨が降った翌日は船に水が貯まっているので、船に積まれた空き缶か柄杓で水を掻き出してから出航しましょう。
霧の丸沼
晴れてきた、と思ったらまたすぐこの後は霧の中・・。湖の真ん中を通って進むと危ないので、国道側の岸辺を確認しながらダムサイトを目指しました。しかし着いてその様子を見るといつもと違い、無の世界。寒く、虫飛ばず、ライズ無く・・。ボート場付近の水温は生暖かく、ダムサイトは水温が2℃以上低い感じ。
ニゴイ様
待てど暮らせど虫は飛ばずライズなし。ただボ〜ッと浮かべても釣れないので、仕方なくインジケーターを付けたニンフフィッシングをする事に。岸際に向かってキャストし、20秒待ってチョコチョコと動かしながら手前に引くと、アタリがありヒット!。尾が切れ込んでいるので岩魚を釣ったと思い喜んでいたら、なんとニゴイ様。引きは楽しいのですがコイ科の魚を狙ってはおりませぬ・。
静まり返る湖面。
寒くて無の世界が続き、さらに追い討ちをかけるように小雨が降り始めた。木々から雨粒が湖面に落ち、そんな状態でお昼を回ってしまった。やることがなく八方塞がり状態。寒さに負けてもう帰ろうかなと思った。そう思った瞬間、雨は止み一瞬温かみがある空気に入れ替わった。それを機に木々から落ちる雨粒に混じってレインボーの鼻面が顔を出す。待ってましたとすかさずキャスト。
丸沼のレインボートラウト
前回の野反湖で活躍したフライングアントをキャストすればすぐに出たこの一尾。レッドバンドの50センチ台はもの凄く引きました。ただ、暗さのせいでカメラのファインダーを覗かず(偏光レンズをかけていると見えないので)適当に写真を撮ったので、魚の写真が全てちょん切れて写ってました。
丸沼のフライフィッシング
それからは怒涛のラッシュ。上記の魚をリリースした後は木から垂れる雫と一緒に落ちる昆虫を食べているようで、あちらこちらにライズする魚たち。慌ててキャストを繰り返す私。時に余裕をこいてこんな写真を撮っていたりしたものだから、バラしたり。この魔法のような時間は30分だけ続き、その間に4発掛けて2キャッチ。
レインボートラウト
その後は木々から落ちる雫が無くなると徘徊するレインボーは沈んでしまい、また静かになってしまった。それでも木々の下へ深くフライを捩じ込むとレインボーは時々掛かってくれて、結果5本のレインボーをキャッチ。それも全部50センチ前後で毎回リールファイトを楽しみランディングしたので、大尻沼並みに楽しいひと時でした。
フライングアント
使ったフライはこのフライングアント11番一本のみ。前回の野反湖で使ったフライをそのまま使ったので、コレ一本でどれだけのレンボーをキャッチしたことか。この流れで本栖湖でもこのフライを浮かべてみようかな。
ドライフライフィッシング
今回釣れたいくつかの要素は、(垂れる木・そこから落ちる雫・フライをキャストしにくい奥・風があたる面)でした。午前中は半ば諦めていましたが、午後に釣れた一本の後はその状況を一気に解決でき、釣果へと結びついたのでありました。
丸沼のフライフィッシング
いつもだったら時間いっぱい最後まで楽しむのですが、とても寒いのと左手を捻ってオールが漕ぎづらくなってしまったので、15時で上がりました。丸沼は11月末日まで開いているので、これからも良い日にあたればドライフライフィッシングを楽しめます。もちろん引っ張りやインジケーターのフライフィッシングでも釣れます。紅葉シーズンのこの時期にのんびりと景色を見ながら、この丸沼でフライフィッシングはいかがですか? さて私の来週は海の予定なのですが、お天気がちょっと心配になってきました・・。

 

投稿者:

Hermit55

ハーミット店主の釣行記やよもやま話です。 お店にいる時間の方が長いので、釣りよりも店の話の方が多いかもしれません。漢字変換ミスが多々ありますが、見つけならが直しますので、ご勘弁を。