スコットの歴史遺産

先週のライブ配信用にコレクターの方からお借りしたスコット リール。かなり珍しい物だとわかったのは、このリールの事をいくら調べてもネット上に写真はおろかその情報もなかったので、その経緯がわかりません。なので歴史遺産として写真でも撮って残しておこうと思った次第です。

ちなみに私はビンテージタックルには全く興味が無く、自分で持っている古いものは今でも使っている物がほとんど。その手元に残っている物は学生時代にお金を貯めてようやく買った品物か、大物の思い出が詰まった物達です。なので個人的歴史価値はあるものの、陳腐な物ばかりで売れる物なんてな〜んもありません。

そうそう、一番古いものは多分小学校時代に買ったガルシアロッド2132Aかな? 私はこのロッドしか渓流用ルアーロッドはなく今でも現役で使っている、自分が凝らない所はお金を掛けないビンボー症でゴザイマス。

話は逸れちゃいましたが、このリールの構造は見所が結構あるので、お暇な方は是非ご覧くださいまし。内容は私の憶測ですので、鵜呑みにしないでくださいね。

Scott POWR-PLY Reel
そもそもスコットがリールを作った事があるというのが、私にとっては衝撃の事実。ウィンストン なんかもありますが、ハーディやサラシオーネのOEMだったりだけれど、このリールはもしかして本当にガレージで作った手作り?その経緯を知らないので、知っている方は是非教えてくださいまし。ちなみに外から見た構造はフルーガーと同じ。鉄板を支柱で止めるという方法でボディが構成されています。ドラッグは反転時にドラッグノブはストップします。ちなみにこのリール左巻き専用機みたい。
Scott POWR-PLY Reel
とても複雑な構造になっていて、スプールリリースは背面にあります。それも外れるのはセンターシャフトとドラッグ心臓部が外れ、続いてスプールを外す、と言った具合。ちなみに初期によく使われていた「パワープライ」という言葉がありますが、実はこのリールの名前だということを、持ち主にお聞きしました。
Scott POWR-PLY Reel
ドラッグは複雑な構造になっていて、ドラッグ機能は真鍮の多板式。表面からSCOTT &1と書いたドラッグノブを回す事でドラッグが締まります。この部分だけ外してもスプールは外れません。
Scott POWR-PLY Reel
背面のスプールリリースで外すと3分割になります。見えているベアリングはビンテージ感が凄い。そしてクラッチは外したセンターシャフトが残っているメイン部分と噛み合って掛かる仕組みでとても複雑。なので一旦シャフトを外すとどうやって戻すのかに、とても悩んでしまいました。
Scott POWR-PLY Rod
こちらは1975年に初めてスコットが作ったグラファイトロッド。当時はサンフランシスコで作られていました。
Scott POWR-PLY Rod
ロッドのスペックは9フィート4番2ピース。まず持った時に驚いたのは、9フィートという長さにも関わらず、めちゃくちゃ軽いという事。現在のロッドと遜色ないくらいメチャ軽いです。強いていうなら昔のロッドなので、キャスティング時のロッドストップ時にロッドのバイブレーションが残り、美しいループを作り出すには投げ手側スキル次第といった所。
Scott POWR-PLY Rod
リールシートはコルクフィラー、ダウンロックスライドバンド。昔はプレスされたアルミのリングが多く、フェンウィックやブローニングなどもアルミでしたね。
Scott POWR-PLY Rod
スレッドワークがとても綺麗なので、こちらはレストアされた物だと思います。書き文字は当時オレンジカラーだったのですね。なので、ティップ側が赤になっているのは新たに書き直されたのだと思います(シリアルナンバーなのでモザイクかけました)。
ストリッピングガイドはオリジナルなのかな?スネークガイドは新しいもののような気がします。
1975年製なので、スピコッドは余裕がないのかと思いましたが、そんな事ありませんでした。振り返って、今回お借りしたこのロッドの軽さは衝撃的でした。そしてスコットリールの存在も何人が知っていたのでしょう。フラフィッシングの世界はまだまだ私の知らない事だらけ。これからも精進いたします。

投稿者:

Hermit55

ハーミット店主の釣行記やよもやま話です。 お店にいる時間の方が長いので、釣りよりも店の話の方が多いかもしれません。漢字変換ミスが多々ありますが、見つけならが直しますので、ご勘弁を。