フライフィッシングをやってみて思う事、それは物作りが好きな集団だという事。かなりイっちゃった人だと竿やリール、ネットも作り、フライラインまで作ってしまい、あと作ってないのはフライフックだけ、みたいな人もいるんですよ。
流石にそこまでする人はごく一部ですが、この釣りで誰でも簡単に作れるものは、ご存知の毛ばりを巻くフライタイイング。海外はコマーシャルフライ(完成品フライ)のスペースがお店の半分近くを占有するのとは反比例して、日本のショップはマテリアルの売り場が全体の半分近くを占めています。それだけフライフィッシャーマンは物を作るのが好きな人種だという証拠です。
最近はその様相が少しずつ変わり始めていて、一昔前ならばこの釣りを始めて一年もすると大抵の方はタイイングを始めるのですが、最近はそうでもありません(この話前にもしましたね)。もしくは始めても書いてあるレシピ通りの材料が揃わないので巻けないじゃないか、とイライラを募らせるお客様もいらっしゃいます。
最もメーカーさんは自分のところのマテリアルを買ってもらわないと商売にならないから、やたらと長い名前を付けてそれを売るわけですが、それじゃないと釣れないってことはありませんのでご心配なく。というか、そこは似たような素材を探して自分で試すという方法を取ってみるのが良いと私は思います。魚はそのマテリアルのブランドを見て食いつくわけじゃないので、ソックリに作る必要なんて全くないんです。貴方の創造力は時として爆釣になるかもしれませんよ。
フライタイイングを始めると大体最初は真似から始めます。今の時代はYoutubeやタイイング・ブログを参考にできるので、簡単に模倣することができますね。その時期が過ぎると自分のアレンジが始まり、尻尾の色を変えてみたり素材を変えてみたり。やがてリアルさに走り凝ったフライを作りたくなるんです。大体その時期がタイイング2〜3年生。
その凝ったフライは勿論釣れるんですが、タイイングの効率さ(生産性)を考え始めて「よりシンプルで釣れるもの」を模索し始めます。最終的に行き着くのが、「やっぱり昔からあるフライパターンってシンプルでいて作りやすく、それでいて釣れるんだなぁ。」と思うのに約10年掛かります(笑)。でもその10年期間に色々なフライを創り出し、失敗と成功のとても充実して楽しい10年なんですよ。これがフライタイイングの楽しさです。
話が長くなっちゃうので、タイイングのよもやま話しの続きはまた今度。さて、フライを巻こっと。